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第九章~西国での動き~
世代交代への波
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羽柴家との停戦がすべて予定通りに行われたことを確認した刹那は軍を引いて霧山御所へと戻ってきた。
戻った刹那らを出迎えたのは海玄だった。
「殿、ご無事のお戻りなによりでございます。」
「あぁ。何事もなかったようだな。殿はどうされた?」
刹那や直虎が外へ出ている間、領地の警備を頼んでいた家康のことを確認すべく海玄にそう聞いた。
「家康様は殿が戻ってくると聞いた後、本国へと戻られました。やっと楽ができるわいと喜ばれておりましたぞ。」
「まったく、殿は。」
そう良いながら刹那は笑みを浮かべた。
「殿、少しお話が。」
「ん?なにかあったか?」
「実は。」
海玄が深刻な面持ちだったので、
「どうした。」
再度問いただした。
「幸隆が、危篤状態にございます。」
そう悲しげに言った。
話を聞いた刹那は急いで幸隆が寝ている部屋へと向かった。
「幸隆っ!」
刹那がそう言い中に入ると布団に横たわる幸隆の姿があり、その周りにはおとわなどが面倒を見ていた。
「殿、お帰りなさいませ。」
おとわがそう声をかけた。
「あぁ。幸隆の様子はどうなのだ?」
「殿が遠征に出られてから一月あまり後、屋敷内で倒れまして。その後はこのままの状態なのです。目を覚まして食事を取ることもあるのですが、段々と寝ている時間が多くなり。」
「薬師はなんと?」
「心の臓が弱っていると。後どれだけ生きれるかわからない状態だとのことにございました。」
おとわは目に涙を浮かべながらそう言った。
「そんなっ。幸隆っ。」
「父上っ!」
後続を率いていた昌幸も霧山御所へ到着してすぐに幸隆の元へと訪れた。
刹那の元で段々と成長してきた昌幸だが、さすがに父親の今まで見たことがないほどの弱々しい姿に言葉をなくした。
おとわから容態を聞かされると部屋を飛び出してしまった。
「昌幸っ!」
刹那がそう声をかけるも昌幸の耳には入っていなかった。
刹那はゆっくりその後を追った。
昌幸を中庭で見つけた刹那は隣に座った。
「殿。」
「急のことで驚きを隠せないのはわかる。それは私も同じだ。まさか幸隆があのような姿まで弱っているとは。」
「私にとって父上はとても大きな人でした。戦に出ては味方に勝利を与える軍師としての軍略の凄さ。私は父上に負けぬようにと殿の元で精進を進めて参りました。強い父を越えるように。」
「あぁ。」
「それ故に父上のあのようなお姿想像したことすらありませんでした。もちろん、人が年老いていくのはわかっております。父上も例外ではありません。しかし、しかしっ・・・・。」
「とりあえず今は側にいてやりなさい。もし話せるのが最後になるならこのまま話さないのが一番悔やむはずだ。そこで自分の思っているすべてを幸隆にぶつけてやりなさい。」
昌幸は涙を拭うと「はい。」と返事をして幸隆の寝ている部屋へと戻っていった。
「あなた。」
刹那がぼーっとしているとおとわが刹那に近付いてきた。
「あぁ。おとわか。」
おとわは刹那を優しく抱きしめた。
「私の前では強がらなくて良いですよ。家臣の前では強くあらねばなりませんが、妻である私の前までその顔を見せずとも構いません。」
おとわの優しい言葉に刹那の目には涙が溢れてきた。
「幸隆殿がっ。いずれ来るとは分かっていても、本当に来ると悲しいものだな。あんなにも弱っている姿。私も想像が出来なかった。」
「はい。」
おとわは泣きながら話す刹那の頭を撫でながら静かに話を聞いた。
「昌幸にはあのようなことを言ったが、本当は私だって冷静ではない。だが、私は神威家当主にして日ノ本で一番の戦力を持つ徳川家の筆頭家老だ。ぶざまな姿は見せられない。だが、おとわには敵わないな、すべてお見通しだな。」
「ふふっ。これでもあなたの妻をずっとやってきましたからね。あなたが側室を作らずに私だけを妻としてくれた。それだけ私はあなたを見る時間がたくさんありました。これくらい見通せなくてあなたの妻が務まりますか。」
「ふっ、そうだな。さすがは私の惚れた女子だ。愛しているぞ。おとわ。」
「ありがとうございます。私もあなたのことをお慕い申しておりますよ。」
それから数日後、四国へ遠征していた部隊が帰ってきた。
そしてすぐに直虎が幸隆のいる部屋へやって来た。
「父上、幸隆のじぃの容態は?」
「私が帰ってきてからは目を覚ましておらん。」
「そんなっ。」
「幸隆のじぃ、目を開けよっ!」
直虎が悲しそうな顔でそう幸隆に声をかけた。
すると刹那が帰ってきてからずっと眠っていた幸隆がゆっくりと目を開けた。
「じぃっ!」
