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第1章 無一文から始まる異世界生活
第3話 トラップカード発動! そして僕は逃げ出した
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▽
「トトさんのトトさんによる司さんのための授業はじめるよー」
すっごく、楽しそうです・・・・
▽
朝ご飯を部屋に持ってきてくれたアルフリートさんに起こされぼんやりした頭で朝食を食べた。
眼が覚めたらログアウトしててリアルに戻ってるとかはやっぱりなく、昨日の今日では創造神様からの連絡も無くいまいち現実感が無い。ごちそうさまでした。
ネックレスに登録してあるいつもの服と髪型と化粧を呼び出す。この部屋そういえば鏡ないな。いつも通り髪は編込んだ三つ編み。白いコートに黒いロングブーツ、黒い首当て。絶対死なないからな! をコンセプトに作り上げた素材の素材から改良して作った逸品。
化粧はクランのビッチ先輩に色々仕込まれたけど習慣として残ったのは香水と口紅のみである。といっても化粧すら登録してあるデータを呼び出すだけの簡単作業。
毎日化粧とかやってられないよ。自分に気合を入れる儀式って言ってたけど尊敬する。僕には無理。
教室は部屋から少し歩いて回廊を通った先にあった。中庭を横目に少し急ぐ。
見たことのない花が咲いているのを見ると別の世界なのだと実感が湧く。そしてもしかして調合に使う植物とか全部覚えなおし? と恐ろしいことが頭を過ぎる。
▽
「すっごく楽しそうですね」
「うん! やっぱり人に教えたりするのが好きなんだ。長官になって現場から離れちゃったけど本当は戻りたいんだよねー」
「あなた以外に務まる人はいません」
「わかってるよ。くすん。創造神様からの神託です! ってごりおして捩込んでようやく午前中とたまに夜の時間が確保できたんだ。ああ、なんで書類なんてあるんだ。会議を減らそうよ。連絡は一度で済ませてよ。嘘は極力吐かないし吐いても意味ないってわかってるよね」
「はぁ、大人しく仕事をされてください」
「やってるさ、アルも余計なことはしないで司さんのことを第一にお願いするよ。面倒な問題だから私が出ないといけない。付っきりになることはできないから」
「身命を賭してお守りするだけです」
「まあ、今はそれでいいよ」と軽いため息を吐き「司さん、体調は大丈夫?」とこちらを向いてすぐ言葉が続く。
「大丈夫です」
「無理はしちゃだめですからね。知り合いもいない違う世界でいきなり暮らすことになるなんて、気が付かないうちにストレスがたまっていても可笑しくないんです。
やりたいことがあったら言ってください。と言っても外の様子も知らないならどんなものがあるのかも分からないでしょうし、
今日は午前中と夜は授業ですが午後から夕方は自由にしてくださって構いません。アルを連れて外に行くのはどうですか? 天気もいいですし観光日和です」
この部屋はトトさんの第二執務室という名の作業室だそうで扉以外の壁はぎっしり本や道具の詰まった棚。
中央に立って作業できる高さの飴色の大きな正方形の机。同じ素材のハイチェアがそれぞれの辺に置いてあり、奥には執務用の机が別にある。
採光は天窓のみだが十分明るい。出入り口側の椅子にアルフリートさんが、その正面にトトさんが座ったので僕は二人に挟まれる形だ。
授業は状況の確認から始まった。トトさんが創造神様から神託を受けることは初めてではなかったらしく、今回も前例があったためこうして僕の相談役としての任を担うことができたそうだ。
しかし神殿内の僕の立場は微妙というか宙ぶらりんの様で僕の様子を見て決めましょう! と投げ捨ててきたらしい。
「私の世界に自由をもたらすものを降ろす。その者は私の世界とよく似た世界から来ている。人柄は問題は無いがどうやら知識や常識などの差異を恐れているようだ。十分配慮してほしい。
次の満月、全ての転生者・蘇生者が去った後泉に現れるだろう。名を宝条司と言う。ただ自由と言う選択がそこにある。それが天命である」と創造神様はおっしゃいました。次の満月はその二日後だったので急いで手配しましたよ」
創造神様、自由と天命についてゲシュタルト崩壊しそうになるんですけど。今晩は夢枕立ってくれますか?
