チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第七章~織田家崩壊~

家中不和3

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信孝がそう言うと伝令が清洲へやってきた。

「急ぎ柴田様にご報告があり、失礼致します。」

「かまわぬ。そのまま申せ。」

「はっ!!先ほど、安土にいた兵より報告があり、羽柴軍3万が安土城へと入城した模様だとのことにございます。」

「やはりか。」

「猿のやつ。」

「勝家よ、お前の陣営の諸将が動かせる兵はどれほどおる。」

「私の兵が1万5000、佐々成政が5000、前田利家が3000、滝川一益が8000と言ったところでしょうか。」

「総勢3万1000の兵力か。師匠からお借りした兵を合わせても3万4000猿のその3万は猿陣営の諸将のすべてではないであろうな。これではこちらの負けは目にみえておるな。」

「せめて、せめて三法師様さえこちらにおられれば。」

一方、三法師の身柄を手に入れることに成功した秀吉は姫路城にて喜びをかみしめていた。

「やったぞ官兵衛!!ついに三法師様を手に入れた。これで織田家の実権はわしのもんじゃ!!」

「おめでとうございます秀吉様。」

「安土へは兵を3万入れた。これで勝家も迂闊にこちらへ攻めることはできまい。」

「この後は秀吉様にも姫路より安土へと向かっていただき、そのまま岐阜、清洲も手中に治めましょう。」

「そうだな。官兵衛よ、安土へ着いたら諸将の兵と共に小谷城を落とすか。」

秀吉がニヤリとしながらそう官兵衛に言うと官兵衛は、

「秀吉様、それはなりませぬ。今小谷を攻めるは悪手にございます。」

とその意見を真っ向から否定した。

「小谷の兵力は多くとも3000ほどなはずだ。それなのにも関わらず小谷には手を出してはならんと申すか。」

「はい。相手が3000ほどでも小谷には手を出すべきではございません。」

「ならばその理由を申してみよ。」

「それは小谷を守るのが徳川一門衆の徳川康元だからでございます。」

「康元はそれほど優れた武将ではないと聞いているが。」

「はい。康元を恐れる必要なありません。しかし、一門衆であるが故に手を出してはならないのです。」

秀吉には官兵衛が言いたいことがイマイチ理解できなかった。

「神威だけを敵にするならば今の状況ならなんとかなるでしょう。しかし、徳川家を相手にするとなるとまだまだ我らの戦力が足りないのです。」

「神威家を敵にできるなら徳川になろうが問題はなかろう。」

「殿、徳川は神威刹那に隠れてはおりますが、優れた武将が多くおります。猛将で知られる本多忠勝、榊原康政。ほかにも知将の酒井忠次、本多正信など武にも知にも優れた武将がおります。それに比べ我らの将の質は大きく劣ります。その状態で兵も我らよりも多い徳川を相手にするのは宜しからず。」

官兵衛の必死の意見に秀吉はこれ以上小谷への攻撃をしたいということはできなかった。

「わかった。小谷への手出しはせん。安土に入った後には岐阜へ向かうこととする。それで良いであろう?」

「はい。それがよろしいと存じます。」

こうして秀吉が小谷に手を出すことはなく、おとなしく安土へと向かうのであった。

「そうか、秀吉殿は安土にはいられたか。して、小谷への動きはありそうか。」

「いえ、秀吉殿は小谷への攻撃をしたがっておる様子ですが、それを軍師、黒田官兵衛が止めたようにございます。」

「ふっ、さすがは黒田官兵衛だな。半蔵、引き続き秀吉殿の行動には注意しておけ。」

「はっ。」

霧山御所にて半蔵から秀吉の行動を聞いた刹那はまた自分の仕事に戻るのであった。

「秀吉殿、我らへの攻撃がない間は徳川は動きませぬが、私も人の子です。教え子である信孝に万が一のことがあれば神威家は動くかもしれませんよ。」

そう不敵な笑みを浮かべながら誰にも伝えるわけでもない言葉を安土の方角を見ながらつぶやくように話す刹那であった。

秀吉が安土に入った頃、清洲の信孝は柴田陣営の武将へ招集をかけていた。

「皆、こたびはよく集まってくれた。」

「はっ、我ら、信孝様の命とあればいつ何時でも馳せ参じる覚悟にございます。」

「成政、その言葉嬉しく思うぞ。」

「はっ。」

信孝を上座に、勝家、成政、一益、盛政、利家が一堂に会した。

「織田家の現当主である三法師は有楽斎の裏切りで秀吉に身柄を渡してしまった。しかし、秀吉は利用価値のある間は三法師は殺しはしまい。まずはこれからどう動くかを決めたいと思うが、なにか意見のある者はおるか?」

「申し上げます。信孝様の師である神威殿に助力を願い出てはいかがでございましょうか。」

一益がそう進言した。
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