6 / 74
第1章 無一文から始まる異世界生活
第6話 あっちとこっちの微妙な違い
しおりを挟む▽
「さて、鍵と認証タグを作りましょうか」
ああ、そういえば鍵くれるって言ってましたよね。
トトさんが平然としてるので段々とこちらも平静を取り戻してきた。
「親鍵はこれねー、魔力通してくれる?」
「鍵の魔道具ですね、分かりました」
鍵は鈍色でシンプルな造りだ。魔力を通すと上部の魔石と下部の魔石の色が青紫に変わった。僕の魂核のメインカラーである。
「次はこれ、私とアルの分の鍵。」
こちらにも魔力を通すと同じ反応が起こる。鍵をトトさんとアルフリートさんに一本ずつ渡す。二人はそれぞれの鍵に魔力を通すと上部の魔石の色が変わる。トトさんは赤、アルフリートさんは灰色。ついでに借りていた鍵も返す。
「親鍵が使えなくなったら自動的にこの鍵も使えなくなるよ。子鍵も魔力を通した人間しか使えない。親鍵を壊したい時は強い魔力を通すか、鍵を折って上部の魔石と下部の魔石をくっつけたら使えなくなるから覚えておいてね」
「ありがとうございます。大切にします」
「次は認証タグだね」
「認証タグって何ですか?」
「神性魔法でしか作れない、人の魂核の情報を記録する魔道具だよ。ステータスや称号は他人に見せることは出来ないけどこれを通せば人に見せることが出来る。
専用魔道具が有る銀行とかにお金を預けたり引き出したり、大型の商店や組合ではこれで取引もできるよ。これを使う時は登録者の魔力を流せば一時的に起動するから使う度に魔力を通してね。本人から3M以上はなしたら起動もしないし強制終了するから気をつけて」
机の上にドッグタグの様な銀色と金色の板が並べられた。真ん中に正方形の透明な魔石のプレートが埋め込まれ、その左右には意味ありげに大きな丸い穴と小さな穴が隅に開いている。OTLのギルドカードみたいなのかな?
「色はどっちがいい? 金と銀しかないけど」
「銀でお願いします」
金ぴかはどうも苦手。
「これは作るに当たっての同意書だから、目を通してサインしてくれる?」
「裏に誓約魔法式がっつり」
「それだけ大事なものだからね」
魂核情報は公的機関の要請に応じ公開することが有る。再交付は有料等など。借り物だからちゃんと扱ってね? という念の押し様。正式名称は舌を噛みそうなくらい長かった。
下の欄に、今回の魂核情報を元に蘇生保障協同組合に加入しますか? という文章があった。初めて見る言葉だ。
「トトさんこの蘇生保障共同組合ってのは何ですか?」
「それは自分が死んでしまって善意の他者のにより魂核が届けられた場合、加入しておけば蘇生してくれる組合だよ」
「死に戻りにこんな裏が・・・」
「そんなに高くないし、本当は心配だから加入して欲しいんだけどね。加入はいつでもできるから」
「そうだ、万が一死んで本人の意思が確認できない場合、事前に届け出のあった人物か、保証人が現れなければ蘇生されない」
誰がお金払うの? ってことですよね。世知辛い。
「うーん、入りたいんですけど先立つものも無いので今回はいいです」
それにベネル様が死んだら配慮するって言っていたのでその確認を先にしないといけない。
神殿による蘇生と転生は満月から満月までの二週間の13日間かけて行われる。1日と13日が満月で一月は24日。12ヶ月が一年。ゲームではデスペナルティで経験値損失と最大1日のログイン制限があった。
ただしダンジョン内であれば魂核登録済の相手から神性魔法による蘇生を受けられた。なので神殿で蘇生を受けるのはフィールドで運悪く死亡した場合が殆ど。
野良PTの時はその場限りの魂核登録をして終わったら解除するものだった。ダンジョン内蘇生はこっちにもちゃんとあるみたいだから安心してダンジョンに行ける。
「うん、サインは大丈夫だね」
