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チェルシー.ハサウェイ
マルクス
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こんなことを望んでいたわけじゃ無い、
ルシアンは大事なかわいい弟だった
どんな事をしても俺が守りたかった家族だった
国全体が未曾有の飢饉に襲われていた
国の偉い人達は他所の国に逃げてしまったと聞いた
雨は降らず、土は痩せて畑で収穫が望めなくなってだいぶ経つ
飢えと病気で周りの人達が死んで行く中、
俺の妹レナと一番下の弟クルトも病気にかかり死んでしまった
両親は悲しみにくれた、食べる物も少ないなか子を2人失い もう生きる気力も無い感じだった
そんな中ルシアンは森に入り少しでも食べれそうな木の実を拾ってきては 両親を元気づけようとしていた、
いつもは一握りの木の実を拾って帰って来ていたが、 ある日を境に少しの果物を持って帰ってくるようになった
「ルシアン凄いじゃないか、森の中でとったのか?」
「そうだよ、少しだけどまだ実が付いてる木があったんた!」
その甘い果物を食べた両親は、涙を流して
「ルシアンありがとう、父さんも母さんもお前達の為に頑張るよ 」
と少しず元気を取り戻してきていた
家の備蓄していた芋ももうすぐなくなる
ルシアンの拾ってくる木の実もそうそうは続かないだろう
このままここにいれば、家族みんな・・
どうすれば・・・
このまま滅びの道しか無いのか、と俺は悲観にくれていた
少し離れた農地へ行っては手伝いをして、食糧を分けてもらっていたが、とうとう
そこの周りも収穫が減り 野菜が育たないと聞こえてくる
そんな時農地の女達の立ち話が耳に入ってきた、
「ねぇ、おとぎ話みたいにさ 神様も御慈悲で雨を降らしてくれないかねぇ」
「ほんとだよね、なんだっけ?人魚だっけ?妖精だっけ?願いが叶う話しがあったじゃない?」
「ああ、人魚はその肉を食うと不老不死になって、妖精を捕まえると願いが叶うってやつだろう?本当にいるならあやかりたいやねぇ?」
「まあ、眉唾物のはなしだよ!ないない!」
「ハハハ!そうさね、地道に頑張るしかないか、もう自分達に体力があるうちに他所に逃げることも考えているよ」
「うちもだよ 命あってこそだからねー 悲しいけど 家を捨てなきゃいけないかねぇ」
その時はどこも同じように考えているんだなと思っていた、移民として生きて行くしか・・・
それも、自分と弟だけならその移動も耐えれるかもしれないが、馬車もない今、歩いて移動するのは体の弱っている両親には無理だ 当てもない移動になるのに・・・
どうしたら・・・毎日そんな事ばかりを考えていた 刻々と死へ近づいている どうしたら・・・
そんな時 ルシアンが毎日のように森に行き 木の実や果物を持ち帰っている事を不思議に感じた 小さな袋一つ分の木の実や果物 この時期に取れるものではない果物まで、一体どうなっているんだ?
次の日、ルシアンが森に行く後ろをマルクスはついて行った
森の奥深くには入ることは禁じられている
森に惑わされて帰れなくなるからだ
「やっぱり、随分奥まで入っていっている」
両親もマルクスも、元気そうに見えるルシアンの事は今までそう気にかけていなかった、こんな森の中で獣にでも襲われたら、そう考えるとゾッとした
急いでルシアンの後を追い、森の奥に足を踏み入れると、ルシアンの楽しそうな話し声が聞こえて来た
ルシアンのまわりを小さな光が飛んでいた
あれは? 自分の目を疑った 小さな人に虫の羽をつけたような・・・
おとぎ話の中の妖精のような・・・⁈
まさか・・・
「驚いたな、いつも、季節はずれな木の実や果物を持って帰ってくるから、不思議に思ってついてきてみれば、そいつは妖精じゃないか?」
俺はルシアン達に声をかけた
初めは俺を見て怖がっているようだったが、ルシアンが俺を紹介すると安心したようだった
リヒトが今までルシアンに木の実や果物のある場所を教えてくれていた
仲良くしている2人を見て安心してその日はルシアンと一緒に家に帰った
『妖精を捕まえると願いが叶う』
あの時の農地の女達の会話が頭に浮かんでいた
リヒトにルシアンの事が好きなら幸せになって欲しいだろ?君が逃げたらルシアンは幸せになれないんだ
そう言って 森から連れ出した
隣国の領地に、農地の手伝いに行くと家族には言ってある
その間 ルシアンには両親の手伝いをして欲しいと頼んできた
その後はすべてが思うように進み
ある伯爵にリヒトを譲り 安定した生活を約束された
