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大也、合同任務前の待機のお陰で脱獄者狩りを免除される
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大地は健康骨医大付属病院に来ていた。
雪城ココロが搬送された病院がここだったのだ。
「あれ、意外と元気そうだね、ココロさん?」
「そんな訳ないでしょ。毒を盛られて血を吐いたんだから。『鬼の血』のお陰で毒の抵抗力があって運良く助かっただけよ。運が悪いの死んだんでしょ?」
「うん、3人。まあ、本当に死んだのか、取引して死んだ事になってるのかは微妙だけど」
「そうなの?」
「うん。どうせ死刑になりそうな連中だったし、取引した方が安上がりだからね」
そう答えた大也がまじまじとココロを見た。
「何?」
「特攻服姿もエロかったけど入院着もエロイな~と思って」
「殺すわよ」
と言いながらベッドに寝転ぶココロが覆っていた掛け布団を上に蹴り上げ、蹴りが飛んできた。
丸椅子に座っていた大也は『手塚流忍法かまいたち・風盾(強風)』を纏い、素手で蹴りを受ける。
さすがは『鬼の血』だ。攻撃力が高くバチンッと凄い音がしたが大也は無傷だった。
「今、本気で蹴ったわよ? それでも無傷? 風よね、今の感触? やっぱり大也、アンタ強かったのね?」
「まあね」
「なのにどうして人質になったの、あの時?」
「ええっと」
「何?」
「ココロさんを連行してたお色気ムンムンのお姉さんのミニスカからガーターベルトがはみ出てて、そっちに見とれてたら・・・」
「はあ? そこは嘘でも私に見とれてたと言いなさいよっ!」
「いやいや、あのお姉さんのはみ出しガーターベルトは反則だって」
「ったく、男って生き物は」
そんな雑談の後、
「何か覚えてる?」
「さっき職員にも聞かれたけど、看守が初めて見る奴だったわ」
「ああ、それね。裏切り者はソイツで確定らしいよ。もう死んでたけど」
「ざまあ。私に毒を盛った罰ね」
悪そうな顔でココロが笑う中、
「そうでもないよ。7人も行方不明でさ。まあ、オレは合同任務のお陰で逃亡者狩りも出来ずに待機なんだけど」
「そうなの?」
「そうだよ。犯罪忍者対策室ってあんまり良い組織じゃないよね。実動部隊も作ればいいのに」
「無理なんじゃないの。寄り合い所帯なんでしょ?」
「まあね」
そんな事を喋って大也はココロのお見舞いを終えたのだった。
◇
犯罪忍者対策室の本部ビルに戻った大也は受付カウンターで椿と喋っていた。
「デートが中断になったから続きをしようね、椿さん」
「手塚様、スマホに緊急招集のSNSを無視した所為で私、減俸処分になったんですけど」
「マジで? じゃあ、その分オレが払うよ。そうだ、いっその事、愛人契約しない?」
「する訳ないでしょっ!」
「そこを何とか」
と喋ってた大也がハッと背後に振り返ると、ちょうど玄関の自動ドアから1人の女が入ってきた。
20歳の168センチ。黒髪のオカッパでインナーカラーはワインレッド。釣り目でアイシャドーをして、冷たいながらもカッコイイと感じる美貌だった。
纏う衣服は高級ブランドで、身体のラインもエロイ。
名前は九門千夏。
出身は長崎県で、今の所属は草薙部隊だ。
その千夏が入口の金属探知機のゲートを潜って、一直線に大地の元までやってきていた。
「どうも。昨日、龍園一党を13人始末する大活躍をして、その上、龍園黒兎に逃げられた手塚大也君」
「何やら誤解があるようだね、千夏さん」
「誤解? もしかしてわざと龍園を逃がしてくれたの? 私が始末出来るように」
「そうじゃなくて。まず第1に、襲撃時の雑魚どもが龍園だってオレは知らなかった。第2に、毒が盛られて大騒ぎの時、オレはおデート中で本部ビルには居なかった。第3に、オレのスマホはバッテリー切れで、デート相手のスマホも鳴ったが、おデート中にスマホに出るのはマナー違反なのでスマホを没収してデートを続けた。第4に、裏切った看守はどうも中国マネーで寝返ったらしい。以上の観点からオレは無罪」
「で?」
「何が?」
「何で大也君が犯罪忍者対策室に居る訳?」
「大鳥忍軍との合同任務で待機中」
「どんな任務なの?」
「極秘任務」
「あっそ、まあいいわ。後でじっくり話をしましょうね」
そう言って千夏はエレベーターに向かって歩いていった。
「綺麗な人ね」
椿がそう探りを入れてきたので、大也は真面目な顔で、
