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第四章~内務~
妊娠、そして結婚へ5
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「そうか。母上と同じくらいか。」
「はいっ。」
「では、明日も話をする時間をもらえるように信玄公にお願いしてやろう。お前が気に入れば嫁にもらえるようにな。」
「ありがとうございます父上。」
そう言って直虎は部屋を出ていき、刹那も寝屋に行くことにした。
「あなた、直虎はなんと?」
「あぁ。どうやら松姫のことを気に入っているようだよ。あんなに話してみたいと思ったのは母上の時以来だと言っていたからね。」
「まぁ。」
おとわはそれを聞いて嬉しそうに微笑んだ。
「これでうまくいけば直虎も好きな女子と結ばれるということになるかな。俺がおとわを嫁にしたようにね。」
「そうですね。私もあなたが私を妻にしてくれた時はとても嬉しかったですもの。」
「政略結婚が戦国の世では当たり前となっているが、やはり好きな者とくっつくのが一番良いからね。」
翌日、信玄が甲斐に帰ることになり、その前にと二人で話し合うことになった。
「すっかり世話になってしまってすまなかったな。」
「いえ、信玄公がいらっしゃってくだされば、ますます徳川と武田の絆が深いことを内外に広めることになりますので、いつでもお越しくださいませ。」
「ありがたい。して、松のことなんじゃがな。昨晩、話を聞いたらどうやら直虎殿のことを気に入ったようなのだ。そこで、直虎殿が良ければ、まだ嫁にする必要はないゆえ、ここにおいてやってはくれないだろうか?」
信玄はそういうと刹那に向かって頭を下げた。
「しっ、信玄公、頭をお上げください。武田の棟梁が同盟国の家臣に頭を下げてはなりませぬ。」
「娘の幸せのためならわしが頭を下げることなど安いことだ。どうか。」
「わっ、わかりました。松姫様のことはお預かり致します。」
「そうか。忝ない。」
こうして信玄と幸隆は松姫おいて甲斐へと帰って行ったのだった。
この時代には珍しい婚前同居が行われることになった。
刹那は霧山御所内に松姫の部屋を設けそこで生活をしてもらうことにした。
武田の姫に無礼があっては徳川と武田の間に遺恨を残しかねないと色々危惧をした刹那であったが、おとわ曰く松姫は直虎と一緒にいることにおおいに喜びを感じており、終始笑顔でいるとのことだった。
直虎が松姫とのことに浮かれて武芸などに身が入らなくなるのではないかと刹那は心配していたが、左近などは「殿のお子なのですからなんの問題もないでしょう。」とあっさりとしたものであった。
刹那のこの心配ぶりを見た家臣達は刹那の親バカぶりに笑っていた。
松姫が霧山御所で生活をするようになってから3ヶ月ほどが経ったある日、刹那がいつものように政務に取り組んでいるとそこに直虎がやってきた。
「父上、今お時間よろしいでしょうか。」
「直虎か、いかがした。」
「松姫のことにございます。」
「松姫がいかがした。」
「実は・・・・・。私は松姫を妻にしとうございます!!」
直虎は刹那の目を見てハッキリとそう言った。
「そうか。お前がそう決めたのだな。」
「はいっ。」
「わかった。お前が松姫を好いているのは見ていてよくわかった。信玄公にはわしから伝えておこう。」
「ありがとうございます。父上。」
「直虎、これだけは覚えておけ好いた女子を妻にするのだ。その妻を悲しませるようなことをしてはいかんぞ。良いな?」
「はいっ。肝に銘じておきます。」
直虎が松姫との結婚を決めたことがすぐに信玄と家康の元に知らせられた。
松姫は嫁入りの用意をするべく一度甲斐に戻って行った。
それからひと月後に婚礼の儀は行われ、無事に直虎と松姫は夫婦となった。
これにより、刹那と信玄は親戚になり、前よりも頻繁に信玄は伊勢へ来るようになった。
神威家と武田家が親戚になったことで、徳川は織田と武田と婚姻関係となり、主立って徳川に敵意を示す諸勢力はいなくなった。
この平和な時期を逃さないようにと刹那は徳川領内すべてで公共事業を盛大に執り行い、街道整備をして都市部と地方の村との交通の不便さを解消しどこに住んでいても不平等ができるかぎり起こらないよう改革を進めた。また、地方の特産を作るように奨励し、その地域、その地域にあったものを提案、または種を提供するなどして、地方活性化に拍車をかけた。
また、神威水軍には琉球や明、朝鮮、天竺など、様々な場所との交易を行わせ、商売に関しては岡崎屋を徳川の傘下としその元で海外交易も行わせた。岡崎屋の店主も店の繁盛を大きく喜び全面的に徳川の指示に従った。
