チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第八章~男、信孝~

師弟の絆2

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「では、見合いを始めますか。」

刹那がそう言うと四名は向かい合う形で座り直した。

「神威家家臣、信濃海玄が四女、菊と申します。」

と相手である菊が先に挨拶をした。

「あっ、織田家当主、織田信孝です。」

そこから見合いは順調に進んだ。

「では、そろそろ私たちは席を離しましょうか。」

「そうですな。殿、久々に茶などいかがかな。」

「ええ、喜んで。」

「では、信孝、菊。後は二人でな。」

そう言うと刹那は海玄と二人で部屋を後にした。
残された二人は最初は沈黙していたが、段々と話を進めていった。

そして見合いは夕餉と同時に終了となった。

刹那は信孝と二人で夕餉を取っていた。

「菊はどうでしたか?」

「はい。とても素敵な女子だと思いました。」

「そうですか。気に入りましたか。」

「はい。とても。女子にこのように心が揺らいだのは初めてでございます。」

「ふふ、それはよかった。私もおとわと出会った時のことを思い出しますよ。」

「師匠が奥方様とでございますか。」

「ええ。」

刹那はそう言うと信孝におとわとの出会いからの話を聞かせてやった。

「師匠にもそのような時期があったのですね。」

「ええ。今でこそ家康様にここまでの地位にしていただきましたけどね。」

「なんだか、羨ましいです。」

そう口にした信孝を見て刹那は、

「そう思うなら菊を落とすしかあるまい。私は政略結婚が嫌いです。お前がそのつもりでも菊が嫌と言えばこの見合いはなかったことにしますからね。」

「はっはいっ!!」

そこから信孝は刹那からの師事、領地の統治に加えて菊の攻略へと邁進した。

信孝は菊が海玄と共に伊勢へ戻る日には時間を作り見送りをし、その後からは菊との文のやり取りを始めた。

一方、菊のほうは

「はぁ。信孝様。。。」

「お菊様。どうなされました?」

部屋で庭を見ながら黄昏ていた菊に侍女が話しかけた。

「えっ、あっ、なんでもありません。」

「ふふふ、織田家のご当主様のことをお考えだったのですか?」

「おっ、おみつ。」

菊付きの侍女、おみつがそう言うと菊は顔を赤らめながら否定した。

「お父上様から見合いに行くと言われた時はあれほど嫌そうな顔をしておりましたのに。いざお見合いをした後からはそのようにぼーっとなさるように。」

「そっ、そんなことありません。」

「お隠しになってもおみつにはすぐにわかります。」

「おみつ・・・。」

「織田家ご当主様がお好きになられたのですね。」

おみつがそう言うと菊は小さく頷いた。

「ですが、信孝様は織田家のご当主。私は徳川家の陪臣の娘です。身分が合いません。」

「なにを申されますか。それでも武田家の姫ですかっ!!」

「そっ、それは昔の話です。」

「いいえ、あなた様は名門武田家の姫様にございます。もう少し自信をお持ちになりなさいませ。」

そう二人が話しているとほかの侍女がやってきて、

「お菊様。直虎様、松様がいらっしゃいました。」

菊の妹である松とその夫である神威家次期当主の直虎がやってきた。

「義姉上、失礼します。」

「姉上、遊びに参りましたわ。」

「松、直虎殿。」

「義姉上が父上の勧めで信孝殿と見合いをしたと聞きましてやってまいりました。」

「それで、どうでしたの織田家のご当主殿は?」

松が我慢がならないといった感じで前のめりになり菊に質問した。

「えっ、ええ。とても素敵な方でしたよ。」

菊は顔を赤らめながらもそう答えた。

それを見た二人は顔を見合わせ笑顔になった。

「良かった。姉上にも素敵な人ができたみたいで。」

「えっ?」

松の笑顔に驚いた菊は直虎の顔を見た。

「松がずっと心配していたのですよ。義姉上に素敵な人が早く現れないだろうかとね。」

「なっ、直虎様っ!!」

「本当のことだろ?松はよく義姉上の話をしていたじゃないか。」

「だっ、だって。姉上よりも私が先に嫁に行くことになって。残された娘は菊姉上だけだったからせめて素敵な殿方とって思ったんですもの。」

「松。」

松の可愛らしい反応に菊の表情も優しい姉の顔になる。

「ありがとうね。松。」

姉妹のやり取りをみて微笑ましく思う直虎。
それを後ろから見るおみつ
柔らかい雰囲気が広がっていた。

「それで、姉上はいつ嫁ぐのですか?」

「そっ、それは。」

「まだ、正式に婚約は交わされていないのです。」

後ろからおみつがそう伝えた。

「まだなのですか?」

その発言に松は驚いた。

「だって、一度お見合いをしただけですし。その後は信孝様も忙しいしで、手紙のやり取りを少々しているだけですもん。」
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