「椿さん、千夏さんは確かに綺麗な人だけど怖い人でもあるから気を付けるんだよ」
そう助言したのだった。
雪城ココロが搬送された病院がここだったのだ。
「あれ、意外と元気そうだね、ココロさん?」
「そんな訳ないでしょ。毒を盛られて血を吐いたんだから。『鬼の血』のお陰で毒の抵抗力があって運良く助かっただけよ。運が悪いの死んだんでしょ?」
「うん、3人。まあ、本当に死んだのか、取引して死んだ事になってるのかは微妙だけど」
「そうなの?」
「うん。どうせ死刑になりそうな連中だったし、取引した方が安上がりだからね」
そう答えた大也がまじまじとココロを見た。
「何?」
「特攻服姿もエロかったけど入院着もエロイな~と思って」
「殺すわよ」
と言いながらベッドに寝転ぶココロが覆っていた掛け布団を上に蹴り上げ、蹴りが飛んできた。
丸椅子に座っていた大也は『手塚流忍法かまいたち・風盾(強風)』を纏い、素手で蹴りを受ける。
さすがは『鬼の血』だ。攻撃力が高くバチンッと凄い音がしたが大也は無傷だった。
「今、本気で蹴ったわよ? それでも無傷? 風よね、今の感触? やっぱり大也、アンタ強かったのね?」
「まあね」
「なのにどうして人質になったの、あの時?」
「ええっと」
「何?」
「ココロさんを連行してたお色気ムンムンのお姉さんのミニスカからガーターベルトがはみ出てて、そっちに見とれてたら・・・」
「はあ? そこは嘘でも私に見とれてたと言いなさいよっ!」
「いやいや、あのお姉さんのはみ出しガーターベルトは反則だって」
「ったく、男って生き物は」
そんな雑談の後、
「何か覚えてる?」
「さっき職員にも聞かれたけど、看守が初めて見る奴だったわ」
「ああ、それね。裏切り者はソイツで確定らしいよ。もう死んでたけど」
「ざまあ。私に毒を盛った罰ね」
悪そうな顔でココロが笑う中、
「そうでもないよ。7人も行方不明でさ。まあ、オレは合同任務のお陰で逃亡者狩りも出来ずに待機なんだけど」
「そうなの?」
「そうだよ。犯罪忍者対策室ってあんまり良い組織じゃないよね。実動部隊も作ればいいのに」
「無理なんじゃないの。寄り合い所帯なんでしょ?」
「まあね」
そんな事を喋って大也はココロのお見舞いを終えたのだった。
◇
犯罪忍者対策室の本部ビルに戻った大也は受付カウンターで椿と喋っていた。
「デートが中断になったから続きをしようね、椿さん」
「手塚様、スマホに緊急招集のSNSを無視した所為で私、減俸処分になったんですけど」
「マジで? じゃあ、その分オレが払うよ。そうだ、いっその事、愛人契約しない?」
「する訳ないでしょっ!」
「そこを何とか」
と喋ってた大也がハッと背後に振り返ると、ちょうど玄関の自動ドアから1人の女が入ってきた。
20歳の168センチ。黒髪のオカッパでインナーカラーはワインレッド。釣り目でアイシャドーをして、冷たいながらもカッコイイと感じる美貌だった。
纏う衣服は高級ブランドで、身体のラインもエロイ。
名前は九門千夏。
出身は長崎県で、今の所属は草薙部隊だ。
その千夏が入口の金属探知機のゲートを潜って、一直線に大地の元までやってきていた。
「どうも。昨日、龍園一党を13人始末する大活躍をして、その上、龍園黒兎に逃げられた手塚大也君」
「何やら誤解があるようだね、千夏さん」
「誤解? もしかしてわざと龍園を逃がしてくれたの? 私が始末出来るように」
「そうじゃなくて。まず第1に、襲撃時の雑魚どもが龍園だってオレは知らなかった。第2に、毒が盛られて大騒ぎの時、オレはおデート中で本部ビルには居なかった。第3に、オレのスマホはバッテリー切れで、デート相手のスマホも鳴ったが、おデート中にスマホに出るのはマナー違反なのでスマホを没収してデートを続けた。第4に、裏切った看守はどうも中国マネーで寝返ったらしい。以上の観点からオレは無罪」
「で?」
「何が?」
「何で大也君が犯罪忍者対策室に居る訳?」
「大鳥忍軍との合同任務で待機中」
「どんな任務なの?」
「極秘任務」
「あっそ、まあいいわ。後でじっくり話をしましょうね」
そう言って千夏はエレベーターに向かって歩いていった。
「綺麗な人ね」
椿がそう探りを入れてきたので、大也は真面目な顔で、
「椿さん、千夏さんは確かに綺麗な人だけど怖い人でもあるから気を付けるんだよ」
そう助言したのだった。
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