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初めて
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神聖ルーア王国。
国政を行う王族の更に上に立つ、たった1人の聖女の祈りによって成り立つ国である。
今代の聖女の引退が決まり、来年には成人を迎え次代の聖女として立つミリアは、その準備で多忙を極めていた。彼女を守る3人の騎士と共に。聖女と騎士の絆は特別なものだという。
「今日は4人で寝室で授業を受けるなんて、なんだか不思議ね」
ベットの上に座るミリアが言う。その彼女を3人の騎士が囲んでいる。
騎士の1人目、1番年下のルカは人懐っこい性格だ。ミリアのことを「聖女さま」と慕い、よく懐いている。
2人目はアルフ。体格も良く、男らしい言葉使いで、頼りがいのある優しい性格をしている。
3人目はセリル。丁寧な物腰と丁寧な言葉遣いで、聖女のどんな小さな変化にもすぐに気づいてくれる騎士だ。
3人とも聖女を守れるよう剣の腕で選ばれたが、眉目秀麗である。
普段は聖女と騎士、それぞれで授業を受けることが多く、このように一緒に、ましてや寝室で受けたことなどない。ここで待つように言われて、皆不思議に思っていた。
と、扉が開いて誰かが入ってきた。
「あっリフォード先生!」
ルカが声を上げる。普段座学を教えてくれているリフォード先生が入ってきたのだ。
「聖女、君たちも揃っていますね。今日は私がここで授業を担当します」
穏やかな眼差しと、滴るような大人の色気を振りまきながら先生が言った。
「先生、今日は何をするのですか?」
聖女が質問した。
「皆さん、聖女が祈ると、聖女から何が失われるのか知っていますか?」
ソファに腰掛けた先生に問いかけられる。
「聖力が失われると習いました」
まだ祈ったことがなく、経験がないためわからないが、聖女が答える。
「そのとおりです。聖女は毎日国のために祈り、毎日聖力を大量に失います。聖力を失うと、聖女の命に関わる。ではその聖力を満たすためには何をすればいいかわかりますか?」
その問いにはセリルが答えた。
「聖女様を癒す、とは習ったのですが、具体的には何も・・」
「そうですね。今日はその癒し方を勉強します。その行為で聖女の聖力を毎日満たさなければなりません」
「行為?」
「はい、性行為を行います」
4人が息を飲む。
「性・・行為って・・」
愕然としたミリアが呟いた。皆同然に唖然としている。
「祈りの後は3人で聖女を回復させなければなりません」
「なっ!4人でするのか!?」
アルフが叫ぶ。
「聖女の命と国の存亡がかかっています。他に回復する方法もありません」
そうはっきりと言われてしまえば、聖女達に返す言葉もない。
「大丈夫ですよ。君たちは彼女を愛しているでしょう?とても幸せな行為です」
先生が騎士3人を眺めながら言うと、彼らは顔を真っ赤にする。
「さあ、では始めましょう」
状況についていけない4人だったが、無理矢理気持ちを切り替える。聖女の命がかかっていて、他に方法はないのだ。
「先生は先代の聖女さまの騎士なんだよね?」
ルカが質問する。
「ええ、そうです。先代の聖女様の騎士として私はかなり年下だったのですが。私は私の聖女様の騎士ですので、参加いたしません。監督、と言ったところでしょうか」
「先生は今も先代の聖女さまと一緒にいるの?」
「はい。肉体がなくなり魂になっても、ずっとお傍にいると約束しています」
目元を赤らめながら幸せそうにリフォード先生が言う。
聖女と騎士の関係性とはそういうものなのか、と皆が思った。
国政を行う王族の更に上に立つ、たった1人の聖女の祈りによって成り立つ国である。
今代の聖女の引退が決まり、来年には成人を迎え次代の聖女として立つミリアは、その準備で多忙を極めていた。彼女を守る3人の騎士と共に。聖女と騎士の絆は特別なものだという。
「今日は4人で寝室で授業を受けるなんて、なんだか不思議ね」
ベットの上に座るミリアが言う。その彼女を3人の騎士が囲んでいる。
騎士の1人目、1番年下のルカは人懐っこい性格だ。ミリアのことを「聖女さま」と慕い、よく懐いている。
2人目はアルフ。体格も良く、男らしい言葉使いで、頼りがいのある優しい性格をしている。
3人目はセリル。丁寧な物腰と丁寧な言葉遣いで、聖女のどんな小さな変化にもすぐに気づいてくれる騎士だ。
3人とも聖女を守れるよう剣の腕で選ばれたが、眉目秀麗である。
普段は聖女と騎士、それぞれで授業を受けることが多く、このように一緒に、ましてや寝室で受けたことなどない。ここで待つように言われて、皆不思議に思っていた。
と、扉が開いて誰かが入ってきた。
「あっリフォード先生!」
ルカが声を上げる。普段座学を教えてくれているリフォード先生が入ってきたのだ。
「聖女、君たちも揃っていますね。今日は私がここで授業を担当します」
穏やかな眼差しと、滴るような大人の色気を振りまきながら先生が言った。
「先生、今日は何をするのですか?」
聖女が質問した。
「皆さん、聖女が祈ると、聖女から何が失われるのか知っていますか?」
ソファに腰掛けた先生に問いかけられる。
「聖力が失われると習いました」
まだ祈ったことがなく、経験がないためわからないが、聖女が答える。
「そのとおりです。聖女は毎日国のために祈り、毎日聖力を大量に失います。聖力を失うと、聖女の命に関わる。ではその聖力を満たすためには何をすればいいかわかりますか?」
その問いにはセリルが答えた。
「聖女様を癒す、とは習ったのですが、具体的には何も・・」
「そうですね。今日はその癒し方を勉強します。その行為で聖女の聖力を毎日満たさなければなりません」
「行為?」
「はい、性行為を行います」
4人が息を飲む。
「性・・行為って・・」
愕然としたミリアが呟いた。皆同然に唖然としている。
「祈りの後は3人で聖女を回復させなければなりません」
「なっ!4人でするのか!?」
アルフが叫ぶ。
「聖女の命と国の存亡がかかっています。他に回復する方法もありません」
そうはっきりと言われてしまえば、聖女達に返す言葉もない。
「大丈夫ですよ。君たちは彼女を愛しているでしょう?とても幸せな行為です」
先生が騎士3人を眺めながら言うと、彼らは顔を真っ赤にする。
「さあ、では始めましょう」
状況についていけない4人だったが、無理矢理気持ちを切り替える。聖女の命がかかっていて、他に方法はないのだ。
「先生は先代の聖女さまの騎士なんだよね?」
ルカが質問する。
「ええ、そうです。先代の聖女様の騎士として私はかなり年下だったのですが。私は私の聖女様の騎士ですので、参加いたしません。監督、と言ったところでしょうか」
「先生は今も先代の聖女さまと一緒にいるの?」
「はい。肉体がなくなり魂になっても、ずっとお傍にいると約束しています」
目元を赤らめながら幸せそうにリフォード先生が言う。
聖女と騎士の関係性とはそういうものなのか、と皆が思った。
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