斬られ役、異世界を征く!! 弐!!

通 行人(とおり ゆきひと)

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第二回・殴り込み編

斬られ役(影)、いじける

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 150-①

 影光は死闘の末にキョウユウを討ち取り、影光達は遂に魔王城を制した。

 そう……制したのだが……
 
「チクショーーーーー!!」

 影光はいじけ倒していた!!

 ……原因は魔王の娘、マナの存在だった。
 魔王城を制圧した天驚魔刃団はかねてからの予定通りに、マナと執事のゲンヨウ、巫女のオサナ、そしてつばめとすずめを双竜塞から迎え入れた。
 この世のものとは思えぬ美しさと気品を兼ね備えたマナである。魔王城の将兵は魔王城に現れたマナを一目見た瞬間にマナに魅了され、ひざまずいた。

 そして、その光景を見て、『ちょっと待て!!』とツッコミを入れたのが影光である。

「いやいやいやいや!! キョウユウを倒したの俺なんですけど!? 自分で言うのも何ですが……結構体張って頑張ったつもりなんですけど!?」

 という影光の主張も、マナの持つ魔王の血筋と美しさの前に雲散霧消してしまった。

 両手を地に着き、『何でじゃーーー!! 俺がかしらじゃ駄目なのかーーー!? 俺に何が足りないって言うんじゃーーー!!』とヘコみまくる影光の肩に、ヨミが優しく手を置き微笑ほほえみかける。

「影光、アンタに足りないもの、それは…………情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ~♪」
「ふ……ふざけんなコラー!! その羽根全部むしり取ってやる!!」

 影光はヨミに飛びかかったが、ひらりと躱されてしまった。

「……あと、速さも足りてないわねー?」
「ま、待てコノヤロー!!」
「アハハハハ!!」

 飛び去ったヨミを追いかけようとした影光の所へオサナがやってきた。

「あー、おったおった!! 影光かげみっちゃん、マナちゃんが呼んでるで」
「……ふん」
「もー、まだスネてんのー?」
「う、うるせー!!」
「ムッ……アスタト神殿48の退魔技の一つ……アスタト四つ葉固め!!」
「ギャアアアアア!! ギ……ギブアップ!!」

 ●影光 (アスタト四つ葉固め) ○オサナ
       試合時間 18秒

 影光は 正座させられた!!

「影光っちゃんッッッ!!」
「はい……」
「マナちゃんが……影光っちゃんに何かしたん!?」
「……してないっス」
「マナちゃんが……影光っちゃんの手柄をムリヤリ横取りしたん!?」
「……してないっス」
「マナちゃんが……って影光っちゃん泣いてる!?」
「分かっとんねんそんな事はぁぁぁぁぁ……マナは1ミクロンも悪ないよ!! 俺の……純度100%、混じりっけ無しの嫉妬じゃーーー!! アホーーーーーっ!!」
「うわぁ……めっちゃ開きなおって逆ギレしてる……」
「だって……お前も見たやろ!? ヨミはあんなやし……ガロウも何故か『お前が魔王を名乗るなど断じて認めん!!』って言い出すし……キサイも『今の状況が最善ですよ』って言うし、レムのすけまで『グォモゴァッ!!』やぞ!?」
「そ、そう……」
「俺かてめちゃくちゃ頑張ったんやで!? 頭と腕もぎ取られながら!! もうちょっとこう……なぁ!?」
「何か……ゴメンな? うん、影光っちゃんは頑張ったよ!! うん、めっちゃ頑張った!! えらいよ、影光っちゃんは」
「お、オサナあああああ…………!!」
「あっ、そや!!」
「へぶし!?」

 オサナに抱き着こうとした影光だったが、オサナがスッと立ち上がった為に、顔面から床に突っ込んだ。

「マナちゃんが呼んでたんやったわ!! ほらー、涙と鼻水拭いて!!」
「お、おい!!」
「行くで影光っちゃん!!」

 影光はオサナに連れ去られてしまった!!

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