大天使の娘です。ある日人間界に落ちてしまいました。

モフモフ、最強説ですっ！

『エリン様、エリン様。』
「ん・・・？」

アレン様とレオン様が部屋を出て行って。
うつらうつらと眠りの世界に迷い込んでいたみたいです。
そこへ、エリン様、と、鈴を鳴らすような声が・・・

「フ、フーリッ！？」

そうでした、すっかり忘れていました、フーリのこと。
ポン！と音を立てて、金のモフモフが現れました。
銀の瞳が金の毛並みからのぞいて・・・

「か、かわいいですっ・・・！」

モフモフ、最強説ですっ！
思わずフニャッと頬を緩めてフーリに手を伸ばしました。

『エリン様、フーリの毛並み、好き？』
「はいっ！大好きですっ！」

ぶんぶんぶんっ！
大きく頷いてから、ふっと疑問が湧きました。

「ところで、フーリ、あなたは何なのですか？それに、さっきまではどこに？」

さっき、いきなりポン！と何もない空間から出てきましたよね？
フーリは一体、何者なんでしょうか・・・？

『フーリは、フーリ。気づいたら、エリン様の傍にいた。それじゃ、ダメ・・・？』

えっと・・・それは、フーリ自身も自分が何なのかわからないってことですよね。
怪しさ満載だとおもうのですが・・・
うるうるとうるんだ丸い銀の瞳で見つめられては、文句も言えません！

「いえっ！ダメじゃありませんよ。」

そう言うと、パアッとフーリの雰囲気が明るくなった気がしました。
毛で瞳くらいしか見えませんが・・・なんというか、周囲に花が舞っているイメージです。

『フーリ、さっきまでは、空間の中に隠れてた。』
「空間の、中・・・？」

なんですか、それ？
私が首をかしげると、フーリは困ったようなオーラで・・・

『空間、いっぱいある。何枚も、積み重なっているイメージ。フーリ、人に見つからないように、空間と空間の中に隠れてた。』

・・・よく分かりませんけど、とりあえず、人には見つかっていないんですね。
よかったです。
だって、かわいいとはいえ、見たこともないような生き物です。
怪しまれれば、フーリがどこかへ連れ去られてしまうかもしれません。

・・・あれ？ひょっとして、月と同じように、私が知らないだけで、人間界ではメジャーな生き物だったりしますか？
んー、でも、人間界に落ちてから今まで、フーリみたいな生き物、見たことないですし・・・
とりあえず、人には見られないようにするという方針でいきましょう!

「フーリ、私以外の人には見つからないようにしてくださいね？」
『うん、分かった!フーリ、頑張る。かくれんぼ!』

楽しそうにくるくる空中を舞うフーリ。
遊びじゃないんですけど・・・まあ、楽しいのなら、いいですよね!