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第2章 いざ異世界
5、懸念(カイリ視点)
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自分の両の手のひらに光の粒子が集まって発光する。カイリはその淡い光から何とはなしに、最近急に自分のテリトリーに入り込んできた人物を思い出した。
疑問の尽きない、不思議な存在。
百花がカイリの部屋にやってきて、いざこざを経て、彼女と朝食をともにするようになって十日がたった。
初対面の時、会いたかったと涙ぐむ百花を見て、カイリの心には戸惑いと疑念しか浮かばなかった。
カイリにとって百花は、まるで見覚えのない人物だったからだ。
自分が異界渡りをした記憶もない。
だから本当ならば、もっと強く否定して拒絶できるはずだった。
けれどたった一つの彼女の言葉が、カイリを戸惑わせた。
(どうして、僕の病気のことを知ってるんだ……?)
母を一番近くで見て来て、看取ったからこそわかる。自分も同じ病気にかかっていると気づいたのは、一年ほど前のことだった。
風邪とは違う歪な咳は、最初は軽く頻度も少なかった。けれど、それは日に日に深いものになり、カイリの胸に刺すような痛みをもたらした。
治療方法がないのは知っていた。病気にかかった者の末路も。母は発症してから二年ほどで他界したから、おそらく自分もそうなるのだろう。けれど、どうせ儚い命ならば最後まで思うように生きたい。
カイリは病を隠すことに何の迷いも抱かなかった。
母が生前、発作が起こる前にあらかじめ治癒魔法をかけておくと楽になると言っていた。それをカイリはしっかり覚えていたから、毎朝起きると自分に治癒魔法をかけるようになった。
手のひらに集まった光を口で吸い上げる。光はカイリの中へと入り込み、また粒子となって身体へ溶け込んでいった。身体が内側からあたためられる感覚。それが治癒魔法のかかった証だ。
こうして毎朝魔法をかけておけば、発作が出ることはない。
だからオウルも、そして彼の仕事の相棒だって、何も気づいていないはずだった。
そうやってカイリが誰にも知られないようにひた隠しにしてきた事実を、百花があっさりと白日のもとにさらした時、頭が真っ白になっていくのがわかった。余計なことを言う百花が邪魔な存在としか認識できなかった。
けれど彼女はカイリが異界渡りをしたおかげで病気が治ったと言った。
それをオウルは信じていたから、それならそれで好都合だと思った。
コンコンと軽快なノックの音とともに「ごはんできたよー」と百花から声がかかった。それにすぐ行くと答え、ドアを開けると「おはよう」と笑顔の百花が立っていた。彼女はいつも笑っている。何がそんなに嬉しいのか理解できないが、大体において彼女の口元はゆるんでいた。
「今日も朝から寒いね! ってことでフライパンでグラタン作ってみたの。あつあつだよー」
冷めないうちに食べちゃおうと百花が階段を降りて行く。高い位置でひとつに結わえた彼女の髪が弾むように揺れるのを眺めながら、カイリはあとに続いた。
(こういう展開は予想してなかったな……)
カイリがダイニングテーブルに着くと、すぐに百花がスープを運んできた。琥珀色の中にツネ(玉ねぎのような野菜)と卵が浮かんでいる。湯気とともにいい香りが漂った。
「グラタンは薫製肉の風味でなかなかいい感じの味になったと思うの! まだ熱いから、気をつけて食べてね」
フライパンから取り分けられたグラタンは、確かに勢い良く湯気が出ている。スプーンの上で少しさましてから一口食べると、口内に薫製肉の香ばしさが広がった。
「……美味しい」
カイリがそう言うと、百花は破顔した。まん丸い目が三日月のようになり、頬に赤みが増す。彼女はカイリが褒めると、いつもそうやって大げさなほどに喜んだ顔を見せた。
こうして一緒に朝食をとるようになってわかったこと。
