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現役キャバ嬢の二刀流宣言
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「いいですか、皆さーん。プロレスLOVEの気持ちをひとつにして、パワー全開でお願いします。行きますよ~っ! いち、に、さん、おてんば~っ!!」という大合唱が、ニューおてんば温泉の大宴会場を包み込むと、「今日はありがとうございました!」といい、おてんばプロレスの代表を務めるプレジデント日奈子をはじめとする選手らが、マットレスを重ねただけのリングの上から東西南北の方角に向かって頭を下げた。
みちのく三大名湯のひとつとして知られる南東北の地方都市・おてんば市を拠点に、“強くてかわいい”女子プロレスの魅力を発信しているおてんばプロレス。そのルーツともいうべき、おてんば女子大学の女子プロレスごっこ団体・おてんばプロレスからは、プロ中のプロとして活躍中のRKクイーンとスーパーアサコという二大巨頭を輩出していた。それがきっかけとなり、おてんば市は湯のまちであると同時に、女子プロレスの聖地として全国にその名を馳せていたのであった。
現在は、おてんば市内の編集プロダクションである有限会社おてんば企画(社長はもちろん日奈子である)がローカルプロレス事業を継承し、地域の活性化をめざした社会貢献活動の一環として、おてんばプロレスの運営管理にあたっていた。近頃では、おてんばプロレス内に男子プロレスチームも胎動し、その人気はうなぎのぼりであった。
プロレスはプロレスでも、そこは社会人と学生の混成集団。「無理はしない、させない」をモットーに、地域発の活動を続けている。たとえリング上ではスター選手であったとしても、試合の翌日は、それぞれの日常が待ち受けているのだ。ある者は女子編集員として、ある者は女子大生として。ふだんはごく普通の女(ひと)でしかないのである。
いささか前置きが長くなってしまったが、「さぁ、今日もみんなお疲れね」というねぎらいの言葉をかけながら、おてんばプロレスの首領(ドン)である日奈子が選手らの肩を叩き始めたそのときのことであった。「ちょっと待ってください」といい、ショッキングピンクのパンツルックで、フェロモン出しまくりの茶髪女子が、疾風のごとくリングに現れた。
「待ってくださいよ、日奈子代表。お願いです。私を――私をプロレスラーとして雇ってください」。
どうやら会場を運営しているスタッフからむしりとったものだろう。ネイルで彩られた手もとからは、まっ赤なスポンジで覆われたワイヤレスマイクがはみ出していた。
「美しい羽と書いて、美羽(みう)です。リングネームはもう考えてあります。何度打ちのめされても立ちあがることから、ロッキー美羽という名前でどうでしょう?」というひとことに、何ごとかと思った観客の大半が足を止めた。
ざわざわ、ざわざわ。
なんなの、一体。
ざわざわざわ。
「いきなりお騒がせをして、ほんとうに申し訳ないと思っていますが、今の私は本気です。プロレスラーとして羽ばたきたい。いや、必ずや羽ばたいて、輝かしい未来をこの手でつかみたいの。だからお願いです。私にチャンスをください!」。
おてんばプロレスの名(迷)プロデューサー・日奈子による新たな演出かという声も一部でささやかれたが、今回ばかりはガチンコでのハプニングらしい。どうやら美羽とかいう素人女性。派手に騒ぎ立てるわけでもなく、おてんばプロレス恒例の締めの言葉のあとに登場するあたりは、ちゃんと礼儀をわきまえているのかもしれなかった。
パッと見、美羽は二十代前半だろうか。身長は百六十センチぐらい。体重は五十キロ前後(たぶん)。均整のとれた体つきで、それなりにふくよかな胸の谷間からは、まるで雌豹(めひょう)のような匂いが立ち込めていた。獲物を狙って闘いを挑む女の意地が、そこには巣食っているようにも見えた。
「社長、お願いです。入れて‥‥」という言葉を放ってくる深紅の唇が、これまたエロいのなんのって。スケベ心丸出しのオッさんからは、「美羽ちゃん、俺が入れてあげるから」とセクハラとしか思えないような声がはじけ飛んだ。
「何を語(かだ)ってんの。あそこに入れるのはファンクラブの会員が優先だべ。俺なんかはミーちゃんとBの間柄なんだど」とかなんとか、好き勝手なことをほざきまくるオッさんまでが現れた。
