Over the Life ~異世界変身冒険奇譚~

鳥羽

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第2章 司のあわただしい二週間

第35話 雨降って地固まる?

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 ▽

 何がしたいのか、僕はアルフリートさんをどう思っているかが明確になれば行動の指針が立つ。混迷の渦に叩きこまれてもきっと岸を見失わない。

 だからトトさんが教えてくれた様に自分から触って確かめたい。あんな一方的にされるんじゃなくて、流されるんじゃなくて。

「おい・・・背中を貸してと言っていたが何をする気だ・・・」

 人差し指を背中に滑らせた時地響きの様に低い声で問われる。機嫌を損ねてしまったようだ。

「こうやって確認したいんです。まず第一に、アルフリートさんは僕に好意って少しはあります?」
「お前は馬鹿なのか? ・・・頭の良い馬鹿だったな。何もない人間に手を出すほど無節操では無い」
「バカバカ言わないで下さい。常識が無くて、やりたい事があったら突っ走っちゃうだけです。
 でもよかった・・・」

 背中の隆起が陰影ではっきりと分かる。掌で触れると僕より体温が高いのか温かい。さらさらとした短い毛並みに額を押し当てると、僕と同じソープのビターオレンジの香りがして安心した。

「ごめんなさい、人の好意とかよく分からないんです。トトさんが触れあってみて分かる事があるって言ってたけどああも性急だと全然分からなくて」

 僕はアルフリートさんを信頼したがってて、その根拠を欲しがっている。

「僕は人付き合いが上手くなくて、自分の従魔一匹の気持ちさえ分からなくて、義務感とか、じゃないんですよね? あとやれるなら誰でもいいとかなら僕はそんなに器用じゃないので、破綻する前に離れようと思って」

 クランが色恋沙汰を拗らせて崩壊して行く様は何度も見たし、千波にトチ狂って暴れる人間は性別関係なく見苦しかった。今ならなんとなく分かる。きっと僕がダンジョンで感じた不快感の延長線上にあれが存在するんだろう。あんな姿を晒したくない。

 これ見よがしの溜息と頭を押さえ、気づいていなかったのか? 頭痛がすると小さなうめき声。
 肩甲骨に両の掌を当てて、その間に頬を押さえつける。心臓の音、血液の流れる温かな体。
 この世界にしかいない人。

「だって会ってまだ数日なんですよ? しかもキスだってちょっとずつ慣れていこうって思ってたのにいきなりアレですよ? 部屋のドアおそるおそる開けて少しずつこの世界に慣れていこうって思ってたら発破解体されてぶっ飛んだんですよ?」

「・・お前が助けたPTのヒーラーに触られたと知った時、腸が煮えくり返るかと思った」
「え?」
「あれだけの物が作れるのであれば一人で身を立てる事も、どこかのお抱えの錬金術師になる事もできるだろう。ダンジョンでの判断も的確で、底が見えない。冒険者としてやっていくには危うい常識の無さと不釣り合いな力を理由に庇護下に居ろと言ったら手ひどい拒絶が返って来た」

「それは・・僕は無力な子供じゃない。誰かがいないと生きていけないなんて、そんな風になりたくないだけです」

 引き籠りで、誰かと縁を結ぶ事ができなくても、それでも生きてきた。たったそれだけのちっぽけで情けないプライド。それしかない拠り所。
 軽く扱われるのはいい。でも懐に収められて可愛がられて依存するのは嫌だ。保護と自由の制限は大体同じ物で、保護の見返りに何かしら求められるのが常だし。

 両手を滑らせて肩へ。揉むとみっしりした筋肉を感じられた。発達した僧帽筋は熊を思い起こさせる。あっちはだらしない所もあるせいでもっとふとましいけど。

「おい、何を考えている」
「え、ちょっとクランの貴重な盾の熊と比較を・・・」
 それに感情も比較した方が分かりやすいし。

「お前は過去なんか無くなればいいと言っていた。出逢ってたった数日の人間に専用のドアプレートまで作り部屋を与える。使用者がいる部屋はたった二部屋。お前の心の中にいるのはその熊とやら含めて二人ぐらいなんだろう?」
 茫洋とした、なんとも掴みどころのない独白の様な響きで言葉が重なる。

