転生したらゾンビゲームでしかも主人公じゃないと言われ、でも覚醒したら何故かゾンビに好かれました?!

.︎︎*心星晴博•ᴗ• *)/⟡.·

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第1章 (人間とお友達 覚醒編)

少年は少しづつ前を向いて歩き出す

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「同時二街中デゾンビノ集団ニ襲ワレテ イル人間ヲ確認シマシタ」

 せっかく家族の事を思い出して、ようやく自分の気持ちに折り合いがつけそうだったのに……。まったく飛んだ邪魔が入ったよ!  ゾンビはほんとっ、人間の都合なんてお構い無しに何処にでも現れるよな。いい迷惑だよ……。

「OK! 彼処の大通りの所で5~6体のゾンビに襲われて、現在戦闘中の彼等が僕達に助けを求めてきたって事かな……。KAGUYAかぐや急いでフリー音声通話に切り替えて」

「了解シマシタ」

たっくんは焦る事なく手馴れた感じでKAGUYAに命令し、映像を確認したりして、俺にはわからない作業をテキパキと進めていく。そんなたっくんを横目に、俺は悔しいけど隣でただ見ている事しか出来なかった。

繋がったフリー音声通話から、必死にゾンビの集団から逃げきろうとする男性や女性の声が聞こえてきた。

「頼む、俺達を助けて下さ……」

音声通話から悲鳴や泣き叫ぶ声か聞こえたと思ったら、そこで会話は途切れてしまった。俺は急いで監視映像を見たが、ちょうど死角になっており状況がわからなかった。

KAGUYAかぐやフリー音声通話を一旦終了して、次に直人の音声通話を繋げてくれ」

「了解シマシタ。 直人様ニオ繋ギ致シマス」

数秒も掛からないうちに直人さんとの音声通話が繋がった。

「直人、緊急要請だ!  ゾンビに襲われている人達を今から僕達が救うぞ!  このビルの屋上に行き狙撃の準備をし、狙撃ポイントは追って連絡する」

「了解した。5分後に屋上に到着する」

あれ?  この廃ビルに屋上に続く階段なんてなかったよな……?
俺が聞こうと思った時にはたっくんが既にその説明を話し始めていた。

「この秘密基地にはね、どの部屋にも一つ隠しエレベーターがあるんだ!
一人用だからくれぐれも二人以上で乗らないようにしてくれ。じゃないと壊れちゃうからね!  この廃ビル見た目は廃墟だけど、秘密基地の建物の部分だけは頑丈な造りになってるんだよ。
おっと、そうこうしている内に直人が着いたみたいだ」

たっくんはKAGUYAかぐやと相談しながら出した計算を基に指示を出し、直人さんを所定の位置につかせた。後は射程圏内にターゲットをおびき寄せるだけとなった。たっくんと直人さんは息をもつかせぬ、見事なチームワークだった。

「律君、今は見ているだけでいいんだ!
見て覚える事も勉強の一つだ。決して焦る事はないよ」

たっくんは色々な事をしていて大変なのに、俺の事もちゃんと見ていて気遣ってくれる。そんな、たっくんの言葉や態度の一つ一つが俺に勇気をくれた。

俺は深い深呼吸をした。
俺にはまだ出来る事は少ないかもしれないけど、この戦いを一瞬たりとも目を離さないようにしなくちゃ!

それが今の俺に出来る事だから……。

「KAGUYAフリー音声通話に切り替えて……。これから君達にブティック前の大通りに出て来て欲しい。案内は僕のKAGUYAするから安心してくれ。あともう少しの辛抱だ、絶対に諦めるなよ!」

「心強い、ありがとう……」

最後のたっくんの伝令で全ての準備が整った。あとは、成功する事を神様に祈るだけとなった。


開始の合図はいきなりやって来た!
街中に銃声の音が鳴り響いた。
ほんの一瞬だった、さっきまで威勢が良かったゾンビ達は次々と直人さんが撃った銃弾に当たった。そして、見事にゾンビ達の急所の心臓や頭を貫通して倒したのだった。

「これで任務完了だ!  その場で黙祷する」

「律君、僕達も黙祷しよう」

直人さんは見事に期待に応え…いや、それ以上の成果だったのに、なぜ、ゾンビ何かに黙祷する必要なんてあるんだ?
ゾンビなんて沢山人を殺めた悪い奴らなのに……。

「律君、不思議に思うかい?
でもね、彼等はゾンビになる前は人間だった事を忘れちゃいけないんだ。誰も好きでゾンビになったりなんかしない。
全てのゾンビを殺めずに済むならそれに越した事はないけど、今は他に彼等を止める術がないんだ。
この黙祷は彼等の魂が少しでも安らかな眠りにつけるよう、これは僕達なりの殺めてしまった命への償いでもある……」

ここに来てから考えされられる事が多くなった。

ゾンビである前に人間か……。
そんなごく当たり前の事なんか忘れてた。いや、見ないようにしていただけかもしれないな。

そういえば、俺の憧れた主人公達がよく言っていた事があった。何を持って剣を振るうのか忘れて殺め続けたら、それこそ俺自身が本当の怪物になってしまう。

この人達はどれほど重たいもん背負ってくれちゃってるんだよ!
そんな人達の背かなんか見ちゃったら、俺自信変われずになんかいられるかよ。

全身から見えない力がみなぎって来る様なそんな感じがした。これが、武者震いってやつなのかもしれない……。

そういえばすっかり助けた人達の事忘れてたけど、フリー音声通話の向こう側から数え切れない感謝の言葉やありがとうが聞こえてきた。

「あれ?  ボクが居ない間に何かあったの?」

ガクも一風呂浴びてちょうど帰って来た。
風呂上がりの楽は何とも男前の顔をしていた、ただ残念な事に何も知らな楽は牛乳瓶を片手にキョトンとした顔をしてたのが非常に何とも言えない姿だった。

俺は今無性にありがとうを言いた気分だったので、にありがとうを言ってみた。

「楽、ありがとう!」

楽は俺に言われたありがとうがめちゃくちゃ気色悪かったようで、この俺から逃れようと部屋の中をあっちこっち逃げ回っていた。

でも、楽を通して家族の姿が見えて、自分が思ってる事を言えたから本当感謝しているから嘘ではない!

「気色悪い、ボクに近寄るな」

「そんな事言うなよガク君!  俺達仲間じゃないか」

「こんな気色悪いのと仲間になった覚えはない!」

そんな俺達を見たたっくんが気を利かせて、楽を落ち着かせようとしてくれた。

「がっくん、落ち着いて!
仲間である前に僕達は家族なんだよ!」

家族か、悪くないな!
俺はまだやれる事は少ないけど、自分の出来る範囲でこの仲間を家族を守っていこう……。
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