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暗黒時代到来の予感

ユーロエス将軍の死

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 きっかけは第3師団のダークエルフ族の参謀のエリエリだった。

 第3師団の躍進に伴い、ユーロエス将軍からオレに完全に鞍替えを図ったエリエリが、

「バーバラ将軍を同族のワータイガー族に謀殺させた黒幕はユーロエス族長です。理由は邪魔だからで、実はライザス将軍も勇者や水竜を使って殺そうと企んでました」

 それがきっかけで話を聞けば、ガルバ様もガンダロゼ将軍を操って勇者に抹殺させたとの事だ。

 ガルバ様の謀殺はもうとっくにガルダロゼ派を嫌って虐めてたゼータデーロ師団長やゼータン第1大隊長、待遇改善を望んだ前副師団長のキャロンや参謀のエーテからも聞いてて知ってが・・・

 エリエリの話には続きがあって、他種族の将軍にもそうなのだから、ダークエルフ族内でも有望な者を粛清し続けており、そろそろ皆の心がユーロエス将軍から離れてる。

「ライザス将軍の後ろ盾があれば、同胞こちらで除きたいのですが」
 
 との事で、

「ああ、やってみろ」

 と言ったら、ユーロエス将軍が数日後には死んだと報告があった。





 これは確実だ。

 レーゼル領で配下兼愛人に加えたエルに見張らせたから。

 エルの属性は【透明】だからな。

 魂も持ち帰らせた。

 魂1個で1200人分。

 間違いない。

 魂1個でここまで上質なら間違いないだろう。

「我が王は酷いです。私から魂を巻き上げるなんて」

「分かったよ、ほら」

 オレは魂600個分をエルに譲渡して機嫌を取ったのだった。

 えっ? 1200個分を貰って600個分しか返さないなんてセコイ?

 いやいや、半分は献上品だから。





 そんな訳でユーロエス将軍の死に伴い、将軍会議が開催された。

 ドス将軍とオレの前で、

「この度、第1師団師団長、モルデーシアです。ユーロエス将軍の後を引き継ぎ、ダークエルフ族の族長に就任しました」

 そう言ったのは金髪褐色肌とオレとキャラがモロ被りのダークエルフ

 20代で眼鏡を掛けてる。ヘソを出した露出衣装で、周囲に展開する闇の微精霊は7つ。

 ユーロエス将軍よりも強そうだ。

「ライザス、テストはしないのか?」

 ドス将軍が笑いながら問う中、オレは苦笑しつつ、

「この前のワータイガー族とは違い、見るからに強いですから」

 と認めたドス将軍が、

「モルデーシアは元帥に昇進。将軍会議の第3席を与え、邪神軍の将軍を名乗る事を許す」

「第1師団も正式に指揮する事もね。第1師団は総て好きにしていいよ」

 オレも続けた。

 あれ、もしかしてオレが第2席なのか?

 そう思う中、





「ありがとうございます。将軍会議第3席、モルデーシアです。邪神軍の将軍の名に恥じぬように努めます」





 そう挨拶してモルデーシアは席に座り、ドス将軍がついでとばかりに、

「ライザス、おまえは第2席だからな」

 と言ったのだった。
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