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卒業パーティー前 〜宮殿内でも移動するのに護衛が付く王太子の浮気がバレないなんて物語は存在しない〜
15、謹慎中の王太子によるマリーハルケン公爵邸のお茶会乱入事件
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嘘のような話だが。
アンゼル宮殿のハミルが謹慎してた自室に残ったイーグルによる逃亡に使ったカーテンの回収。
騎士団長の令息チャックによるアンゼル宮殿を巡回する騎士との雑談という名の引き止め。
宰相サンドス伯爵家の貴族車。
謹慎中の(過去に一度もアンゼル宮殿を抜け出した事のない)王太子ハミルが部屋を抜け出すと思っていなかった警備担当の騎士達の油断。
この4つの要因に、
「アンゼル宮殿の秘密の隠し通路」。
これが加わった事で、脱走がバレる前に王太子ハミルはアンゼル宮殿の外門の外に脱出する事が可能だった。
本当にアンゼル宮殿から抜け出す事に王太子ハミルは成功したのである。
そして、先触れがなくても王太子のハミルはエルゼーシアの婚約者なのでマリーハルケン公爵邸の内部に入る事が出来た。
何せ、王太子ハミルの御本人なのだから。
例え、マリーハルケン公爵邸の門番が一番に馬車の紋章を確認するように訓練されていて、今回乗ってきた馬車の紋章が王家でなくてサンドス伯爵家の紋章だと気付き、どれだけ訝しがろうと、御本人様だ。
市井では王太子の姿絵も売られており、王太子ハミルの顔は意外に有名で、門番達も知っていたのだから。
なので、貴族車の中から顔を出して、
「中に入れよ」
とハミル本人が言えば、門番は慌てた様子で、
「えっ、殿下、本物? どうして?」
「本日はこちらに来られる予定はありましたっけ?」
「いや、急遽だ」
「少々お待ちを。殿下を迎え入れる準備が出来ているか屋敷に確認して参りますので」
本邸に確認し、多少の時間が掛かろうがマリーハルケン公爵邸の門は開き、中に入れたのだった。
但し、王太子ハミルの行動が上手く行ったのはここまでだったのだが。
◇
何せ、本日は昼間にアンゼル宮殿の謹慎中のハミルの許に生徒会メンバーが出向けた事からも分かるように休日だ。
休日は当然、貴族学校も休み。
そして昼間。
とくれば、次期王妃のエルゼーシア・マリーハルケンが結婚してアンゼル宮殿に入る前から縁を作ろうと貴族達は必死な訳で、
未来の王妃に「男は近付けない」となれば貴婦人達が詣でをする事となり、
エルゼーシアの方でもアンドレーヌ王国の運営の為に貴婦人達とは誼を結んでおかなければならず、時間を見付ければお茶会をしていた。
アンドレーヌ王国で権勢を誇るマリーハルケン公爵家のお茶会で、次期王妃のエルゼーシア嬢と誼を通じれるのだ。招待状など貰おうものなら貴婦人達は最優先でお茶会に出席だ。
なので、本日のマリーハルケン公爵邸の自慢の中庭のガゼボでのお茶会も欠席者なく、貴婦人達が集まっていた。
次期王妃エルゼーシア嬢を目当てに集まった出席者達はアンドレーヌ王国切っての貴婦人達で、それも今回のお茶会の出席者は完全にマリーハルケン公爵派閥の人選だったので、
キーラ・ベーレ公爵夫人。出身家はサランド公爵家。王太后ムーラの姪でマリーハルケン公爵のエドックの従妹。
ケイミー・サランド次期公爵夫人。出身家はロート侯爵家。夫のイーラはマリーハルケン公爵の従弟。
アンジー・ヨルムバーク侯爵夫人。出身家はアッパーズ侯爵家。娘のパリスは次期マリーハルケン公爵であるフイトミーの婚約者。
メリッサ・クインベル侯爵夫人。出身家はオーエスト伯爵家。フイトミーの実母の妹。
この4人を筆頭に錚々たる顔ぶれの高位貴族の貴婦人達が集まっていた訳だが。
そのガゼボで開かれたお茶会に出席中のエルゼーシアにもメイドより報告があり、
