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第九章~西国での動き~
西日本大騒動19
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「取った城を望まないと?」
「あぁ。私が望んだのは恒興がこちら側に来ることだからな。」
「でっ、では。」
「あぁ、官兵衛殿には悪いがその条件では我らは納得できんな。故にその条件を提示するために来られたならどうぞ花隈城へと帰られよ。安心いたせ、戻る道中に攻撃を仕掛けるような卑怯な真似はせぬゆえ。」
刹那がそう言って席を立とうとすると
「おっ、お待ちを!」
官兵衛がここまで見せていた余裕の顔が薄れ、大きな声で刹那を止めた。
「このまま帰っては主家が滅ぶのは目に見えている状態で軍師として帰るわけにはいきませぬ。」
「では、ほかに代案があると申すのかな?」
「くっ、、、。」
「では、私が望むことを言おう。1つ、毛利との停戦。2つ、裏で糸を引いている長宗我部から手を引くこと。この2つだ。もしこの2つを秀吉殿が飲むと申されるなら有岡城はお返しし、羽柴との停戦を受け入れよう。」
普通の武将であればこの流れるような刹那の言葉に肯定しかできないであろう。
しかし、羽柴家の軍師としての意地がある官兵衛は
「では、その条件に追加で羽柴との同盟関係の締結を入れていただきたい。もちろん、羽柴家と神威家で。もちろん、ゆくゆくは徳川家ともにございます。」
刹那は官兵衛の言葉に
「あいわかった。私から殿にはお伝えし羽柴家と同盟を結ぶように進言しよう。官兵衛殿もこの条件を秀吉殿に飲むように進言するために帰られるが良かろう。」
刹那はそう言うと席を立った。
自室に戻った刹那に話しかけたのは後を追ってきた直政であった。
「殿、失礼します。」
「直政か、どうした?」
「はっ。先程の黒田官兵衛との目通りでのことをお聞きしたく参りました。」
「そうか。何を聞きたい?」
「はっ。我らが優勢の中、どうして停戦を結ばれたのかをお聞きしたく。」
「その優勢が続くのであればな。」
刹那の言葉に直政は首を傾げた。
「この優勢が続かぬとお考えなのですか。」
「あぁ。黒田官兵衛、噂通り食えない男だ。あの時を持って停戦を申し出れば同意を得られると思っての今回の目通りだ。仮に停戦を断れば毛利側に羽柴家の領地が増えたかもしれん。」
「そっ、それはなぜにございましょうか?」
「先程入った知らせだが、九州のほうで毛利軍が破れた。」
「なっ!」
刹那から聞いた話に直政は驚くしかなかった。
「と言うことはこのまま戦を続けていれば羽柴家は我らとの戦いは平行線を続けたまま中国地方へ領土を広げていたと言うことですか。」
「あぁ。そしてある程度侵攻を進めたら反転してこちらに兵力を固めていただろう。そしてその動きに呼応して長宗我部も本格的に動く、そうなれば大友も動かないという保証がなくなる。その三大名が共に動き出せば我らは西へ影響力を持てなくなる。」
「それを理解した上で殿は毛利との停戦を組み込んだのですね。」
「そうだ。羽柴側へ控えている兵を九州へ向ければ毛利家は立ち直るからな。少なくとも長門へ侵攻を許すことはないであろう。」
「さすがは殿にございます。そこまで考えが及びませんでした。」
「良い、直政。お前は直虎の一番の側近としてこれからの神威家を支えていかねばならぬ。今のうちに学べ。そして何があっても動じぬ心を磨きなさい。」
「はっ。」
官兵衛が停戦の使者として来てから10日あまり、刹那はすぐに家康へ使者を飛ばして今回の官兵衛とのやり取りを報告した。
その文の最後に、「この同盟、必ず受けるべし。」と言う一文を付け加えて。
その使者が家康からの返書を持って戻ってきたのである。
「殿、ただいま戻りました。」
使者から家康の返書を受け取った刹那はすぐにそれを読んだ。
その返書には様々なことが記されていたが、最後に「今回の同盟、すべて刹那に任せる。」と記されていた。
「ふっ、殿はまた面倒事と見て投げましたな。」
そう言い小さく笑みを浮かべた。
「花隈城へと使者を出せ。こちらはこの間の条件にて停戦を受け入れると。」
それからすぐに花隈城へ使者が送られ羽柴家と神威家の戦はここに終結した。
それと同時に毛利家は羽柴家と停戦することが決まり、戦力をすべて長門へと向けることが可能となったのである。
これにより毛利家は九州における力はなくしたものの、中国地方への侵攻は許さなかった。
そして羽柴家は約束通り、長宗我部家との関係を切った。
これにはさすがの長宗我部家も驚きを隠せなかった。
「殿っ。湯築城へと進軍していた部隊が壊滅。総大将の香宗我部親泰らが降伏して敵の軍門に降ったとの伝令が届きました。」
「羽柴家より使者あり、羽柴家が当家への支援をやめるとのことでございます。」
「なんだとっ!一体どうなっておるのだ!親泰が裏切っただとっ!そのようなことがあるわけがないだろ!」
「事実にございます!」
「ええぃ、その虚偽を伝えし者の首をはねよっ!」
「殿っ!」
「これは命令であるぞ!」
そう命令されては家臣としては下がるしかなかった。
「親泰がわしを裏切るわけがないっ。そして羽柴家が当家への支援をやめただと。やつらから申し込んできたことではないか。それを多少うまくいかぬからとすぐに投げ出すなど。羽柴家は信用がならん。」
大きな出来事が同時に2つも飛び込んできたため、長宗我部元親は普段の当主としての優れた一面を見せることができないほどに動揺した。