▽
神殿は今微妙な問題に直面しているらしく、トラブルの対処もありますし、使徒様の件はしばらくは様子見で行きましょう! で数ヶ月は稼げるそうなので、それまでに何がしたいか見つけてほしい、というのがトトさんの望みみたいだった。本当に不思議な人だ。
それから気になっていること分からないことを質問していった。
この国は大陸中央に位置するルーツィア都市国家連合。ここは”泉の聖地”。転生・蘇生のできる場所を聖地と呼ぶ。世界の人々は創造神かそれぞれの分野を司る12の神のいずれかを信仰している。
その他には精霊信仰、土着神信仰もあるが転生・蘇生ができる聖地を押さえている神殿の一強らしい。
話を聞くと聖教国という小さな国を運営していてそこに本殿があり、神官はまず全員そこで教育を受け、各地に派遣されるシステムを取っている。
しかし交通の便は最悪で転送門で飛んだ後、さらに飛行できる生物に乗らないと辿り着けない崖の上に国があるみたいで、天然要塞都市国家と言うほうが分かりやすいよとにっこり笑われた。宗教としての名前はなく神殿や教会といえば創造神と12の神だそうだ。
国家はOTLと非常に似ていたが、無くなってたり政治形態が変わったのか名前が変わっている国家があったり、今いる都市国家連合はOTLでは共和国だった。地図に無かった国の名前を挙げたら約200年前に滅んだ国だと言われた。
OTLの国家を全て覚えていた訳ではないが、大国は大体残っていたし、魔獣が存在するこの世界ではそれらが住むエリアが自然的国境として皮肉にも機能しており大まかな形はあまり変わっていないところも多かった。
大陸南東のサールーン魔導帝国はサールーン公国と名前を変えていた。魔法と魔術を纏めて魔法術と呼ぶがそれの研究が盛んであり、魚介類が気に入っててよくお世話になっていた。
名前が変わった理由を聞くと、魂核をエネルギーとして使う実験で研究施設が吹っ飛び一帯が魔力汚染され事が公になり、怨みを買った皇帝一族はみな死んだからという恐ろしい答えが返ってきた。
政治形態は国によって異なれど、神殿の仕事はどこも変わらず転生・蘇生・養育・神性魔法による治療・神性魔法を使用した魔道具の作成や修理と多岐に渡りどこの国にも最重要な施設として食い込んでいる。
「一応聖地は国の物でそこを借りるという形をとって商売してるよー。聖地は政治に先立つとものだからね。政治なんて無くても人は生きていける。権力にも大衆にも阿おもねることなく神の恩寵の代行者として、人の営みそのものを支えることが神殿と聖教国の役割なんだ」
この世界の国家は動かしようの無い限られた聖地と、そこを運営していく人員を確保しているかどうかが大国と小国の分かれ目で、聖地を擁してない国家はどうしても人口の維持を他国の施設に頼ることになる。
「魂核。私たち人の存在の根源。これは生まれたときからあり、転生を重ねるたび成長します。ひとつとして同じものはありません。魂核は外的な力によって損なわれることは無く、神殿はこれを神が人の存在を保障しているからだと言っています。
魂核は体の表面のどこかにありますが人によって異なり、ちなみに私は背中にあります。魔石は似てはいますが生き物の体内にあり、形や性質は種によって異なります。魔道具のエネルギー源として使われる重要な資源です」
一般の人の寿命は大体2,3回転生して150~200歳程度だそうだ。一生が約50歳。初生のみ成人が10歳、2生からは7歳で成人として扱ってもらえる。7歳で成人と驚く無かれ。こちらの7歳はリアルの15歳くらいある。
その後は10歳くらいで20歳くらいに成長しその後の成熟期は身体能力より魔力や精神力が伸びやすくなる。衰えが気になりだすのは30~40代と個人差があるが、大体の人は40半ばで老化が始まり一気に老い、数年で肉体的死を迎える。OTLと同じですね。丸パクリなだけある。
「冒険者や危険な業務に携わる人の寿命はそれより長くなります。大体5~8回くらいです。理由はダンジョンに潜ったり魔獣を狩ることで多量の経験値を得ているからだと言われますがいまだ解明されてはいません。実際高位の冒険者で転生回数が2桁を超える人はいます。
魂核の終焉についてはエネルギーを失い、転生できなくなった魂核はこの世界に溶け天に還ります。これを昇魂と言います」
OTLでは転生したら5歳、リアルで言うと10代前半までいきなり成長した次の姿になる。転生費用を神殿に捧げて記念のアルバム一冊をもらい、新しい適性と潜在値で新しい人生リスタート。
