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第4章(最高の仲間と迎える終焉編)
KAGUYAの希望
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「イタッ!? イタタタタッ……」
何だ? 何が起こったんだ?
うわっ?! 何で鳥が俺の頭を突ついてるんだよ。てか、なんで俺達木に引っかかってるんだ? この状況ってどうゆう事?
「うーんっと、俺達に何が起こったか思い出すんだ思い…………あっ、そうだ!」
皆で掛け声を合わせた瞬間にKAGUYAのいる世界に飛ばされたんだった。けど、なんてゆーか、もうちょっとさぁー空気を読んでくれても良くないか? だってさぁー俺達これから皆で力を合わせて協力するよ、っていう一番重要な見せ場だったのに……これじゃあせっかくの見せ場が台無しだよ。皆もきっとそう思ってるに違いないよ。うんうん……うん? って、皆の事すっかり忘れてた。
「おーい、皆大丈夫かぁー?」
「何とか大丈夫だ!」
「私も大丈夫」
「俺も大丈夫ッス」
「わたしはここから早く降りたい降りたい」
「オイッ! アリア暴れるなよ。木が揺れるじゃんか」
「むぅ……は~い」
ふぅ、一先ず皆大丈夫そうで良かった。
さて、この状況をどう切り抜けたらいいんだろう? 困った事に全く持って思い浮かばないんだけど……。今、俺達が宙ぶらりんになっている木の横に大きな屋敷のベランダがあるんだよな。そこから何とか木を蔦って降りていけばいけるかな?
「あのー大丈夫ですか?」
「うわっ?! びっくりした」
いきなり屋敷のベランダから女の子が出て来るとは思わなかったから、びっくりしちゃったじゃんかよ。この屋敷の子なんだよね……。それにしても、髪ながっ! 黒髪が床までついてるじゃんかよ。いや、そんな事を気にしてる場合じゃない。誰でもいいから助けてもらわないとそろそろ落ちそうでヤバい。
「頼む助けてくれ」
「いいよですよ!」
「ありがとう」
俺達はこの屋敷の少女に助けてもらい、木から降りる事が出来た。助けて貰ったまでは良かったんだけど、何で見ず知らずの俺達をお茶会に招待してるんだよ!?
「何もおもてなしは出来ませが、皆さんどうぞごゆっくりしていってください」
「ハーーイ!」
って、コレが何もないだと?! いやいや、ショートケーキにチョコレートケーキ、チーズケーキもあるじゃないか! 最高すぎるおもてなしだよ。今までにこんな温かなおもてなしがあっただろうか? いいや、なかったよな。
「では、早速いただきます!
…………あれ? 俺のショートケーキがない」
「律、その事何だか案ずるな!
ショートケーキを中々食べようとしない律を見て、嫌いなんだと察した僕は律の代わりに食べておいたぞ!」
「流石、悠音さんッス!」
「はぁ? 悠音も奏太も何言ってるんだよ。何で悠音が俺の分まで食べてるんだ! お前はちょっと遠慮っていうものをいい加減覚えろよ」
「何を言ってるんだ律! 食べ物は粗末には出来ないし、それに腹が減っては戦は出来ないぞ」
「それはそうかもしれないけど……。
って、悠音何処の戦に行くつもりだよ! それにもうちょっと遠慮しないと、この子に迷惑かけちゃうでしょ」
「いいんです。私、騒がしいのは好きですから好きなだけここにいて大丈夫ですよ」
この子はなんていい子なんだ。こんな広い屋敷にいるなんて相当のご令嬢に違いないな。
「そう言えば君の名前をまだ聞いてなかったね。君の名前はなんて言うんだ?」
「私カグヤっていいます」
ナンデスト!? KAGUYAに会いに来たのにこんなに早く見つけちゃうなんて、俺達ついてる!
「KAGUYA、俺達迎えに来たんだよ。一緒に元の世界に帰ろう」
「えーっと、ごめんなさい。何方かと勘違いしてませんか?」
「えぇぇぇぇ?! あの、いや、だからさぁー……」
「律君少し落ち着こうよ。確かに私達の探してる子はKAGUYAって言うけどAIだし、こんな黒髪が綺麗で長い女の子じゃないから、きっとこの子とは別人かもしれないね」
「皆さんの知ってるKAGUYAさんではなくてごめんなさい」
「でも、カグヤちゃんの髪ってほんと結がいのある黒髪だよ。ねっ、詩さん」
「そうだね、アリアちゃん」
うーん……何か納得いかないんだよなぁー。 確かに今まで皆忘れてたり覚えてない事はあったけど、今回はそれとは違くて何がおかしい。この違和感の正体は何だ? 何で俺はKAGUYAに名前が似てるだけの女の子にこの子が俺達の知ってるKAGUYAだと思ったんだ?
