138 / 157
第十章~東北統一への道~
東北統一
しおりを挟む
刹那が東北へ向かってまず先に向かったのは徳川に恭順を示している二階堂盛義の元だった。
須賀川城に着くとすぐに大広間へ通された。
少し待っているとすぐに当主である盛義が現れた。
「えっ、遠路はるばるのお越し光栄にございます。すっ、須賀川二階堂家当主、二階堂盛義でございます。」
元来の性格なのか、それとも恭順したところの筆頭家老が出てきたからなのか盛義は動揺しているのが仕草から見て取れるほどだった。
「徳川家康が家臣、神威刹那にございます。」
「あっ、あなた様が徳川家にこの人ありと言われておられるあの神威殿でございますか。」
「私など対した人物ではありませんよ。筆頭家老と言えども徳川家には優れた家臣が多くおりますから。」
刹那は軽く笑いながらそう言った。
それを聞いた盛義は刹那レベルの武将が多くいる徳川家が更に恐ろしく思えたのである。
「ほっ、本日はこちらまで、どっ、どのような御用向きでしょうか?ひっ、人質でしたら我が子をお送りさせていただきますっ。」
人質を口にした盛義に対して刹那は
「いえいえ、人質は出していただかなくて結構でございますよ。」
刹那のその返答に盛義はおおいに焦った。
「そっ、それは、当家は不要と言うことでしょうかっ!すっ、既に我らの元へ軍を進めておられるとっ!」
「盛義殿、落ち着いてください。当家は恭順を示された家から人質を取っていないだけのこと。二階堂家を滅ぼそうなどとしておりませんよ。」
盛義はそれを聞いてホッとした様子で呼吸を落ち着かせた。
「当家の方針は仲間には手厚い支援、敵に恐怖を与えることでございます。盛義殿が当家を裏切り我が殿に刃を向けるならば露知らず、お味方してくださるのです。人質は不要かと。」
「そっ、そうでしたか。」
盛義はこの時、攻められることがないと知った安堵と同時に裏切りは即ち死を示すと即座に理解した。
武での才覚はない盛義であったが、その分人の感情などを読み解くのはどちらかと言えば得意なほうであった。
「せっ、せっかくいらしたのです。今宵はおもてなしをさせてくださりませ。もちろん、家臣の方々もどうぞ。」
「これはこれはありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただきます。」
刹那用の部屋と家臣達の部屋が用意されその夜は大変な歓迎を受けた。
盛義は刹那と話す中でこれほどの人物がいるものなのかと崇拝にも似た気持ちを持っていた。
翌日、刹那は相馬盛胤のいる小高城へと向かいそこでも手厚い歓迎を受けた。
二階堂、相馬と恭順を示している両家の後に訪れたのは黒川城城主 蘆名盛隆の元であった。
黒川城に着くと意外にもすんなりと大広間へ通された。
「蘆名家当主、蘆名盛隆にございます。」
「徳川家家臣、神威刹那にございます。」
「神威殿、今回はどのような御用向きでこちらまで参られた。」
「単刀直入に申させていただくのであれば、蘆名家は徳川の敵か味方か、それを確認するために参りました。」
刹那がそう言うと盛隆は腕を組んで
「私としては徳川に恭順したいと考えております。父である二階堂盛義も徳川へ恭順する道を選びましたし。」
「なにがひっかかるのでしょうか?」
刹那がそう聞くと盛隆は話始めた。
「私は二階堂家からの養子として蘆名へ来ました。妻も前当主の妻だった者です。そしてその妻は伊達家の縁者。養子である私は当主と言いながら家臣や妻に強くものを言える立場にありません。その家臣達も伊達に近い者が多く、伊達家が戦をするのであれば当家もそれに習うべきだとの声が多いのです。」
「では、盛隆殿はあくまで我らと争うほうを選ぶという事ですかな?」
「それは・・・。」
盛隆の煮え切らない態度を見た刹那は、
「盛隆殿、あなたがここに養子として来たかもしれません。しかし、それでもあなたは名家である蘆名家の当主ではありませんか。ならばこそ、当主としてあなたは決断をするべきだと思います。自分が良いと思う道を進み、それを認めさせるのが当主としてのあなたの役目ではないでしょうか?」
刹那の言葉に盛隆ははっとした。
今まで家臣や妻の顔色ばかり気にして当主として情けない姿だけを見せることになっていた。しかし、刹那の言葉で本来の主の務めとはなんなのかを思い出させられた盛隆は
「蘆名家は徳川家に恭順致します。」
