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第九章~西国での動き~
西日本大騒動4
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「神威家の兵力を近畿に留め置くことで長宗我部を降す兵力を割けないようにしたのですよ。羽柴家が我らのほうに兵を出す間羽柴家としても少なからず神威側へ兵を出しておく必要がある。しかし、その兵は攻めない。それが分かっていれば最低限の兵力を置くだけ。しかし、我らがそれを依頼することによって神威家もある程度の兵を羽柴領との境に配置せねばならない。」
「そして、逆に羽柴側も神威側の兵が多ければ攻められる可能性を考えてこちらに向ける兵力を減らさねばならない。」
「そうなればこちらが羽柴側へ割く兵を減らせて大友へ当たりやすくなると言うことか。」
「よくあの場でそこまでの考えが出来たな、輝元。」
「これでも毛利家当主です。いつまでも叔父上達に頼っているばかりの当主ではお祖父様の築かれた毛利家を守れませんから。」
無事に役目を果たし霧山御所へと帰還した友作はすぐに内容を刹那に報告すべく重臣達の集まる場所へ呼ばれていた。
「友作、まずは毛利への使者ご苦労であった。疲れているところ悪いが、報告を頼む。」
「はっ。まず、結論から申します。毛利は河野への援軍を放棄、用意していた軍を2つに分け、一方を大友へ。もう一方を羽柴へと向けることになりました。これにより我らが目的であった河野への毛利の不介入は確実なものになりました。」
「そうか。よくやってくれた。友作のことだ、大きな恩を売ってきたのであろうな?」
刹那がそう言うと友作は顔をニヤリとさせ
「もちろんでございます。次に毛利を動かしたい時にはある程度のことであれば融通してくれるでしょう。」
「ほう、そこまでの恩を毛利に与えたか、新田殿、やりますな。」
「いえ、私程度のこと、真田様の足先ほどにも及びませぬ。」
「ほう、ではわしならどうかのぉ。」
そう海玄が笑いながら問いかける。
「あまりいじめんでください。これでも頑張っているつもりなんでさぁ。」
「海玄と比べられては私だってやりあえる自信はないぞ。」
刹那が友作をフォローするようにちゃちゃを入れた。
「殿、それともうひとつ。これを輝元殿より殿宛として預かって参りました。何か頼みたいことが書かれているとのことです。」
友作は輝元から預かった書状を刹那へ渡した。
「輝元殿が私宛に。」
刹那はそう言って書状を確認した。
「友作、これは隆景殿の差し金か?」
「いえ、その書状を書かれるまで小早川殿は関与しておりません。私のいる前で直接書かれましたので間違いございません。」
「そうか。さすがは毛利元就の孫と言うことか。」
そう言うと刹那は左近やほかの重臣にも書状を見せた。
この意図がわからない者はこの場にはいなかった。
「殿、兵はいかほど用意致しますか?」
「そうだな。見せかけなら1万ほどあれば良いだろう。左近、1万の兵を羽柴との領土境に配置した場合、河野へ向けることができる兵はどのくらいいる?」
「領内が安定していることなどから考えて4万ほどと言ったところでしょうか。」
「海玄、4万で長宗我部を降すことは可能だと思うか?」
「普通は不可能であろうな。」
「では、普通でなければ?」
「準備次第。」
「では、河野を救うだけであればどれくらいの兵力があればいける?」
「佐竹殿に長宗我部との領土境に兵を出してもらえれば神威家の精鋭1万おれば。」
「そうか。わかった。」
刹那は一呼吸おいてから
「今回長宗我部を攻めるまでのことはしない。あくまで河野を徳川の支配下に置くまでとする。そのための遠征軍の総大将を直虎に任せる。」
「はっ。謹んで務めさせていただきます。」
「三好の時の功績のような活躍を期待しているぞ。」
「はい。父上、お願いがあります。」
「なんだ。」
「補佐に欲しい者がおります。」
「ほう、誰だ?」
「大谷吉継、藤堂高虎、そして石田三成をお願いしたく。」
「ほう、構わぬがその人選の理由は。」
「今回の戦は以前の三好のように甘くはないと思います。今回は河野家の者とも接して説得をする必要が出てくると思います。ゆえに弁のたつ者として大谷吉継。防衛をするには城の強いところ、弱いところを知らなければならない、そこで築城の能力の高い藤堂高虎、遠征においては兵糧管理はとても重要です。石田家の者は皆、内務に優れております。その中でも気心も知れている三成を選びたいと思いました。」