トトさんはすらすらと自分の名前を書いた後僕にも紙の端を持たせ、契約書の魔法式を起動させた。裏面の魔法式が燃えるように白く輝く。インクを白く契約書に焼付け光は収まった。
一瞬みぞおちの魂核が熱を持った気がする。
「じゃあタグに魔力流してーそうそう、しばらく流してて、いまから読み取りするからじっとしててね」
僕の頭上に陳が発動してさっと頭から足まで通り抜けて消えた。喉元から爪先まで撫でられた様な感覚。なんかぞわっとした。
「その手元の魔石に向って精神音出してくれれば登録完了だよ」
「ふぇっ?」
精神音を出したらさっきの熱が深い所に入ってきて何かを刻んで持って行った。そうとしか言えない初めての感覚。
「どうしたの?」
「何だか、さっきからぞわっとして」
「やっぱり敏感だねぇ、精神力に作用する魔法だから感覚が鋭いとそう感じる人が多いよ」
透明だった所にきらきらと輝く6枚の花弁の青紫の花の模様が浮かぶ。
「しばらくしたら光が消えるから使うときは魔力を流してね。チェーンも同じ銀色でいい?首から下げてる人が多いかな」
「ありがとうございます」
チェーンを通し首に下げる。すでにネックレス型の魔道具を付けているのでちょっと多い気がする。
「基本的な使い方教えるよ。まずは魔力を流して起動、魔石部に触って表示と命令。言ってもいいし言わなくても大丈夫」
「触るのは素手ですか?」
「魂核登録と同じで肌ならどこでもいいよ。触れてないと時間経過で落ちるってだけだから」
表示と頭の中で唱えたら目の前にノートを開いたくらいの窓が出現した。OTLのステータスウィンドウと似てる。
「画面のサイズとか色とか好きにいじれるからやりやすいように調整してる人がほとんどだね。見方は中央に有るアイコンをタッチしてもらえる?」
タッチするとチュートリアルが起動した。
「設定はその指示に従えば大丈夫、犯罪歴とか一部の情報は非公開に出来ないけど大体は個別に設定できるから。しないと思うけど解析改竄は捕まるからご法度だよ?」
「しませんよ。これだけのものが無料ってすごいです・・」
ぱっと見るだけでも複数の機能が搭載されてる。これはメール機能? アルフリートさんとトトさんの情報が出てる。
「ふふーん、すごいでしょ? それがあれば神殿が管理する神恵図書館って言う情報室にもアクセスできるし、魂核登録した相手に手紙を送ることもできるんだよ?
あとは個人や企業の公開してる情報にアクセスしたりも出来るけどデマもあるから鵜呑みにはしないようにね。各国の公報も見れるからたまには目を通すことをお勧めするよ。
神の恩寵は万民を普く照らすという神殿の理念を最も表した魔道具かな。目で見たり聞いたことを記録もできる。自動で安全な範囲で魔力を吸って充填できる設定には出来るけど、起動時間は本人の魔力依存だからそこは許して」
すごすぎませんか聖教国、情報強者か。OTLにもPC型魔道具はあったがリアルと似たような形だった。ギルドカードだなんてとんでもない。”認証タグ”ってそれどころじゃないですよ、これ。
▽
OTLにおけるステータスは一言で言うと「あんまり役に立たない」である。
能力は潜在能力値と顕在能力値とあることが公表されていた。潜在値・能力値と言われる事が一般的。簡単に言うとそこまでしか伸びませんよ? が潜在値。能力値は今現在の状態。
OTLにおけるステータス評価は他者と比較するものではなく、あくまで自分が今どれくらい限界に近づいているか? という観点で表され、Sが100%でA.B.C.D.E.Fと表記された。
1km走るのが精一杯の人で今日はすっごく元気なんだ! でも体力A表示。
フルマラソンを余裕で走れる体力自慢が体調を崩す。しかし体力C表示。
