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はいぱーむてき大作戦編
作戦、始動する
しおりを挟む233-①
作戦が始動した。作戦名は……《暗黒樹撃滅はいぱーむてき大作戦》である。
影光の考えた作戦名はそのあまりのダサさに満場一致で却下され、作戦名は暗黒樹撃滅作戦でまとまりかけたのだが、決定直前でアイディアを出したつばめとすずめが『わたしもなまえつけたい!!』『すずめもやる!!』と言い出し、作戦名は、最終的に発案者の意見も取り入れて《暗黒樹撃滅はいぱーむてき大作戦》となった。
途中、進路近くの街や村々に城内に避難させたホン・ソウザンの住人達を分散して下ろしつつ、魔王城はマイク・ターミスタへと向かう。
破損箇所の修復と……暗黒樹をブチ抜く為の超弩級穿影槍を搭載する為に。
行軍の途上、天照武刃団の面々と、ロイ=デストに天照武刃団の手助けをするよう指示されたアルジェは魔王城から降りた。
シルエッタの情報によれば降りた場所の付近に楔の一つがあるらしい。ここからは遊撃隊として各地の楔を破壊しつつ、マイク・ターミスタへと向かう流れとなる。
「よーし、行くぜ皆!! 気合を入れろーーー!!」
武光をブッ飛ばした事により、天照武刃団の暫定新隊長となったフリードが檄を飛ばすが、ナジミや三人娘は元気が無い。
「ちょ……ちょっと姐さん!? アニキの事が心配なのは分かるけどさ!!」
「ごめんなさい、武光様がもし大怪我してたらとか色々考えてしまって……まるで胸が抉られるようで……」
「ダメだって、ただでさえ無いのに、これ以上抉れたらアニキが揉む分が無くなっちゃうじゃんか」
フリードは 武光を真似て軽口を とばした!!
しかし ナジミには きかなかった。
「ね、姐さん!? あの、ごめん……頼むからそんな泣かないで!?」
「うぅ……武光様……」
「こんの……バカタレがぁ!!」
「おげぇっ!?」
アルジェは、フリードの鳩尾に《第十三騎馬軍団式・正拳突き》を叩き込むと、涙ぐむナジミを励ますように声をかけた。
「アスタトの巫女様、隊長さんを救うに為には、まずおら達がしっかりせねば!! ほら、クーちゃんもミーナもキクちゃんも!! 隊長さんはきっと大丈夫に違ぇねぇです」
「そうですよね、武光様は絶対に大丈夫ですよね……ありがとう、アルジェちゃん」
「ごめんね、アリー……私、頑張るよ!!」
「ああ、アルジェの言う通りだ!!」
「武光隊長を救う為にも!! が、頑張りましょう!!」
「…………ちょっと意味分からんくらい鳩尾が痛いんですけど……うぇっ」
天照武刃団の面々は気合いを入れ直した。目的の楔は、前方に見える森の中だ。
233-②
「うっ……酷ぇ……」
森の中は酷い有様だった。今は、緑が青々と茂る季節なのに、奥に進めば進むほど、木々の葉は枯れ落ち、草花は腐り果て、野生動物の死骸が増えてゆく。そんな死の匂いが満ちた森を探索することおよそ30分……
「見つけたぞ、あれが……!!」
フリード達は目的の物を発見した。
それは、一本の黒い槍だった。楔状の穂を持つ槍が、地面に垂直に突き立っていた。
石突の部分には握り拳ほどの紫の水晶玉が嵌め込まれており、妖しい光を放っている。
「よーし、ブッ潰してやるぜ……うおっ!? 何だっ!?」
フリードが楔に近付いた瞬間、水晶玉が眩く光り、無数の剣影兵が現れた。その数、およそ二十体。
楔と暗黒樹は繋がっている、それを利用して暗黒樹が影魔獣を送り込んできたのだ。
「ケッ、簡単には破壊させねぇって訳か……上等だ!!」
フリードの右肘から先が真っ黒な竜の頭部へと形を変え、クレナ達も武器を構えた。
「行こう、フー君!!」
「まぁ待て、その前に……せっかくの機会だし、一度やってみたかった事があるッッッ!!」
景気付けである。フリードは大きく息を吸い込むと、武光に代わり、高らかに叫んだ。
「皆の者、此奴らを斬れッッッ!! 斬り捨てぇぇぇいッッッ!!」
フリードの号令の下、天照武刃団は影魔獣の群れに猛然と襲いかかった!!
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