ゲームでは伸ばしたい能力を伸ばしきって、経験値が溜まったらさっさと転生していたが、こちらは老化が始まったら転生するのが主流のようだ。
興味があったのがこの空白期間実際はどうなのかということ。ゲームの都合上スキップされても現実ではそうは行かない。こちらの世界の養育はどうなっているんですかと聞いたら、興味深い話を聞かせてくれた。
3ヶ月の妊娠期間後繭卵を産み親が魔力を与えることで孵化する。基本的に初生は親が主体となって養育する。転生の儀で生まれた繭卵は何もしなくとも孵化する。孵化後、数ヶ月の乳児期を経て半年で立ち、転生の場合1歳~3歳の間に時間をかけて前生までの記憶を思い出す。
神殿は転生者養育が主であり、原則5歳までで7歳までの延長も認められている。神殿からの委託の養育施設もあり、そちらの方が割安だったりする。もちろん神殿に頼らず家族や地域で育てるケースも多いとのこと。
トトさんにとって当たり前すぎたからなのか僕が言い出すまで説明が無かったが、転生すると性別や種族が変わることはあるがよくあることだ。性別も種族も自分で選べない。それまでの生き方で決まりますと運営はコメントするのみである。
結魂して子どもを作っても容姿や種族などの遺伝とかは無い。一応遺伝子らしきものもあったが親と子と言える程の一致は案の定なかったらしい。
魂核の解析は高難度の神性魔法でようやく少し表面的な物が分かるくらいで、内部の法則に関しては推測の域を出ず、OTLと解析度合いも変わっていないみたいだった。
ゲームには一応救済策として性別転換薬・容姿転換薬・種族転換薬があったがそれぞれ10万円くらいでサービス開始当初はものすごい荒れに荒れた。
普通課金アイテムは物価に応じて設定されるが、これらだけはどこか物価の高い所のレートできめられていたっぽく、安い所で買ってくるとかができなかった。
いやさ、ファーストキャラ作るときに
『このゲームでは転生システムがあり、その際に性別・種族・容姿等が変わる事があり、自分で選ぶことはできません』
って再三うざいくらい警告あったし、名前も3つ付けなくちゃいけなくて
『男性用・女性用・どちらでも使えるもので名前を設定することを推奨しています。転生後にどの名前を使うかをその都度選んでいただきます』
とでかでかと注意があったにもかかわらず、いざ転生してみると不満が噴出したようだ。
転生後の容姿や適正は美少女ではなくなったけど、自分の前生のプレイスタイルが反映したもので僕は腑に落ちた。人以外の獣になれる素晴らしさもそこで知った。
他人に気に入られたいとか、こんな美少女いいなとかリアルの価値に無意識に引き摺られて作ったファーストキャラより愛着が持てた。
今の自分の姿も美形ではないけど気に入ってる。特に白に一滴紫を足したような腰まである髪はお気に入り。とてもささやかな胸も、あるといえばあるくびれも、ズボンがすとんと落ちる腰も、服に隠れるから気にしない。
色々文句も噴出したが足切りだったんだと思う。その後は性別種族容姿に拘るならキャラデリ&ファーストキャラとして作り直しに落ち着いた。冒険や探求とかじゃなくて軽い気持ちのバーチャルセックス目的は一定数いつもいた。
日本サーバーではチョーカーを巻いたり、首当てやハイネックで首元を隠すことがヤリ目的お断りの暗黙の了解で、僕も防具兼用の首当てを身に着けている。
まあ初生や鍛えてこなかった2生のステータスなんてたかがしれてるから力づくでどうにかされたりとかなかった。
▽
「あーもうこんな時間・・授業が終わったら魑魅魍魎度もの巣に行かなくちゃ行けないなんて欝だ、ほんとあの人たち自分がどんな色してるかみせてやりたい」
トトさんはやはり異能持ちの高魔力障害者で、神殿や聖教国がその受け皿であることはこちらも同様みたいだった。
異能は一生に限り発現する特異な能力のことで、それを持って生まれた人は、生命と能力の維持のため魂の力に見合わない魔力量の操作を要求され、その際に肉体や精神に変調を来たす。子供も作れない。それを高魔力障害と言う。
異能が先か高い魔力が先かは分からないが、この障害によって日常生活を送ることが困難な人の受け皿として神殿はある。高魔力障害の人は神殿業務で必要な神性魔法が確実に使えるため、聖教国で保護され教育を受け神殿業務に携わる。
神性魔法が使えれば神官にはなれるそうなのだが、やはり異能持ちの神官は多いそうだ。