そう宣言したのであった。
須賀川城に着くとすぐに大広間へ通された。
少し待っているとすぐに当主である盛義が現れた。
「えっ、遠路はるばるのお越し光栄にございます。すっ、須賀川二階堂家当主、二階堂盛義でございます。」
元来の性格なのか、それとも恭順したところの筆頭家老が出てきたからなのか盛義は動揺しているのが仕草から見て取れるほどだった。
「徳川家康が家臣、神威刹那にございます。」
「あっ、あなた様が徳川家にこの人ありと言われておられるあの神威殿でございますか。」
「私など対した人物ではありませんよ。筆頭家老と言えども徳川家には優れた家臣が多くおりますから。」
刹那は軽く笑いながらそう言った。
それを聞いた盛義は刹那レベルの武将が多くいる徳川家が更に恐ろしく思えたのである。
「ほっ、本日はこちらまで、どっ、どのような御用向きでしょうか?ひっ、人質でしたら我が子をお送りさせていただきますっ。」
人質を口にした盛義に対して刹那は
「いえいえ、人質は出していただかなくて結構でございますよ。」
刹那のその返答に盛義はおおいに焦った。
「そっ、それは、当家は不要と言うことでしょうかっ!すっ、既に我らの元へ軍を進めておられるとっ!」
「盛義殿、落ち着いてください。当家は恭順を示された家から人質を取っていないだけのこと。二階堂家を滅ぼそうなどとしておりませんよ。」
盛義はそれを聞いてホッとした様子で呼吸を落ち着かせた。
「当家の方針は仲間には手厚い支援、敵に恐怖を与えることでございます。盛義殿が当家を裏切り我が殿に刃を向けるならば露知らず、お味方してくださるのです。人質は不要かと。」
「そっ、そうでしたか。」
盛義はこの時、攻められることがないと知った安堵と同時に裏切りは即ち死を示すと即座に理解した。
武での才覚はない盛義であったが、その分人の感情などを読み解くのはどちらかと言えば得意なほうであった。
「せっ、せっかくいらしたのです。今宵はおもてなしをさせてくださりませ。もちろん、家臣の方々もどうぞ。」
「これはこれはありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただきます。」
刹那用の部屋と家臣達の部屋が用意されその夜は大変な歓迎を受けた。
盛義は刹那と話す中でこれほどの人物がいるものなのかと崇拝にも似た気持ちを持っていた。
翌日、刹那は相馬盛胤のいる小高城へと向かいそこでも手厚い歓迎を受けた。
二階堂、相馬と恭順を示している両家の後に訪れたのは黒川城城主 蘆名盛隆の元であった。
黒川城に着くと意外にもすんなりと大広間へ通された。
「蘆名家当主、蘆名盛隆にございます。」
「徳川家家臣、神威刹那にございます。」
「神威殿、今回はどのような御用向きでこちらまで参られた。」
「単刀直入に申させていただくのであれば、蘆名家は徳川の敵か味方か、それを確認するために参りました。」
刹那がそう言うと盛隆は腕を組んで
「私としては徳川に恭順したいと考えております。父である二階堂盛義も徳川へ恭順する道を選びましたし。」
「なにがひっかかるのでしょうか?」
刹那がそう聞くと盛隆は話始めた。
「私は二階堂家からの養子として蘆名へ来ました。妻も前当主の妻だった者です。そしてその妻は伊達家の縁者。養子である私は当主と言いながら家臣や妻に強くものを言える立場にありません。その家臣達も伊達に近い者が多く、伊達家が戦をするのであれば当家もそれに習うべきだとの声が多いのです。」
「では、盛隆殿はあくまで我らと争うほうを選ぶという事ですかな?」
「それは・・・。」
盛隆の煮え切らない態度を見た刹那は、
「盛隆殿、あなたがここに養子として来たかもしれません。しかし、それでもあなたは名家である蘆名家の当主ではありませんか。ならばこそ、当主としてあなたは決断をするべきだと思います。自分が良いと思う道を進み、それを認めさせるのが当主としてのあなたの役目ではないでしょうか?」
刹那の言葉に盛隆ははっとした。
今まで家臣や妻の顔色ばかり気にして当主として情けない姿だけを見せることになっていた。しかし、刹那の言葉で本来の主の務めとはなんなのかを思い出させられた盛隆は
「蘆名家は徳川家に恭順致します。」
そう宣言したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる