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魔王討伐と臆病な勇者編。
第50話 魔王討伐のご褒美は、いりません。
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「勇者よ、そしてその仲間達よ! よくぞ魔王を倒してくれた! おそよ千年にも渡る魔王との戦いに、ついに終止符は打たれた! さぁ、なんでも言ってみよ! 望むだけの褒美を取らせよう!」
ハーラン王国、王都ヴァーザイル。その王城、謁見の間。勇者セレスティンとその一行、そして憲兵フェイは、国王デオスの前にひざまずいていた。
「めっそうもございません陛下。私と仲間達は、勇者としての務めを果たしただけです。褒美は、陛下からのお言葉だけで充分でございます。その代わり、一つだけお願いがあるのですが」
セレスティンは、静かに進言する。デオスは、にこやかに頷いた。
「なんと謙虚な事よ。して、願いとはなんだ? 申してみよ」
「はい。実は此度の魔王討伐、憲兵であるこちらのフェイ殿の助力による所が大きいのです。ですので、我々全員、今後もフェイ殿の指導を仰ぎたい。そして世の中の役に立っていきたい。つまり、勇者という肩書きは捨て、憲兵として働きたいのです」
「なるほどな、ふむ......」
デオス王は、ジッとフェイを見つめる。フェイはセレスティンの言いつけ通り、身動きしないように大人しくしていた。静かにひざまずき、頭を下げている。
「良かろう。余の考えでは、そなたらを王族の護衛騎士にしようと考えておったのだが......よし、では憲兵庁長官のランドルフに伝えておこう。今後もハーラン王国の守護、よろしく頼むぞ」
「ハッ! お任せ下さい!」
深々と頭を下げる、勇者一行とフェイ。
「そして憲兵のフェイよ。勇者達の事、よろしく頼むぞ」
デオス王の言葉に、フェイはニヤリと笑う。
「任せておけ。我にかかれば、あらゆる事は容易い。大船に乗ったつもりで構えておくが良い」
フェイは尊大な態度で答える。
「フェイ殿! 国王の御前ですよ! 態度を改めて下さい!」
セレスティンは厳しい声で忠告する。するとフェイはビクッとして、「申し訳ございません!」と叫んだ。そして頭を床に擦りつける。
「ふぉッふぉッ。良い良い。勇者の指南役だ。そのくらいの気概でなくては務まるまい。実はな、フェイの噂は余の耳にも届いておる。とても優秀らしいな。どんな難事件でもたちどころに解決する事から、世界最速の憲兵と呼ばれておるとか」
「いやぁ~、それ程でも」
勇者セレスティンが、照れたように頭を掻く。
「何故そなたが照れるのだ、セレスティン」
言われてハッとするセレスティン。
「あ、いや、師と崇めるフェイ殿が褒められるのは、やはり悪い気はしません」
「おお、そう言う事か」
ニコニコと笑うデオス王。
セレスティンはホッと胸を撫で下ろす。
そう。彼の正体はフェイだ。そして床に頭を擦りつけてかしこまっているのは、フェイのユニークスキル「変身」によってフェイの姿に変えられた、魔王グランドグマである。
グランドグマはフェイの従者となった為、フェイには絶対服従だ。
「世界最速の憲兵、フェイよ。実は我が息子、第一王子ハサンが、どうしてもそなたに会いたいと申しておってな。会ってやってはくれぬか?」
「は、はい! もちろんでございます!」
フェイの姿をしたグランドグマはガバッと顔を上げ、ニカッと笑った。
今度は演技過剰だよ......とセレスティンの姿をしたフェイは思ったが、何もいわなかった。
ハーラン王国、王都ヴァーザイル。その王城、謁見の間。勇者セレスティンとその一行、そして憲兵フェイは、国王デオスの前にひざまずいていた。
「めっそうもございません陛下。私と仲間達は、勇者としての務めを果たしただけです。褒美は、陛下からのお言葉だけで充分でございます。その代わり、一つだけお願いがあるのですが」
セレスティンは、静かに進言する。デオスは、にこやかに頷いた。
「なんと謙虚な事よ。して、願いとはなんだ? 申してみよ」
「はい。実は此度の魔王討伐、憲兵であるこちらのフェイ殿の助力による所が大きいのです。ですので、我々全員、今後もフェイ殿の指導を仰ぎたい。そして世の中の役に立っていきたい。つまり、勇者という肩書きは捨て、憲兵として働きたいのです」
「なるほどな、ふむ......」
デオス王は、ジッとフェイを見つめる。フェイはセレスティンの言いつけ通り、身動きしないように大人しくしていた。静かにひざまずき、頭を下げている。
「良かろう。余の考えでは、そなたらを王族の護衛騎士にしようと考えておったのだが......よし、では憲兵庁長官のランドルフに伝えておこう。今後もハーラン王国の守護、よろしく頼むぞ」
「ハッ! お任せ下さい!」
深々と頭を下げる、勇者一行とフェイ。
「そして憲兵のフェイよ。勇者達の事、よろしく頼むぞ」
デオス王の言葉に、フェイはニヤリと笑う。
「任せておけ。我にかかれば、あらゆる事は容易い。大船に乗ったつもりで構えておくが良い」
フェイは尊大な態度で答える。
「フェイ殿! 国王の御前ですよ! 態度を改めて下さい!」
セレスティンは厳しい声で忠告する。するとフェイはビクッとして、「申し訳ございません!」と叫んだ。そして頭を床に擦りつける。
「ふぉッふぉッ。良い良い。勇者の指南役だ。そのくらいの気概でなくては務まるまい。実はな、フェイの噂は余の耳にも届いておる。とても優秀らしいな。どんな難事件でもたちどころに解決する事から、世界最速の憲兵と呼ばれておるとか」
「いやぁ~、それ程でも」
勇者セレスティンが、照れたように頭を掻く。
「何故そなたが照れるのだ、セレスティン」
言われてハッとするセレスティン。
「あ、いや、師と崇めるフェイ殿が褒められるのは、やはり悪い気はしません」
「おお、そう言う事か」
ニコニコと笑うデオス王。
セレスティンはホッと胸を撫で下ろす。
そう。彼の正体はフェイだ。そして床に頭を擦りつけてかしこまっているのは、フェイのユニークスキル「変身」によってフェイの姿に変えられた、魔王グランドグマである。
グランドグマはフェイの従者となった為、フェイには絶対服従だ。
「世界最速の憲兵、フェイよ。実は我が息子、第一王子ハサンが、どうしてもそなたに会いたいと申しておってな。会ってやってはくれぬか?」
「は、はい! もちろんでございます!」
フェイの姿をしたグランドグマはガバッと顔を上げ、ニカッと笑った。
今度は演技過剰だよ......とセレスティンの姿をしたフェイは思ったが、何もいわなかった。
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