高魔力障害も転生すれば治るため、異能とそれに付随する面倒を厭うたプレイヤーは最低限の経験値稼ぎをしたあと、早期転生のデメリットを最小限に抑えるためのダンジョンコア破壊で最後の経験値稼ぎをし転生していた。
「魔法は魂の力である精神力を使うもの。使いすぎると理論上魂核が崩壊するけどその前に発狂して死んじゃう。
魔術は精神力が活動エネルギーとして変換された体内魔力オドを呼び水に体外魔力ルフや他人のオドに干渉し現象を起こすもの。
ルフは場所によって濃度や性質が違って、高度な魔術を狙い通り発現させるのは熟練が必要。簡単なのは誰でも使える生活魔術って呼ばれてます。魔力は生命維持に必要なもので常に循環してて、乱れると魔力酔いしたり暴走したら回りや自分を吹っ飛ばす。
スキルはオドだけで済んでいつでも一定の効果が望める。神性魔法は魂の力で魂の力に働きかけるもので、部位欠損の回復や転生、蘇生とか、誓約魔法もこれに含まれるよ。
精神力でもってルフに作用することはできるけど、逆はできないこともないけど多量の魔力を要求されるかな。魂の力は流れや指向性を持ち、魔力はその流れに流される粒のようなものだと理解されているね」
国家や社会が変わっても魂の在り方は変わらない。そんなことを思った。
▽
「よーし、今日の授業はここまで。明日も同じ時間にね。これからどうしたい?」
「外に出てみようと思います。お昼も外で食べようかなと」
「うんうん、ここのご飯はおいしいよー名物もたくさんあるしアルに案内してもらうといい。そうそう、お金は大丈夫?」
「はい、持ってきてます」
「無駄遣いしちゃだめですよ、って子供扱いしてる訳じゃないよ? 今日は夜も時間取れたから夜までには戻ってきてね」
「うう・・これでもけっこう長くプレイしてたんですけど・・・」
OTLで5回転生した6生目ではあるが人生経験では負けている自信が有る。子育ては未知の領域です。リアルは・・・ちょっと切なくなる。
▽
授業中静かだったアルフリートさんに案内され街に出る。トトさんと話し込んでしまったので申し訳ない。
街は正方形の石材を細かい玉砂利で敷き詰めたような広い道に、路面浮遊魔導車が走っていた。時折車輪の付いた浮遊車も走っていて、OTLよりも魔術や魔道具が発達してる。
輸送魔道具もあるが転移門や転移港も各地に配備されており、そこに行くまでの手段として車や電車があるそうだ。
この世界では誰でも魔術が使える。難易度の低い収納魔術は一般人も使えて、ただし容量は両手で抱えるダンボールくらい。それで足りないなら収納魔術付与の魔道具を買う。僕は収納魔術も魔道具も使っている。自分の魔力を注ぎ込んで作りましたよ、ちょっとした家くらいの容量。
それでもダンジョンに行って収集した素材を入れていけばあっという間に一杯になるので、普段は必要最低限のものを入れていた。
魔術としての収納は魔力の節約で戦闘中に使わない、時間経過があっても大丈夫な日用品を入れている。普段使わない物はアトリエに突っ込んでいたからこっちに持ってこれてない。
貴重な材料や大事な設備がたくさんあったからできれば持って来たいけど、持って来たとしても今のところ置く場所が無い。
今日は満月の前後に行われるバザーの日らしく、表通りから少し外れた川沿いとその周辺で屋台や出店が並んでいた。
活気があり物が売り買いされるさまは見ているだけで楽しい。商品も籠に入った野菜や花から、怪しいアクセサリーまで様々だ。
柵にもたれて階段を下りた先にある川辺を見下ろすと、人が思い思いに座って飲み食いしながら話に花を咲かせている。あ、もふもふがいる。獣人の獣形態だと思うがもふりたくなる衝動を抑える。昨日今日ともふもふ成分が足りていない! 隣にいるアルフリートさんにもふらせてくださいとはさすがに言えない。
「どうした? 欲しい物はみつかったか?」
どうやらアルフリートさん(のもふもふ)を見つめていたらしい。あなた(のもふもふ)が欲しいですと言ったらドン引きされるなきっと。
「食べたこと無いものばかりでどれにしようか迷っちゃって。あ、あれ何ですか?」
OTLで見たことのある果実や野菜も在ったが、料理となるとその土地の文化風俗が色濃く反映する。OTLにも空腹も関係してくる健康度が存在していたので食事は必要だった。
「ああ、あれはこの近くで取れた魚に今が旬のシアの実のソースをかけたものだな」
シアの実はリンゴに似た味の色が皮も実も赤い果実である。
「これ一ついただけますか?」
「はいよ、500ガルだよ」
500ガル硬貨を一枚渡すとお姉さんに怪訝な顔をされた。つまんで裏表ひっくり返しながら日に透かしている。