これもほぼ潜在値上限まで鍛えてる同士の比較で、上限まで鍛えていないなら、現在の上限もしくは現在値比較で最高がCだったり。
ステータスは精神力、体力、耐久力、魔術耐久力、筋力、知力、魔力、器用さ、健康度があるが相互に影響しあっていた。
例えば体調が存在する上、空腹・病気などで健康を損なえば精神力以外の全ての能力が下がる。かと思えば知力を高めることで魔力上限が上がったりと複雑に絡まりあい自己管理の「目安」程度の受け止められ方をしていた。
魔術適性も多数ある属性ごとに相性、魔力総量、変換効率、操作能力、発現総量、発現効率がそれぞれあくまで自分基準で表され、しかも魔法については表示無しなど、隠しステータスが存在するのでもう目安としか言いようが無かった。
▽
称号についてはさらに役に立たない。思い出の記念館くらいの価値くらいはある、
なんせ普通にプレイしてるだけで3桁付く。名誉とか不名誉とか関係なく付く。しかし言わないなら本人しか分からないし、ステータスに影響は無い。ひどい称号で心を痛めることもあるので一応あると言えばある。
<巣作り大好き>とか<手作り愛好家>とかの称号なのかそれ、という言葉を始め<良くも悪くも地に足が着いてない>とか<一人上手><エリクサー中毒>の様な暴言じゃないのこれ? ってものまで。
加護については称号を元に転生時に付与されると女神から情報があり、僕らの転生は神様や上位精霊たちにとって一種の娯楽でもあった事が判明し頭が痛い。まあ仕事ちゃんとしてくれればそれでいいです・・。
ちなみに悪質だったりプレイヤーに悪影響を及ぼす加護を呪いと言ったが、加護の括りで扱われていた。加護は基本的にそんな簡単に付いたら外れたりしない。
呪いを解きたいプレイヤーは神殿に相談してその呪いをくれやがった神より力の有る神や精霊を信仰し影響を弱めてもらったり、転生時に外してもらったりした。本人専用になるが魔道具もあった。神様はリアルへの配慮かそんな時かイベントでたまにしか出てこなかった。
こっちでは信仰により恩寵や祝福があるそうなので信仰するか迷うところ。
そして呪いと祝福は裏表。≪誘惑の加護≫を受けた<ミラクルビッチ>は魔獣や魔物からも発情対象にされる様になったが、嬉々として魔獣・魔物相手にスライム形態でエロシーンを繰り広げたりして実にカオス。
▽
さて覗いてみましょうステータス。きっとOTLゲームより役に立つ物だと信じてる。
******************
宝条司・司・司 両性
転生回数 5
レベル 57/120
職業 オラクル(下位)▽
年齢_10
精神力_C
魔力_C
体力_A
耐久力_B
魔術耐久力_C
筋力_A
器用さ_B
健康度_B
結魂 0/3
魂核登録 2/200
魔術適性▽
称号・加護▽
契約精霊・従魔▽
ライセンス▽
取引履歴▽
渡航・移住歴▽
犯罪歴▽
契約▽
カスタマイズ▽
******************
授業で見た文字が良く見知ったアルファベットや文字に変換して感じられた。下に他の情報が閉じてある。
A=ステータスが高いじゃなくて伸び代低いってことだからね!! 種族表記が無いのも共通とは。そして見たことの無い表記。嫌な予感がします。
「やっぱりなりだったんだ、転生回数5回って私より年上?」
「いえ・・20~30歳で転生してるんでそんなに・・・」
なりとは日本サーバーにおける両性の呼び方である。自動翻訳さんは今日も絶賛仕事中。もうちょっと何か無かったのか。
OTLは時間加速でリアルの1日で24日(この世界で一月)経つからリアルでログイン時間合わせるのがかなり大事だった。ログインしてる間しか時間経過はカウントされなかったし、養育期間スキップがあるとはいえこのスコアは廃人という他無い。
気になるのは結魂と名前の表記だ。
「トトさん、名前が三つあるんですけど」
