チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第四章~内務~

妊娠、そして結婚へ6

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その結果、家康から直々に名を賜り、岡崎涼久と言う名を名乗ることになった。

「涼久、良い名をつけて頂きましてまことにありがとうございます。」

「うむ。これからも徳川のためにその商いの力を活かしてくれ。」

「はっ。」

「涼久殿、これは私からお祝いの品です。」

刹那はそう言うと天眼鏡、今で言う望遠鏡を涼久に渡した。

「これほど高価な物を刹那様よりいただけるとは。まことにありがとうございます。」

岡崎屋は日の本一の豪商となっており、そのきっかけを作ってくれた刹那と家康には返しきれないほどの恩があると感じていたため、徳川家との商いではほかの大名家よりも1割ほど安く商いをしていた。

そこから刹那は3年をかけて領内すべての公共事業、名産品の作成、教育制度の更なる見直し、福祉制度の確立、また、軍事面での強化など思い当たるすべてのことに精力的に取り組んだ。
この政策の数々に当初は疑問を覚えていた諸将も刹那の必死な説得とその成果を見るうちに次第に協力的になり、最後には徳川家に属する者すべてが尽力した。

この領民のために力を尽くしている家康に対して帝は正三位の下、【参議】の位を与えた。
また、家康に同行して刹那にも従五位の上【伊勢守】の位を与えられた。

さすがの刹那も帝の前で断ることは出来ずにこの叙任を受け入れた。

この頃、信長は従四位の下【弾上大弼】だったため、家康のほうが位が上となり、内外に家康が戦国一の大名だと知れ渡るようになった。

また、その3年の間におとわは二人の子を産み、空には弟の虎次郎と妹の唯ができたのである。

「殿、なぜに私にも斜任のお話があったことを教えてくださらなかったのですか。」

「教えればお主のことだ。断るであろう?それを防ぐためだ。それに丹波も半蔵も、そして左近も知っておったようだぞ?」

家康はそう言いながらニヤリとした笑みを浮かべていた。
それを見た刹那は皆にはめられたと頭を抱えるのであった。

京からの帰り道、家康と刹那を忍びを使って守っていた半蔵に小言を漏らした後、朝廷に名産品の詰め合わせや帝が気に入っている紅茶のセットを献上するようにと左近に伝えるように命じた。

帰った刹那が左近に小言を散々言ったのは言うまでもない。

しかし、そんな良いニュースだけが続くわけもなく、刹那の元に悪い知らせが甲斐より届くことになった。

【武田信玄が倒れた】と言う知らせであった。

刹那は急ぎ伊勢より馬に乗り甲斐へと向かった。

「おかしいっ、信玄公がなくなるにはまだ早すぎるはずだっ。タイムパラドックスがこのような形で起きるとはっ。」

刹那もタイムパラドックスが起きないとは思っていなかったが、まさか、信玄の死が早まると言う形だとは思わなかった。

馬を走らせること数日、街道整備を整えていたことで、刹那は予定よりも短い時間で甲斐に着くことができた。
刹那は親戚であることもありすぐに床に伏せる信玄に会うことができた。

「信玄公。」

信玄の弱りようにさすがの刹那も言葉が詰まった。

「おお、刹那殿か。遠いところをわざわざすまんな。わしもさすがに歳には勝てんようだ。」

「信玄公、まだ、まだ死んではなりません。直虎と松の子を、あなたの孫をまだ見てはおらぬではないですか。直虎と松の婚礼の儀の折にあなたは二人の子を抱くまで死ぬわけにはいなぬな。と笑って言っていたではないですか!!」

「そうじゃな。そればかりは悔しいものだ。武田の当主は嫡男の義信が家臣の意見をよう聞きやっておるから大事無いであろう。だが、松の子が見たかったわ。」

そう涙を浮かべながら遠くを見る信玄を見て刹那は

「信玄公、もし、生き長らえることができるとしたら私の元に来てはいただけませんか?」

「そうじゃのー、もし、まだ命があるのであれば、刹那殿の元に行き、松のそばにも居てやれ、お主がどのようにこれから日の本を変えていくのか見ることができたであろうから面白いだろうがな。それもやってみたかったわ。」

そう言う信玄に刹那は懐から一つの丸薬を取り出した。

「もし、生き長らえて私の元に来ていただけるのであれば、これを飲んで頂きたい。」

「これはなんじゃ?ただの丸薬のようにしか見えぬが。」

「これはどんな不治の病も一度だけ回復させることができる万能薬です。わたしだけが作ることができるものです。私は信玄公にまだ生きて力を貸していただきたいと思っております。これを飲み、どうか私の手助けをしてはいただけないでしょうか。」

刹那は神からもらった力で創造した万能薬を信玄の前に突き出し頭を下げた。

「話はわかった。刹那殿。これよりわしは、武田を出てお主の家臣となろうぞ。」

信玄はそう言うと刹那の手から丸薬を取り飲んだ。

丸薬を飲んだ信玄はみるみるうちに回復し、1週間後には元の元気な信玄に戻った。
しかし、信玄は自分を死んだこととし、葬儀を行った。
これにより世間では甲斐の虎、武田信玄は死んだことになり、本格的に武田は義信が当主となった。

当の本人である信玄は後処理を終えると密かに伊勢へと訪れた。
信玄が本当は生きていることを知っているのは四男の諏訪家を継いだ勝頼と真田幸隆。そして徳川家の重臣、神威家の面々だけであった。

「甲斐の虎と呼ばれたこの武田信玄、今日より神威刹那殿の配下となり、お仕え致します。老骨ではありますが、どうぞよしなに。」

「信玄公、よくおいでくださりました。心より歓迎致します。」

「では、殿、武田信玄は死にもうした。つきましては殿に新たな名をつけていただきとうございます。」

信玄の願いを聞いた刹那は

「わかりました。では、今日よりは名を信濃 海玄と名乗るが良い。」

「はっ、ありがたき幸せにございます。」

こうして武田信玄は名を信濃海玄と変え刹那に仕えることになった。
また、信玄が刹那の元に行くと聞いた幸隆もついて行く言い、真田家の家督を嫡男信綱に譲り一緒に伊勢へと来てしまった。
信綱からも「父のことをよしなにお願い致します。」と書状が来てしまったため迎え入れることにした。

海玄と幸隆が配下に加わったことにより、左近の仕事量が減り、左近と茶を楽しむ時間が増えていった。

また、刹那は直虎にも様々な仕事を任せるようになり若者の育成に精を出すことにした。
この頃になると神威塾の一期生達である石田三成、藤堂高虎や刹那がスカウトした大谷吉継、蒲生氏郷などが直虎の側近として仕えるようになり、そこを取りまとめる役に真田昌幸が着く形ができた。
直政にはそれまで直親が行っていた一門衆のまとめ役を任せ、直虎の良き相談相手になってもらっていた。
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