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聖道化師襲来編
隊員達、奮戦する
しおりを挟む71-①
戦闘開始から数分が経過したが、京三は苛立ち始めていた。たった四人……すぐに蹂躙出来るはずの敵は、守りが堅く、未だ突き崩せずにいる。
「ミナハ、正面から来る敵を食い止めてくれ!!」
「ああ、任せろ!! はあああああっ!!」
“ズバッッッ!!” “ザンッッッ!!”
ミナハが新たな武器、斧薙刀の《驚天》と手槍の《動地》を振るい、影魔獣の接近を阻む。
(凄いぞこの武器は……!!)
実際に戦ってみて、ミナハは驚天と動地の斬れ味に驚いた。
流石に影醒刃の刀身を利用して作った武器である。通常の斧薙刀では切断は困難だった影魔獣の肉体をいとも容易く切断してゆく。それに、とても軽い。
「キクチナ、雷術で右側の敵を足止めしてくれ!!」
「わ、分かりました!! 雷術……震天霹靂!!」
キクチナは、ボウガンで雷導針を突き立てた影魔獣達に向かって雷撃を放った。
「クレナ、今だ!!」
「任せて、フー君!!」
キクチナの雷術で動きの止まった影魔獣達をクレナが穿影槍で貫き、次々と消滅させてゆく。
(敵を見過ぎるな、周りを良く見ろ……!!)
フリードは繰り返し自分に言い聞かせながら、武光に言われたように、視界を広く保ちながら戦い、クレナ達に指示を出していた。四人は見事な連携で、数に勝る影魔獣軍団の猛攻を凌ぎ、徐々に押し返し始めていた。
「グググ…………く、くそッ!! 聖女さんの用意してくれた影魔獣達が……!!」
「ヘッ、愛と友情と笑いの暗黒教団特別調査隊……天照武刃団をナメんなコノヤロー!!」
固く握り締めた妖月を、影魔獣の胸に突き立てながらフリードが叫ぶ。吸命剣によって生命を吸い尽くされた影魔獣が力無く崩れ落ち、消滅した。
次々と倒されてゆく影魔獣達を前に、京三の焦りは高まってゆく。
「クッ……どうして……どうしてこのボクが、こんな連中に苦戦する……!?」
歯噛みしている間にも一体、また一体と影魔獣がやられてゆく。そして、とうとう最後の一体が消滅した。
「ハァ……ハァ……どうだ!! 全部倒したぞコノヤロー!!」
「そーだそーだ、やっつけたぞコノヤロー!!」
「無駄な抵抗はやめて、大人しく隊長殿と副隊長殿を元に戻せ!!」
「い、言う通りにしてくだされば悪いようにはしませんから!!」
武器を構えて、ジリジリと接近するフリード達に対して、京三が後ずさる。
「早くしろ!! 早くしないとお前の顔面に……とっておきの一撃を叩き込む!!」
「クソが……ふざけるなぁぁぁぁぁっ!!」
京三はロングコートの内ポケットからある物を取り出した。IC定期券ほどのサイズと厚みがある透明なプレートである。
京三は、取り出したプレートを水◯黄門の印籠の如く、フリード達に突き付け、憎々しげに言い放った。
「……転送!!」
次の瞬間、プレートからナイフが飛び出した。
「うわっ!?」
フリードは間一髪のところで、飛来したナイフを回避した。
「転送!! 転送!! 転送ッッッ!!」
京三のプレートから、ナイフやら、矢やら、手裏剣やら、挙げ句の果てには鉄球や投擲槍まで、様々な物が飛び出して来る。
フリード達は次々と飛来する凶器を回避しながら、慌てて建物の陰に身を隠した。
「何だよアレ!? どんな手品だよ!?」
「どうしよう……このままじゃ迂闊に近付けないよ!?」
四人の視線の先では、京三が狂ったように笑いながら、手にしたプレートから凶器を射出し続けている。
「アハハハハハ!! ブチ殺してあげるから、隠れてないで出ておいでよ!!」
「そうか……ほんなら、お言葉に甘えてぇぇぇッ!!」
「うぐっ!? お、お前は!?」
京三は、こっそり背後からこっそり忍び寄っていた何者かに、チョークスリーパーを極められた。チョークスリーパーを極めたのは……ナジミ(中身は武光)だった。
「うぐっ……馬鹿な、お前……は……魂と……に、肉体の拒絶反応で、もはやまともに動くことすら──」
「フン!! 確かに死ぬほど苦しいのは事実やけどな……斬られ続けて七年半、俺はお前みたいな奴とは……鍛え方が違う!! 性根が違う!! 決意が違う!! 理想が違う!! そして何より……演技力が違う!!」
ナジミ(中身は武光)は再生ア◯ュラマンみたいな台詞を吐いた。
「まんまと騙されよったな、『敵を欺くにはまず味方から』……日本人同士や、解説は要らんやろ!!」
ナジミ(中身は武光)京三の白黒のロングコートのポケットを弄り操影刀・双頭蛇を強奪すると、京三の背中にドロップキックを喰らわせ転倒させ、その隙に、武光(中身はナジミ)が隠れている場所まで猛ダッシュで走った。
建物の陰で、妖しい閃光が疾る。
光が収まった後、建物の陰から武光(中身は武光)とナジミ(中身はナジミ)が現れた。
「さてと……ようもやってくれたなぁ……」
「貴方のせいで……私は危うく、隣のケダモノ光様にお◯ぱい揉み倒されるところだったんですからね!?」
「なっ!? 誰がケダモノ光やねん!? 俺は元に戻ろうとしてただけ……ハッ!?」
京三の刺すような視線に気付いた武光は、ゴホンと咳払いをすると、イットー・リョーダンをスラリと鞘から抜き、切っ先を京三に向けた。
「覚悟しろ、お前は……シバき倒すッッッ!!」
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