チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第十章~東北統一への道~

東北統一6

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「殿、間もなく三戸城へと到着します。」

左近がそう声をかけると

「わかった。忠政、先駆けとして三戸城へ向かい我らが来たことを伝えて参れ。」

「承知っ!」

忠政は返事をするとすぐに走って三戸城へと向かった。

「師匠、どうして今回は先駆けを出されたのでしょうか?」

康勝がそう質問した。

「ほかの家と違い南部家には目に見えた敵がいる。そう言えばわかるかな、小十郎。」

「はっ。南部家に反旗を翻し津軽地方を抑えている津軽為信、そこを抑えるためにも我らの味方となる可能性が高い。故に試す意味を兼ねての先駆けかと。」

「その通りだ。政宗、戦わずして勝つ。これが最高の勝利であること覚えておきなさい。」

「はいっ!」

最初に鼻を折られたことによって政宗は貪欲に刹那の知識を吸収しようとする好青年へと変貌していた。
その事が後々の日ノ本に取ってどれほど有益なものとなったのかはまだ先の話である。

刹那達が三戸城へと着くとそこには一人の男が兵を引き連れて忠政と並び立っていた。

「師匠、このお方が南部家当主南部信直殿にございます。」

忠政がそう紹介すると信直は一礼をして

「お初にお目にかかる。南部家当主、南部信直でござる。田舎武者にて、言葉遣いが苦手ゆえ、御容赦願いたい。」

「あなたが南部信直殿か。いやー、お会いしたかった。私が神威刹那です。」

そう言いながら刹那は信直の手を握った。

そして信直の耳元で静かに

「兵達の殺気を隠さないと考えている事がすぐにバレてしまいますよ。」

と信直にしか聞こえない大きさで話した。

その言葉を聞いた信直の体には一瞬にして寒気が走った。
そしてその瞬間に悟ったのである、この穏和に見える男を侮り敵にしてはけしてならない。
敵となれば一瞬で南部家は滅びると。

信直はその場に座り刹那へ平伏した。
その姿を見た後ろの兵達には動揺が走る。

「お前達、すぐに平伏せよ。この御仁にはけして勝てぬ。」

当主である信直がそう言ったことにより後ろに控えていた兵達も一斉に平伏した。

その光景に驚かなかったのは左近と謙信だけであった。
ほかの武将達はなにが起きたのか理解するにはまだまだ刹那を知らない。

それから信直はすぐに刹那達を城内へ案内し大広間の上座に刹那は座った。

「さて、信直殿。」

「はっ。」

「先程のことは見逃すことが可能です。行動には移さなかったわけですから。」

「はっ。」

信直は心穏やかではなかった。
自らがしようとしていた事がすべて理解された上であのような態度を取る刹那が、どのような沙汰を南部家に言い渡すのか想像ができなかったからである。

「南部家は徳川家に降る。そう捉えてよろしいですかな?」

「はっ。南部家当主として徳川家に降ることをお誓い致します。」

「そうですか、わかりました。受け入れましょう。家康様はお優しいお方です。あなたが我らの味方でいる限り徳川家は力をお貸しします。」

「はっ。ありがたき幸せにございます。」

信直は少し間を空けてから、

「一つお伺いしたいことがございます。」

「なんでしょうか?」

「我らが敵、津軽家は徳川家に降っているのでしょうか?」

「いえ、津軽家から恭順すると言う連絡は届いていません。」

刹那は横目で丹波を見たが丹波は小さく頷くだけで現在も津軽家からの恭順の知らせはなかった。
 
「では。どうか、我らに津軽を討つ許可をいただけないでしょうか。津軽為信は謀反人、南部家の面子として許すこと叶いませぬ。どうかっ。」

「家康様へお伺いをたてましょう。」

そう返答した。

10日ほどして家康からの返書が届いた。

「殿から津軽為信討伐の許可が出ました。信直殿、我らからも増援を出したほうがよろしいですかな?」

「ありがたきことなれど、これは南部家の問題だと考えております。どうか神威殿にはここでのんびりと見ていただければと思います。」

「そうですか、では目付として我が懐刀の左近をつけさせてもらいます。よろしいかな?」

「はっ。左近殿、よろしくお頼み申す。」

「南部家の流儀堪能させていただきます。」

こうして南部信直は自軍15000と左近を連れて津軽為信征伐へ向かったのである。
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