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全部、私のためだったんですね
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「エリンに力を使わせないようにしていたのは、ただ、エリンが嫌だと思ったからなんだ。」
「私が・・・?」
思えば、こうして親子で真剣に向き合うのは初めてかもしれません。
初めて、ですけど、必要な時間なんだと、思います。
「エリンは、なんで母さまがいないのか、知っているみたいだったから。だから力を使うのが怖くなってしまったかもしれないと思って・・・」
なんだ、全部、私のためだったんですね。
それなのに私、バカな勘違いをして・・・
カリンたちが言っていたこと、今なら分かります。
本当に私、バカなことしてたんですね。
「私、私・・・怖くないです。」
そりゃあ、怖いと思ったこともありました。
でも、今の父さまの話を聞いたらそんなこと、思えなくなりました。
「父さまと母さまが、この力も含めて全部、私を愛してくれているのなら、私も好きになりたいです。」
大きすぎる私の力。
人を傷つけるのではなく、助けるために使いたいのです。
そうしたらきっと、私も私のことを好きになれるはずですから。
「父さま、お願いします。力の使い方を、教えてください。」
お願いをすると、父さまがどこか寂しそうに笑いました。
「もちろん。エリンも大人になったね、すぐに親離れしてしまいそうで、なんだか寂しいな。」
「そんなっ!私なんてまだまだです。」
大人なんかじゃありません。
カリンたちがいなければ、きっと私は父さまに自分の気持ちを伝えきれなかったでしょう。
「それに私、親離れなんてまだしたくありません。」
いつかはしなければ、とも思うのですが、今は父さまのそばにいたいんです。
「エリン!あ~でもいつか、この人が私の旦那ですとか言って結婚相手を連れてくるんだろう?うわー、辛すぎる・・・!一生親離れなんてしなくていいからね?」
父さま・・・
「父さまは、私に幸せになってほしくないのですか?」
不安そうに、父さまを見上げると、今度は慌て始めました。
「そんなことないっ!ただ、エリンに結婚はまだ早いっていうか・・・いやでもエリンが幸せなら・・・いや。でもでもっ!!」
悶々と悩み始めた父さまがおかしくて、ついクスリと笑ってしまいました。
「父さま、すみません。冗談です。」
だって、父さまの反応があまりにも面白すぎたんです。
つい、からかってみたくなって・・・
「結婚なんて、まだまだずうっと先ですよ。心配しないでください。まだ当分は、父さまのそばにいます。」
いつかは結婚したいですけど、今は父さまのほうが大事です。
その晩、私は父さまとたくさんお話して、幸せをかみしめました。
「私が・・・?」
思えば、こうして親子で真剣に向き合うのは初めてかもしれません。
初めて、ですけど、必要な時間なんだと、思います。
「エリンは、なんで母さまがいないのか、知っているみたいだったから。だから力を使うのが怖くなってしまったかもしれないと思って・・・」
なんだ、全部、私のためだったんですね。
それなのに私、バカな勘違いをして・・・
カリンたちが言っていたこと、今なら分かります。
本当に私、バカなことしてたんですね。
「私、私・・・怖くないです。」
そりゃあ、怖いと思ったこともありました。
でも、今の父さまの話を聞いたらそんなこと、思えなくなりました。
「父さまと母さまが、この力も含めて全部、私を愛してくれているのなら、私も好きになりたいです。」
大きすぎる私の力。
人を傷つけるのではなく、助けるために使いたいのです。
そうしたらきっと、私も私のことを好きになれるはずですから。
「父さま、お願いします。力の使い方を、教えてください。」
お願いをすると、父さまがどこか寂しそうに笑いました。
「もちろん。エリンも大人になったね、すぐに親離れしてしまいそうで、なんだか寂しいな。」
「そんなっ!私なんてまだまだです。」
大人なんかじゃありません。
カリンたちがいなければ、きっと私は父さまに自分の気持ちを伝えきれなかったでしょう。
「それに私、親離れなんてまだしたくありません。」
いつかはしなければ、とも思うのですが、今は父さまのそばにいたいんです。
「エリン!あ~でもいつか、この人が私の旦那ですとか言って結婚相手を連れてくるんだろう?うわー、辛すぎる・・・!一生親離れなんてしなくていいからね?」
父さま・・・
「父さまは、私に幸せになってほしくないのですか?」
不安そうに、父さまを見上げると、今度は慌て始めました。
「そんなことないっ!ただ、エリンに結婚はまだ早いっていうか・・・いやでもエリンが幸せなら・・・いや。でもでもっ!!」
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「父さま、すみません。冗談です。」
だって、父さまの反応があまりにも面白すぎたんです。
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「結婚なんて、まだまだずうっと先ですよ。心配しないでください。まだ当分は、父さまのそばにいます。」
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その晩、私は父さまとたくさんお話して、幸せをかみしめました。
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