美羽のことをミーちゃんだなんて、馴れ馴れしいったりゃありゃしないし、Bという表現自体、もはや死語でしかないようにも思えるが、この種の野次はおてんばプロレスファン(特にオッさん連中)の愛情表現のひとつでもあった。とにかく「めんこい(かわいいの意)」という一心で、心からのエールを送っているので念のため。
「美羽ちゃんね。格闘技の経験はあるの?」という日奈子の問いかけに、美羽はすぐさま首(かぶり)を振った。まるで赤ん坊が「いやいや」でもしているような仕草を見せたかと思うと、「格闘技の経験はゼロですが、キャバ嬢の経験ならあります。ていうか、今も現役なんです」と応じる美羽の言葉に、会場から大きなどよめきが起こった。
「よーし、今すぐ指名だっちゃ」といい、やたら色めき立つオッさん軍団。もしかすると美羽が働いているキャバクラの常連なのだろうか。早く帰ればいいものを、何人かのオッさんどもときたらワンカップをぐい飲みしながら、お花見気分で女子レスラーたちのやりとりを楽しんでいる。オッさんの目から見たら、女子レスラーのひとりひとりが、めんこく(かわいく)映っているのかもしれないが、卑猥な言葉を投げつけながら騒ぎ立てるのは、どうなのだろう。酒飲み男って、なんでこうもいやらしいの――と著者自身、思うのであった。
「あのねー、見せものじゃないんだから、お酒を飲むのはやめて」といい張りながら、客席をにらみつけたのは、おてんばプロレスのエース・ジャッキー美央だ。美人で目立ちたがり屋、一本木で男勝りの性格は、代表の日奈子にそっくりであった。お客さんに対してだろうがなんだろうが、「ダメなものはダメ」といい切れること、それが美央の魅力につながっているのである。
「まぁまぁ。美央ちゃんも一緒に飲むべ」とか「怒っている美央ちゃんもかわいいぞ」という冷やかしの声も聞かれたが、リング上から美央がにらみを利かせると、場内はたちどころに静まり返った。オッさんどもよ、静まれ。それでも騒ぎ立てる奴らは殺(や)ってやるぞといわんばかりの態度に、女は怖いという想いが男たちの心の中で明滅するのであった。
美央自身、本業の編集プロダクションでは、日奈子社長のもとで編集部長を任されていた。いわば日奈子の片腕という自負があるのか、招かざる客・美羽と日奈子の間に割って入ったのであった。
「おい、美羽さんよ。名前が私(美央)とひと文字違いなのは、ちょいと嬉しいんだけどさ、プロレスのことをなめるんじゃねえぞ。当たり前の話だが、チョップを受ければ痛いし、キックをぶち込まれれば、場外に放り出されることもある。それがプロレスなんだよ。現役のキャバ嬢だかなんだか知らねえが、ケガしないうちに、さっさと帰りな。それが私たちのアンサーだから」。
そんな美央の口撃に立ち向かうかのように、ずぶの素人であるはずの美羽が食ってかかった。度胸満点のスーパーキャバ嬢。ちょっとエロい口もとから放たれる一語一語には、美羽の本気度がひそんでいた。
「プロレスのことをなめてなんかいません。私がなめるのは〇〇〇〇だけ。って、あ、それはマイク禁止用語でしたね。ごめんなさい、今のは撤回します。
私がめざしているのは、あくまでもプロレスとキャバ嬢の二刀流です。いついかなるときでも闘いをやめず、毎日体を張って、ひとり娘の弥生の養育費を稼ぎ出す。その手法のひとつがプロレスなんですよ。自分の人生を賭けて、女としての新しい生き方を賭けて、私はプロレスと結婚したい! 本気でそう思っているんです」。
結婚の二文字に反応し、「結婚するなら俺(おら)とだべ」なーんて、しつこく騒ぎ立てている酔っぱらい軍団。そのほとんどがキャバクラの常連なのだろう。パッと見た感じ美羽のお父さんの世代と思われるが、もの欲しそうなオッさん連中の顔には、まるで自分の娘を見守るような温かい眼(まなこ)が浮かんでいる。セクハラまがいの言葉の裏には、そのじつ深い愛情が隠されているのであった。
「とにかく私は本気なんだよ」という雄たけびならぬ雌たけびをあげると、一方的に「いち、に、さん、美羽~っ!」と唱和し、何ごともなかったかのように大手を振りながらリングを去っていく美羽に、一部の客席から「美羽」コールが降ってわいた。あっという間に観客のハートを鷲づかみにするなんて、な、なんなの――と思いながら、苦虫をかみつぶしたような表情を見せる美央だったが、その傍らでは御大の日奈子が、まんざらでもなさそうな笑みを浮かべていた。
「うふふ。現役のキャバ嬢さんが女子プロレスだなんて、おもしろいんじゃないの」。
