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両雄激闘編
タッグ、結成される
しおりを挟む203-①
ネキリ・ナ・デギリを手放した事で、形勢は武光優勢へと傾き始めた。
影光の影醒刃はイットー・リョーダンの斬れ味の前に刀身を何度も斬り飛ばされ、その度に影光は刀身を再生させて斬りかかったが、徐々に劣勢になってゆく。
〔何故だ!? 何故我を使わぬ……我を手にする以外に貴様に勝ち目は無いのだぞ!?〕
「チッ……うるせぇバカヤローーー!!」
ネキリ・ナ・デギリは自問した。このままでは間違いなく影光は敗死する。このまま死なせても良いのか……弱く、脆く、愚かで、しかし奇妙で愉快な──
「ぐはっ!?」
その時、武光の回し蹴りをボディに喰らい、影光がすぐ近くまで転がってきた。ネキリ・ナ・デギリの視線の先では武光がゆっくりと剣を上段に振り上げている。
ネキリ・ナ・デギリは影光に声をかけた。
〔我を……手にしろ……〕
「……何でだ?」
〔最強の魔剣として……敗北は……その……許容出来ぬ……〕
「それが本心か?」
武光が突進してきた。影光の脳天に真っ向から剣が振り下ろされる。
〔……貴様を死なせたくない!! 頼むッッッ!!〕
その言葉を聞いた影光は、ネキリ・ナ・デギリを床から抜き放ち、武光の真っ向斬りを弾き返した。
「よーし……オーディション、合格だ!!」
〔何……?〕
「言ったろ? タッグってのはお互いに選び、選ばれる事で成立するって。お前はとんでもなく凄ぇ剣だ……でも、それ故に『相手が自分を選ぶのは当然だ』って自惚れてんだ!!」
〔ぐ……ぐぬぅ〕
「俺は……そういう奴は好かん!!」
〔……互いが互いに相応しくあるべく向上し合える対等な関係……それが貴様の言う『相棒』というものか〕
「へっ……分かってんじゃねーか。しっかりとタッグを組まなきゃ絶対にアイツらには勝てねぇ……その為に、ピンチになってまでお前とタッグを組んだ……勝つぞ、この戦い!!」
〔良かろう……行くぞ我が主……否、我が相棒よ!!〕
203-②
ネキリ・ナ・デギリに渾身の真っ向斬りを弾き返された武光は、イットー・リョーダンを構え直した。
「くっ……しぶといやんけアイツ……!!」
〔ああ……間違いなく君を元に作られたせいだね〕
「ちょっ、待てや!! 何で俺のせいやねん!?」
〔追い詰められてからがバカみたいにしぶといんだよ、君は〕
「お前や魔っつんが一緒に戦ってくれるおかげでな?」
武光とイットーはフッと笑った。
〔で……どうする?〕
「アイツら何かめちゃくちゃ主人公っぽい会話しとるし……こっちも対抗してあの件やるか?」
〔よし、じゃあまず僕が君を地面に突き刺すから〕
「よっしゃ分かった……って逆ぅぅぅ!?」
そんなやりとりをしている武光とイットーを見て影光は唸り、唸る影光を見てネキリ・ナ・デギリは困惑した。
「くっ……さ、流石だ……やるな本体!!」
〔……な、何がだ影光……!?〕
「今のボケとツッコミを見て分からないのか!?」
〔……う……うむ……?〕
「いいか? ボケとツッコミってのは、相手がちゃんと自分のボケを理解してくれるというツッコミへの信頼と、こうツッコんだらボケのネタが活きるというボケへの愛情……つまり互いの信頼が無いと笑いとして成立しないんだ、まさに……以心伝心阿吽の呼吸!! 奴らの呼吸は……恐ろしい程に合っている……!!」
〔そ、そういうもの……なのか……?〕
「……見ろ、アイツらの挑戦的なドヤ顔を!! こうなったらこっちも対抗して──」
「武光様!! バカみたいな事で張り合ってる場合ですかっ!!」
「影光!! アホな事やってんじゃないわよ!!」
「アニキ真面目にやれーーー!!」
「ふざけるな影光ーーー!!」
「隊長……こちとら真剣に戦ってるんですよっ!?」
「影光さん、遊んでいる場合ですか!!」
「アホー!!」
「バカー!!」
「ロクデナシー!!」
「スットコドッコイーーー!!」
「ヘッポコイモムシーーー!!」
「クサレナスビー!!」
「痛っ!? や、やめろお前ら、ゴミ投げんなやコラァ!!」
「やめろ!! バカ、石はやめろ石は!! 痛だだだ!?」
……仲間達にボコられ終えた両者は再び剣を構えて向き合った。
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「流石は俺の本体だ、俺もそう思っていた所だ!!」
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「「!?」」
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「てめぇら……!!」
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