馬車を買取急いで両親とルシアンを迎えに行った
今までの苦しかった暮らしが嘘のようで
ようやく、マルクスは死からの恐怖から逃れたと思っていた
両親に話している時ルシアンに聞かれていたなんて・・・
ルシアンに責められるのが怖かった
だから嘘をついた
その嘘をルシアンは信じて、リヒトに会いにいったんだ
一体俺は何を守りたかったのだろう ルシアンを悲しませて死なせてしまった
きっと、俺の事を嫌いになっただろう、友達を売られて恨んだだろう
それでも、生きていてほしかった
何の為に俺は・・・
森の中で冷たくなったルシアンを抱きしめ、声をあげて泣いた
俺が弟を・・ルシアンを殺したんだ
どれくらいの時間が経ったのだろう
ここで俺もこのままルシアンのもとに行けたら
そんな事を考えた時
『それは 無理というものだ』
どこからか、声が聞こえた
「誰だ!」
『私のかわいい子供を騙してこの森から連れ出し その子の大好きだったルシアンを死に追いやり 自分が辛いから死んで、同じ所に行けると思っているのかい?』
妖精の光を強く大きくした 何かが 目の前に立っていた
「私のかわいい子供? ・・・リヒトのことか? あなたは・・?」
「人には興味無かったしこれからもかかわるつもりは無かったんだけど、 私はあの子を諦めていない きっと姿を変えて戻ってくる その時には幸せになってほしい
だから、君を使わせてもらう
君もルシアンに幸せになって欲しいだろ?」
マルクスは何度も頷く
「私にとっては短い時間だが、君にとっては長い長い時間になるだろう、君の生きている間には叶わない願いだろうけど、やってもらうよ あの子達の為に国を作れ
そして未来に届けるんだ
その為なら私は力をかすよ
私は光の精霊・・・・・」
マルクスの想いは弟への償いだった、次の生ではしあわせに生きてほしい
そして彼は動き出した、その行いはまるで人々を救う救世主だった
ルシアンは大事なかわいい弟だった
どんな事をしても俺が守りたかった家族だった
国全体が未曾有の飢饉に襲われていた
国の偉い人達は他所の国に逃げてしまったと聞いた
雨は降らず、土は痩せて畑で収穫が望めなくなってだいぶ経つ
飢えと病気で周りの人達が死んで行く中、
俺の妹レナと一番下の弟クルトも病気にかかり死んでしまった
両親は悲しみにくれた、食べる物も少ないなか子を2人失い もう生きる気力も無い感じだった
そんな中ルシアンは森に入り少しでも食べれそうな木の実を拾ってきては 両親を元気づけようとしていた、
いつもは一握りの木の実を拾って帰って来ていたが、 ある日を境に少しの果物を持って帰ってくるようになった
「ルシアン凄いじゃないか、森の中でとったのか?」
「そうだよ、少しだけどまだ実が付いてる木があったんた!」
その甘い果物を食べた両親は、涙を流して
「ルシアンありがとう、父さんも母さんもお前達の為に頑張るよ 」
と少しず元気を取り戻してきていた
家の備蓄していた芋ももうすぐなくなる
ルシアンの拾ってくる木の実もそうそうは続かないだろう
このままここにいれば、家族みんな・・
どうすれば・・・
このまま滅びの道しか無いのか、と俺は悲観にくれていた
少し離れた農地へ行っては手伝いをして、食糧を分けてもらっていたが、とうとう
そこの周りも収穫が減り 野菜が育たないと聞こえてくる
そんな時農地の女達の立ち話が耳に入ってきた、
「ねぇ、おとぎ話みたいにさ 神様も御慈悲で雨を降らしてくれないかねぇ」
「ほんとだよね、なんだっけ?人魚だっけ?妖精だっけ?願いが叶う話しがあったじゃない?」
「ああ、人魚はその肉を食うと不老不死になって、妖精を捕まえると願いが叶うってやつだろう?本当にいるならあやかりたいやねぇ?」
「まあ、眉唾物のはなしだよ!ないない!」
「ハハハ!そうさね、地道に頑張るしかないか、もう自分達に体力があるうちに他所に逃げることも考えているよ」
「うちもだよ 命あってこそだからねー 悲しいけど 家を捨てなきゃいけないかねぇ」
その時はどこも同じように考えているんだなと思っていた、移民として生きて行くしか・・・
それも、自分と弟だけならその移動も耐えれるかもしれないが、馬車もない今、歩いて移動するのは体の弱っている両親には無理だ 当てもない移動になるのに・・・
どうしたら・・・毎日そんな事ばかりを考えていた 刻々と死へ近づいている どうしたら・・・
そんな時 ルシアンが毎日のように森に行き 木の実や果物を持ち帰っている事を不思議に感じた 小さな袋一つ分の木の実や果物 この時期に取れるものではない果物まで、一体どうなっているんだ?