…………わからない。わからないけど、確かに俺はそう思ったんだ。この子を助け出す事が出来れば俺の知ってるKAGUYAも救う事に繋がるって、俺にはそう思えてならない。だから、皆にちゃんと俺のこの気持ちを伝えるんだ。
「あのさぁー」
俺の話を遮るかの様に誰かが扉をノックし、ぞろぞろと部屋に入って来たのは白衣を着た人達だった。その一番先頭に入って来た白衣の女性は、入ってくるなり俺達を睨みつけ、カグヤの元へ行った。
「カグヤ、いい加減準備は出来たのか?」
「いえ、それがあのまだ……」
「君がここで彼らを救えなければ、いずれ数千万の人間の命が消える事になる。時は一刻を争うんだ。僕は医者として人々を救いたいから言ってるんだ」
この人達さっきから何を話しているんだ? 数千万の命とこのカグヤって子と何が関係してるんだ。それに、白衣を着た女性のこの喋り方何処かで聞いた様な喋り方だけど……何処だったけ?
「ドクターフィーネ! 急ぎの案件が入りました。至急、カズキ・タチバナ博士が研究室に来るようにと連絡がありました」
「あぁ、わかってる。今すぐ向かう」
フィーネだって?! えっ……でも、俺達が会ったのは雨合羽を来た子供のフィーネだったし……何がどうなってるんだ? あ~ぁ、もう訳がわからん!
「訳分からないのも無理はないね。あの白衣を着た女性こそ、僕の本来の姿だからね」
「うわっ?! 本物のフィーネが出た。てか、女の子だったのかよ?!」
「言っただろ……僕は常に君達を見ていると。それに、きっとこの世界の説明も必要だと思ってね」
「あぁ、頼むよ。色々と衝撃的な事がありすぎて、もう訳がわからん状態だよ」
「良かろう……。君達がいるここは過去の世界なんだ。どんな因果かわわからないけど、過去の世界が君達に何かを変えて欲しくて招き入れたと僕は思ってる。
何故ならこの時代の人々は今、謎の疫病で数え切れない程の命を落としているんだ。その謎の疫病は、人間の肉をゆっくりと壊死させ、最後は骨だけしか残らない病。
そんな病を治せるのは、そこにいるカグヤという少女だけなんだ。カグヤは人々にとって絶望から救い出せる唯一の希望なんだ」
「じゃあ、カグヤが皆を救い出せば一件落着だな」
「そうかもしれない。でもね、その人々を救う為には彼女の命を代償に支払わなければならない。それでも君は、彼女に人々を救えと言えるかい?」
そんな事言える訳がない。命を代償に支払わなければならないのに、カグヤに救えなんて言えないよ……。
「私の事で悩ませてごめんなさい。だけど、もういいんです。私は皆を救う為に生かされてる命だから、命を捨てる事は惜しみません。これが、私に出来る事だから」
「そんな事言うなよ……」
「いいんです。だって、私の身体はあらゆる病や傷を癒す不思議な力があるんですから。この力があるせいで私は、人々から化け物と言われ罵られ、大切な人達は皆去って行ったんです。だから、私にはもう何もないんです」
カグヤにそんな事情があったなんて、知らなかった。でも、どんな不思議な力をカグヤが持っていようと関係ない。だって、カグヤはカグヤである事に変わりはないんだ。今のカグヤは何もないと思ってるけど、俺達が着いてる事をちゃんと伝えるんだ。
それに、この過去の世界は俺達に何かを変えて欲しいから俺達は今ここにいるんだ!
