【完結】生贄にされた第九皇子、邪神に見込まれて最強の使徒になる。

アキ・スマイリー

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第4話 冒険者ギルド出張所。

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 ベルと色々話し合った結果、当面はこの村「ランカスト村」に滞在する事になった。

 村人達に聞いた話では、この村は絶え間なくゴブリンに襲撃され、村を守る駐在騎士団も手を焼いているらしいのだ。

(困っている人を助けるチャンスだな。見事ゴブリンを殲滅し、村を救え。そうすれば俺の名も布教しやすくなる筈だ」

(うん、頑張る!)

 村の中では、ベルは「念話」と呼ばれる魔法で直接、僕の心に語りかけて来る。

 僕はゴブリン退治に参加する為、村にある冒険者ギルドに登録する事にした。

 村の中心には村役場があり、そこから少し奥まった所にギルド出張所がある。中に入ると、村人の姿が数人見えた。

 ここには農業ギルドや商業ギルドなど、様々なギルドの出張所のカウンターがある。その中でも冒険者ギルドのカウンターは、中心の目立つ場所にあった。

 僕はそこに向かって歩みを進める。そしてカウンターに立っているおじさんに挨拶をした。

「こんにちは」
 
「うん? おお、こんにちは。見ない顔だな少年。どこから来たんだい?」

 他の村人達と同じように、おじさんは僕の素性を知りたがった。それに対する答えはもう出来ている。

「僕はサルート村の出身なのですが、人攫いに捕まりまして。隙を見て逃げ出して来たんです。お金も荷物も何もありません。仕事を探しています。つまり、冒険者になりたいんです」

 ちなみにサルート村の事を含むロマンシア王国に存在する町や村、そして動物や魔物の事はベルから聞いて学んでいた。流石は「元・聖なる導きの神」。色々な事を知っている。

 だけど僕が一番知りたい道徳観念については、ベルは教えてくれなかった。教わるよりも、実際に自分で体験するべきだ、と言われた。

 それにしても、今の僕の体は本当に凄い。頭の回転が早いって言うのは伊達じゃなく、一度聞いた事は全て完璧に覚えているし、そこから生まれる発想も素晴らしいものだった。

 何はともあれ、ギルドのおじさんは僕がサルート村の出身だと言う事を信じてくれたようだ。

「ほう、そりゃ運が良かったな。人攫いに攫われて、逃げられなかった奴には死ぬよりも過酷な運命が待ってるって話だ。ところで少年、年はいくつだ?」

「十二歳です」

「ふむ......年齢は合格だな。実はな少年。冒険者は比較的、就職しやすい職業ではある。他の仕事との掛け持ちも出来るしな。だが、年齢は他の仕事と同様十二歳から。そして何より、魔物と戦って生き残れるか。それが一番大事な資格だ。少年。お前は見たところ、全然強そうには見えない。もしかして、魔法が使えたりするのか?」

「魔法は使えませんが、戦いは得意です。もっとも、この姿のままではゴブリン一匹にだって瞬殺されるでしょうけど」

 僕の返答に、おじさんは片方の眉毛を上げた。そして口をへの字に曲げる。

「一体何を言ってるんだ? この姿のままではって。意味が......」

 おじさんがそう言いかけた時、僕はもう一つの体に変身した。胸が大きく膨らみ、背と髪がぐんぐん伸びる。服が一瞬はち切れそうになったけど、ベルがすぐに直してくれた。それでも露出度は高めだ。

「なっ、なっ、えええ!?」

 おじさんは驚きすぎて尻餅をついた。それからカウンターに腕を乗せて、ヨロヨロと立ち上がる。

「一体、どんな魔法だいこりゃ。少年が、とんでもねぇ美女になっちまった」

 目をぱちくりさせるおじさん。

「魔法ではありませんが、これがボクの能力なんです。そしてこの姿なら、ボクは誰にも負けません。契約、させて頂けますか?」

「あ、ああ」

 おじさんは驚きながらも、契約書を準備してくれた。



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