「ふむ。それぞれの人選まったくもって納得できた。その者らを直虎につかせる。」
「ありがとうございます父上。」
「そのほかに雑賀孫市、原昌胤、北条康成をつけよう。直虎、こたびが直政はつけない。問題ないな。」
「承知致しました。父上から預かりし者達で必ずや長宗我部を追い返して見せます。」
「そして、逆に羽柴側も神威側の兵が多ければ攻められる可能性を考えてこちらに向ける兵力を減らさねばならない。」
「そうなればこちらが羽柴側へ割く兵を減らせて大友へ当たりやすくなると言うことか。」
「よくあの場でそこまでの考えが出来たな、輝元。」
「これでも毛利家当主です。いつまでも叔父上達に頼っているばかりの当主ではお祖父様の築かれた毛利家を守れませんから。」
無事に役目を果たし霧山御所へと帰還した友作はすぐに内容を刹那に報告すべく重臣達の集まる場所へ呼ばれていた。
「友作、まずは毛利への使者ご苦労であった。疲れているところ悪いが、報告を頼む。」
「はっ。まず、結論から申します。毛利は河野への援軍を放棄、用意していた軍を2つに分け、一方を大友へ。もう一方を羽柴へと向けることになりました。これにより我らが目的であった河野への毛利の不介入は確実なものになりました。」
「そうか。よくやってくれた。友作のことだ、大きな恩を売ってきたのであろうな?」
刹那がそう言うと友作は顔をニヤリとさせ
「もちろんでございます。次に毛利を動かしたい時にはある程度のことであれば融通してくれるでしょう。」
「ほう、そこまでの恩を毛利に与えたか、新田殿、やりますな。」
「いえ、私程度のこと、真田様の足先ほどにも及びませぬ。」
「ほう、ではわしならどうかのぉ。」
そう海玄が笑いながら問いかける。
「あまりいじめんでください。これでも頑張っているつもりなんでさぁ。」
「海玄と比べられては私だってやりあえる自信はないぞ。」
刹那が友作をフォローするようにちゃちゃを入れた。
「殿、それともうひとつ。これを輝元殿より殿宛として預かって参りました。何か頼みたいことが書かれているとのことです。」
友作は輝元から預かった書状を刹那へ渡した。
「輝元殿が私宛に。」
刹那はそう言って書状を確認した。
「友作、これは隆景殿の差し金か?」
「いえ、その書状を書かれるまで小早川殿は関与しておりません。私のいる前で直接書かれましたので間違いございません。」
「そうか。さすがは毛利元就の孫と言うことか。」
そう言うと刹那は左近やほかの重臣にも書状を見せた。
この意図がわからない者はこの場にはいなかった。
「殿、兵はいかほど用意致しますか?」
「そうだな。見せかけなら1万ほどあれば良いだろう。左近、1万の兵を羽柴との領土境に配置した場合、河野へ向けることができる兵はどのくらいいる?」
「領内が安定していることなどから考えて4万ほどと言ったところでしょうか。」
「海玄、4万で長宗我部を降すことは可能だと思うか?」
「普通は不可能であろうな。」
「では、普通でなければ?」
「準備次第。」
「では、河野を救うだけであればどれくらいの兵力があればいける?」
「佐竹殿に長宗我部との領土境に兵を出してもらえれば神威家の精鋭1万おれば。」
「そうか。わかった。」
刹那は一呼吸おいてから
「今回長宗我部を攻めるまでのことはしない。あくまで河野を徳川の支配下に置くまでとする。そのための遠征軍の総大将を直虎に任せる。」
「はっ。謹んで務めさせていただきます。」
「三好の時の功績のような活躍を期待しているぞ。」
「はい。父上、お願いがあります。」
「なんだ。」
「補佐に欲しい者がおります。」
「ほう、誰だ?」
「大谷吉継、藤堂高虎、そして石田三成をお願いしたく。」
「ほう、構わぬがその人選の理由は。」
「今回の戦は以前の三好のように甘くはないと思います。今回は河野家の者とも接して説得をする必要が出てくると思います。ゆえに弁のたつ者として大谷吉継。防衛をするには城の強いところ、弱いところを知らなければならない、そこで築城の能力の高い藤堂高虎、遠征においては兵糧管理はとても重要です。石田家の者は皆、内務に優れております。その中でも気心も知れている三成を選びたいと思いました。」
「ふむ。それぞれの人選まったくもって納得できた。その者らを直虎につかせる。」
「ありがとうございます父上。」
「そのほかに雑賀孫市、原昌胤、北条康成をつけよう。直虎、こたびが直政はつけない。問題ないな。」
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