「はいっ。」
「では、明日も話をする時間をもらえるように信玄公にお願いしてやろう。お前が気に入れば嫁にもらえるようにな。」
「ありがとうございます父上。」
そう言って直虎は部屋を出ていき、刹那も寝屋に行くことにした。
「あなた、直虎はなんと?」
「あぁ。どうやら松姫のことを気に入っているようだよ。あんなに話してみたいと思ったのは母上の時以来だと言っていたからね。」
「まぁ。」
おとわはそれを聞いて嬉しそうに微笑んだ。
「これでうまくいけば直虎も好きな女子と結ばれるということになるかな。俺がおとわを嫁にしたようにね。」
「そうですね。私もあなたが私を妻にしてくれた時はとても嬉しかったですもの。」
「政略結婚が戦国の世では当たり前となっているが、やはり好きな者とくっつくのが一番良いからね。」
翌日、信玄が甲斐に帰ることになり、その前にと二人で話し合うことになった。
「すっかり世話になってしまってすまなかったな。」
「いえ、信玄公がいらっしゃってくだされば、ますます徳川と武田の絆が深いことを内外に広めることになりますので、いつでもお越しくださいませ。」
「ありがたい。して、松のことなんじゃがな。昨晩、話を聞いたらどうやら直虎殿のことを気に入ったようなのだ。そこで、直虎殿が良ければ、まだ嫁にする必要はないゆえ、ここにおいてやってはくれないだろうか?」
信玄はそういうと刹那に向かって頭を下げた。
「しっ、信玄公、頭をお上げください。武田の棟梁が同盟国の家臣に頭を下げてはなりませぬ。」
「娘の幸せのためならわしが頭を下げることなど安いことだ。どうか。」
「わっ、わかりました。松姫様のことはお預かり致します。」
「そうか。忝ない。」
こうして信玄と幸隆は松姫おいて甲斐へと帰って行ったのだった。
この時代には珍しい婚前同居が行われることになった。
刹那は霧山御所内に松姫の部屋を設けそこで生活をしてもらうことにした。
武田の姫に無礼があっては徳川と武田の間に遺恨を残しかねないと色々危惧をした刹那であったが、おとわ曰く松姫は直虎と一緒にいることにおおいに喜びを感じており、終始笑顔でいるとのことだった。
直虎が松姫とのことに浮かれて武芸などに身が入らなくなるのではないかと刹那は心配していたが、左近などは「殿のお子なのですからなんの問題もないでしょう。」とあっさりとしたものであった。
刹那のこの心配ぶりを見た家臣達は刹那の親バカぶりに笑っていた。
松姫が霧山御所で生活をするようになってから3ヶ月ほどが経ったある日、刹那がいつものように政務に取り組んでいるとそこに直虎がやってきた。
「父上、今お時間よろしいでしょうか。」
「直虎か、いかがした。」
「松姫のことにございます。」
「松姫がいかがした。」
「実は・・・・・。私は松姫を妻にしとうございます!!」
直虎は刹那の目を見てハッキリとそう言った。
「そうか。お前がそう決めたのだな。」
「はいっ。」
「わかった。お前が松姫を好いているのは見ていてよくわかった。信玄公にはわしから伝えておこう。」
「ありがとうございます。父上。」
「直虎、これだけは覚えておけ好いた女子を妻にするのだ。その妻を悲しませるようなことをしてはいかんぞ。良いな?」
「はいっ。肝に銘じておきます。」
直虎が松姫との結婚を決めたことがすぐに信玄と家康の元に知らせられた。
松姫は嫁入りの用意をするべく一度甲斐に戻って行った。
それからひと月後に婚礼の儀は行われ、無事に直虎と松姫は夫婦となった。
これにより、刹那と信玄は親戚になり、前よりも頻繁に信玄は伊勢へ来るようになった。
神威家と武田家が親戚になったことで、徳川は織田と武田と婚姻関係となり、主立って徳川に敵意を示す諸勢力はいなくなった。
この平和な時期を逃さないようにと刹那は徳川領内すべてで公共事業を盛大に執り行い、街道整備をして都市部と地方の村との交通の不便さを解消しどこに住んでいても不平等ができるかぎり起こらないよう改革を進めた。また、地方の特産を作るように奨励し、その地域、その地域にあったものを提案、または種を提供するなどして、地方活性化に拍車をかけた。
また、神威水軍には琉球や明、朝鮮、天竺など、様々な場所との交易を行わせ、商売に関しては岡崎屋を徳川の傘下としその元で海外交易も行わせた。岡崎屋の店主も店の繁盛を大きく喜び全面的に徳川の指示に従った。
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