「ん? こりゃなんだい? 似てるけど、サイズが違うしこんな模様見たこと無い、でも正常な魔力反応は・・ある。これはなんなんだい?」
さっと血の気が下がるのが分かる。どうするべき? 偽硬貨使用の現行犯? もしかして捕まる? 混乱してどうして良いか分からず咄嗟にごめんなさいと頭を下げて走り出す。
人ごみを押しのける。耳が遠くなる。後ろからアルフリートさんの声が聞こえた。ここに来て初めての変身スキルを使って鳥の姿になる。柵の上に飛び上がると羽撃き空に逃走した。
「トトさんのトトさんによる司さんのための授業はじめるよー」
すっごく、楽しそうです・・・・
▽
朝ご飯を部屋に持ってきてくれたアルフリートさんに起こされぼんやりした頭で朝食を食べた。
眼が覚めたらログアウトしててリアルに戻ってるとかはやっぱりなく、昨日の今日では創造神様からの連絡も無くいまいち現実感が無い。ごちそうさまでした。
ネックレスに登録してあるいつもの服と髪型と化粧を呼び出す。この部屋そういえば鏡ないな。いつも通り髪は編込んだ三つ編み。白いコートに黒いロングブーツ、黒い首当て。絶対死なないからな! をコンセプトに作り上げた素材の素材から改良して作った逸品。
化粧はクランのビッチ先輩に色々仕込まれたけど習慣として残ったのは香水と口紅のみである。といっても化粧すら登録してあるデータを呼び出すだけの簡単作業。
毎日化粧とかやってられないよ。自分に気合を入れる儀式って言ってたけど尊敬する。僕には無理。
教室は部屋から少し歩いて回廊を通った先にあった。中庭を横目に少し急ぐ。
見たことのない花が咲いているのを見ると別の世界なのだと実感が湧く。そしてもしかして調合に使う植物とか全部覚えなおし? と恐ろしいことが頭を過ぎる。
▽
「すっごく楽しそうですね」
「うん! やっぱり人に教えたりするのが好きなんだ。長官になって現場から離れちゃったけど本当は戻りたいんだよねー」
「あなた以外に務まる人はいません」
「わかってるよ。くすん。創造神様からの神託です! ってごりおして捩込んでようやく午前中とたまに夜の時間が確保できたんだ。ああ、なんで書類なんてあるんだ。会議を減らそうよ。連絡は一度で済ませてよ。嘘は極力吐かないし吐いても意味ないってわかってるよね」
「はぁ、大人しく仕事をされてください」
「やってるさ、アルも余計なことはしないで司さんのことを第一にお願いするよ。面倒な問題だから私が出ないといけない。付っきりになることはできないから」
「身命を賭してお守りするだけです」
「まあ、今はそれでいいよ」と軽いため息を吐き「司さん、体調は大丈夫?」とこちらを向いてすぐ言葉が続く。
「大丈夫です」
「無理はしちゃだめですからね。知り合いもいない違う世界でいきなり暮らすことになるなんて、気が付かないうちにストレスがたまっていても可笑しくないんです。
やりたいことがあったら言ってください。と言っても外の様子も知らないならどんなものがあるのかも分からないでしょうし、
今日は午前中と夜は授業ですが午後から夕方は自由にしてくださって構いません。アルを連れて外に行くのはどうですか? 天気もいいですし観光日和です」
この部屋はトトさんの第二執務室という名の作業室だそうで扉以外の壁はぎっしり本や道具の詰まった棚。
中央に立って作業できる高さの飴色の大きな正方形の机。同じ素材のハイチェアがそれぞれの辺に置いてあり、奥には執務用の机が別にある。
採光は天窓のみだが十分明るい。出入り口側の椅子にアルフリートさんが、その正面にトトさんが座ったので僕は二人に挟まれる形だ。
授業は状況の確認から始まった。トトさんが創造神様から神託を受けることは初めてではなかったらしく、今回も前例があったためこうして僕の相談役としての任を担うことができたそうだ。
しかし神殿内の僕の立場は微妙というか宙ぶらりんの様で僕の様子を見て決めましょう! と投げ捨ててきたらしい。
「私の世界に自由をもたらすものを降ろす。その者は私の世界とよく似た世界から来ている。人柄は問題は無いがどうやら知識や常識などの差異を恐れているようだ。十分配慮してほしい。
次の満月、全ての転生者・蘇生者が去った後泉に現れるだろう。名を宝条司と言う。ただ自由と言う選択がそこにある。それが天命である」と創造神様はおっしゃいました。次の満月はその二日後だったので急いで手配しましたよ」
創造神様、自由と天命についてゲシュタルト崩壊しそうになるんですけど。今晩は夢枕立ってくれますか?
