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夏の章 中辛男子は結婚したい
2、プロポーズの行方
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あれ、おいちゃんって何歳だっけ?
確か大学4年生の時に入ってきたから……今年26歳か!
な、なるほど。結婚か……。
そうなると、おいちゃんが来年もプロとして活動できるかどうかは重要だ。将来に関わる!
わたしが口をぱくぱくさせるのを見て、由加子ちゃんは控えめに微笑んだ。
「困らせちゃってすみません。豊福さんの言う通り、まだ後期リーグもあるし、先のことはわからないですよね」
「あ……うん、そうだね。あの……ぶしつけなことを聞くけど、おいちゃんにプロポーズされたの?」
おいちゃんはそんなこと一言も言ってなかったし、そわそわした様子もなかった。いや、別にすぐに報告しなきゃいけないわけじゃないし、おいちゃんはコオリ君とは別の意味でフラットなタイプだから、隠しごとをしても気づかないんだけど。
由加子ちゃんは、首を横に振った。
「敬太くんからは何も言われてません。──だから、私が言ったんです。結婚したいって」
「え……ええ!?」
まさかの逆プロポーズ!?
今度こそ驚きすぎて、開いた口がふさがらない。
由加子ちゃんみたいな、かわいくて料理も上手で(おいちゃんがいつものろけている)お嫁さんにしたい女子筆頭みたいな子は、何もしなくてもプロポーズされるのに! 多分!!
「お、おいちゃんは……なんて?」
「保留にされちゃいました」
「嘘でしょ!?」
なんてこと! なんてことーーー!!
おいちゃん、ばかじゃないの!?
そこは即オッケーするところでしょ! むしろ、おいちゃんから改めてプロポーズするところでしょっ!
「……と、豊福さん……ありがとうございます」
わたしの心の声の勢いが激しすぎて、多少もれてしまっていたらしい。由加子ちゃんは頬を赤らめて、微笑んだ。
か、かわいい……。
おいちゃん、まじで何やってんの……!?
その思いを強くしているわたしに対して、由加子ちゃんは「敬太くんは、心配なんです」と落ち着いた声で呟いた。
「今はプロ選手でお給料もしっかりもらえてるし、多分同世代よりは年収も多いけど、これから先の保証は何もないから……。私も仕事はしてますけど、ただの事務職だし──」
プロとは言っても、いつその冠がとれるかはわからない。
例えば来年は契約更新したとしても、その次、さらに次はどうなるのかわからない。
10年後のおいちゃんがプロのままという保証はないし、もしそうじゃなかった時に何かしらの職につけているかは不透明。
由加子ちゃんの不安は、痛いくらいに伝わってきた。……でもその不安を軽くできるような言葉がなんにも思いつかない。
わたしはあんまり結婚について考えたことないし(何せ恋愛もままならないから)、それこそチームが軌道にのることしか見てなかった。
でも由加子ちゃんとおいちゃんって、付き合って5年、同棲してからは2年たってるし……結婚を意識するっていうのは自然な流れなのかもしれない。
「ごめんね、確かなことが何も言えなくて」
うつむくわたしに、由加子ちゃんは「いえ、いいんです。私が焦りすぎなんです」と声を落とした。
焦る!? 結婚に!? 由加子ちゃんの可愛さと年齢で!?
またまたびっくりしているわたしに、由加子ちゃんは儚い笑みを浮かべた。
「私、すごく結婚願望強くて……本当は大学を出たら、すぐにでも敬太くんと結婚したかったんです」
「そうなの!? あ、それで同棲……」
「はい。一緒に住んだら、結婚も意識してくれるかなって思って。……親にはちょっと反対されましたけど」
──そ、それは分かる気がする。
ご両親は絶対心配だもんね。おいちゃんがいつ無職になったらって……。
「2年暮らしてみて、私にはやっぱり敬太くんしかいないなって思ってるんです。ある日敬太くんが急に無職になったとしても、私は一緒にがんばれるのに……敬太くんは、そうじゃなくて……」
どんどん由加子ちゃんのまとう空気が重く暗くなっていく。こ、これ以上話したら、泣いちゃうんじゃないかな!? まわりが賑やかすぎるこの状況で、そんなことさせたくないっ!!
