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LIZU

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「ここかよ‥」

紹介されて2日後
指定された住所は何もない

何もない、訳ではないのだ

ただ、地下に繋がる階段が見える
しかし階段の一段目は鎖が繋がれていた

(こんなところに店があるのかよ)

木下は正直行きたくなかった
しかし、やはり少女が気になる

(あんなに偉そうに店主と話すなんて、何者だ)

意を決して鎖を大股で跨ぐ
一歩踏み出すたびに、鉄の階段らしい冷たいカン、カンという音が響く

どんどん暗くなり、ついに何も見えなくなりそうになった時

「?」
看板がかかっている、のだろうか
うっすらと目に映ったのは扉だった

木下は急いでスマホの電源をつけて、明かりを看板にかざす

「A、S」
何かの略だろうか

ここで気になっても仕方がないので木下は扉をついに開いた

「いらっしゃいませ」
世の中の若い女子に人気のありそうな美形だ
前髪は少しハネがある、22か23くらいの男がカウンターから会釈する

店内は薄暗く、それらしいムードを作り出すライトが天井についていた

「ここは、バーですか?」
「ええ、そうです
   お客様の期待に添えるよう様々なものをご用意しており
   ます」

1番気になるあの少女はいなかった

(とりあえずなんか頼むか)

「メニュー見せてもらっても」
「こちらです」

高級そうな革の表紙のメニューを渡され開く
「‥!」

ここまで揃える店はないんじゃないかと思うくらいのカクテルからワイン、日本酒、ビールまである

せっかく来たので、見たこともない年代物のワインを頼んだ
早速話題をふってみることにする

「すいません」
「はい」
「ここに女の子はいますか
   セーラー服を着た少女です」

男のワインを開けようとした手が止まる

「いますよ、なるほどお客様
   それを確かめにいらっしゃったのですね」

そう言いまた手を動かし始めた
しなやかにワインをグラスに注ぎ、カウンターに出す

「どうぞ」
「や、どうも」

一口グラスを傾けると、年代物の渋みはあったがそれ以上に深みがものすごく好きになりそうな味だった

「で、さっきの答えは」
「はい、お客様は女の子をご存知でいらっしゃるのでしょ
   うか」
「いや、知ってるというか‥」

木下はこの前の出来事を話した
15分くらい細かく話した

「なるほど‥つまり木下様は生意気な態度が気に入らく、
   物申したいとのことですね」
「まぁ、なんか気になるというか‥
   変な意味ではないですよ!ただ、未成年であんな店にい
   るのも変だと思ったので」

男は少し考えて、
「今彼女は出ておりますので、少しお待ちになって頂けれ
   ば会えます、どうなさいますか」

ここまで来て会えないのも馬鹿らしい、と木下は思った
「じゃあ、待ちます」
「かしこまりました、ごゆっ‥」

男がいい終わるか終わらないかで扉が勢いよく空いた
(客か?)

しかし客をみた瞬間、木下は言葉を失う
(おいおい‥)

入って来た男が来ていたのは、制服だった
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