「おっ、これは若。どうされましたかなそのように大きな声を出されて?」
「幸隆っ!」
「父上っ!」
「殿、お早いお帰りで。羽柴にはうまく対応できましたかな?なんだ、昌幸。うるさいわいっ。」
戻った刹那らを出迎えたのは海玄だった。
「殿、ご無事のお戻りなによりでございます。」
「あぁ。何事もなかったようだな。殿はどうされた?」
刹那や直虎が外へ出ている間、領地の警備を頼んでいた家康のことを確認すべく海玄にそう聞いた。
「家康様は殿が戻ってくると聞いた後、本国へと戻られました。やっと楽ができるわいと喜ばれておりましたぞ。」
「まったく、殿は。」
そう良いながら刹那は笑みを浮かべた。
「殿、少しお話が。」
「ん?なにかあったか?」
「実は。」
海玄が深刻な面持ちだったので、
「どうした。」
再度問いただした。
「幸隆が、危篤状態にございます。」
そう悲しげに言った。
話を聞いた刹那は急いで幸隆が寝ている部屋へと向かった。
「幸隆っ!」
刹那がそう言い中に入ると布団に横たわる幸隆の姿があり、その周りにはおとわなどが面倒を見ていた。
「殿、お帰りなさいませ。」
おとわがそう声をかけた。
「あぁ。幸隆の様子はどうなのだ?」
「殿が遠征に出られてから一月あまり後、屋敷内で倒れまして。その後はこのままの状態なのです。目を覚まして食事を取ることもあるのですが、段々と寝ている時間が多くなり。」
「薬師はなんと?」
「心の臓が弱っていると。後どれだけ生きれるかわからない状態だとのことにございました。」
おとわは目に涙を浮かべながらそう言った。
「そんなっ。幸隆っ。」
「父上っ!」
後続を率いていた昌幸も霧山御所へ到着してすぐに幸隆の元へと訪れた。
刹那の元で段々と成長してきた昌幸だが、さすがに父親の今まで見たことがないほどの弱々しい姿に言葉をなくした。
おとわから容態を聞かされると部屋を飛び出してしまった。
「昌幸っ!」
刹那がそう声をかけるも昌幸の耳には入っていなかった。
刹那はゆっくりその後を追った。
昌幸を中庭で見つけた刹那は隣に座った。
「殿。」
「急のことで驚きを隠せないのはわかる。それは私も同じだ。まさか幸隆があのような姿まで弱っているとは。」
「私にとって父上はとても大きな人でした。戦に出ては味方に勝利を与える軍師としての軍略の凄さ。私は父上に負けぬようにと殿の元で精進を進めて参りました。強い父を越えるように。」
「あぁ。」
「それ故に父上のあのようなお姿想像したことすらありませんでした。もちろん、人が年老いていくのはわかっております。父上も例外ではありません。しかし、しかしっ・・・・。」
「とりあえず今は側にいてやりなさい。もし話せるのが最後になるならこのまま話さないのが一番悔やむはずだ。そこで自分の思っているすべてを幸隆にぶつけてやりなさい。」
昌幸は涙を拭うと「はい。」と返事をして幸隆の寝ている部屋へと戻っていった。
「あなた。」
刹那がぼーっとしているとおとわが刹那に近付いてきた。
「あぁ。おとわか。」
おとわは刹那を優しく抱きしめた。
「私の前では強がらなくて良いですよ。家臣の前では強くあらねばなりませんが、妻である私の前までその顔を見せずとも構いません。」
おとわの優しい言葉に刹那の目には涙が溢れてきた。
「幸隆殿がっ。いずれ来るとは分かっていても、本当に来ると悲しいものだな。あんなにも弱っている姿。私も想像が出来なかった。」
「はい。」
おとわは泣きながら話す刹那の頭を撫でながら静かに話を聞いた。
「昌幸にはあのようなことを言ったが、本当は私だって冷静ではない。だが、私は神威家当主にして日ノ本で一番の戦力を持つ徳川家の筆頭家老だ。ぶざまな姿は見せられない。だが、おとわには敵わないな、すべてお見通しだな。」
「ふふっ。これでもあなたの妻をずっとやってきましたからね。あなたが側室を作らずに私だけを妻としてくれた。それだけ私はあなたを見る時間がたくさんありました。これくらい見通せなくてあなたの妻が務まりますか。」
「ふっ、そうだな。さすがは私の惚れた女子だ。愛しているぞ。おとわ。」
「ありがとうございます。私もあなたのことをお慕い申しておりますよ。」
それから数日後、四国へ遠征していた部隊が帰ってきた。
そしてすぐに直虎が幸隆のいる部屋へやって来た。
「父上、幸隆のじぃの容態は?」
「私が帰ってきてからは目を覚ましておらん。」
「そんなっ。」
「幸隆のじぃ、目を開けよっ!」
直虎が悲しそうな顔でそう幸隆に声をかけた。
すると刹那が帰ってきてからずっと眠っていた幸隆がゆっくりと目を開けた。
「じぃっ!」
「おっ、これは若。どうされましたかなそのように大きな声を出されて?」
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