「殿下が先触れもなしに我が家へ?」
「あら、殿下は確か謹慎中でしょう? 何かの間違いではなくって?」
と答えたのは母親のナシシー・マリーハルケンだった。
長い銀髪を高く盛った髪型の貴婦人である。カフス海の南沿岸諸国のアラプト王国のカカス公爵家出身だが、もうマリーハルケン公爵家に嫁いで20年近く経つ。アンドレーヌ王国にも馴染んでいた。
元々、素質があったのだろう。
「それとも王家が言う謹慎とは言葉だけで本当は殿下は自由に行動しているのかしら?」
サラッとこれくらいの事は言えた。
何の当てこすりかと言えば、王太子ハミルの謹慎は「婚約者エルゼーシアの18歳の誕生日パーティーを他の令嬢を優先して欠席した」事による罰なのだ。
その謹慎がなされていないのであれば、エルゼーシアと実家のマリーハルケン公爵家の事を「王家が軽く見てる」という事になり、それを大っぴらに指摘していたのだ。
「それが本当に来られておりまして。それも大層御立腹されているようで」
メイドが困った顔で答える中、屋敷の中で待ていられなかったのか、それとも早くアンゼル宮殿に帰らねばならなかったので時間が惜しかったのか、その王太子ハミルがエルゼーシアが居るという中庭のガゼボまで突撃してきた。
そしてガゼボでのお茶会に着飾った貴婦人達が20人近く居るのを目撃して「うっ」と気後れしたが、後には引けず、
「ようこそ、ハミル殿下」
席を立ち、美しいカテーシーで出迎えたエルゼーシアに、
「エルゼ、アンヌが貴族学校で噴水に突き落とされたと聞いたぞ。おまえがやらせたのか?」
「いいえ。あれは王太后陛下の意思が働いたと聞いておりますが」
「ならば王太后陛下に泣き付いたエルゼがやらせたのであろうが。二度とそのような事はするな。気分が悪いのでな」
「・・・」
ハミルが一方的に怒る中、エルゼーシアは別の事に関心があったので殆ど聞いていなかった。不思議そうな顔でハミルの顔を終始見ており、
「では邪魔したな」
「お待ちを、殿下。わたくしに何か他に言う事はないのですか?」
「用はそれだけだ」
「わたくしに謝罪等々はありませんので?」
誕生日パーティーに来なかった件に水を向けたのだが。
ハミルからすれば完全に思考の外だったので、きっぱりと、
「そんなものはない」
「あら、そうですの」
内心で幻滅するエルゼーシアに王太子のハミルは、
「玄関までの見送りは必要ない。茶を楽しむがいい」
そう言い残して、さっさとガゼボから去っていったのだった。
一連の若い2人のやり取りを見ていたナシシーが呆れ半分で娘を見て、
「エルゼ、どういう事なの? 謝罪の手紙はなかったのよね? 直接会って言われると思っていたのだけど謝罪がないなんて」
エルゼーシアが席に戻りながら、
「殿下は本心から『悪い』とは思っておられないのでしょう。何やら側妃候補の事で頭が一杯の御様子ですから」
「例の噴水に落ちた子爵令嬢の? 結婚前から側妃漁りなんて王家にも困ったものね~、そう思わない、皆さん?」
ナシシーが忠誠心を試すかのようにお茶会に出席したマリーハルケン公爵派閥の貴婦人達に水を向けると、
「王太子殿下にどのような教育をされてるのかしらね」
「今回の件は王家に抗議文を送る必要があるかと」
「結婚前から側妃漁りなんて前代未聞ですわ」
「それよりも殿下の側近は何をしていますの?」
「『次期マリーハルケン公爵のフイトミー様以外は使えぬ』という事ですわよね、当然」
「そう言えば次代様は居られませんでしたわね、どちらに?」
「本日は我がヨルムパーク侯爵邸で交流会でしてよ」
「それにしても、誕生日パーティーを欠席しておいて謝罪もないなんて。夫にされたら、わたくし離縁いたしますわ」
ロ々に貴婦人達は喋り出したのだった。
そして当然のように、アンゼル宮殿で謹慎中の王太子ハミルがマリーハルケン公爵邸のお茶会に乱入しての「エルゼーシアをそっちのけで側妃候補の子爵令嬢の心配をした」事は、あっという間に、それでいてマリーハルケン公爵陣営に都合良い形で、王都アンゼル中の貴族達にその日の内に面白おかしく伝わったのだった。