▽
神殿は今微妙な問題に直面しているらしく、トラブルの対処もありますし、使徒様の件はしばらくは様子見で行きましょう! で数ヶ月は稼げるそうなので、それまでに何がしたいか見つけてほしい、というのがトトさんの望みみたいだった。本当に不思議な人だ。
それから気になっていること分からないことを質問していった。
この国は大陸中央に位置するルーツィア都市国家連合。ここは”泉の聖地”。転生・蘇生のできる場所を聖地と呼ぶ。世界の人々は創造神かそれぞれの分野を司る12の神のいずれかを信仰している。
その他には精霊信仰、土着神信仰もあるが転生・蘇生ができる聖地を押さえている神殿の一強らしい。
話を聞くと聖教国という小さな国を運営していてそこに本殿があり、神官はまず全員そこで教育を受け、各地に派遣されるシステムを取っている。
しかし交通の便は最悪で転送門で飛んだ後、さらに飛行できる生物に乗らないと辿り着けない崖の上に国があるみたいで、天然要塞都市国家と言うほうが分かりやすいよとにっこり笑われた。宗教としての名前はなく神殿や教会といえば創造神と12の神だそうだ。
国家はOTLと非常に似ていたが、無くなってたり政治形態が変わったのか名前が変わっている国家があったり、今いる都市国家連合はOTLでは共和国だった。地図に無かった国の名前を挙げたら約200年前に滅んだ国だと言われた。
OTLの国家を全て覚えていた訳ではないが、大国は大体残っていたし、魔獣が存在するこの世界ではそれらが住むエリアが自然的国境として皮肉にも機能しており大まかな形はあまり変わっていないところも多かった。
大陸南東のサールーン魔導帝国はサールーン公国と名前を変えていた。魔法と魔術を纏めて魔法術と呼ぶがそれの研究が盛んであり、魚介類が気に入っててよくお世話になっていた。
名前が変わった理由を聞くと、魂核をエネルギーとして使う実験で研究施設が吹っ飛び一帯が魔力汚染され事が公になり、怨みを買った皇帝一族はみな死んだからという恐ろしい答えが返ってきた。
政治形態は国によって異なれど、神殿の仕事はどこも変わらず転生・蘇生・養育・神性魔法による治療・神性魔法を使用した魔道具の作成や修理と多岐に渡りどこの国にも最重要な施設として食い込んでいる。
「一応聖地は国の物でそこを借りるという形をとって商売してるよー。聖地は政治に先立つとものだからね。政治なんて無くても人は生きていける。権力にも大衆にも阿おもねることなく神の恩寵の代行者として、人の営みそのものを支えることが神殿と聖教国の役割なんだ」
この世界の国家は動かしようの無い限られた聖地と、そこを運営していく人員を確保しているかどうかが大国と小国の分かれ目で、聖地を擁してない国家はどうしても人口の維持を他国の施設に頼ることになる。
「魂核。私たち人の存在の根源。これは生まれたときからあり、転生を重ねるたび成長します。ひとつとして同じものはありません。魂核は外的な力によって損なわれることは無く、神殿はこれを神が人の存在を保障しているからだと言っています。
魂核は体の表面のどこかにありますが人によって異なり、ちなみに私は背中にあります。魔石は似てはいますが生き物の体内にあり、形や性質は種によって異なります。魔道具のエネルギー源として使われる重要な資源です」
一般の人の寿命は大体2,3回転生して150~200歳程度だそうだ。一生が約50歳。初生のみ成人が10歳、2生からは7歳で成人として扱ってもらえる。7歳で成人と驚く無かれ。こちらの7歳はリアルの15歳くらいある。
その後は10歳くらいで20歳くらいに成長しその後の成熟期は身体能力より魔力や精神力が伸びやすくなる。衰えが気になりだすのは30~40代と個人差があるが、大体の人は40半ばで老化が始まり一気に老い、数年で肉体的死を迎える。OTLと同じですね。丸パクリなだけある。
「冒険者や危険な業務に携わる人の寿命はそれより長くなります。大体5~8回くらいです。理由はダンジョンに潜ったり魔獣を狩ることで多量の経験値を得ているからだと言われますがいまだ解明されてはいません。実際高位の冒険者で転生回数が2桁を超える人はいます。
魂核の終焉についてはエネルギーを失い、転生できなくなった魂核はこの世界に溶け天に還ります。これを昇魂と言います」
OTLでは転生したら5歳、リアルで言うと10代前半までいきなり成長した次の姿になる。転生費用を神殿に捧げて記念のアルバム一冊をもらい、新しい適性と潜在値で新しい人生リスタート。
ゲームでは伸ばしたい能力を伸ばしきって、経験値が溜まったらさっさと転生していたが、こちらは老化が始まったら転生するのが主流のようだ。
興味があったのがこの空白期間実際はどうなのかということ。ゲームの都合上スキップされても現実ではそうは行かない。こちらの世界の養育はどうなっているんですかと聞いたら、興味深い話を聞かせてくれた。