「俺はカグヤに生きてて欲しい。だって、カグヤはもう俺達の大事な仲間なんだ。だから、ここで終わらせたくないし、俺はまだまだ皆と一緒に冒険がしたいんだ」
「律よ、良くぞ言った! そう、僕達は出会った時からもう仲間なんだ。その仲間のカグヤが困っているなら救うのは当たり前の事だ」
「そうだよ! カグヤちゃんはもう私達にとっての大事な仲間なんだよ」
「そうッスよ! 仲間に遠慮はいらないッス」
「わたしは入ってまだ日が浅いけど、ちゃんと仲間の皆を大切に思ってるんだからね」
「凄いだろ! カグヤにはこんなに最高の仲間達がいるんだ。だから俺はカグヤの命を失わず、多くの人々を助ける事が出来る道を皆で一緒に探したい。俺達と一緒に行こうカグヤ」
「…………はい」
これで良かったんだ。俺はカグヤに手を差し伸べた。俺の手とカグヤの手が触れた時、大きな地震が起こった。
「残念だけど、カグヤそのものを救う事を世界は望んではいない。だってほら、世界が崩壊し始めた。どうやらここまでのようだ」
「そんな……」
「…………皆さんありがとう! こんな私を仲間だと言ってくれて……。だから私も私の命を諦めません」
まだ俺は沢山カグヤに言いたい事があったのに、過去の世界は俺達だけを切り離し消えていった。
「ここは…………? いつもと同じあの場所に戻って来たんだな。結局俺はカグヤの過去を救う事は出来なかった」
「ソンナ事ハ無カッタト思イマスヨ」
「KAGUYA!?」
「律様、皆様本当二アリガトウ……。
マダ、記憶ハボンヤリトシカ思イ出センケド、漸ク自分ガ何者ヲ知ル事ガ出来マシタ」
「ごめん、KAGUYA…………俺は」
「律様、ソンナ顔ヲシナイデ下サイ。
モシモアノ時、皆ガ来テクレナケレバ私ハ一人切リデ死ノ運命ニ立チ向カワナケレバナラナカッタ。
デモ、私ノ心ニハ皆ガ居テクレタカラ絶望ノ中デモ希望ヲ持ツ事ガ出来タ。
希望ヲ失ワズニイタカラ、私ハ皆トマタ会ウ事ガ出来タンダト思イマス」
「俺と詩に悠音に奏太にアリアがKAGUYAの希望に本当になれてるのか?」
「ハイ! 皆ハ私ニトッテ最高ノ仲間デ希望ナンデス」
「KAGUYAありがとう……」
俺には詩に悠音に奏太にアリアに……そして、ここにちゃんとKAGUYAがいる。また皆とこうして会う事ができた。俺はフィーネの仲間の証とやらをやり遂げる事が出来たんだな。
「フィーネ様イマスカ?」
「カグヤ、ここに居るよ」
「フィーネ様、オ願イガアリマス。貴方ガ知ッテル全テノ事ヲ教エテ下サイ」
「あぁ、いいとも……。全ての真実を君達に話そう」
そうだ……。俺達はまだ本当の真実を知らなかったんだ。
何だ? 何が起こったんだ?
うわっ?! 何で鳥が俺の頭を突ついてるんだよ。てか、なんで俺達木に引っかかってるんだ? この状況ってどうゆう事?
「うーんっと、俺達に何が起こったか思い出すんだ思い…………あっ、そうだ!」
皆で掛け声を合わせた瞬間にKAGUYAのいる世界に飛ばされたんだった。けど、なんてゆーか、もうちょっとさぁー空気を読んでくれても良くないか? だってさぁー俺達これから皆で力を合わせて協力するよ、っていう一番重要な見せ場だったのに……これじゃあせっかくの見せ場が台無しだよ。皆もきっとそう思ってるに違いないよ。うんうん……うん? って、皆の事すっかり忘れてた。
「おーい、皆大丈夫かぁー?」
「何とか大丈夫だ!」
「私も大丈夫」
「俺も大丈夫ッス」
「わたしはここから早く降りたい降りたい」
「オイッ! アリア暴れるなよ。木が揺れるじゃんか」
「むぅ……は~い」
ふぅ、一先ず皆大丈夫そうで良かった。
さて、この状況をどう切り抜けたらいいんだろう? 困った事に全く持って思い浮かばないんだけど……。今、俺達が宙ぶらりんになっている木の横に大きな屋敷のベランダがあるんだよな。そこから何とか木を蔦って降りていけばいけるかな?
「あのー大丈夫ですか?」
「うわっ?! びっくりした」
いきなり屋敷のベランダから女の子が出て来るとは思わなかったから、びっくりしちゃったじゃんかよ。この屋敷の子なんだよね……。それにしても、髪ながっ! 黒髪が床までついてるじゃんかよ。いや、そんな事を気にしてる場合じゃない。誰でもいいから助けてもらわないとそろそろ落ちそうでヤバい。
「頼む助けてくれ」
「いいよですよ!」
「ありがとう」
俺達はこの屋敷の少女に助けてもらい、木から降りる事が出来た。助けて貰ったまでは良かったんだけど、何で見ず知らずの俺達をお茶会に招待してるんだよ!?
