お嬢様、流刑地に送られ婚約も破棄。でも最強になったら、ザマぁとかどうでも良くなってた

好きな言葉はタナボタ

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第1部

第11話 「突き付けられた選択肢」

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拒絶の言葉を吐いたマリカに、銃の男はさとすように告げる。

「オマエには4つの選択肢がある。 1つはオレのモノになることだ。 その場合オマエはこの地の顔役であるオレの保護下に置かれ、この上なく快適な生活を送ることができる。

「2つ目は流刑地の男全員の共有物になること。 この場合、男に体を求められたらオマエは常に応じる義務がある。 いつでも、どこでも、相手が何人でもだ。

「白昼の往来で何人もの男に犯されるってことも十分あり得る。 というよりも、十中八九そうなる。 オマエのような上玉は、この流刑地じゃ奇跡のような存在だからな。 使い古しのズタボロになるまで野郎どもがオマエに群がるだろうぜ。 オマエは昼も夜も犯され続けるんだ。 メシを食う暇もないぐらいにな」

「っ...」

顔役が語る凄惨な情景にマリカは思わず息を呑んだ。 4人のチンピラに輪姦された記憶は彼女の中にまだ生々しく残っている。

顔役銃の男は指折り数えながら選択肢を提示し続ける。

「3つ目は、オマエを欲する男をすべて撃退すること。 まあ無理だろうがな。 3千人の男が昼夜を問わず襲ってくるんだから。

「4つ目は、オマエがこの流刑地を出ていくこと。 いつ出ていこうがオマエの自由だ。 もっとも流罪人を受け入れてくれる都市や町は皆無だから、オマエは荒野で一人サバイバルすることになる」

顔役の説明の意図はマリカにも十分伝わった。

「要するに、あなたのモノになるのが一番マシだって言いたいんでしょう?」

「オレは事実を言っただけだ。 なあ、そうだろう?」

顔役が周囲の者に同意を強要し、何人かがうなづく。

顔役はマリカに向き直り、巨大な指を突きつけた。

「オマエに3日間の猶予をやろう。 食い物も与えてやる。 3日間よく考えて、オレの女になるかどうかを決心しろ。 いいか、オレがこんなに優しいのは、オマエがとびっきりの上玉だからだ。 オマエを傷物にしたくねえんだ。 だから妙な考えを起こすんじゃねえぞ?」

顔役はマリカの魔法を警戒している。 だからマリカを強引に自分のモノにするのではなく、マリカが自主的にその身を差し出すように仕向けているのだ。 顔役はマリカがちゃんと判断しさえすればマリカが自分のモノになると確信してもいる。 他の3つの選択肢を思えば、彼がそう確信するのも不思議はなかった。

                  ◇❖◇❖◇

顔役とマリカの会話が途切れたのを見計らって、マリカと共に流刑地に来た50代女性の流罪人が進み出て顔役に声をかけた。

「顔役さま。 お初にお目にかかります。 わたくしエライナと申します」

顔役は無関心な視線をエライナに向けた。 マリカに向けていた熱心な視線とは対照的な、冷淡な視線である。

エライナと名乗った50代女性は顔役の視線に耐えて言葉を続ける。

「シラナミ組の顧問を務めますユズリハの姉でございます。 弟から顔役さまに連絡が届いていると存じますが」

「ユズリハ殿とは懇意こんいにしているが、姉がいるとは聞いてないし、連絡も届いてはおらん」

「そんなはずは...」

エライナが焦りを見せる。 馬車の中では終始落ち着いていて、何があっても動じない彼女だったのに。 だがマリカはすぐに理解した。 エライナは流刑地とのコネにより流刑地での生活を保障されていたのだ。 少なくともエライナはそう信じていた。 だからエライナは、か弱い女の身で流刑地に送られるというのに取り乱すことがなかった。

それにしても、アガマサラ市から物資が補給されていることといい、流刑地とのコネといい、アガマサラ市と流刑地との間には相当な交流があるようだった。 流刑地はアガマサラ市から隔絶された場所だとマリカは思っていたが。

狼狽するエライナを無視して、顔役はマリカに声を掛ける。

「こっちだ。 付いて来い」

マリカは戸惑った。 3日間の猶予はどうなったの? そんなマリカの思いを見透かしたように、顔役は醜怪な顔を苦笑の形に歪める。

「心配するな。 約束通り3日間はお前に手を出さない」

マリカは途方に暮れて立ち尽くすエライナを気にしつつも、仕方なく顔役の後ろに付いて歩き始めた。
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