「今まで部屋を使った人間はどうした? 全員プレートごと捨ててしまっているではないのか? その二人がこちらに来れば私などお払い箱なのだろう?  迷惑じゃないと言ってもちっとも聞きもしない。私ばかりがお前の事を考え、お前はコロナやソックスの事ばかりで私の事など離れればすぐに忘れてしまうのではないのか?」
「そんな事は・・・」
「どうだか。お前こそ私でなくても身を委ねたのだろう?」

 蔑むような響きにむっと来て思わず後頭部を睨みつける。正面からなら睨めないけど後ろからなら大丈夫。

「アルフリートさんだってああなったヒーラーに付き合った事ぐらいあるでしょう?」
「まあな」
「僕は・・会って数日の人にそこまでしたの、アルフリートさんが初めてですよ。部屋を準備したのも、・・・その、ああいいうのは初めてというかなんというか・・」

 段々と声が小さくなるのは見逃してほしい。こっちを見ないから安心して腕を回し膝立して腕を前に回すと、ちょうどいい感じに頭を抱えられる。
 部屋を準備したのは、捨てられたくない、気に入られたいという思いからだった。答えは最初から出ていた。今だって色んな事があったけど追い出したいとか思わない。
 ・・・恥ずかしすぎて逃げたいって思いはあるが。

「だから、切実さが違うんです。見ず知らずの人とキスするなんてまっぴらごめんの僕と、キスなんて当たり前で経験豊富なアルフリートさんだと比較になりません。今日も墓地も送るとか言ってちやほやされて、しかもあしらい方も妙に慣れてて。
 盗られるのが嫌っていうのは人を自分の物扱いする身勝手な感情だし、その人とのかかわりを既得権益としている様ですっごく嫌だから我慢したんですよ。気づいてました?」

「いや、気づかなかったな」

 苦笑いに安堵を見出す。

「もう背中はいいので、隣座ってくれます?」

 振り向いて笑いかけてくれると、それだけで満ち足りた気分になる。隣に並んで手を握る。今まで知り合ってきた誰とも違う腕。
 ぴとりと頬を上腕に寄せるとどきどきして、もう確認作業これでいいやって気分になって来る。

「おい」
「んー何ですか?」
「聞きたいことが終わったなら話せ」
「・・・まだありますよ!」

 空いている方の腕で頭を抱えつつ溜息をまた吐かれる。

「この世界って同性愛はどうなってるんですか?」
「同性愛? 同性同士の番の事か?」
「なんかニュアンスが違うような・・・例えばですけど、僕が転生して男になったらどうします?」
「どうとはなんだ? 聞きたい事が分からん」
「その・・お払い箱と、か・・・・」

 だめだ、想像だけで悲しくなってきた。耐えるんだ・・未来に悲劇があるのに知らない方が悲劇だ。トトさんは同性の番がいるって聞いてるけど、トトさんが特別なだけかもしれないし。
 ながーい溜息の後お前は私が女性や両性だったら違ったのかと言われ、へどもどしたらおいと厳しい声と視線が飛んでくる。

「本当に良く今まで誰にも襲われずにすんだものだ・・・6生のヒーラーで全くの未経験などありえん・・・」
「いやーその辺は僕の世界では蘇生しても発情とか無かったですし、それに親友のビッチが食い荒らしていたもので」
 驚愕の表情で僕をじっと見つめるアルフリートさん。今までこんな驚かせた事は無かったけど何があったんだろう?
「どうしたんですか? そんなに驚いて」
「お前の口からそんな下卑た言葉が出るのが意外でな・・・」