「由加子ちゃん! おいちゃんは大丈夫だよ! 由加子ちゃんのこと、すっごく大事にしてるもん。きっと彼は彼なりに色々考えてるはずっ」
月並みにもほどがあるけど、言わないよりは絶対ましなはず。
わたしがまくしたてると、由加子ちゃんは少しだけ顔をあげてくれたけれど。
「ありがとうございます」
彼女の目尻にうっすらたまっている涙は、わたしではどうしようもできなかった。
◆
大会の最終結果は、おいちゃんがベスト8、コオリ君がベスト16だった。そして優勝は響選手。これにはノイ君が「うわーっ! マジで! くやしー!」と歯噛みしていた。
あの後なんとなく流れでノイ君や由加子ちゃんと一緒にいたけれど、表彰式が終わった後に誘われた飲み会はさすがに断った。
普段なら行ったかもしれないけど、今日はそんな気分になれない。
由加子ちゃんとおいちゃんの顔を見ると、色んなことがちらつくのがわかってたから。
みんなと別れて、わたしは一人帰宅した。ずっと会場にいたから、部屋についた途端にほっと体の力が抜ける。
「あー疲れたぁ……」
途中のコンビニで買った夕食をテーブルに置いて、まずはベッドにダイブ。部屋はむわっと暑かったけれど、エアコンをつけてひとまずわたしは大の字になった。
「……結婚かぁ……」
大会の結果よりも、由加子ちゃんの話の衝撃の方が大きかった。
穏やかなおいちゃんと、かわいくてほっとけない感じの由加子ちゃん。
すごくお似合いの二人だから、ぜひとも幸せになってほしい。
ていうか由加子ちゃんが、ちょっと思い詰めてる感じなのが気になる。おいちゃんは気配りが上手だから、大丈夫なんだろうけど……。それでも早く二人の結婚に対しての価値観がそろえばいいのになって思う。
「──確かプロ選手の中にも結婚してる人いたよね」
ゴロゴロしながら、スマホでSNSを開く。響選手の所属するチームに、確か既婚者がいたはず。夫婦そろってゲーマーで、奥さんの方は格闘ゲームの方で頑張ってるみたいな……。
「まあ、それは特殊なケースなのかなぁ……」
確か夫婦連名の配信チャンネルを持っていて、精力的に配信をしてるんだよね。『フェンリルの彷徨』だけじゃなくて、他のゲームも夫婦でプレイしたりして。割とそのあたりの地位が確立してる感じがある。
そこまで考えて、ふわぁぁと大きながあくびが出る。今は8時をすぎたところ。お腹もすいてるんだけど、眠気の方が勝ちはじめた。
ちょっと仮眠しようかな。明日休みだし。
ぼんやり、うとうと。
そうしていつのまにかわたしは眠っていて、起きたら11時をすぎていた。エアコンがきいた部屋は涼しくて快適だけど、顔がカピカピしてる。
さすがにまずいとシャワーを浴びて戻ってきたら、だいぶ頭は冴えてきた。そしてお腹がなった。
「……パスタ、あっためよ」
テーブルで放置されている袋からパスタを取り出して、レンジにいれる。それを待つ間にスマホを確認すると、ノイ君からメッセージが入っていた。
確か大学4年生の時に入ってきたから……今年26歳か!
な、なるほど。結婚か……。
そうなると、おいちゃんが来年もプロとして活動できるかどうかは重要だ。将来に関わる!
わたしが口をぱくぱくさせるのを見て、由加子ちゃんは控えめに微笑んだ。
「困らせちゃってすみません。豊福さんの言う通り、まだ後期リーグもあるし、先のことはわからないですよね」
「あ……うん、そうだね。あの……ぶしつけなことを聞くけど、おいちゃんにプロポーズされたの?」
おいちゃんはそんなこと一言も言ってなかったし、そわそわした様子もなかった。いや、別にすぐに報告しなきゃいけないわけじゃないし、おいちゃんはコオリ君とは別の意味でフラットなタイプだから、隠しごとをしても気づかないんだけど。
由加子ちゃんは、首を横に振った。
「敬太くんからは何も言われてません。──だから、私が言ったんです。結婚したいって」
「え……ええ!?」
まさかの逆プロポーズ!?
今度こそ驚きすぎて、開いた口がふさがらない。
由加子ちゃんみたいな、かわいくて料理も上手で(おいちゃんがいつものろけている)お嫁さんにしたい女子筆頭みたいな子は、何もしなくてもプロポーズされるのに! 多分!!
「お、おいちゃんは……なんて?」
「保留にされちゃいました」
「嘘でしょ!?」
なんてこと! なんてことーーー!!
おいちゃん、ばかじゃないの!?
そこは即オッケーするところでしょ! むしろ、おいちゃんから改めてプロポーズするところでしょっ!
「……と、豊福さん……ありがとうございます」
わたしの心の声の勢いが激しすぎて、多少もれてしまっていたらしい。由加子ちゃんは頬を赤らめて、微笑んだ。
か、かわいい……。
おいちゃん、まじで何やってんの……!?
