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はいぱーむてき大作戦編
生還者達、伝える
しおりを挟む247-①
ナジミ達は、暗黒樹の内部から逃げて来たという男女と面会した。
整った顔立ちの金髪碧眼の青年と、栗色の長い髪を持つ、大人しそうな雰囲気の若い女性だ。
二人共、服はドロドロに汚れ、靴もボロボロにすり減っている。よほど旅路を急いで来たのだろう。
「貴方達ですか!? 暗黒樹の中から脱出してきたと仰られるのは?」
ナジミの問いかけに、男女は頷き、まず女性が名乗った。
「私は、ヒノア=ラタイナと申します。ナジミ様にはソウザン城で背中に負った斬り傷を治療して頂きました」
「私も貴女様にソウザン城で怪我を治療して頂きました。エイグ=インタックと申します」
二人に言われて、ナジミは思い出した。目の前の男女は、超武刃団と天驚魔刃団と暗黒教団の三つ巴の戦いの中で、倒れているのを発見し、治療した人達だ。
「ヒノアさんもエイグさんも、御無事で何よりです。お二人は暗黒樹に囚われていたのですか?」
「はい、私とエイグさんは、暗黒樹に侵食されたソウザン城の中で……武光さんに助けて頂きました」
「それでは武光様は……武光様は生きているのですね!?」
「ええ、光の勇者リヴァル=シューエン様と共に、多くの人々を救出し、脱出路を切り開いてくれました」
ヒノアの言葉に、天照武刃団の面々は笑顔になった。
「それで、武光様は今どちらに!?」
ナジミの質問に対し、エイグは気まずそうに答えた。
「……彼は、今もまだ暗黒樹の中にいます」
「姐さん!?」
ショックのあまり、フラリとよろめいたナジミを、フリードが慌てて支えた。
「そんな!! 皆さんと一緒に脱出したのではないのですか!?」
申し訳無さそうにエイグは首を左右に振った。
「いいえ、脱出の直前にリヴァル殿が『一度外に出てしまっては、再び中に侵入するのは至難の業、私は内部に残り、暗黒樹の破壊を試みます!!』と……」
「それで武光様はリヴァルさんと一緒に残っちゃったんですか!?」
「はい……『親友を放ってはおけない』と……彼から、貴女様に言伝を預かっています」
それを聞いたナジミは飛び上がらんばかりに驚いた。
「本当ですか!? た、武光様は何と!?」
「はい……『心配せんでええ、俺は大丈夫やから!!』……と」
武光からの伝言を聞いたナジミは頭を抱えた。
「それ…………震えながら言ってたでしょう?」
「そ、そんな事は」
「あと、へっぴり腰だったでしょう?」
「い、いえ……その……」
「それと、足もガクガクだったはずです」
「う……」
「どうせエイグさん達に、『ナジミに心配かけたくないから、ビビってた事は内緒にしといて』とか言ったんでしょう? 武光様の故郷の言葉でええっと、確か……『武士は食わねど、とるねーど』だったかしら? そんな事言って強がってたはずです」
「えっと……その……はい」
ここまで見事に言い当てられてしまっては、エイグは頷くしかなかった。
「あと、もう一つ言伝が……」
「何でしょうか、ヒノアさん?」
ヒノアは頬を赤らめ、恥ずかしがりながら、武光からの伝言を伝えた。
「そ、その……お○ぱいを」
「…………はい!?」
「その……『帰ったら約束通りお○ぱいを揉ませて頂きますので、ご準備の方よろしくお願いします』と……」
「はぁぁぁっ!? ば、バカなんじゃないですか!?」
「……プッ」
赤面するナジミを見てヒノアは思わず噴き出してしまった。
「……なんですか、ヒノアさん」
「ご、ごめんなさい……武光さんが、『この伝言を伝えたら間違いなく、バカなんじゃないですかって言うて、プンスコするでー?』……と言ってたものですから』
「う……」
「武光さん、『プンスコしてる姿が、何か小動物みたいでめっちゃカワイイねん』って言ってました……本当ですね」
「し、知りません!!」
「それも、武光さんの予想通りの反応です」
言動を見事に見抜かれ「ぐぬぬ……」と唸っているナジミを見て、影光は咳払いをすると、エイグに質問した。
「そんな事より、お前らが脱出に使ったっていう、地下の抜け道ってのは使えないのか?」
「はい、暗黒樹の根によって、我々が脱出した直後に抜け道は崩れ落ちてしまいました」
「チッ……そうか」
やはり、魔王城を使って直接、超弩級穿影槍をブチ込むしかない。影光が決意を新たにしたその時、影光達のもとにキサイがやって来た。
「影光さん、魔王城への超弩級穿影槍の搭載作業が完了しました。後は最終点検や物資の積み込みを残すのみ……三日後には出撃出来ます」
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