 ふっと目を逸らされた。
「経験なくても知識はあるんですよ! どんだけ純情だと思ってたんですか。年と顔相応にちゃんと知識くらいありますー!」

 僕の今生の容姿は十人並である。声変わりはしてないのに顔は20代中盤とリアルと同じくらい。それで背は成人の平均で胸も無いという誰得設計。
 目が大きくて愛らしい童顔とかでもなく、むしろすかしてる、気取ってると言われる。胸はあるのに顔はロリショタなら需要はあるだろうが、僕はその逆だ。

「お前の世界ではどうだったのだ? まさか男同士、女同士になってしまったら別れるのが普通だったのか?」
「うぐ・・ほら、それは生産性の問題で」

 まずい、振っておいてなんだがこのネタはタブーだ。リアルの価値観基準だとどうしてもおかしくなる。
 さっきと違う意味で心臓がばくばくいっている。誤魔化そう、どうにかして誤魔化そう。

「蘇生の事といい、並行世界でも違いがあるものだな。確かにその場限りの遊びであれば異性相手か両性同士が楽だと言う人間は居るが私がそうだと思われるのは不快だ。
 しかし生産性で相手を選ぶとは殺伐としているな・・・まさかお前の世界では人類は滅亡の危機に瀕していたのか?」
「してません、ごめんなさい。好きですアルフリートさん」

 そうか、私もお前をとても好ましく思っているぞと言いながらご機嫌にもう一度押し倒され、今やるなら隠し事話しませんからね! と言ってどうにか回避した。ずぼらに開けっ放しだったボタンを必死で留める。
 これ、隠し事のカード切ったらイニシアチブ取る方法激減するなと卑劣な考えが浮かぶ。

 まあそれでもコロナとソックスの事は話そうという気分にはなった。開き直ったとも言う。

「隠してたソックスへあそこまで関わる理由は、コロナへの罪滅ぼしとザーカさんへの恩売りです」
「罪滅ぼしと恩を売る?」
「ええ、コロナとこちらに来て話せるようになって、コロナにはコロナの生活があった事をだんだんと実感できたんです。僕がこっちに来たからコロナは友達もいない世界に連れてこられたんじゃないかって。だから友達ができれば罪滅ぼしになるだろうっていう勝手な自己満足です。
 それと、僕が名前の事隠したがってるのは知ってますよね? だから調書に書かれているなら消してもらいたいなって。ダメなら口止めだけでもって」
「思った以上にお前は傲慢だな・・・あの姿を見てそう思えるのはどういった思考回路なのだ? 調書は、もう遅いかもしれんぞ?」
「ドラゴンの心なんて分かりませんから。分かったら今回の事も回避できてますし。名前もまぁ、音だけなら問題ないので念のためです」
「それもそうか。では、その名・・・」
「ノーコメントで」
「おい」
「ノーコメントで」

 壊れた機械になったつもりで言葉を繰り返す。無理やりに吐かされる様なら別離も厭わない。今ならきっと傷は浅い。
 繋ぎなおされていた手を外してぽふんと鳥の姿になる。この姿なら手出しできまい。

「吐きませんからね! 絶対吐きませんからね! ぽいするなら今のうちですよ!」
「お前は子供か・・・」

 大口を開けて自分より大きな人間に喚く鳥のあほっぽさは知ってる。獣人と違って僕らの発声は魔術扱いで魔力を消費する。魔封じされたら人間形態に戻る事もできずただの鳥以下の存在になり下がるので魔封じだけは遠慮したい。いつか人の言葉で話せるようになればいいんだけど。