「男、女、なりで3つ儀式で付けるものでしょ?」
やっぱりか。にしてもこの表示はどうにかならないものか。触ってたら一個に設定できた。良かった。
「トトさんの他の名前はなんて言うんですか?」
「それは秘密」
トトさんは人差し指立てて下唇に当てた。
「ごめんね、聖教国に属すと決めた時に付けた名前以外は教えられないんだ」
洗礼名とか法名みたいなものかな。にしても秘密が一杯ありそうで興味をそそられるが、今はもっと気になることを聞いておかないと。
結魂はOTLでもあったシステムで、結魂することで異性間もしくは両性間で子どもを作れるようになる。生理も無いリアルとまったく違うルールの世界だけど子どもを作ることは面倒がたくさんあってハードルが高かったみたい。
結魂自体は誰とでもできたけど異性間が多かった気がする。
結魂すれば思念通話のコストがタダみたいなレベルになるし、相手が今どこにいるかなんとなく分かるようになり、付与魔術でも委譲できない精神力の委譲が出来るようになる。
とにかく相性が良くなるのそうです。全て聞いた話ですが。
しかし複数表記ですか? この世界は重婚を推奨しているんですか??
「トトさん・・この結魂0/3って何でしょう?」
「ん? 司さんの世界にはもしかしてなかったの? 結魂」
「いえ、ありましたよ。でも相手は一人が普通で・・・」
「ああー転生回数が多くなれば結魂できる人数が増えるんだ。一般的な転生回数なら1人だけど、高位の冒険者で前言った転生回数2桁の人はハーレム作ってるよ」
「倫理的に・・問題は無いんですか・・・」
「抵抗あるタイプか。結魂は神が認めた権利。強き者はより多くの子を成す権利があるってのが神殿の見解かな」
「トトさんとしてはどうなんですか?」
「愛があればいいんじゃない?」
どうしようこの世界の倫理観についていける気がしない。
「・・・アルフリートさんはどう思います?」
お説教も作成も無事終わり、アルフリートさんは水差しからコップに水を注ぐ。手渡されたのでトトさんに回してありがとうと言って自分の分ももらった。
一息吐く。冷えた水がありがたい。
「私はそういった相手は一人いれば十分だと思っている。もちろん重魂を否定する気は無い。」
「いつその一人を紹介してくれるんだい? アルが人気なのは知ってるよ?」
名前をトトさんはあの男の子は?娘さんはと、いくつか挙げるが本人はただの友人だと返すばかり。
「自分を受け止めてくれる番つがいがいるって幸せな事だよ。時間は有るから無理に作ろうなんて思わなくていいけど、結魂するかどうかなんて付き合ってから考えればいい話だし、好きなら好きで押し倒しちゃえ」
トトさんは恋愛過激派でした。
「今の言葉は聞かなかった事にする」
僕もそうします。
「とりあえずお互い好意があるならとにかく触れ合ってみればいいよ。恋愛とか結魂とか関係なくね。それで分かることっていっぱいあるから」
「私は特に今の状態に不満は無い」
「司さんは重魂に抵抗あるみたいだったけど、結魂自体には興味あるの?」
「んー特に無いですね」
いずれリアルに戻るのだ。結魂とか子どもとかは考えていない。いつ戻るかも分からない以上不誠実は良くない。
「そっかー、分かった、そのことは置いておいて、お金のことで相談があるって聞いたんだけど、明日にしよっか?」
「いえ、大丈夫です」
頑張れ僕。お金事に関しては少しでも早く知識を得て解決しておかないと確実にまずい。
水差しからおかわりをもらって飲みながらどう話すか頭を整理した。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話
トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる