斬られ役、異世界を征く!! 弐!!

通 行人(とおり ゆきひと)

文字の大きさ
67 / 282
聖道化師襲来編

聖道化師、名乗る

しおりを挟む

 67-①

「やれやれ……やっと目を……覚ましたかい? ったく……遅いよっっっ!! まぁいいさ、ボクの名は──」

「何じゃこりゃああああああーーーーーっ!!」
「入れ替わってるううううううーーーーーっ!?」

「……フフフ、お前達の魂を入れ替えてやったのさ、このボク──」

「どうしましょう!? どうしましょう!? うわーーーーーん!?」
「泣くなーーー!! おおお落ち着けーーー!! 落ち着くんやーーーーー!!」

「……いや、あの、ボクの名は──」

「だってだってだって……どうすれば良いんですかこれぇぇぇぇぇ!?」
「あ、安心しろ!! こういうシチュエーション、映画で見た事あるぞ!! 元に戻る為には確か……」
「どうするんです!?」
「まずは……お◯ぱいを揉みしだくッッッ!!」
「待てぃ!?」

 胸に両手を伸ばそうとしたナジミ(中身は武光)だったが、武光(中身はナジミ)は、すんでの所でナジミ(中身は武光)の両手首を “ガシッ!!” と掴み、自分の胸を揉みしだかれるのを阻止した。

「ちょっ!? 何ですかそれは!? 意味が分かりませんっっっ!!」
「うぐぐ……ええい!! 離せ離せーーー!! だって見たんやもん、映画やと確か……胸を揉んだ後、口噛み酒を一気飲みして、逢魔が刻に相手のてのひらに『私は好きにした』って書いて、無人在来線爆弾を全車投入するんや!!」

「いやいやいや、混ざってる、混ざってるから!! 『君のナントカ』と『シン・ナントカ』がごっちゃになっちゃってるから!! 確かに同時期に公開されてたけども……って言うかボクの話を──」

「ぐぐ……ものは試しや!!」
「ちょっ、そんなお試し感覚で人の胸を揉まないで下さいよ!?」
「………………揉んだら大きくなるかもしれんぞ」
「えっ、ホントですか………………いや、やっぱりダメですーーーっ!!」

 一瞬、手の力を緩めかけた武光(中身はナジミ)だったが、羞恥心が上回り、再び力を込めた。

「い……いい加減にしろお前らぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」

 テンパりまくりの大混乱状態に陥っていた武光とナジミの二人は、自分達の背後に立っている男にようやく気が付いた。

「すんません!! 今ちょっと取り込み中なんで後にしてもらえませんかね!?」
「ごめんなさい、私達今、とんでもない事になっちゃってて……」
「うん!! 知ってるよ!? それボクの仕業しわざだし!!」
「な……何ぃぃぃっ!?」

 男は仮面で顔を隠しているが、声から察するに若い男だろう。

 仮面は真ん中から左右に白と黒のモノトーンに塗り分けされており、右目は星型、左目はしずく型の覗き穴が空いていた……そして男は仮面と同様、中央から左右に白と黒に色分けされたロングコートを着用していた。

「ボクの名前は──」
「ふんぬっ!!」
「えいっ!!」
「うぐぅっ!?」

 武光とナジミは仮面の男にタックルを喰らわして転倒させた。

「お前……暗黒教団の人間やな!? 俺らを元に戻せーーー!!」
「そうです、戻して下さい!!」

 仮面の男はヨロヨロと立ち上がると、武光達を睨みつけた。

「ぐぅぅ……吸命剣と引き換えだ!! あとお前、聖剣ってのを持っているらしいな……そいつも寄越せ!!」
「な……何やと!?」
「明日の正午、ここから東に4キロほど進んだ所にある廃村で待つ!! フフフ……言っておくが、その時間を過ぎると……お前達の肉体と魂は拒絶反応を起こして死に至る!!」
「うえええええーーーーーっ!?」

 仮面の男は、コートに着いたホコリを払うと、含み笑いをした。

「ククク……お前達の命運は……このボク、暗黒教団六幹部が一人!! 《聖道化師》の月之前つきのまえ 京三けいぞうが握っているのさ!!」

 男の名を聞いて、ナジミ(中身は武光)は思わず息を呑んだ。

「月之前京三……? お前……まさか!?」
「ああそうさ、ボクは……お前と同じ日本人さ!! 良いか? 明日の正午、東の廃村だ……遅れるんじゃないぞ?」
「あっ、待てっ!?」

 京三は影転移の術を使い、武光とナジミの前から姿を消した。

「くそっ、早速向こうから仕掛けてきよった……!!」
「武光様、ど……どうしましょう!?」
「行くしかあらへん……ひとまず、皆の所へ戻ろう!!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜

楠ノ木雫
恋愛
 病院に入院中だった私、奥村菖は知らず知らずに異世界へ続く穴に落っこちていたらしく、目が覚めたら知らない屋敷のベッドにいた。倒れていた菖を保護してくれたのはこの国の公爵家。彼女達からは、地球には帰れないと言われてしまった。  病気を患っている私はこのままでは死んでしまうのではないだろうかと悟ってしまったその時、いきなり目の前に〝妖精〟が現れた。その妖精達が持っていたものは幻の薬草と呼ばれるもので、自分の病気が治る事が発覚。治療を始めてどんどん元気になった。  元気になり、この国の公爵家にも歓迎されて。だから、恩返しの為に現代の知識をフル活用して頑張って元気に生きたいと思います!  でも、あれ? この世界には私の知る食材はないはずなのに、どうして食事にこの四角くて白い〝コレ〟が出てきたの……!?  ※他の投稿サイトにも掲載しています。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

処理中です...