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最後の決着編
映像、製作される(前編)
しおりを挟む275-①
「協力ありがとうな、ミト!!」
首無しシルエッタは、ミトにお辞儀をした。
「ひっ!? 切断面を見せないでくれる!? そういうのは、下げる頭を再生してからにしなしさいよ!!」
「ん? ああそうか……ふんっっっ!!」
首無しシルエッタが力むと、首の切断面から新たな頭部が生えた。そしてその顔は……影光のものだった。
その様子を見ていた、影光の格好をした武光が恐る恐る質問した。
「お前……それ痛ないんか……?」
「ん? ああ、今はシルエッタに一時的に痛覚を消してもらってるし、核が無傷ならいくらでも再生出来るぜ?」
そう……先程民衆に新生魔王軍の総大将として紹介されたのは、実は影光の格好をした武光であり、首を落とされたのは、肉体の形状変化能力によってシルエッタに化けた影光であった。
「ふっふっふ……全てはこの影光様の計画通り!!」
話は三日前の夜……宴の最中、影光が武光に『シルエッタを公開処刑しようと思う』と告げた場面まで遡る……
275-②
影光の突然の『シルエッタを公開処刑する』宣言に武光は思わず飲んでいた酒を噴き出した。
「お前、いきなり何言い出すねんアホ!?」
「あ、いや……公開処刑と言っても本当に殺すわけじゃない。と言うか、そもそも俺はシルエッタによって生み出された影魔獣だからな、術者であるアイツが死んだら俺も消えちまうし……」
自分の分身である。少し考え、武光は影光の言わんとする事を察した。
「つまり……シルエッタを死んだように見せかける為に一芝居打とうと?」
「まあ、そういう事だ」
そんな影光の提案に、ミトが待ったをかけた。
「お待ちなさい!! シルエッタは今回の争乱の首謀者です、アナザワルド王家の一員として、断じて許すわけには行きません!! 我が国の法に照らし合わせ、火炙りの刑です!!」
「あんなのを火炙りにするくらいなら、スルメでも炙った方が有意義だぞ?」
「ふざけないで!! あの者の犯した罪は──」
「ああ、シルエッタのやった事は火炙り程度で許される事じゃない。アイツ一人分の命なんぞで釣り合うほど、この争乱で命を落とした奴らの生命は軽くない……だから、残りの人生の全てを費やさせて、少しでも罪を償わせる……!!」
何を勝手な、と憤慨するミトに対し、影光は悪役感満載の笑みを浮かべた。
「どうしても処刑するってんなら……さっきも言った通り、アイツが死ぬと俺も消滅する」
「そ、それがどうしたっていうのよ……!?」
「俺が消滅したら、新生魔王軍の皆はブチギレるだろーなぁーーーっ、何たって俺は新生魔王軍の猛者達をまとめる総大将で、新生魔王軍全員が崇拝する魔王の娘の師匠で、皆に愛されるカリスマアイドル的存在だからなー、あーあ、これだけ多くの民が傷付いたのに、また戦乱の世が始まるのかー、あーあ!!」
ミトは、ぐぬぬ……と唸った後、口惜しげに声を絞り出した。
「良いでしょう……但し、常に監視を付け、再び争乱を企てた場合は即座に処刑することが条件です……!!」
「流石はミト姫様!! よっ、聡明!! 絶世の美女!!」
「……ふん!!」
ミトをまんまと丸め込んだ影光を見て武光は思わず笑ってしまった。そして笑ってしまった以上、これはもう影光の悪巧みに協力するしかないだろう。
武光は、『おもろいやん!!』と思ったら、応援せずにはいられない男なのだ。
「フフフ……影光屋、お主も悪よのう」
「いえいえ、お代官様ほどでは……」
そして翌朝、魔王城・軍議の間にて極秘の打ち合わせが始まった。
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