アンゼル宮殿のハミルが謹慎してた自室に残ったイーグルによる逃亡に使ったカーテンの回収。
騎士団長の令息チャックによるアンゼル宮殿を巡回する騎士との雑談という名の引き止め。
宰相サンドス伯爵家の貴族車。
謹慎中の(過去に一度もアンゼル宮殿を抜け出した事のない)王太子ハミルが部屋を抜け出すと思っていなかった警備担当の騎士達の油断。
この4つの要因に、
「アンゼル宮殿の秘密の隠し通路」。
これが加わった事で、脱走がバレる前に王太子ハミルはアンゼル宮殿の外門の外に脱出する事が可能だった。
本当にアンゼル宮殿から抜け出す事に王太子ハミルは成功したのである。
そして、先触れがなくても王太子のハミルはエルゼーシアの婚約者なのでマリーハルケン公爵邸の内部に入る事が出来た。
何せ、王太子ハミルの御本人なのだから。
例え、マリーハルケン公爵邸の門番が一番に馬車の紋章を確認するように訓練されていて、今回乗ってきた馬車の紋章が王家でなくてサンドス伯爵家の紋章だと気付き、どれだけ訝しがろうと、御本人様だ。
市井では王太子の姿絵も売られており、王太子ハミルの顔は意外に有名で、門番達も知っていたのだから。
なので、貴族車の中から顔を出して、
「中に入れよ」
とハミル本人が言えば、門番は慌てた様子で、
「えっ、殿下、本物? どうして?」
「本日はこちらに来られる予定はありましたっけ?」
「いや、急遽だ」
「少々お待ちを。殿下を迎え入れる準備が出来ているか屋敷に確認して参りますので」
本邸に確認し、多少の時間が掛かろうがマリーハルケン公爵邸の門は開き、中に入れたのだった。
但し、王太子ハミルの行動が上手く行ったのはここまでだったのだが。
◇
何せ、本日は昼間にアンゼル宮殿の謹慎中のハミルの許に生徒会メンバーが出向けた事からも分かるように休日だ。
休日は当然、貴族学校も休み。
そして昼間。
とくれば、次期王妃のエルゼーシア・マリーハルケンが結婚してアンゼル宮殿に入る前から縁を作ろうと貴族達は必死な訳で、
未来の王妃に「男は近付けない」となれば貴婦人達が詣でをする事となり、
エルゼーシアの方でもアンドレーヌ王国の運営の為に貴婦人達とは誼を結んでおかなければならず、時間を見付ければお茶会をしていた。
アンドレーヌ王国で権勢を誇るマリーハルケン公爵家のお茶会で、次期王妃のエルゼーシア嬢と誼を通じれるのだ。招待状など貰おうものなら貴婦人達は最優先でお茶会に出席だ。
なので、本日のマリーハルケン公爵邸の自慢の中庭のガゼボでのお茶会も欠席者なく、貴婦人達が集まっていた。
次期王妃エルゼーシア嬢を目当てに集まった出席者達はアンドレーヌ王国切っての貴婦人達で、それも今回のお茶会の出席者は完全にマリーハルケン公爵派閥の人選だったので、
キーラ・ベーレ公爵夫人。出身家はサランド公爵家。王太后ムーラの姪でマリーハルケン公爵のエドックの従妹。
ケイミー・サランド次期公爵夫人。出身家はロート侯爵家。夫のイーラはマリーハルケン公爵の従弟。
アンジー・ヨルムバーク侯爵夫人。出身家はアッパーズ侯爵家。娘のパリスは次期マリーハルケン公爵であるフイトミーの婚約者。
メリッサ・クインベル侯爵夫人。出身家はオーエスト伯爵家。フイトミーの実母の妹。
この4人を筆頭に錚々たる顔ぶれの高位貴族の貴婦人達が集まっていた訳だが。
そのガゼボで開かれたお茶会に出席中のエルゼーシアにもメイドより報告があり、
「殿下が先触れもなしに我が家へ?」
「あら、殿下は確か謹慎中でしょう? 何かの間違いではなくって?」
と答えたのは母親のナシシー・マリーハルケンだった。
長い銀髪を高く盛った髪型の貴婦人である。カフス海の南沿岸諸国のアラプト王国のカカス公爵家出身だが、もうマリーハルケン公爵家に嫁いで20年近く経つ。アンドレーヌ王国にも馴染んでいた。
元々、素質があったのだろう。
「それとも王家が言う謹慎とは言葉だけで本当は殿下は自由に行動しているのかしら?」
サラッとこれくらいの事は言えた。
何の当てこすりかと言えば、王太子ハミルの謹慎は「婚約者エルゼーシアの18歳の誕生日パーティーを他の令嬢を優先して欠席した」事による罰なのだ。
その謹慎がなされていないのであれば、エルゼーシアと実家のマリーハルケン公爵家の事を「王家が軽く見てる」という事になり、それを大っぴらに指摘していたのだ。
「それが本当に来られておりまして。それも大層御立腹されているようで」
メイドが困った顔で答える中、屋敷の中で待ていられなかったのか、それとも早くアンゼル宮殿に帰らねばならなかったので時間が惜しかったのか、その王太子ハミルがエルゼーシアが居るという中庭のガゼボまで突撃してきた。
そしてガゼボでのお茶会に着飾った貴婦人達が20人近く居るのを目撃して「うっ」と気後れしたが、後には引けず、
「ようこそ、ハミル殿下」
席を立ち、美しいカテーシーで出迎えたエルゼーシアに、
「エルゼ、アンヌが貴族学校で噴水に突き落とされたと聞いたぞ。おまえがやらせたのか?」
「いいえ。あれは王太后陛下の意思が働いたと聞いておりますが」
「ならば王太后陛下に泣き付いたエルゼがやらせたのであろうが。二度とそのような事はするな。気分が悪いのでな」
「・・・」
ハミルが一方的に怒る中、エルゼーシアは別の事に関心があったので殆ど聞いていなかった。不思議そうな顔でハミルの顔を終始見ており、
「では邪魔したな」
「お待ちを、殿下。わたくしに何か他に言う事はないのですか?」
「用はそれだけだ」
「わたくしに謝罪等々はありませんので?」
誕生日パーティーに来なかった件に水を向けたのだが。
ハミルからすれば完全に思考の外だったので、きっぱりと、
「そんなものはない」
「あら、そうですの」
内心で幻滅するエルゼーシアに王太子のハミルは、
「玄関までの見送りは必要ない。茶を楽しむがいい」
そう言い残して、さっさとガゼボから去っていったのだった。
一連の若い2人のやり取りを見ていたナシシーが呆れ半分で娘を見て、
「エルゼ、どういう事なの? 謝罪の手紙はなかったのよね? 直接会って言われると思っていたのだけど謝罪がないなんて」
エルゼーシアが席に戻りながら、
「殿下は本心から『悪い』とは思っておられないのでしょう。何やら側妃候補の事で頭が一杯の御様子ですから」
「例の噴水に落ちた子爵令嬢の? 結婚前から側妃漁りなんて王家にも困ったものね~、そう思わない、皆さん?」
ナシシーが忠誠心を試すかのようにお茶会に出席したマリーハルケン公爵派閥の貴婦人達に水を向けると、
「王太子殿下にどのような教育をされてるのかしらね」
「今回の件は王家に抗議文を送る必要があるかと」
「結婚前から側妃漁りなんて前代未聞ですわ」
「それよりも殿下の側近は何をしていますの?」
「『次期マリーハルケン公爵のフイトミー様以外は使えぬ』という事ですわよね、当然」
「そう言えば次代様は居られませんでしたわね、どちらに?」
「本日は我がヨルムパーク侯爵邸で交流会でしてよ」
「それにしても、誕生日パーティーを欠席しておいて謝罪もないなんて。夫にされたら、わたくし離縁いたしますわ」
ロ々に貴婦人達は喋り出したのだった。
そして当然のように、アンゼル宮殿で謹慎中の王太子ハミルがマリーハルケン公爵邸のお茶会に乱入しての「エルゼーシアをそっちのけで側妃候補の子爵令嬢の心配をした」事は、あっという間に、それでいてマリーハルケン公爵陣営に都合良い形で、王都アンゼル中の貴族達にその日の内に面白おかしく伝わったのだった。
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