 ゆらりと座面を這って揺れるもふもふの尻尾にえいやと飛びつく。ふむ、長い毛足に隠された尻尾は程よい太さで、掴むのにちょうどよいフィット感がある。

 銀色を股の間にはさんでつんつんと啄む。上体を倒し自分より大きなテディベアトムに抱き着くかの如く豪奢なもふもふにすり寄る。

 ぶつぶつとアルフリートさんが両膝に肘を突き手を組んで虚空に何か言っていると思って耳を澄ませたら、創造神様に捧げる祈りの言葉だった。アルフリートさんは創造神様の信徒なのかな? 神託があってトトさんと縁が繋がったのだから、感謝の念があっても可笑しくない。

 創造神様かー・・あの神様の目的は何なんだろう。色々考えちゃうんだよね。

 きっと何をしても、例えば持てる力の全てで暴虐の限りを尽くしたとしても、この世界かみは恙無く続いていくという自分は無力なのだと自己の認識を肯定される無力さへの安住。存在かみを認識する事で生まれる天地が僕に人間としての分を弁えろと言う。

 それはまるで親に駆け寄って飛びつく幼児の信頼だが、そちらは育つうちに差が縮まっていつか失われる物。

 今僕が世界と定義し呼んでいる場所をめちゃくちゃにしたとしても存在は揺らぐこと無く。こちらは永劫に埋まらないだろう途方もない隔絶。

 それ故に、僕が心から望んでそうしたのであれば祝福してくれるのだろう、不都合があれば存在の記録すら抹消してくれるだろうという無条件の信頼をあの空間と対話から得ているのだと思う。

 否定から来る肯定も、心からの行動の全てを肯定されるだろう故の無力感も、終わりなく欠けて埋まる過程が逸楽となんら変わりのない物だったのだと全能感に満たされる。

 今気づいたがあの空間では自分が自己だと規定している範囲の認識が曖昧になり、また匂いも触感もほぼ無い。

 だがら本質しこうが表に出易いのだろう。精神操作を受けている可能性は多いにあるが、それこそ無力さへの安住である。
 光は影と交わり、満ち欠けを繰り返す事で姿かたちを明らかにする。居心地は良くともやはり人間としての感覚を失いたくないのであればあの空間に長居するのはよろしくなさそうだ。

 創造神様は職務に真面目そうだし、尊敬できるが、自己の存在を侵食されるのはまた別問題。

 思考に耽ってみたものの、僕は探究を望みながらも日々に流される俗物でもある。ご飯の為に生き物を狩るし、今回みたいにやりたいことに突っ走って、やらかした後に後悔する事もある。身体操作で抑制したとしても汗をかいたりして汚れるからお風呂にだって入る。

 自分と同じソープの香りのするふさふさな尻尾って素晴らしい。好きな人の物だって思うだけでこんなに違うんだ。

 吸い込むと多幸感で胸がいっぱいに満たされるも、いつか来る別れを考えてしまう。帰還はいずれ訪れる、しかしその前に飽きられる可能性は高い。命令で仕方なく監督し、常識の通じない僕に振り回される吊り橋効果。色々考えるうちに責任感から来る庇護欲がすり替わったのだと僕は睨んでいる。それか単純に物珍しさか。

 僕は理屈っぽくて可愛げもなく、取り立てて美形ではない。現在借金持ち。隠し事が致命的できっとこれからもずっと悩んで迷う。マイナス要素ならたくさん並べられる。最大のアピールポイントである羊と豹のもふもふは今は無い。薄卵色の脚のよくあるカラスとか雀みたいな三前趾足をアピールしても何ソレって言われるだけだろうし。

 枝を掴むように尻尾を掴みつつごろごろと戯れる。体が小さいから出来る尻尾ヘブン。オラクルになったらこんな特典が! 獣態順応訓練は人によっては地獄だけどその先に悦楽がある!抜け毛が羽毛の隙間に絡み付く事すら至福。先日嘴をもぐもぐされたお返しにこっちもかじかじ。尻尾持ちの形態もあるから加減は分かる。

「おい、いい加減にしろ・・」

 片手でソファーに磔られてバサバサともがくと据わった目が至近で僕を睨む・・・・どうやら調子に乗りすぎたらしい。
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