3ヶ月の妊娠期間後繭卵を産み親が魔力を与えることで孵化する。基本的に初生は親が主体となって養育する。転生の儀で生まれた繭卵は何もしなくとも孵化する。孵化後、数ヶ月の乳児期を経て半年で立ち、転生の場合1歳~3歳の間に時間をかけて前生までの記憶を思い出す。
神殿は転生者養育が主であり、原則5歳までで7歳までの延長も認められている。神殿からの委託の養育施設もあり、そちらの方が割安だったりする。もちろん神殿に頼らず家族や地域で育てるケースも多いとのこと。
トトさんにとって当たり前すぎたからなのか僕が言い出すまで説明が無かったが、転生すると性別や種族が変わることはあるがよくあることだ。性別も種族も自分で選べない。それまでの生き方で決まりますと運営はコメントするのみである。
結魂して子どもを作っても容姿や種族などの遺伝とかは無い。一応遺伝子らしきものもあったが親と子と言える程の一致は案の定なかったらしい。
魂核の解析は高難度の神性魔法でようやく少し表面的な物が分かるくらいで、内部の法則に関しては推測の域を出ず、OTLと解析度合いも変わっていないみたいだった。
ゲームには一応救済策として性別転換薬・容姿転換薬・種族転換薬があったがそれぞれ10万円くらいでサービス開始当初はものすごい荒れに荒れた。
普通課金アイテムは物価に応じて設定されるが、これらだけはどこか物価の高い所のレートできめられていたっぽく、安い所で買ってくるとかができなかった。
いやさ、ファーストキャラ作るときに
『このゲームでは転生システムがあり、その際に性別・種族・容姿等が変わる事があり、自分で選ぶことはできません』
って再三うざいくらい警告あったし、名前も3つ付けなくちゃいけなくて
『男性用・女性用・どちらでも使えるもので名前を設定することを推奨しています。転生後にどの名前を使うかをその都度選んでいただきます』
とでかでかと注意があったにもかかわらず、いざ転生してみると不満が噴出したようだ。
転生後の容姿や適正は美少女ではなくなったけど、自分の前生のプレイスタイルが反映したもので僕は腑に落ちた。人以外の獣になれる素晴らしさもそこで知った。
他人に気に入られたいとか、こんな美少女いいなとかリアルの価値に無意識に引き摺られて作ったファーストキャラより愛着が持てた。
今の自分の姿も美形ではないけど気に入ってる。特に白に一滴紫を足したような腰まである髪はお気に入り。とてもささやかな胸も、あるといえばあるくびれも、ズボンがすとんと落ちる腰も、服に隠れるから気にしない。
色々文句も噴出したが足切りだったんだと思う。その後は性別種族容姿に拘るならキャラデリ&ファーストキャラとして作り直しに落ち着いた。冒険や探求とかじゃなくて軽い気持ちのバーチャルセックス目的は一定数いつもいた。
日本サーバーではチョーカーを巻いたり、首当てやハイネックで首元を隠すことがヤリ目的お断りの暗黙の了解で、僕も防具兼用の首当てを身に着けている。
まあ初生や鍛えてこなかった2生のステータスなんてたかがしれてるから力づくでどうにかされたりとかなかった。
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「あーもうこんな時間・・授業が終わったら魑魅魍魎度もの巣に行かなくちゃ行けないなんて欝だ、ほんとあの人たち自分がどんな色してるかみせてやりたい」
トトさんはやはり異能持ちの高魔力障害者で、神殿や聖教国がその受け皿であることはこちらも同様みたいだった。
異能は一生に限り発現する特異な能力のことで、それを持って生まれた人は、生命と能力の維持のため魂の力に見合わない魔力量の操作を要求され、その際に肉体や精神に変調を来たす。子供も作れない。それを高魔力障害と言う。
異能が先か高い魔力が先かは分からないが、この障害によって日常生活を送ることが困難な人の受け皿として神殿はある。高魔力障害の人は神殿業務で必要な神性魔法が確実に使えるため、聖教国で保護され教育を受け神殿業務に携わる。
神性魔法が使えれば神官にはなれるそうなのだが、やはり異能持ちの神官は多いそうだ。
高魔力障害も転生すれば治るため、異能とそれに付随する面倒を厭うたプレイヤーは最低限の経験値稼ぎをしたあと、早期転生のデメリットを最小限に抑えるためのダンジョンコア破壊で最後の経験値稼ぎをし転生していた。
「魔法は魂の力である精神力を使うもの。使いすぎると理論上魂核が崩壊するけどその前に発狂して死んじゃう。
魔術は精神力が活動エネルギーとして変換された体内魔力オドを呼び水に体外魔力ルフや他人のオドに干渉し現象を起こすもの。