次の日、ルシアンが森に行く後ろをマルクスはついて行った
森の奥深くには入ることは禁じられている
森に惑わされて帰れなくなるからだ
「やっぱり、随分奥まで入っていっている」
両親もマルクスも、元気そうに見えるルシアンの事は今までそう気にかけていなかった、こんな森の中で獣にでも襲われたら、そう考えるとゾッとした
急いでルシアンの後を追い、森の奥に足を踏み入れると、ルシアンの楽しそうな話し声が聞こえて来た
ルシアンのまわりを小さな光が飛んでいた
あれは? 自分の目を疑った 小さな人に虫の羽をつけたような・・・
おとぎ話の中の妖精のような・・・⁈
まさか・・・
「驚いたな、いつも、季節はずれな木の実や果物を持って帰ってくるから、不思議に思ってついてきてみれば、そいつは妖精じゃないか?」
俺はルシアン達に声をかけた
初めは俺を見て怖がっているようだったが、ルシアンが俺を紹介すると安心したようだった
リヒトが今までルシアンに木の実や果物のある場所を教えてくれていた
仲良くしている2人を見て安心してその日はルシアンと一緒に家に帰った
『妖精を捕まえると願いが叶う』
あの時の農地の女達の会話が頭に浮かんでいた
リヒトにルシアンの事が好きなら幸せになって欲しいだろ?君が逃げたらルシアンは幸せになれないんだ
そう言って 森から連れ出した
隣国の領地に、農地の手伝いに行くと家族には言ってある
その間 ルシアンには両親の手伝いをして欲しいと頼んできた
その後はすべてが思うように進み
ある伯爵にリヒトを譲り 安定した生活を約束された
馬車を買取急いで両親とルシアンを迎えに行った
今までの苦しかった暮らしが嘘のようで
ようやく、マルクスは死からの恐怖から逃れたと思っていた
両親に話している時ルシアンに聞かれていたなんて・・・
ルシアンに責められるのが怖かった
だから嘘をついた
その嘘をルシアンは信じて、リヒトに会いにいったんだ
一体俺は何を守りたかったのだろう ルシアンを悲しませて死なせてしまった
きっと、俺の事を嫌いになっただろう、友達を売られて恨んだだろう
それでも、生きていてほしかった
何の為に俺は・・・
森の中で冷たくなったルシアンを抱きしめ、声をあげて泣いた
俺が弟を・・ルシアンを殺したんだ
どれくらいの時間が経ったのだろう
ここで俺もこのままルシアンのもとに行けたら
そんな事を考えた時
『それは 無理というものだ』
どこからか、声が聞こえた
「誰だ!」
『私のかわいい子供を騙してこの森から連れ出し その子の大好きだったルシアンを死に追いやり 自分が辛いから死んで、同じ所に行けると思っているのかい?』
妖精の光を強く大きくした 何かが 目の前に立っていた
「私のかわいい子供? ・・・リヒトのことか? あなたは・・?」
「人には興味無かったしこれからもかかわるつもりは無かったんだけど、 私はあの子を諦めていない きっと姿を変えて戻ってくる その時には幸せになってほしい
だから、君を使わせてもらう
君もルシアンに幸せになって欲しいだろ?」
マルクスは何度も頷く
「私にとっては短い時間だが、君にとっては長い長い時間になるだろう、君の生きている間には叶わない願いだろうけど、やってもらうよ あの子達の為に国を作れ
そして未来に届けるんだ
その為なら私は力をかすよ
私は光の精霊・・・・・」
マルクスの想いは弟への償いだった、次の生ではしあわせに生きてほしい
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