42 / 100
大也、正義の味方を気取って不機嫌を解消する
しおりを挟む
ショウモナイお小言3分間で、緋色の呼び出しの用件は終わった。
マジで3分だった。
いや、冒頭に女とデート中を邪魔した事に対する心にもない詫びがあったのでお小言自体は1分30秒程度だったかもしれない。
御小言の内容を要約すると、
「刹那忍軍とは確かに揉めてるが2日後に停戦に向けた折衝がある。もう刹那忍軍には襲われぬ限りは仕掛けないように」
との通達業務みたいなものだった。
そんなのスマホの電話やメールで済む内容のに。
緋色が居る場所に向かうまでの8分間の車移動の方が長かったくらいだ。
マジでウンザリで、
「分かりました」
そう答えて大也は緋色の前から去ったのだった。
その日のまだ午前中な訳だが、大也はムカムカしていた。
女子アナとヤレるはずだったのに。
女子アナとヤレるはずだったのに。
女子アナとヤレるはずだったのに。
ストレスが半端ではない。
こんな時の大也のストレス解消法はサンドバッグを殴る事だ。
生きた人間のサンドバッグを。
だが、無差別に殴っては通り魔と一緒だ。
そうならない為には一工夫がいる。
それが『正義の味方』だ。
悪い奴を殴るのには何の問題もないのだから。
大也としては正義の味方などガラじゃないが、それでもサンドバッグ目当てに『手塚流忍法かまいたち・声集め』を使いながら街中を歩いた。
◇
香坂レイは17歳の白ギャル系の不良少女である。
父親は不明で、17歳でレイを産んだ母親は場末のスナックママ。
グレて自然とこうなった。
そして都内の一角ではギャル同士の潰し合いに男達までが絡んで来て、都内の午前中なのに、
「キャアっ!」
「おら、さっさと女を車に乗せろ。アジトに連れて行くぞ」
駐車場にて、レイが男2人と女3人のグループにワゴンに連れ込まれようとしてる、まさにその時、疾風と共に、
「グアアア」
「ギャアアア」
「キャアア」
5人を殴って(女3人の顔も平然と殴って)登場したのがパーカーのフードを被った大也であった。
「大丈夫? 悲鳴が聞こえたけど」
と尋ねながら運動靴の踵で倒れた男の顔を当たり前のように踏んで潰した。
「ええ、助けてくれてありがとう」
「当然の事をしたまでさ。ってか学校は?」
慣れた手付きで財布から札を抜き取りながら大也が質問し、レイがむっと、
「行ってないわ。そっちもでしょ?」
「オレは大学検定を合格してるから」
「何、学歴マウントかしら?」
「いや、学校を行かずに遊ぶ言い訳かな? 便利だから。そうだ、助けたお礼にヤラせてくれたりはーー」
「誰が」
と呆れながらレイが否定すると、
「じゃあ、またね。オレに殴られたい悪人がオレを呼んでるから」
大也は男2人の顔を潰してから去っていき、残ったレイは気絶してる女達の服を脱がせてスマホを出したのだった。
◇
商店街を歩く老婆、高橋タエコが、すれ違いざまに自転車を乗る男にバッグをひったくられた。
「アレェェ、ひったくりっ!」
タエコが叫んだ2秒後には、パーカーのフードを頭に被った大也が登場して横から蹴りを入れて自転車に乗ってる中年男を電柱に叩き付けた。
大也が近くに居たのは偶然ではない。自転車の中年男が独り言で『今日も年寄りから集金するか』と呟いて金を持ってそうな老人を物色してたので5分ほど尾行していたのだ。
「どうぞ」
「ありがとう、お若い人」
「いえいえ、当然の事をしたまでです」
大也からバッグを返されたタエコがお礼を言い、大也が少し照れる中、商店街の八百屋の亭主が、
「何だ、何だ?」
騒ぎを聞き付けてきて、
「その男、ひったくりです。警察に突き出しておいて下さい。常習犯ですから」
白眼を剥いて顔に足の跡を残す中年男を指差した大也はそう言って去っていったのだった。