おてんばプロレスのはちゃめちゃトップである日奈子の勘ピュータ(時どき狂う)が、がちゃがちゃという音を立てて動き始めた。おてんばプロレスに殴り込みというなら、まだわからないでもないのだが、よりによって雇ってほしいとすがりついてきた突発女の美羽。それなりにかわい子ちゃんで、やる気だけはありそう。ファン目線で見ると、やたら感情移入しやすいキャラクターであることだけはたしかなようだ。
みちのく三大名湯のひとつとして知られる南東北の地方都市・おてんば市を拠点に、“強くてかわいい”女子プロレスの魅力を発信しているおてんばプロレス。そのルーツともいうべき、おてんば女子大学の女子プロレスごっこ団体・おてんばプロレスからは、プロ中のプロとして活躍中のRKクイーンとスーパーアサコという二大巨頭を輩出していた。それがきっかけとなり、おてんば市は湯のまちであると同時に、女子プロレスの聖地として全国にその名を馳せていたのであった。
現在は、おてんば市内の編集プロダクションである有限会社おてんば企画(社長はもちろん日奈子である)がローカルプロレス事業を継承し、地域の活性化をめざした社会貢献活動の一環として、おてんばプロレスの運営管理にあたっていた。近頃では、おてんばプロレス内に男子プロレスチームも胎動し、その人気はうなぎのぼりであった。
プロレスはプロレスでも、そこは社会人と学生の混成集団。「無理はしない、させない」をモットーに、地域発の活動を続けている。たとえリング上ではスター選手であったとしても、試合の翌日は、それぞれの日常が待ち受けているのだ。ある者は女子編集員として、ある者は女子大生として。ふだんはごく普通の女(ひと)でしかないのである。
いささか前置きが長くなってしまったが、「さぁ、今日もみんなお疲れね」というねぎらいの言葉をかけながら、おてんばプロレスの首領(ドン)である日奈子が選手らの肩を叩き始めたそのときのことであった。「ちょっと待ってください」といい、ショッキングピンクのパンツルックで、フェロモン出しまくりの茶髪女子が、疾風のごとくリングに現れた。
「待ってくださいよ、日奈子代表。お願いです。私を――私をプロレスラーとして雇ってください」。
どうやら会場を運営しているスタッフからむしりとったものだろう。ネイルで彩られた手もとからは、まっ赤なスポンジで覆われたワイヤレスマイクがはみ出していた。
「美しい羽と書いて、美羽(みう)です。リングネームはもう考えてあります。何度打ちのめされても立ちあがることから、ロッキー美羽という名前でどうでしょう?」というひとことに、何ごとかと思った観客の大半が足を止めた。
ざわざわ、ざわざわ。
なんなの、一体。
ざわざわざわ。
「いきなりお騒がせをして、ほんとうに申し訳ないと思っていますが、今の私は本気です。プロレスラーとして羽ばたきたい。いや、必ずや羽ばたいて、輝かしい未来をこの手でつかみたいの。だからお願いです。私にチャンスをください!」。
おてんばプロレスの名(迷)プロデューサー・日奈子による新たな演出かという声も一部でささやかれたが、今回ばかりはガチンコでのハプニングらしい。どうやら美羽とかいう素人女性。派手に騒ぎ立てるわけでもなく、おてんばプロレス恒例の締めの言葉のあとに登場するあたりは、ちゃんと礼儀をわきまえているのかもしれなかった。
パッと見、美羽は二十代前半だろうか。身長は百六十センチぐらい。体重は五十キロ前後(たぶん)。均整のとれた体つきで、それなりにふくよかな胸の谷間からは、まるで雌豹(めひょう)のような匂いが立ち込めていた。獲物を狙って闘いを挑む女の意地が、そこには巣食っているようにも見えた。
「社長、お願いです。入れて‥‥」という言葉を放ってくる深紅の唇が、これまたエロいのなんのって。スケベ心丸出しのオッさんからは、「美羽ちゃん、俺が入れてあげるから」とセクハラとしか思えないような声がはじけ飛んだ。
「何を語(かだ)ってんの。あそこに入れるのはファンクラブの会員が優先だべ。俺なんかはミーちゃんとBの間柄なんだど」とかなんとか、好き勝手なことをほざきまくるオッさんまでが現れた。
美羽のことをミーちゃんだなんて、馴れ馴れしいったりゃありゃしないし、Bという表現自体、もはや死語でしかないようにも思えるが、この種の野次はおてんばプロレスファン(特にオッさん連中)の愛情表現のひとつでもあった。とにかく「めんこい(かわいいの意)」という一心で、心からのエールを送っているので念のため。
「美羽ちゃんね。格闘技の経験はあるの?」という日奈子の問いかけに、美羽はすぐさま首(かぶり)を振った。まるで赤ん坊が「いやいや」でもしているような仕草を見せたかと思うと、「格闘技の経験はゼロですが、キャバ嬢の経験ならあります。ていうか、今も現役なんです」と応じる美羽の言葉に、会場から大きなどよめきが起こった。