ルフは場所によって濃度や性質が違って、高度な魔術を狙い通り発現させるのは熟練が必要。簡単なのは誰でも使える生活魔術って呼ばれてます。魔力は生命維持に必要なもので常に循環してて、乱れると魔力酔いしたり暴走したら回りや自分を吹っ飛ばす。
スキルはオドだけで済んでいつでも一定の効果が望める。神性魔法は魂の力で魂の力に働きかけるもので、部位欠損の回復や転生、蘇生とか、誓約魔法もこれに含まれるよ。
精神力でもってルフに作用することはできるけど、逆はできないこともないけど多量の魔力を要求されるかな。魂の力は流れや指向性を持ち、魔力はその流れに流される粒のようなものだと理解されているね」
国家や社会が変わっても魂の在り方は変わらない。そんなことを思った。
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「よーし、今日の授業はここまで。明日も同じ時間にね。これからどうしたい?」
「外に出てみようと思います。お昼も外で食べようかなと」
「うんうん、ここのご飯はおいしいよー名物もたくさんあるしアルに案内してもらうといい。そうそう、お金は大丈夫?」
「はい、持ってきてます」
「無駄遣いしちゃだめですよ、って子供扱いしてる訳じゃないよ? 今日は夜も時間取れたから夜までには戻ってきてね」
「うう・・これでもけっこう長くプレイしてたんですけど・・・」
OTLで5回転生した6生目ではあるが人生経験では負けている自信が有る。子育ては未知の領域です。リアルは・・・ちょっと切なくなる。
▽
授業中静かだったアルフリートさんに案内され街に出る。トトさんと話し込んでしまったので申し訳ない。
街は正方形の石材を細かい玉砂利で敷き詰めたような広い道に、路面浮遊魔導車が走っていた。時折車輪の付いた浮遊車も走っていて、OTLよりも魔術や魔道具が発達してる。
輸送魔道具もあるが転移門や転移港も各地に配備されており、そこに行くまでの手段として車や電車があるそうだ。
この世界では誰でも魔術が使える。難易度の低い収納魔術は一般人も使えて、ただし容量は両手で抱えるダンボールくらい。それで足りないなら収納魔術付与の魔道具を買う。僕は収納魔術も魔道具も使っている。自分の魔力を注ぎ込んで作りましたよ、ちょっとした家くらいの容量。
それでもダンジョンに行って収集した素材を入れていけばあっという間に一杯になるので、普段は必要最低限のものを入れていた。
魔術としての収納は魔力の節約で戦闘中に使わない、時間経過があっても大丈夫な日用品を入れている。普段使わない物はアトリエに突っ込んでいたからこっちに持ってこれてない。
貴重な材料や大事な設備がたくさんあったからできれば持って来たいけど、持って来たとしても今のところ置く場所が無い。
今日は満月の前後に行われるバザーの日らしく、表通りから少し外れた川沿いとその周辺で屋台や出店が並んでいた。
活気があり物が売り買いされるさまは見ているだけで楽しい。商品も籠に入った野菜や花から、怪しいアクセサリーまで様々だ。
柵にもたれて階段を下りた先にある川辺を見下ろすと、人が思い思いに座って飲み食いしながら話に花を咲かせている。あ、もふもふがいる。獣人の獣形態だと思うがもふりたくなる衝動を抑える。昨日今日ともふもふ成分が足りていない! 隣にいるアルフリートさんにもふらせてくださいとはさすがに言えない。
「どうした? 欲しい物はみつかったか?」
どうやらアルフリートさん(のもふもふ)を見つめていたらしい。あなた(のもふもふ)が欲しいですと言ったらドン引きされるなきっと。
「食べたこと無いものばかりでどれにしようか迷っちゃって。あ、あれ何ですか?」
OTLで見たことのある果実や野菜も在ったが、料理となるとその土地の文化風俗が色濃く反映する。OTLにも空腹も関係してくる健康度が存在していたので食事は必要だった。
「ああ、あれはこの近くで取れた魚に今が旬のシアの実のソースをかけたものだな」
シアの実はリンゴに似た味の色が皮も実も赤い果実である。
「これ一ついただけますか?」
「はいよ、500ガルだよ」
500ガル硬貨を一枚渡すとお姉さんに怪訝な顔をされた。つまんで裏表ひっくり返しながら日に透かしている。
「ん? こりゃなんだい? 似てるけど、サイズが違うしこんな模様見たこと無い、でも正常な魔力反応は・・ある。これはなんなんだい?」
さっと血の気が下がるのが分かる。どうするべき? 偽硬貨使用の現行犯? もしかして捕まる? 混乱してどうして良いか分からず咄嗟にごめんなさいと頭を下げて走り出す。
人ごみを押しのける。耳が遠くなる。後ろからアルフリートさんの声が聞こえた。ここに来て初めての変身スキルを使って鳥の姿になる。柵の上に飛び上がると羽撃き空に逃走した。
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