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鬼退治編
刀匠、聖剣を見る
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96-①
マイク・ターミスタの地下にある、バスケットコート2つ分程の広さを持つ地下空間……大昔に、この街の掘削士や採掘士が、休息を取ったり、掘削や採掘の計画の打ち合わせをする為に築いた、言わば前線基地のようなものである。
マイク・ターミスタ解放軍は、そこにアジトを置いていた。
武光一行は、エスカに案内されて、解放軍の面々と対面していた。
解放軍のリーダー、ジャトレー=リーカントは、御歳七十歳の老人で、見た目は温厚な好々爺といった風貌だが、その目には猛禽類の如き鋭い光を宿していた。
ジャトレーはマイク・ターミスタの……いや、アナザワルド王国の誇る超々一流の刀匠である。
ジャトレーは武光達に深々と頭を下げた。
「よくぞ来て下さった!! オーガどもからこの街を取り戻す為に、是非とも我々にお力を……んん!?」
ジャトレーは、ミトが持つ剣に目を止めた。
「ご、御婦人……擬装してあるようだが、その剣は、まさか……宝剣カヤ・ビラキでは……!?」
〔……流石ですね、ジャトレーの父上〕
ジャトレーの問いに、カヤ・ビラキが答えた。
「やはりそうであったか!!」
ジャトレーは、現国王ジョージ=アナザワルド3世の命で、宝剣カヤ・ビラキを製作した名匠達の内の一人なのだ。
〔良かった……ご無事でなによりです〕
「ああ……しかし、お前が何故ここに? お前は国王陛下からミト姫様に下賜された筈では……まさか!?」
ミトは着けていた仮面を外した。
「み……ミト姫様!?」
ジャイナの正体を知った解放軍の職人達が一斉に跪く。
「皆さん、楽にして下さい」
ミトは、自身もジャトレーの前に膝を着き、優しく声をかけた。
「ジャトレー=リーカント、そして解放軍の皆さん……貴方達は兵士でないにもかかわらず、この街の為に力を尽くし、戦ってくれています。貴方達の勇気に、このミト=アナザワルド……感謝と敬意を表します」
「も……勿体無き……お言葉……っ!!」
ジャトレーは震える声でただ一言、それだけを絞り出した。その両眼からはとめどなく涙が溢れ、職人達からもすすり泣く声が聞こえた。
「私達は先遣隊みたいなもので、正規軍もいずれマイク・ターミスタに現れるはずです。それまでに、少しでも多くの人を逃し、一体でも多くのオーガを倒して、奪還作戦を優位にするのです!!」
ミトの言葉に、職人達が一斉に『ハイ!!』と応えた。
「では姫様、先程、姫様達をここに案内した坑道掘削士のエスカ=ホリから、迷わずに坑道を進む為の方法をご教授させて頂きます。それと、そこのお方」
「はい?」
武光はジャトレーに声をかけられた。
「お主のその剣……」
流石は超々一流の刀匠、一目見ただけで自分が背負っているのがただの剣ではない事を見抜いたのか……武光はジャトレーの鑑定眼に深く感心した。
「ふっふっふ……流石お目が高い!! 何を隠そう、この剣こそ……あの伝説の聖剣、イットー・リョーダンなのですっ!!」
「何と!? ……その剣、見せて頂けますかな?」
「どうぞどうぞ!!」
ジャトレーは武光から受け取ったイットー・リョーダンを、声をかけるのが躊躇われる程に真剣な眼差しで、切っ先から柄頭まで入念に見た後、深い溜息を吐いた。
「これは……見れば見る程、凄い剣だ。失われた古の技術が使われているのか……今のマイク・ターミスタの最高の職人達を総動員しても、ここまでの剣を作れるかどうか……」
「そうでしょうそうでしょう!!」
「本当に凄い……いや、『凄い』などという言葉ではとても表せぬ。だが……」
「えっ?」
ジャトレーの顔が急に曇った。