驚くほどに、彼女の料理は美味しかった。何か特別なことをしているのだろうか、まさか怪しいものをいれているのでは、と疑ってそっと見張ったこともあったが、結局彼女は何もしていない。魔力がないから、良からぬ魔法をかけることもできない。
卵のスープも、おそらくツネを飴色になるまで炒めているのだろう。その甘みが出ていて美味しい。季節は冬に入り朝は特に冷え込みが厳しいから、こういう朝食は身体があたたまる。モモカを見ると、グラタンをぱくぱくと口に運びながら「やっぱりチーズが欲しいなぁ……」と呟いていた。
「チーズって何?」
モモカの国には、オミの国にはない食物がとても多くあるようだ。彼女の口からはよく聞きなれない言葉が出る。チーズとは牛乳を発酵させて作るものらしい。
「グラタンに入れると、それはもう絶品なんだよ! あと、パンにのせて焼いても美味しいの。あー、ほんと残念だなぁ」
牛乳だったらオミの国にもあるから、作ってみたらと提案したが、百花は苦笑して首を振った。詳しい作り方は知らないそうだ。
「今のままで十分美味しいと思うけど」
「ほんと? ありがとう! 嬉しい!」
百花は顔をほころばせた。その笑顔はまるで花が咲いたようで、カイリをどこか落ち着かない気持ちにさせる。
自分が彼女をどう扱っていいのか、よくわからなくなる。
(どうして彼女はこんなに僕に固執するんだろう)
彼女が初めて朝食を作った日に自分がした仕打ちは、ひどいものだったと自覚している。
並べられた料理を一瞥して食べもしなかった。ひどい言葉で傷つけもした。
なのに、彼女はカイリをあきらめなかった。
つたない文字の手紙は、最初の一週間はうんざりさせられたが、それ以降は困惑と同情に変わっていった。
拒絶されても、なおめげない彼女の心が分からない。
手紙にほだされたと言われればそれまでだけれど、カイリは彼女ともう一度向き合った。
それ以来、彼女はカイリ自身を知ろうと歩み寄ってくる。
好きなものや嫌いなものを聞き出して、カイリの好みに合うような朝食を作ると意気込んでいる。
そして、事実、彼女の朝食はカイリの心をつかみつつある。
(モモカが会ったカイリは、一体何者なんだろうか)
疑問は発されることなく虚空に消える。そしてカイリは今日も、百花の朝食を全て平らげるのだ。
◆
オミの国の主城は丘の上にある。
カイリの住む庶民街からは、貴族街を抜けて更に丘を登ってようやくたどりつく場所だ。その距離は歩くには少し遠いため、カイリは庶民街と貴族街の境目にある厩舎に愛馬を預けていた。他の馬に比べると小柄だが華奢というわけでもなく、カイリをどこへでも運んでくれる気性の落ち着いた馬だった。
貴族街を駆け抜け、城の裏手にある厩舎に行くと、カイリを待つ人物がいた。カイリよりも頭一つ分背の高く体格の良い男ーー彼は名をエンハンスと言う。オミの国の第二王子である。
王子という身分にも関わらず、エンハンスの格好はカイリと似たようなものだった。茶色いチュニックにベストを着用し、その上には紺色の外套を羽織っている。下は黒いウールのズボン。違うところと言えば彼が腰にはいている長剣で、その柄には希少価値の高い宝石が埋め込まれており、彼の身分の高さを隠しきれないものにしていた。それについてはエンハンス自身も気にしているようだが、よく見ないとわからない意匠だし、どうしても愛用の剣を持たないと落ち着かないそうだ。
近衛騎士の父と宮廷魔導師の母を親に持つカイリは、生まれた時からずっと城で暮らして来た。エンハンスとは年も近いので(向こうが二つ上だ)ずっと一緒にいて成長して来た、幼馴染のような存在だ。第二王子と言えばそうそうたる身分の男なのだが、彼はカイリに対しては幼い頃からずっと対等な存在でいることを望んでいる。だからカイリはそれに応えて、エンハンスに敬語は使わない。敬礼もしない。
母が病で亡くなり、父が任務中に殉死してからは、カイリは今の家で暮らしながら、エンハンスの手足となり様々な任務についている。
