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はいぱーむてき大作戦編
神々、降臨する
しおりを挟む234-①
蹴散らしても蹴散らしても、楔を通じ、次々と影魔獣が送り込まれてくる。
押し寄せる影魔獣を必死に倒して血路を開きながら、フリード達は前進した。
「ハァ……ハァ……砕け!! ブラック……キング……!! ナックルゥゥゥッッッ!!」
フリードの右腕の黒竜が楔の宝玉を粉々に噛み砕き、楔をへし折った。
フリード達は残った影魔獣を殲滅してゆき、最後の一体を倒すと、疲労のあまり、地面にへたり込んでしまった。
「ハァ……ハァ……もう一歩も動けねぇ」
「ふぅ……フリードおめぇ、それでも男か、だらしのねぇ」
「うるせーよアルジェ、男でも疲れる時は疲れんだよぉ!! お前の方こそ最強軍団の一員のくせにへばってんじゃねーか」
「うるせぇ、最強軍団でも疲れる時は疲れんだべ」
言い争うフリードとアルジェを見てナジミは苦笑した。あの二人は大丈夫そうだ。
「クレナちゃん達は大丈夫? 怪我してない?」
「……はい」
「……大丈夫です」
「……け、怪我はありません」
返事はしたものの、クレナ達の声には元気が無く、ナジミは心配になった。
「三人共、本当に大丈夫……?」
三人は顔を見合わせると、意を決したかのように、今の心情を吐露した。
「さっきの敵……もの凄く手強かったです。副隊長、私達……本当に暗黒樹を倒せるんでしょうか?」
「隊長殿を暗黒樹から救い出すという決意は揺らぎません、ですが……」
「い、今の私達の力では……ふ、不安なんです」
ナジミは、今にも泣き出しそうな三人の頭を優しく撫でた。
「武光様だったらきっと、『へのつっぱりはいらんですよ!!』とかって、言葉の意味は分からないけど、とにかく凄い自信で言っちゃう所なんでしょうけど。それでは……きっと、納得出来ませんよね?」
ナジミの問いかけに対して、クレナ達は遠慮がちに頷いた。
「武光様の悪い癖です。あの人はどうしようもない『格好付けやろー』で、恐怖心とか不安をいつも勢いで誤魔化そうとして……ですから、私は『へのつっぱり』なんて言葉の意味が分からない事は言いません、恐怖も不安も…………今ここで全部ブチ撒けちゃいましょう!!」
てっきりクレナ達を励ましたり、勇気付けたりするものと思っていたフリードは、ナジミの意外な提案に唖然とした。
「えぇ……姐さん、ちょっとそれ大雑把過ぎない?」
「この際です、悪いものは我慢して内に溜め込んだりせずに、全部出してスッキリしちゃいましょう!!」
「要はオナラ的な……?」
「た、例えはちょっとアレですけど……大体そんな感じです!! おならぷーです!!」
……それって、アニキと違って、言葉の意味が分かるだけで結局のところ『へのつっぱりはいらんですよ!!』って事じゃね? と、フリードは思ったが、黙ってナジミの提案に従う事にした。隊長とは言え、裏番長の言う事に逆らってはいけない。
そうして始まった、《不安ブチ撒け大会》は、最終的に言い出しっぺが一番号泣して三人娘とアルジェに頭をめちゃくちゃヨシヨシされるというグダグダっぷりを見せつけたものの、ナジミの言った通り、不安をブチ撒けたナジミや三人娘はスッキリとした顔になった。
ブチ撒け大会の最中、フリードは、クレナに幾度となく『格好悪いなんて思わないから、フー君も不安があるなら言った方が良いよ』と言われたものの、終始『要らん!!』と突っぱね続けた。
何故ならフリードは男なのである。
精神衛生的には、男も女も関係無しに不安や恐怖を吐き出してしまった方が良いに決まっている。
『顔で笑って心で泣いて』などと言うのは、はっきり言ってただの痩せ我慢である。だが、そんな馬鹿丸出しのしょーもないただの痩せ我慢に、謎の格好良さや美学を見出してしまう時がある……悲しいかな、男とはそういう愚かな生き物であり、フリードは男なのだ。
……但し!! 後で一人になったら右手の黒王にめっちゃ愚痴る!!
「さてと……そろそろ行こうぜ、皆」
休息を終えたフリード達が次の目標へと向けて移動を開始しようとしたその時。
「「「「待ってもらおうか!!」」」」
天から謎の声が降ってきた。天照武刃団の面々が思わず空を見上げると、そこにはそれぞれ、赤・青・黄・緑に輝く四つの光の玉が浮かんでいた。
「な、何だありゃ……敵か!?」
「あの光は……!! 皆、武器を下ろすのよ!!」
ゆっくりと降下してくる光球に対して武器を構えたフリード達をナジミは大慌てで制止した。
「どうしたんだよ姐さん!?」
「どうして邪魔するんですか副隊長!?」
困惑するフリード達をよそに、ナジミは呟いた。
「あ……あの四つの光は──」
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