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幼児編
図書室
しおりを挟むお兄ちゃんが学校に行った後、私は家中を探検した。
お庭に厨房、トレーニングマシーンが沢山ある部屋もあった。
私は家の敷地外に出ちゃダメなんだけど、運動もできるし、日光にもあたれるから、まあいいかな。
弥生の頃からインドア派だったし。
リンとサキは、私のために3つの部屋を掃除したり、買物に行ったりしてくれてるらしい。
とりあえず寝室だけは絶対に今日中に整えると言っていた。
急に仕事を増やしてしまって申し訳ない。
というわけで、今私は1人で図書室にいる。
「うっわあ・・・すごすぎる。」
見渡す限り本、本、本・・・
なんでこんなに沢山本があるんだろう。
なんか・・・血が沸き立つ感覚がする。
よし、全部読破してやる!
まずはどんな本があるのか
ザッと確認していく。
「んーと・・・」
能力者達の歴史とか、力や術について、能力者を守護する力を持っている獣、守護獣のことなど、力関連の古そうな本が何十冊か。
帝王学っていうやつについての本もあった。
帝王学なんて、物語にしかでてこないようなものについての本が実在することにびっくりした。
それから、参考書。
小学生用の物ももちろんあるけど、中学生用、高校生用、さらにはかなり専門的な分野についての本が大量にあった。
あと、諸外国のありとあらゆる言語の参考書。
それから、外国の小説の原作。
ああそうだ、護身術の指南書もあった。
柔道、合気道、空手、剣道、弓道など。
多分、これらの本は全部、お父さんが買ったんだろうな。
帝王学とか、いかにもだよね。
あと、文武両道であれとかいかにも言いそうだよね、あの人。
力についての本なんて、そもそも売ってなさそうだし。
手書きだったしね。
ふつうに小説もあったけど、やっぱり他のジャンルと比べるとスペースは狭い。
しかもその小説も、ミステリーとかそんなのばっかり。
まあ、なんでも読むんだけどね。
本のジャンルは思っていたようなものとはちょっと違うけど、読破しようと思う意気込みは消えるどころか、ますます燃え上がった。
弥生だった時、桐谷 壮一から力の使い方はもちろん、知識も教養も、護身術も学んだ。
おかげで私はそれらにおいて、五歳児ではありえないレベルに達していると思う。
でも、それで妥協しちゃいけない!
より高みを目指そうじゃないか。
「ワクワクしてきた。」
この図書館で、ありとあらゆる知識を吸収してやる。
ああ、どうしよう。
ワクワクが止まらなくって、ヤバイ!
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