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追放ざまぁ殺人事件編。

第16話 まずは現場を調べます。

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「お待ちしてました皆さん。こちらです」

 先に現場に到着していた憲兵達が、フェイ達「能対課」のメンバーを迎える。

 案内された部屋には、一組の男女の遺体。体中から植物のようなものが生えている。フェイ達は全員、黙祷を捧げた。

「なるほどね。確かにこれは【能力者】の仕業だわ」

 シャルティアはそう言って手袋をはめ、死体を調べ始める。クライスとミントは、部屋の外に出て周囲を警戒する。

「この植物のようなものは、どうやら生き物から養分を吸い取って成長するようね。二人ともカラカラに干からびてる。だけど直接の死因はそれじゃない。植物によって脳や心臓など、重要な臓器を破壊された事が死に繋がっているわ。ねぇフェイ、ちょっと来て」

 シャルティアに手招きされ、フェイは遺体の側へと駆け寄る。遺体の様子や臭気に吐き気をもよおしながらも、平静を保つように心がけた。

「魔力測定器に反応はないから、この植物は魔法の産物じゃないわ、つまり、スキルで生み出されたもの。そして遺体の状況から見て、どんなスキルがこの植物を産み出したのか。ある程度の予測は立てられるわ。けれど、あなたの考えも聞きたいと思って」

 また試されている、とフェイは思った。本物のフェイは、この世に存在するあらゆるスキルに精通していたのだ。それは既にリゼから聞いて知っていた。そして、その理由も。

「うん、そうだね......多分、シャルティアの予測通りだよ。これは非常に希少なスキル、いわゆるユニークスキルって奴だね。名前は【発芽】。無から植物の種を生み出し、驚異的な速度で成長させるスキル。戦闘には向かない農民向けのスキル、って言うのが一般論だね」

「さすが、お見事ね」

 シャルティアは微笑んで、顔の前で小さく拍手をした。

 フェイも微笑みを返しながら、内心胸を撫で下ろしていた。こう言ったスキルの知識も、対シェイプシフターの技術が記されたリゼの家系に伝わる「ニーベルンゲンの秘伝書」に記されていたものだった。

 本物のフェイがスキルの知識を有していたのもその為だ。

「ユニークスキルで殺害されたのなら、その使用者は限られるわね。すぐに犯人は割り出せる。だけど念の為、私のユニークスキル【目の記憶】を使うわね。さらに有益な情報が得られるかも知れないし」

 シャルティアはそう言って、被害者のまぶたを指で開き、しぼんでしまった眼球を見つめた。

「見えたわ。彼の目が最後に見た映像が」

 シャルティアは鞄から手帳と羽根ペン、インク壺を取り出して絵を描き始めた。

「出来た。この人物が、きっと犯人だわ」

 シャルティアは手帳をフェイに見せた。

「......!」

 フェイはあまりの衝撃に言葉を失った。

 下手すぎる。もう、ほとんど落書きにしか見えない。噴き出しそうになるのを必死に堪えながら、フェイは手帳を受け取る。

「この似顔絵と、【発芽】のユニークスキルを手掛かりに捜査すれば、すぐに犯人に辿り着けそうね!」

「う、うん! そうだね」

 フェイはドヤ顔のシャルティアに笑みを返しながら、この絵をどうやって捜査に活かしていこうか、と頭を悩ませたのだった。

 









 
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