カイリが「早いね」と声をかけると、エンハンスはまばらに生えたあごひげをなでながら「朝食が味気なかったもんでな。すぐ食べ終わったんだ」と苦笑した。
「そっちは何食べて来たんだ?」
「グラタンとスープ」
「朝からグラタンなんて贅沢だなぁ」
それ以上に豪華な食事をしているであろう王族が言う言葉か、とカイリが半眼でエンハンスを見ると、彼はにんまりと笑って話題を空へと放り投げた。
「で、何か変わったことは?」
「特に。相変わらず料理の話ばっかりしてる。今日は牛乳から作る発酵食品の話をしてた。チーズっていうらしい」
「発酵食品?」
「彼女の国にはそういうのがあるらしい。調味料みたいなやつなのか、よくわからなかったけど。グラタンとかパンに合うと言っていた」
「チーズねぇ……作り方は聞いた?」
「そこまでは知らないってさ」
「そうか。作り方を知らないんじゃ話にならないな」
エンハンスは細い目の奥を光らせて、何事か考えている。彼は百花の存在を知って以来、カイリに彼女の監視とどんな能力があるのか探ることを命じていた。
王家に残る異界渡りをしてきた人物の記録を見る限り、ほとんどの場合において異世界人は何かしらの福音をもたらしているのだそうだ。エンハンスは今の時期に百花が異界渡りをしてきたのは、戦争終結の一助となるためだとにらんでいる。
エンハンスはオウルにも手を回して、日中は彼女に百花を探らせていた。そして夜がカイリの担当というわけなのだが、顔を合わさない時期に遠くから監視をしていた時も、顔合わせるようになった今も、特に彼女の印象は変わらない。
ただの料理好きな普通の女性。
それが百花の印象と評価だった。
疑問の尽きない、不思議な存在。
百花がカイリの部屋にやってきて、いざこざを経て、彼女と朝食をともにするようになって十日がたった。
初対面の時、会いたかったと涙ぐむ百花を見て、カイリの心には戸惑いと疑念しか浮かばなかった。
カイリにとって百花は、まるで見覚えのない人物だったからだ。
自分が異界渡りをした記憶もない。
だから本当ならば、もっと強く否定して拒絶できるはずだった。
けれどたった一つの彼女の言葉が、カイリを戸惑わせた。
(どうして、僕の病気のことを知ってるんだ……?)
母を一番近くで見て来て、看取ったからこそわかる。自分も同じ病気にかかっていると気づいたのは、一年ほど前のことだった。
風邪とは違う歪な咳は、最初は軽く頻度も少なかった。けれど、それは日に日に深いものになり、カイリの胸に刺すような痛みをもたらした。
治療方法がないのは知っていた。病気にかかった者の末路も。母は発症してから二年ほどで他界したから、おそらく自分もそうなるのだろう。けれど、どうせ儚い命ならば最後まで思うように生きたい。
カイリは病を隠すことに何の迷いも抱かなかった。
母が生前、発作が起こる前にあらかじめ治癒魔法をかけておくと楽になると言っていた。それをカイリはしっかり覚えていたから、毎朝起きると自分に治癒魔法をかけるようになった。
手のひらに集まった光を口で吸い上げる。光はカイリの中へと入り込み、また粒子となって身体へ溶け込んでいった。身体が内側からあたためられる感覚。それが治癒魔法のかかった証だ。
こうして毎朝魔法をかけておけば、発作が出ることはない。
だからオウルも、そして彼の仕事の相棒だって、何も気づいていないはずだった。
そうやってカイリが誰にも知られないようにひた隠しにしてきた事実を、百花があっさりと白日のもとにさらした時、頭が真っ白になっていくのがわかった。余計なことを言う百花が邪魔な存在としか認識できなかった。
けれど彼女はカイリが異界渡りをしたおかげで病気が治ったと言った。
それをオウルは信じていたから、それならそれで好都合だと思った。
