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はいぱーむてき大作戦編
神々、宣告する
しおりを挟む235-①
天から降りてきた、赤・青・黄・緑にそれぞれ輝く四つの光球は、成人男性の胸辺りの高さで静止した。浮遊する光球群に対し、ナジミは慌てて平伏し、フリード達にも平伏を促した。
「み、皆!! 今すぐ武器を下ろして平伏して下さい!!」
「姐さん、アレは……一体!?」
「あちらにおわすのは……火・水・地・風の神々です!!」
「神ぃぃぃー? あれがぁぁぁ?」
「そうです!! と言うか……皆、神々の御姿が見えているの!?」
「お、おう……あの喋る光の玉だろ?」
「こ、こらっ!! 指を差すんじゃありません!! とにかく全員平伏して下さいっ!!」
「う、うん」
ナジミのあまりの剣幕に、フリード達は困惑しつつもナジミに倣ってナジミの後ろで横一列に並んで平伏した。その状態が続く事数秒、黄の光球が言葉を発した。
「アスタトの巫女ナジミよ……面を上げよ」
「はい、謹んで……拝謁致します」
黄の光球の発する重厚な声に促され、ナジミは恭しく顔を上げた。
「ナジミよ、まずはそこの者共に面を上げさせよ」
「畏まりました」
ナジミは神々に一礼すると、フリード達の方に向き直った。
「皆……面を上げなさい」
ナジミに言われて、フリード達は恐る恐る顔を上げた。
「本来であれば、神の存在を認識する事は、神官や巫女などの特別な修行をした者か、霊感が特別高い者でなければ不可能なのだが、今回は特別にそ奴らにも我々を認識出来るようにしてやった。ナジミよ、そこの者達に我らの事を教えてやるがよい」
「畏まりました。謹んで拝命致します。」
ナジミは黄の光球に一礼すると、降臨した神々について話し始めた。
普段とは全く違う、神々に仕える巫女としてのナジミの厳かな所作や言葉遣いにフリード達は思わず息を呑んだ。
「皆、静聴するように。私達の眼前におわすのは、畏れ多くも火・水・地・風の四大神様であらせられます。貴方達から見て左端……赤い光を放っておられますのが《火神ニーバング》様、そのお隣、青い光を放っておられますのが《水神シュラップス》様、更にそのお隣の黄の光を放っておられますのが《地神ラグドウン》様、そして最後に右端の緑の光を放っておられますのが《風神ドルトーネ》様であらせられます」
ナジミがフリード達に紹介した四大神は、この地に宿る生命や自然に恵みを与えてくれる大いなる存在として古くからこの地に住む人々に信仰されてきた神々である。
そして、この地の平穏が大きく乱された際には、代々アスタト神殿に受け継がれている秘宝、《異界渡りの書》に異世界へと渡る為の力を授け、アスタトの巫女によって、この地に平穏をもたらす為に連れてこられた異界人に力を授けてくれる存在でもある。
「皆の者、再度平伏し……順に名を名乗らせて頂くのです」
ナジミはフリード達に名乗らせようとしたが……
「あー、いいよいいよ。そういう堅苦しいのは無しにしよう」
風神ドルトーネの爽やかな声が、ナジミに待ったをかけた。
「君達の活躍と奮闘はよく知っているよ、フリード=ティンダルス、クレナ=レディーグル、ミナハ=ブルシャーク、キクチナ=イェロパンサ、そして、アルジェ=シルヴァルフ……だろ?」
「えっ!? 何で俺達の事知ってるんですか!?」
驚くフリード達に対し、ドルトーネは気さくに答えた。
「僕は風の神だからね、風の噂で聞いたのさ」
「おい、ドルトーネ!! どうでも良いだろうがそんな事はよぉ!!」
火神ニーバングが荒々しい声を発する。
「ニーバング様の言う通りです、本題に入りましょう」
透き通った若い女性の声で、ニーバングの言に賛同したのは水神シュラップスである。
そして、そのシュラップスの言葉にナジミははたと思い返した。そう言えば、神々は一体何の目的で自分達の前に姿を現したのだろう。
ナジミは地神ラグドウンに問うた。
「ラグドウン様、畏れながら、質問をお許し頂けますでしょうか?」
「うむ、許す」
「此度は、何故私共の前に降臨なされたのでしょうか?」
ラグドウンは答えた。
「唐観武光……彼奴を抹殺する為だ」
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