「……この剣はもはや限界、次に戦えば……間違いなく折れる」
マイク・ターミスタの地下にある、バスケットコート2つ分程の広さを持つ地下空間……大昔に、この街の掘削士や採掘士が、休息を取ったり、掘削や採掘の計画の打ち合わせをする為に築いた、言わば前線基地のようなものである。
マイク・ターミスタ解放軍は、そこにアジトを置いていた。
武光一行は、エスカに案内されて、解放軍の面々と対面していた。
解放軍のリーダー、ジャトレー=リーカントは、御歳七十歳の老人で、見た目は温厚な好々爺といった風貌だが、その目には猛禽類の如き鋭い光を宿していた。
ジャトレーはマイク・ターミスタの……いや、アナザワルド王国の誇る超々一流の刀匠である。
ジャトレーは武光達に深々と頭を下げた。
「よくぞ来て下さった!! オーガどもからこの街を取り戻す為に、是非とも我々にお力を……んん!?」
ジャトレーは、ミトが持つ剣に目を止めた。
「ご、御婦人……擬装してあるようだが、その剣は、まさか……宝剣カヤ・ビラキでは……!?」
〔……流石ですね、ジャトレーの父上〕
ジャトレーの問いに、カヤ・ビラキが答えた。
「やはりそうであったか!!」
ジャトレーは、現国王ジョージ=アナザワルド3世の命で、宝剣カヤ・ビラキを製作した名匠達の内の一人なのだ。
〔良かった……ご無事でなによりです〕
「ああ……しかし、お前が何故ここに? お前は国王陛下からミト姫様に下賜された筈では……まさか!?」
ミトは着けていた仮面を外した。
「み……ミト姫様!?」
ジャイナの正体を知った解放軍の職人達が一斉に跪く。
「皆さん、楽にして下さい」
ミトは、自身もジャトレーの前に膝を着き、優しく声をかけた。
「ジャトレー=リーカント、そして解放軍の皆さん……貴方達は兵士でないにもかかわらず、この街の為に力を尽くし、戦ってくれています。貴方達の勇気に、このミト=アナザワルド……感謝と敬意を表します」
「も……勿体無き……お言葉……っ!!」
ジャトレーは震える声でただ一言、それだけを絞り出した。その両眼からはとめどなく涙が溢れ、職人達からもすすり泣く声が聞こえた。
「私達は先遣隊みたいなもので、正規軍もいずれマイク・ターミスタに現れるはずです。それまでに、少しでも多くの人を逃し、一体でも多くのオーガを倒して、奪還作戦を優位にするのです!!」
ミトの言葉に、職人達が一斉に『ハイ!!』と応えた。
「では姫様、先程、姫様達をここに案内した坑道掘削士のエスカ=ホリから、迷わずに坑道を進む為の方法をご教授させて頂きます。それと、そこのお方」
「はい?」
武光はジャトレーに声をかけられた。
「お主のその剣……」
流石は超々一流の刀匠、一目見ただけで自分が背負っているのがただの剣ではない事を見抜いたのか……武光はジャトレーの鑑定眼に深く感心した。
「ふっふっふ……流石お目が高い!! 何を隠そう、この剣こそ……あの伝説の聖剣、イットー・リョーダンなのですっ!!」
「何と!? ……その剣、見せて頂けますかな?」
「どうぞどうぞ!!」
ジャトレーは武光から受け取ったイットー・リョーダンを、声をかけるのが躊躇われる程に真剣な眼差しで、切っ先から柄頭まで入念に見た後、深い溜息を吐いた。
「これは……見れば見る程、凄い剣だ。失われた古の技術が使われているのか……今のマイク・ターミスタの最高の職人達を総動員しても、ここまでの剣を作れるかどうか……」
「そうでしょうそうでしょう!!」
「本当に凄い……いや、『凄い』などという言葉ではとても表せぬ。だが……」
「えっ?」
ジャトレーの顔が急に曇った。
「……この剣はもはや限界、次に戦えば……間違いなく折れる」
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