その想定外とも言える出来事を起こしたのがどちらも神威家であるとはこの時の元親は知るよしもなかった。
「あぁ。私が望んだのは恒興がこちら側に来ることだからな。」
「でっ、では。」
「あぁ、官兵衛殿には悪いがその条件では我らは納得できんな。故にその条件を提示するために来られたならどうぞ花隈城へと帰られよ。安心いたせ、戻る道中に攻撃を仕掛けるような卑怯な真似はせぬゆえ。」
刹那がそう言って席を立とうとすると
「おっ、お待ちを!」
官兵衛がここまで見せていた余裕の顔が薄れ、大きな声で刹那を止めた。
「このまま帰っては主家が滅ぶのは目に見えている状態で軍師として帰るわけにはいきませぬ。」
「では、ほかに代案があると申すのかな?」
「くっ、、、。」
「では、私が望むことを言おう。1つ、毛利との停戦。2つ、裏で糸を引いている長宗我部から手を引くこと。この2つだ。もしこの2つを秀吉殿が飲むと申されるなら有岡城はお返しし、羽柴との停戦を受け入れよう。」
普通の武将であればこの流れるような刹那の言葉に肯定しかできないであろう。
しかし、羽柴家の軍師としての意地がある官兵衛は
「では、その条件に追加で羽柴との同盟関係の締結を入れていただきたい。もちろん、羽柴家と神威家で。もちろん、ゆくゆくは徳川家ともにございます。」
刹那は官兵衛の言葉に
「あいわかった。私から殿にはお伝えし羽柴家と同盟を結ぶように進言しよう。官兵衛殿もこの条件を秀吉殿に飲むように進言するために帰られるが良かろう。」
刹那はそう言うと席を立った。
自室に戻った刹那に話しかけたのは後を追ってきた直政であった。
「殿、失礼します。」
「直政か、どうした?」
「はっ。先程の黒田官兵衛との目通りでのことをお聞きしたく参りました。」
「そうか。何を聞きたい?」
「はっ。我らが優勢の中、どうして停戦を結ばれたのかをお聞きしたく。」
「その優勢が続くのであればな。」
刹那の言葉に直政は首を傾げた。
「この優勢が続かぬとお考えなのですか。」
「あぁ。黒田官兵衛、噂通り食えない男だ。あの時を持って停戦を申し出れば同意を得られると思っての今回の目通りだ。仮に停戦を断れば毛利側に羽柴家の領地が増えたかもしれん。」
「そっ、それはなぜにございましょうか?」
「先程入った知らせだが、九州のほうで毛利軍が破れた。」
「なっ!」
刹那から聞いた話に直政は驚くしかなかった。
「と言うことはこのまま戦を続けていれば羽柴家は我らとの戦いは平行線を続けたまま中国地方へ領土を広げていたと言うことですか。」
「あぁ。そしてある程度侵攻を進めたら反転してこちらに兵力を固めていただろう。そしてその動きに呼応して長宗我部も本格的に動く、そうなれば大友も動かないという保証がなくなる。その三大名が共に動き出せば我らは西へ影響力を持てなくなる。」
「それを理解した上で殿は毛利との停戦を組み込んだのですね。」
「そうだ。羽柴側へ控えている兵を九州へ向ければ毛利家は立ち直るからな。少なくとも長門へ侵攻を許すことはないであろう。」
「さすがは殿にございます。そこまで考えが及びませんでした。」
「良い、直政。お前は直虎の一番の側近としてこれからの神威家を支えていかねばならぬ。今のうちに学べ。そして何があっても動じぬ心を磨きなさい。」
「はっ。」
官兵衛が停戦の使者として来てから10日あまり、刹那はすぐに家康へ使者を飛ばして今回の官兵衛とのやり取りを報告した。
その文の最後に、「この同盟、必ず受けるべし。」と言う一文を付け加えて。
その使者が家康からの返書を持って戻ってきたのである。
「殿、ただいま戻りました。」
使者から家康の返書を受け取った刹那はすぐにそれを読んだ。
その返書には様々なことが記されていたが、最後に「今回の同盟、すべて刹那に任せる。」と記されていた。
「ふっ、殿はまた面倒事と見て投げましたな。」
そう言い小さく笑みを浮かべた。
「花隈城へと使者を出せ。こちらはこの間の条件にて停戦を受け入れると。」
それからすぐに花隈城へ使者が送られ羽柴家と神威家の戦はここに終結した。
それと同時に毛利家は羽柴家と停戦することが決まり、戦力をすべて長門へと向けることが可能となったのである。
これにより毛利家は九州における力はなくしたものの、中国地方への侵攻は許さなかった。
そして羽柴家は約束通り、長宗我部家との関係を切った。
これにはさすがの長宗我部家も驚きを隠せなかった。
「殿っ。湯築城へと進軍していた部隊が壊滅。総大将の香宗我部親泰らが降伏して敵の軍門に降ったとの伝令が届きました。」
「羽柴家より使者あり、羽柴家が当家への支援をやめるとのことでございます。」
「なんだとっ!一体どうなっておるのだ!親泰が裏切っただとっ!そのようなことがあるわけがないだろ!」
「事実にございます!」
「ええぃ、その虚偽を伝えし者の首をはねよっ!」
「殿っ!」
「これは命令であるぞ!」
そう命令されては家臣としては下がるしかなかった。
「親泰がわしを裏切るわけがないっ。そして羽柴家が当家への支援をやめただと。やつらから申し込んできたことではないか。それを多少うまくいかぬからとすぐに投げ出すなど。羽柴家は信用がならん。」
大きな出来事が同時に2つも飛び込んできたため、長宗我部元親は普段の当主としての優れた一面を見せることができないほどに動揺した。
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