大天使の娘です。ある日人間界に落ちてしまいました。

ユーリ

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この状況は・・・?

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えっと・・・これはいったい、どういう状況なんでしょうか。

「エリン様、遠慮なさってはいけませんよ。しっかり食べないと、お体も回復しません。」
「そうだぞ、食事はきちんととったほうがいい。それにお前、やせすぎだ。」

もう一度言います。
この状況は、一体・・・?

「えっと、もう本当に満腹で・・・」

ギブアップです、これ以上食べられません。
あと、羞恥心がそろそろ限界です。

目の前に置かれたお椀には、おいしそうなおかゆ。
私の体調を気遣ってくれていると思うととても嬉しい、のですが。
1人で食べられるのになぜかアレン様がかいがいしくお世話してくださって・・・
いわゆる、アーンというものを経験してしまい、私はけっこう動揺中なのです。

「・・・そうですか、無理はよくありませんし、分かりました。」

シュンとなるアレン様。
どうしましょう、なんだかアレン様がワンちゃんに見えてきました。
悲しそうにペタリと折れ曲がった耳や、垂れたしっぽが見えてきそうで・・・

「クスッ。」

思わず笑いをこぼしてしまいました。

「「えっ!?」」

その瞬間、驚いたように私の顔を凝視するレオン様とアレン様。
えっと、なんでしょうか・・・?
キョトンとして首を傾げると、レオン様が言い訳でもするかのように言います。

「あ、いや、お前の笑顔、そういや初めて見たかもな、と思ってな。」

笑顔・・・ですか。
確かに、作ったものじゃない笑顔、久しぶりな気がします。

「お二人は、優しいな、と思って。」

ぽつりとつぶやいた私の言葉を拾って、二人はお互いに顔を見合わせていました。

「「そうか?」」
「はい!たとえ聖女の可能性があろうとも、どこの誰とも知れない私にこんなに良くしてくださって・・・お二人は、本当に優しいです。」

本音を言うと、天界に帰りたいです。
それに、神殿のみんながきっと私のことを心配してくれていると思うので、私の無事を知らせたい、とも思います。
まあ、神殿の方にはレオン様がきちんと連絡しているらしいのですが。
そんなところも、いい人だな、と思います。
そう思って、感謝の念をこめて微笑みかけると、二人は目を見開きました。
そして、なぜか顔を赤く染め、そっぽを向いたのです。

「あの・・・?」
「い、いえ!なんでもありません。あと・・・私は、だれにでも優しいわけではありませんよ。エリン様が、エリン様だから・・・あなたは天から遣わされた、尊いお方です。たとえあなたが聖女でなくとも、私はあなたに忠誠をささげる覚悟ができています。」
「え・・・」

母さま・・・
母さまが夢で言っていたことが思い出されます。
レオン様とアレン様は味方、だと・・・
なんとなく、私にも分かりました。
2人は優しいのです。
きっと、私の味方になってくれます。

ありがとうございます、母さま!
私、頑張ります!

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