その思いを強くしているわたしに対して、由加子ちゃんは「敬太くんは、心配なんです」と落ち着いた声で呟いた。
「今はプロ選手でお給料もしっかりもらえてるし、多分同世代よりは年収も多いけど、これから先の保証は何もないから……。私も仕事はしてますけど、ただの事務職だし──」
プロとは言っても、いつその冠がとれるかはわからない。
例えば来年は契約更新したとしても、その次、さらに次はどうなるのかわからない。
10年後のおいちゃんがプロのままという保証はないし、もしそうじゃなかった時に何かしらの職につけているかは不透明。
由加子ちゃんの不安は、痛いくらいに伝わってきた。……でもその不安を軽くできるような言葉がなんにも思いつかない。
わたしはあんまり結婚について考えたことないし(何せ恋愛もままならないから)、それこそチームが軌道にのることしか見てなかった。
でも由加子ちゃんとおいちゃんって、付き合って5年、同棲してからは2年たってるし……結婚を意識するっていうのは自然な流れなのかもしれない。
「ごめんね、確かなことが何も言えなくて」
うつむくわたしに、由加子ちゃんは「いえ、いいんです。私が焦りすぎなんです」と声を落とした。
焦る!? 結婚に!? 由加子ちゃんの可愛さと年齢で!?
またまたびっくりしているわたしに、由加子ちゃんは儚い笑みを浮かべた。
「私、すごく結婚願望強くて……本当は大学を出たら、すぐにでも敬太くんと結婚したかったんです」
「そうなの!? あ、それで同棲……」
「はい。一緒に住んだら、結婚も意識してくれるかなって思って。……親にはちょっと反対されましたけど」
──そ、それは分かる気がする。
ご両親は絶対心配だもんね。おいちゃんがいつ無職になったらって……。
「2年暮らしてみて、私にはやっぱり敬太くんしかいないなって思ってるんです。ある日敬太くんが急に無職になったとしても、私は一緒にがんばれるのに……敬太くんは、そうじゃなくて……」
どんどん由加子ちゃんのまとう空気が重く暗くなっていく。こ、これ以上話したら、泣いちゃうんじゃないかな!? まわりが賑やかすぎるこの状況で、そんなことさせたくないっ!!
「由加子ちゃん! おいちゃんは大丈夫だよ! 由加子ちゃんのこと、すっごく大事にしてるもん。きっと彼は彼なりに色々考えてるはずっ」
月並みにもほどがあるけど、言わないよりは絶対ましなはず。
わたしがまくしたてると、由加子ちゃんは少しだけ顔をあげてくれたけれど。
「ありがとうございます」
彼女の目尻にうっすらたまっている涙は、わたしではどうしようもできなかった。
◆
大会の最終結果は、おいちゃんがベスト8、コオリ君がベスト16だった。そして優勝は響選手。これにはノイ君が「うわーっ! マジで! くやしー!」と歯噛みしていた。
あの後なんとなく流れでノイ君や由加子ちゃんと一緒にいたけれど、表彰式が終わった後に誘われた飲み会はさすがに断った。
普段なら行ったかもしれないけど、今日はそんな気分になれない。
由加子ちゃんとおいちゃんの顔を見ると、色んなことがちらつくのがわかってたから。
みんなと別れて、わたしは一人帰宅した。ずっと会場にいたから、部屋についた途端にほっと体の力が抜ける。
「あー疲れたぁ……」
途中のコンビニで買った夕食をテーブルに置いて、まずはベッドにダイブ。部屋はむわっと暑かったけれど、エアコンをつけてひとまずわたしは大の字になった。
「……結婚かぁ……」
大会の結果よりも、由加子ちゃんの話の衝撃の方が大きかった。
穏やかなおいちゃんと、かわいくてほっとけない感じの由加子ちゃん。
すごくお似合いの二人だから、ぜひとも幸せになってほしい。
ていうか由加子ちゃんが、ちょっと思い詰めてる感じなのが気になる。おいちゃんは気配りが上手だから、大丈夫なんだろうけど……。それでも早く二人の結婚に対しての価値観がそろえばいいのになって思う。
「──確かプロ選手の中にも結婚してる人いたよね」
ゴロゴロしながら、スマホでSNSを開く。響選手の所属するチームに、確か既婚者がいたはず。夫婦そろってゲーマーで、奥さんの方は格闘ゲームの方で頑張ってるみたいな……。
「まあ、それは特殊なケースなのかなぁ……」
確か夫婦連名の配信チャンネルを持っていて、精力的に配信をしてるんだよね。『フェンリルの彷徨』だけじゃなくて、他のゲームも夫婦でプレイしたりして。割とそのあたりの地位が確立してる感じがある。
そこまで考えて、ふわぁぁと大きながあくびが出る。今は8時をすぎたところ。お腹もすいてるんだけど、眠気の方が勝ちはじめた。
ちょっと仮眠しようかな。明日休みだし。
ぼんやり、うとうと。
そうしていつのまにかわたしは眠っていて、起きたら11時をすぎていた。エアコンがきいた部屋は涼しくて快適だけど、顔がカピカピしてる。
さすがにまずいとシャワーを浴びて戻ってきたら、だいぶ頭は冴えてきた。そしてお腹がなった。
「……パスタ、あっためよ」
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