「何もおもてなしは出来ませが、皆さんどうぞごゆっくりしていってください」
「ハーーイ!」
って、コレが何もないだと?! いやいや、ショートケーキにチョコレートケーキ、チーズケーキもあるじゃないか! 最高すぎるおもてなしだよ。今までにこんな温かなおもてなしがあっただろうか? いいや、なかったよな。
「では、早速いただきます!
…………あれ? 俺のショートケーキがない」
「律、その事何だか案ずるな!
ショートケーキを中々食べようとしない律を見て、嫌いなんだと察した僕は律の代わりに食べておいたぞ!」
「流石、悠音さんッス!」
「はぁ? 悠音も奏太も何言ってるんだよ。何で悠音が俺の分まで食べてるんだ! お前はちょっと遠慮っていうものをいい加減覚えろよ」
「何を言ってるんだ律! 食べ物は粗末には出来ないし、それに腹が減っては戦は出来ないぞ」
「それはそうかもしれないけど……。
って、悠音何処の戦に行くつもりだよ! それにもうちょっと遠慮しないと、この子に迷惑かけちゃうでしょ」
「いいんです。私、騒がしいのは好きですから好きなだけここにいて大丈夫ですよ」
この子はなんていい子なんだ。こんな広い屋敷にいるなんて相当のご令嬢に違いないな。
「そう言えば君の名前をまだ聞いてなかったね。君の名前はなんて言うんだ?」
「私カグヤっていいます」
ナンデスト!? KAGUYAに会いに来たのにこんなに早く見つけちゃうなんて、俺達ついてる!
「KAGUYA、俺達迎えに来たんだよ。一緒に元の世界に帰ろう」
「えーっと、ごめんなさい。何方かと勘違いしてませんか?」
「えぇぇぇぇ?! あの、いや、だからさぁー……」
「律君少し落ち着こうよ。確かに私達の探してる子はKAGUYAって言うけどAIだし、こんな黒髪が綺麗で長い女の子じゃないから、きっとこの子とは別人かもしれないね」
「皆さんの知ってるKAGUYAさんではなくてごめんなさい」
「でも、カグヤちゃんの髪ってほんと結がいのある黒髪だよ。ねっ、詩さん」
「そうだね、アリアちゃん」
うーん……何か納得いかないんだよなぁー。 確かに今まで皆忘れてたり覚えてない事はあったけど、今回はそれとは違くて何がおかしい。この違和感の正体は何だ? 何で俺はKAGUYAに名前が似てるだけの女の子にこの子が俺達の知ってるKAGUYAだと思ったんだ?
…………わからない。わからないけど、確かに俺はそう思ったんだ。この子を助け出す事が出来れば俺の知ってるKAGUYAも救う事に繋がるって、俺にはそう思えてならない。だから、皆にちゃんと俺のこの気持ちを伝えるんだ。
「あのさぁー」
俺の話を遮るかの様に誰かが扉をノックし、ぞろぞろと部屋に入って来たのは白衣を着た人達だった。その一番先頭に入って来た白衣の女性は、入ってくるなり俺達を睨みつけ、カグヤの元へ行った。
「カグヤ、いい加減準備は出来たのか?」
「いえ、それがあのまだ……」
「君がここで彼らを救えなければ、いずれ数千万の人間の命が消える事になる。時は一刻を争うんだ。僕は医者として人々を救いたいから言ってるんだ」
この人達さっきから何を話しているんだ? 数千万の命とこのカグヤって子と何が関係してるんだ。それに、白衣を着た女性のこの喋り方何処かで聞いた様な喋り方だけど……何処だったけ?
「ドクターフィーネ! 急ぎの案件が入りました。至急、カズキ・タチバナ博士が研究室に来るようにと連絡がありました」
「あぁ、わかってる。今すぐ向かう」
フィーネだって?! えっ……でも、俺達が会ったのは雨合羽を来た子供のフィーネだったし……何がどうなってるんだ? あ~ぁ、もう訳がわからん!
「訳分からないのも無理はないね。あの白衣を着た女性こそ、僕の本来の姿だからね」
「うわっ?! 本物のフィーネが出た。てか、女の子だったのかよ?!」
「言っただろ……僕は常に君達を見ていると。それに、きっとこの世界の説明も必要だと思ってね」
「あぁ、頼むよ。色々と衝撃的な事がありすぎて、もう訳がわからん状態だよ」
「良かろう……。君達がいるここは過去の世界なんだ。どんな因果かわわからないけど、過去の世界が君達に何かを変えて欲しくて招き入れたと僕は思ってる。
何故ならこの時代の人々は今、謎の疫病で数え切れない程の命を落としているんだ。その謎の疫病は、人間の肉をゆっくりと壊死させ、最後は骨だけしか残らない病。
そんな病を治せるのは、そこにいるカグヤという少女だけなんだ。カグヤは人々にとって絶望から救い出せる唯一の希望なんだ」
「じゃあ、カグヤが皆を救い出せば一件落着だな」
「そうかもしれない。でもね、その人々を救う為には彼女の命を代償に支払わなければならない。それでも君は、彼女に人々を救えと言えるかい?」
そんな事言える訳がない。命を代償に支払わなければならないのに、カグヤに救えなんて言えないよ……。
「私の事で悩ませてごめんなさい。だけど、もういいんです。私は皆を救う為に生かされてる命だから、命を捨てる事は惜しみません。これが、私に出来る事だから」
「そんな事言うなよ……」
「いいんです。だって、私の身体はあらゆる病や傷を癒す不思議な力があるんですから。この力があるせいで私は、人々から化け物と言われ罵られ、大切な人達は皆去って行ったんです。だから、私にはもう何もないんです」
カグヤにそんな事情があったなんて、知らなかった。でも、どんな不思議な力をカグヤが持っていようと関係ない。だって、カグヤはカグヤである事に変わりはないんだ。今のカグヤは何もないと思ってるけど、俺達が着いてる事をちゃんと伝えるんだ。
それに、この過去の世界は俺達に何かを変えて欲しいから俺達は今ここにいるんだ!
「俺はカグヤに生きてて欲しい。だって、カグヤはもう俺達の大事な仲間なんだ。だから、ここで終わらせたくないし、俺はまだまだ皆と一緒に冒険がしたいんだ」
「律よ、良くぞ言った! そう、僕達は出会った時からもう仲間なんだ。その仲間のカグヤが困っているなら救うのは当たり前の事だ」
「そうだよ! カグヤちゃんはもう私達にとっての大事な仲間なんだよ」
「そうッスよ! 仲間に遠慮はいらないッス」
「わたしは入ってまだ日が浅いけど、ちゃんと仲間の皆を大切に思ってるんだからね」
「凄いだろ! カグヤにはこんなに最高の仲間達がいるんだ。だから俺はカグヤの命を失わず、多くの人々を助ける事が出来る道を皆で一緒に探したい。俺達と一緒に行こうカグヤ」
「…………はい」
これで良かったんだ。俺はカグヤに手を差し伸べた。俺の手とカグヤの手が触れた時、大きな地震が起こった。
「残念だけど、カグヤそのものを救う事を世界は望んではいない。だってほら、世界が崩壊し始めた。どうやらここまでのようだ」
「そんな……」
「…………皆さんありがとう! こんな私を仲間だと言ってくれて……。だから私も私の命を諦めません」
まだ俺は沢山カグヤに言いたい事があったのに、過去の世界は俺達だけを切り離し消えていった。
「ここは…………? いつもと同じあの場所に戻って来たんだな。結局俺はカグヤの過去を救う事は出来なかった」
「ソンナ事ハ無カッタト思イマスヨ」
「KAGUYA!?」
「律様、皆様本当二アリガトウ……。
マダ、記憶ハボンヤリトシカ思イ出センケド、漸ク自分ガ何者ヲ知ル事ガ出来マシタ」
「ごめん、KAGUYA…………俺は」
「律様、ソンナ顔ヲシナイデ下サイ。
モシモアノ時、皆ガ来テクレナケレバ私ハ一人切リデ死ノ運命ニ立チ向カワナケレバナラナカッタ。
デモ、私ノ心ニハ皆ガ居テクレタカラ絶望ノ中デモ希望ヲ持ツ事ガ出来タ。
希望ヲ失ワズニイタカラ、私ハ皆トマタ会ウ事ガ出来タンダト思イマス」
「俺と詩に悠音に奏太にアリアがKAGUYAの希望に本当になれてるのか?」
「ハイ! 皆ハ私ニトッテ最高ノ仲間デ希望ナンデス」
「KAGUYAありがとう……」
俺には詩に悠音に奏太にアリアに……そして、ここにちゃんとKAGUYAがいる。また皆とこうして会う事ができた。俺はフィーネの仲間の証とやらをやり遂げる事が出来たんだな。
「フィーネ様イマスカ?」
「カグヤ、ここに居るよ」
「フィーネ様、オ願イガアリマス。貴方ガ知ッテル全テノ事ヲ教エテ下サイ」
「あぁ、いいとも……。全ての真実を君達に話そう」
そうだ……。俺達はまだ本当の真実を知らなかったんだ。
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