マジで3分だった。
いや、冒頭に女とデート中を邪魔した事に対する心にもない詫びがあったのでお小言自体は1分30秒程度だったかもしれない。
御小言の内容を要約すると、
「刹那忍軍とは確かに揉めてるが2日後に停戦に向けた折衝がある。もう刹那忍軍には襲われぬ限りは仕掛けないように」
との通達業務みたいなものだった。
そんなのスマホの電話やメールで済む内容のに。
緋色が居る場所に向かうまでの8分間の車移動の方が長かったくらいだ。
マジでウンザリで、
「分かりました」
そう答えて大也は緋色の前から去ったのだった。
その日のまだ午前中な訳だが、大也はムカムカしていた。
女子アナとヤレるはずだったのに。
女子アナとヤレるはずだったのに。
女子アナとヤレるはずだったのに。
ストレスが半端ではない。
こんな時の大也のストレス解消法はサンドバッグを殴る事だ。
生きた人間のサンドバッグを。
だが、無差別に殴っては通り魔と一緒だ。
そうならない為には一工夫がいる。
それが『正義の味方』だ。
悪い奴を殴るのには何の問題もないのだから。
大也としては正義の味方などガラじゃないが、それでもサンドバッグ目当てに『手塚流忍法かまいたち・声集め』を使いながら街中を歩いた。
◇
香坂レイは17歳の白ギャル系の不良少女である。
父親は不明で、17歳でレイを産んだ母親は場末のスナックママ。
グレて自然とこうなった。
そして都内の一角ではギャル同士の潰し合いに男達までが絡んで来て、都内の午前中なのに、
「キャアっ!」
「おら、さっさと女を車に乗せろ。アジトに連れて行くぞ」
駐車場にて、レイが男2人と女3人のグループにワゴンに連れ込まれようとしてる、まさにその時、疾風と共に、
「グアアア」
「ギャアアア」
「キャアア」
5人を殴って(女3人の顔も平然と殴って)登場したのがパーカーのフードを被った大也であった。
「大丈夫? 悲鳴が聞こえたけど」
と尋ねながら運動靴の踵で倒れた男の顔を当たり前のように踏んで潰した。
「ええ、助けてくれてありがとう」
「当然の事をしたまでさ。ってか学校は?」
慣れた手付きで財布から札を抜き取りながら大也が質問し、レイがむっと、
「行ってないわ。そっちもでしょ?」
「オレは大学検定を合格してるから」
「何、学歴マウントかしら?」
「いや、学校を行かずに遊ぶ言い訳かな? 便利だから。そうだ、助けたお礼にヤラせてくれたりはーー」
「誰が」
と呆れながらレイが否定すると、
「じゃあ、またね。オレに殴られたい悪人がオレを呼んでるから」
大也は男2人の顔を潰してから去っていき、残ったレイは気絶してる女達の服を脱がせてスマホを出したのだった。
◇
商店街を歩く老婆、高橋タエコが、すれ違いざまに自転車を乗る男にバッグをひったくられた。
「アレェェ、ひったくりっ!」
タエコが叫んだ2秒後には、パーカーのフードを頭に被った大也が登場して横から蹴りを入れて自転車に乗ってる中年男を電柱に叩き付けた。
大也が近くに居たのは偶然ではない。自転車の中年男が独り言で『今日も年寄りから集金するか』と呟いて金を持ってそうな老人を物色してたので5分ほど尾行していたのだ。
「どうぞ」
「ありがとう、お若い人」
「いえいえ、当然の事をしたまでです」
大也からバッグを返されたタエコがお礼を言い、大也が少し照れる中、商店街の八百屋の亭主が、
「何だ、何だ?」
騒ぎを聞き付けてきて、
「その男、ひったくりです。警察に突き出しておいて下さい。常習犯ですから」
白眼を剥いて顔に足の跡を残す中年男を指差した大也はそう言って去っていったのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる