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1.少年期
友達
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リュカ視点~
私は、感情を表に出すのが苦手だ。
でも、このところ毎日笑っている気がする。マティアス様が驚いているくらいだ。
「リュカの笑顔は、僕が引き出したかったんだけれどねえ。」
そう、お優しいことをおっしゃってくださった。
私が笑う理由はアルヴィア君とドナ君だ。
2人はとても優しくてあたたかくて共にいるだけで自然と笑顔があふれてくる。
―――マティアス様といると、ドキドキと胸が高鳴って、笑顔というより緊張してしまうから…。
とにかく、2人は一緒に授業を受けてくれて、私に話しかけてくれる。
その内容は、今日の授業は難しかったとか、綺麗な花が咲いている中庭で昼食を食べるのもいいねとか(マティアス様がシェフに今度お弁当を作ってもらうように頼んでいた。)、アルヴィア君は今まで読んだ本の中でこの話が面白かったとか、ドナ君は商人のお家のため、暗算が得意だとか…。とにかくいろいろだ。
私は最近移動教室の時にたまに買う、売店のベリースムージーが好きだというと、あれ美味しいですよね。とか、俺はヨーグルトのが好きですとか返してくれる。
そんな他愛もないことが、とてもうれしいのだ。
ただ、一つだけ不満というか、残念に思うところがあるとすれば。
「アルヴィア!」
ドナ君がアルヴィア君に抱き着く。
「もう、なあに?ドナ。」
アルヴィア君はドナ君を注意しながらも、嬉しそうだ。
この、気安さがない。
確かに私は公爵家の人間で、家格は上。でも、アルヴィア君にもドナ君にも、同じような気安さで接してほしい…。
一緒に授業を受けるだけではなく、お友達になれたら…。と思ってしまう。
私なんかがお友達に、なんて、行き過ぎた思いなのだろうか。
私は何の面白みもない人間で、お友達がいたことが一度もない。
話しかけられても、返事をするだけで話が発展しないものだから、自然と人は離れていった。
でも、アルヴィア君やドナ君に同じように離れていかれたら悲しい。すごく悲しい。
だから、今日も部屋で一人になった時、イメージトレーニングをする。
「ア…「アルヴィア」、「ドナ」。おはよう!今日もいい天気だね。」
―――いい天気って、なんだ。学園の中はシールドで覆われていて、その中の天候は自在。つまり、ずっと晴れなのだ。それなのにいい天気って話題選びが下手すぎるだろう。自分。
あーうー言いながらイメージトレーニングをしていたら、突然声が聞こえた。
「どうしたの?さっきから。アルヴィア君とドナ君と何かあったのかな?」
そこにはマティアス様がおられた。
聞かれていたことに、私は顔が真っ赤になる。
でも、現状を変えたい私は、勇気を出してマティアス様に相談した。
「…友達に、ねえ?今でも十分友達じゃないか。」
「えっ!?そうなんですか?」
私は心底驚いた。だって、お友達ってもっと気安くて…。
「何も呼び捨てで呼び合うことだけが友達ってことじゃないさ。…けれど、そうだね。原因はリュカにあるかな?」
「私にですか!?」
ぐっとマティアス様に詰め寄る。
「教えてください!私のどこが至らないのでしょうか!!」
「…くっ!だからリュカは可愛すぎるんだ。」
必死な私に対し、マティアス様が顔を赤らめた。
可愛い要素が今どこに?不思議に思いながらもお答えを待つ。
「普段のリュカは遠慮しすぎるんだ。今みたいに、もっと自分をさらけ出してみてもいいんじゃないかな。」
「自分を…さらけ出す。」
そんなことをしてみてもよいのだろうか。嫌に思われるんじゃないんだろうか。
そうを思っていたら、マティアス様が「大丈夫。」とおっしゃる。
私は…。
次の日の放課後、魔法薬学で作った体力回復薬を騎士科に届けに行く道中、私は決心した。
「あ…あの、お2人とも。私といて、嫌になることがありませんか?」
アルヴィア君とドナ君は私の方を向き、心配そうに聞いてきてくれる。
「あの、何かあったんですか?また、嫌がらせを受けたりとか…。」
「嫌いだったら、一緒に行動しませんよ。どうしたんですか!?」
2人とも真剣になって、私を心配してくれる。だから、ちゃんと言葉にした。
「私は、自分のことが嫌になることが多々あります。根が暗いし、面白い話題も言えない。今だって、お2人にご心配かけてしまって…。」
そしてすっと息を吸い込み、深呼吸した。
「でも、私は2人のことが好きで、もっと親しくなりたいと思ってる。…友達になりたい。ちゃんと、対等な。」
私はぎゅっと目を瞑り、2人の回答を待つ。
ドキドキと胸が鳴る。冷や汗だって出ている。もしも2人に拒絶されたら…。
すると2人からの回答は。
「なんだあ。そんなことかよ。正直びっくりして冷や汗出たわ。」
「うん。僕たちとはもう行動した訓戒って言われたら、寂しくて泣いちゃうとこだったよ。」
2人は嬉しそうに笑っている。砕けた口調。柔らかい雰囲気。
目を開けると、私の欲しかったものがそこにはあった。
「とどのつまりこういうことだろ?」
「うん、こういうことだよね。」
「「リュカ。」」
くすくすと2人が笑う。
「これからもよろしくね。リュカ。僕のことは「アルヴィア」だけでいいからね。」
「そうそう。俺のことも「ドナ」だけで。正直「君」付けってむずがゆかったんだよな。」
2人は思い思いのことを言ってくれて、私の願いを聞き入れてくれた。
なら、今度は私が勇気を出す番だ。
「うん。よろしく。アルヴィア。ドナ。」
アルヴィアとドナが嬉しそうに笑う。
ドナはよろしく!と、僕に抱き着いてきてくれた。アルヴィアがそれを見て、にこやかに笑う。
マティアス様。私やりましたよ。2人と友達になれました。
嬉しすぎて私、笑みが止まりません!
「…やっぱりリュカって可愛いよなー。」
「うん。だよねえ。」
だから、僕のどこに可愛い要素が?
私は、感情を表に出すのが苦手だ。
でも、このところ毎日笑っている気がする。マティアス様が驚いているくらいだ。
「リュカの笑顔は、僕が引き出したかったんだけれどねえ。」
そう、お優しいことをおっしゃってくださった。
私が笑う理由はアルヴィア君とドナ君だ。
2人はとても優しくてあたたかくて共にいるだけで自然と笑顔があふれてくる。
―――マティアス様といると、ドキドキと胸が高鳴って、笑顔というより緊張してしまうから…。
とにかく、2人は一緒に授業を受けてくれて、私に話しかけてくれる。
その内容は、今日の授業は難しかったとか、綺麗な花が咲いている中庭で昼食を食べるのもいいねとか(マティアス様がシェフに今度お弁当を作ってもらうように頼んでいた。)、アルヴィア君は今まで読んだ本の中でこの話が面白かったとか、ドナ君は商人のお家のため、暗算が得意だとか…。とにかくいろいろだ。
私は最近移動教室の時にたまに買う、売店のベリースムージーが好きだというと、あれ美味しいですよね。とか、俺はヨーグルトのが好きですとか返してくれる。
そんな他愛もないことが、とてもうれしいのだ。
ただ、一つだけ不満というか、残念に思うところがあるとすれば。
「アルヴィア!」
ドナ君がアルヴィア君に抱き着く。
「もう、なあに?ドナ。」
アルヴィア君はドナ君を注意しながらも、嬉しそうだ。
この、気安さがない。
確かに私は公爵家の人間で、家格は上。でも、アルヴィア君にもドナ君にも、同じような気安さで接してほしい…。
一緒に授業を受けるだけではなく、お友達になれたら…。と思ってしまう。
私なんかがお友達に、なんて、行き過ぎた思いなのだろうか。
私は何の面白みもない人間で、お友達がいたことが一度もない。
話しかけられても、返事をするだけで話が発展しないものだから、自然と人は離れていった。
でも、アルヴィア君やドナ君に同じように離れていかれたら悲しい。すごく悲しい。
だから、今日も部屋で一人になった時、イメージトレーニングをする。
「ア…「アルヴィア」、「ドナ」。おはよう!今日もいい天気だね。」
―――いい天気って、なんだ。学園の中はシールドで覆われていて、その中の天候は自在。つまり、ずっと晴れなのだ。それなのにいい天気って話題選びが下手すぎるだろう。自分。
あーうー言いながらイメージトレーニングをしていたら、突然声が聞こえた。
「どうしたの?さっきから。アルヴィア君とドナ君と何かあったのかな?」
そこにはマティアス様がおられた。
聞かれていたことに、私は顔が真っ赤になる。
でも、現状を変えたい私は、勇気を出してマティアス様に相談した。
「…友達に、ねえ?今でも十分友達じゃないか。」
「えっ!?そうなんですか?」
私は心底驚いた。だって、お友達ってもっと気安くて…。
「何も呼び捨てで呼び合うことだけが友達ってことじゃないさ。…けれど、そうだね。原因はリュカにあるかな?」
「私にですか!?」
ぐっとマティアス様に詰め寄る。
「教えてください!私のどこが至らないのでしょうか!!」
「…くっ!だからリュカは可愛すぎるんだ。」
必死な私に対し、マティアス様が顔を赤らめた。
可愛い要素が今どこに?不思議に思いながらもお答えを待つ。
「普段のリュカは遠慮しすぎるんだ。今みたいに、もっと自分をさらけ出してみてもいいんじゃないかな。」
「自分を…さらけ出す。」
そんなことをしてみてもよいのだろうか。嫌に思われるんじゃないんだろうか。
そうを思っていたら、マティアス様が「大丈夫。」とおっしゃる。
私は…。
次の日の放課後、魔法薬学で作った体力回復薬を騎士科に届けに行く道中、私は決心した。
「あ…あの、お2人とも。私といて、嫌になることがありませんか?」
アルヴィア君とドナ君は私の方を向き、心配そうに聞いてきてくれる。
「あの、何かあったんですか?また、嫌がらせを受けたりとか…。」
「嫌いだったら、一緒に行動しませんよ。どうしたんですか!?」
2人とも真剣になって、私を心配してくれる。だから、ちゃんと言葉にした。
「私は、自分のことが嫌になることが多々あります。根が暗いし、面白い話題も言えない。今だって、お2人にご心配かけてしまって…。」
そしてすっと息を吸い込み、深呼吸した。
「でも、私は2人のことが好きで、もっと親しくなりたいと思ってる。…友達になりたい。ちゃんと、対等な。」
私はぎゅっと目を瞑り、2人の回答を待つ。
ドキドキと胸が鳴る。冷や汗だって出ている。もしも2人に拒絶されたら…。
すると2人からの回答は。
「なんだあ。そんなことかよ。正直びっくりして冷や汗出たわ。」
「うん。僕たちとはもう行動した訓戒って言われたら、寂しくて泣いちゃうとこだったよ。」
2人は嬉しそうに笑っている。砕けた口調。柔らかい雰囲気。
目を開けると、私の欲しかったものがそこにはあった。
「とどのつまりこういうことだろ?」
「うん、こういうことだよね。」
「「リュカ。」」
くすくすと2人が笑う。
「これからもよろしくね。リュカ。僕のことは「アルヴィア」だけでいいからね。」
「そうそう。俺のことも「ドナ」だけで。正直「君」付けってむずがゆかったんだよな。」
2人は思い思いのことを言ってくれて、私の願いを聞き入れてくれた。
なら、今度は私が勇気を出す番だ。
「うん。よろしく。アルヴィア。ドナ。」
アルヴィアとドナが嬉しそうに笑う。
ドナはよろしく!と、僕に抱き着いてきてくれた。アルヴィアがそれを見て、にこやかに笑う。
マティアス様。私やりましたよ。2人と友達になれました。
嬉しすぎて私、笑みが止まりません!
「…やっぱりリュカって可愛いよなー。」
「うん。だよねえ。」
だから、僕のどこに可愛い要素が?
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