チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第十章~東北統一への道~

東北統一

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刹那が東北へ向かってまず先に向かったのは徳川に恭順を示している二階堂盛義の元だった。

須賀川城に着くとすぐに大広間へ通された。
少し待っているとすぐに当主である盛義が現れた。

「えっ、遠路はるばるのお越し光栄にございます。すっ、須賀川二階堂家当主、二階堂盛義でございます。」

元来の性格なのか、それとも恭順したところの筆頭家老が出てきたからなのか盛義は動揺しているのが仕草から見て取れるほどだった。

「徳川家康が家臣、神威刹那にございます。」

「あっ、あなた様が徳川家にこの人ありと言われておられるあの神威殿でございますか。」

「私など対した人物ではありませんよ。筆頭家老と言えども徳川家には優れた家臣が多くおりますから。」

刹那は軽く笑いながらそう言った。
それを聞いた盛義は刹那レベルの武将が多くいる徳川家が更に恐ろしく思えたのである。

「ほっ、本日はこちらまで、どっ、どのような御用向きでしょうか?ひっ、人質でしたら我が子をお送りさせていただきますっ。」

人質を口にした盛義に対して刹那は

「いえいえ、人質は出していただかなくて結構でございますよ。」

刹那のその返答に盛義はおおいに焦った。

「そっ、それは、当家は不要と言うことでしょうかっ!すっ、既に我らの元へ軍を進めておられるとっ!」


「盛義殿、落ち着いてください。当家は恭順を示された家から人質を取っていないだけのこと。二階堂家を滅ぼそうなどとしておりませんよ。」

盛義はそれを聞いてホッとした様子で呼吸を落ち着かせた。

「当家の方針は仲間には手厚い支援、敵に恐怖を与えることでございます。盛義殿が当家を裏切り我が殿に刃を向けるならば露知らず、お味方してくださるのです。人質は不要かと。」

「そっ、そうでしたか。」

盛義はこの時、攻められることがないと知った安堵と同時に裏切りは即ち死を示すと即座に理解した。

武での才覚はない盛義であったが、その分人の感情などを読み解くのはどちらかと言えば得意なほうであった。

「せっ、せっかくいらしたのです。今宵はおもてなしをさせてくださりませ。もちろん、家臣の方々もどうぞ。」

「これはこれはありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただきます。」

刹那用の部屋と家臣達の部屋が用意されその夜は大変な歓迎を受けた。

盛義は刹那と話す中でこれほどの人物がいるものなのかと崇拝にも似た気持ちを持っていた。

翌日、刹那は相馬盛胤のいる小高城へと向かいそこでも手厚い歓迎を受けた。

二階堂、相馬と恭順を示している両家の後に訪れたのは黒川城城主 蘆名盛隆の元であった。

黒川城に着くと意外にもすんなりと大広間へ通された。

「蘆名家当主、蘆名盛隆にございます。」

「徳川家家臣、神威刹那にございます。」

「神威殿、今回はどのような御用向きでこちらまで参られた。」

「単刀直入に申させていただくのであれば、蘆名家は徳川の敵か味方か、それを確認するために参りました。」

刹那がそう言うと盛隆は腕を組んで

「私としては徳川に恭順したいと考えております。父である二階堂盛義も徳川へ恭順する道を選びましたし。」

「なにがひっかかるのでしょうか?」

刹那がそう聞くと盛隆は話始めた。

「私は二階堂家からの養子として蘆名へ来ました。妻も前当主の妻だった者です。そしてその妻は伊達家の縁者。養子である私は当主と言いながら家臣や妻に強くものを言える立場にありません。その家臣達も伊達に近い者が多く、伊達家が戦をするのであれば当家もそれに習うべきだとの声が多いのです。」

「では、盛隆殿はあくまで我らと争うほうを選ぶという事ですかな?」

「それは・・・。」

盛隆の煮え切らない態度を見た刹那は、

「盛隆殿、あなたがここに養子として来たかもしれません。しかし、それでもあなたは名家である蘆名家の当主ではありませんか。ならばこそ、当主としてあなたは決断をするべきだと思います。自分が良いと思う道を進み、それを認めさせるのが当主としてのあなたの役目ではないでしょうか?」

刹那の言葉に盛隆ははっとした。

今まで家臣や妻の顔色ばかり気にして当主として情けない姿だけを見せることになっていた。しかし、刹那の言葉で本来の主の務めとはなんなのかを思い出させられた盛隆は

「蘆名家は徳川家に恭順致します。」

そう宣言したのであった。
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