「よーし、今すぐ指名だっちゃ」といい、やたら色めき立つオッさん軍団。もしかすると美羽が働いているキャバクラの常連なのだろうか。早く帰ればいいものを、何人かのオッさんどもときたらワンカップをぐい飲みしながら、お花見気分で女子レスラーたちのやりとりを楽しんでいる。オッさんの目から見たら、女子レスラーのひとりひとりが、めんこく(かわいく)映っているのかもしれないが、卑猥な言葉を投げつけながら騒ぎ立てるのは、どうなのだろう。酒飲み男って、なんでこうもいやらしいの――と著者自身、思うのであった。
「あのねー、見せものじゃないんだから、お酒を飲むのはやめて」といい張りながら、客席をにらみつけたのは、おてんばプロレスのエース・ジャッキー美央だ。美人で目立ちたがり屋、一本木で男勝りの性格は、代表の日奈子にそっくりであった。お客さんに対してだろうがなんだろうが、「ダメなものはダメ」といい切れること、それが美央の魅力につながっているのである。
「まぁまぁ。美央ちゃんも一緒に飲むべ」とか「怒っている美央ちゃんもかわいいぞ」という冷やかしの声も聞かれたが、リング上から美央がにらみを利かせると、場内はたちどころに静まり返った。オッさんどもよ、静まれ。それでも騒ぎ立てる奴らは殺(や)ってやるぞといわんばかりの態度に、女は怖いという想いが男たちの心の中で明滅するのであった。
美央自身、本業の編集プロダクションでは、日奈子社長のもとで編集部長を任されていた。いわば日奈子の片腕という自負があるのか、招かざる客・美羽と日奈子の間に割って入ったのであった。
「おい、美羽さんよ。名前が私(美央)とひと文字違いなのは、ちょいと嬉しいんだけどさ、プロレスのことをなめるんじゃねえぞ。当たり前の話だが、チョップを受ければ痛いし、キックをぶち込まれれば、場外に放り出されることもある。それがプロレスなんだよ。現役のキャバ嬢だかなんだか知らねえが、ケガしないうちに、さっさと帰りな。それが私たちのアンサーだから」。
そんな美央の口撃に立ち向かうかのように、ずぶの素人であるはずの美羽が食ってかかった。度胸満点のスーパーキャバ嬢。ちょっとエロい口もとから放たれる一語一語には、美羽の本気度がひそんでいた。
「プロレスのことをなめてなんかいません。私がなめるのは〇〇〇〇だけ。って、あ、それはマイク禁止用語でしたね。ごめんなさい、今のは撤回します。
私がめざしているのは、あくまでもプロレスとキャバ嬢の二刀流です。いついかなるときでも闘いをやめず、毎日体を張って、ひとり娘の弥生の養育費を稼ぎ出す。その手法のひとつがプロレスなんですよ。自分の人生を賭けて、女としての新しい生き方を賭けて、私はプロレスと結婚したい! 本気でそう思っているんです」。
結婚の二文字に反応し、「結婚するなら俺(おら)とだべ」なーんて、しつこく騒ぎ立てている酔っぱらい軍団。そのほとんどがキャバクラの常連なのだろう。パッと見た感じ美羽のお父さんの世代と思われるが、もの欲しそうなオッさん連中の顔には、まるで自分の娘を見守るような温かい眼(まなこ)が浮かんでいる。セクハラまがいの言葉の裏には、そのじつ深い愛情が隠されているのであった。
「とにかく私は本気なんだよ」という雄たけびならぬ雌たけびをあげると、一方的に「いち、に、さん、美羽~っ!」と唱和し、何ごともなかったかのように大手を振りながらリングを去っていく美羽に、一部の客席から「美羽」コールが降ってわいた。あっという間に観客のハートを鷲づかみにするなんて、な、なんなの――と思いながら、苦虫をかみつぶしたような表情を見せる美央だったが、その傍らでは御大の日奈子が、まんざらでもなさそうな笑みを浮かべていた。
「うふふ。現役のキャバ嬢さんが女子プロレスだなんて、おもしろいんじゃないの」。
おてんばプロレスのはちゃめちゃトップである日奈子の勘ピュータ(時どき狂う)が、がちゃがちゃという音を立てて動き始めた。おてんばプロレスに殴り込みというなら、まだわからないでもないのだが、よりによって雇ってほしいとすがりついてきた突発女の美羽。それなりにかわい子ちゃんで、やる気だけはありそう。ファン目線で見ると、やたら感情移入しやすいキャラクターであることだけはたしかなようだ。
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