コンコンと軽快なノックの音とともに「ごはんできたよー」と百花から声がかかった。それにすぐ行くと答え、ドアを開けると「おはよう」と笑顔の百花が立っていた。彼女はいつも笑っている。何がそんなに嬉しいのか理解できないが、大体において彼女の口元はゆるんでいた。
「今日も朝から寒いね! ってことでフライパンでグラタン作ってみたの。あつあつだよー」
冷めないうちに食べちゃおうと百花が階段を降りて行く。高い位置でひとつに結わえた彼女の髪が弾むように揺れるのを眺めながら、カイリはあとに続いた。
(こういう展開は予想してなかったな……)
カイリがダイニングテーブルに着くと、すぐに百花がスープを運んできた。琥珀色の中にツネ(玉ねぎのような野菜)と卵が浮かんでいる。湯気とともにいい香りが漂った。
「グラタンは薫製肉の風味でなかなかいい感じの味になったと思うの! まだ熱いから、気をつけて食べてね」
フライパンから取り分けられたグラタンは、確かに勢い良く湯気が出ている。スプーンの上で少しさましてから一口食べると、口内に薫製肉の香ばしさが広がった。
「……美味しい」
カイリがそう言うと、百花は破顔した。まん丸い目が三日月のようになり、頬に赤みが増す。彼女はカイリが褒めると、いつもそうやって大げさなほどに喜んだ顔を見せた。
こうして一緒に朝食をとるようになってわかったこと。
驚くほどに、彼女の料理は美味しかった。何か特別なことをしているのだろうか、まさか怪しいものをいれているのでは、と疑ってそっと見張ったこともあったが、結局彼女は何もしていない。魔力がないから、良からぬ魔法をかけることもできない。
卵のスープも、おそらくツネを飴色になるまで炒めているのだろう。その甘みが出ていて美味しい。季節は冬に入り朝は特に冷え込みが厳しいから、こういう朝食は身体があたたまる。モモカを見ると、グラタンをぱくぱくと口に運びながら「やっぱりチーズが欲しいなぁ……」と呟いていた。
「チーズって何?」
モモカの国には、オミの国にはない食物がとても多くあるようだ。彼女の口からはよく聞きなれない言葉が出る。チーズとは牛乳を発酵させて作るものらしい。
「グラタンに入れると、それはもう絶品なんだよ! あと、パンにのせて焼いても美味しいの。あー、ほんと残念だなぁ」
牛乳だったらオミの国にもあるから、作ってみたらと提案したが、百花は苦笑して首を振った。詳しい作り方は知らないそうだ。
「今のままで十分美味しいと思うけど」
「ほんと? ありがとう! 嬉しい!」
百花は顔をほころばせた。その笑顔はまるで花が咲いたようで、カイリをどこか落ち着かない気持ちにさせる。
自分が彼女をどう扱っていいのか、よくわからなくなる。
(どうして彼女はこんなに僕に固執するんだろう)
彼女が初めて朝食を作った日に自分がした仕打ちは、ひどいものだったと自覚している。
並べられた料理を一瞥して食べもしなかった。ひどい言葉で傷つけもした。
なのに、彼女はカイリをあきらめなかった。
つたない文字の手紙は、最初の一週間はうんざりさせられたが、それ以降は困惑と同情に変わっていった。
拒絶されても、なおめげない彼女の心が分からない。
手紙にほだされたと言われればそれまでだけれど、カイリは彼女ともう一度向き合った。
それ以来、彼女はカイリ自身を知ろうと歩み寄ってくる。
好きなものや嫌いなものを聞き出して、カイリの好みに合うような朝食を作ると意気込んでいる。
そして、事実、彼女の朝食はカイリの心をつかみつつある。
(モモカが会ったカイリは、一体何者なんだろうか)
疑問は発されることなく虚空に消える。そしてカイリは今日も、百花の朝食を全て平らげるのだ。
◆
オミの国の主城は丘の上にある。
カイリの住む庶民街からは、貴族街を抜けて更に丘を登ってようやくたどりつく場所だ。その距離は歩くには少し遠いため、カイリは庶民街と貴族街の境目にある厩舎に愛馬を預けていた。他の馬に比べると小柄だが華奢というわけでもなく、カイリをどこへでも運んでくれる気性の落ち着いた馬だった。
貴族街を駆け抜け、城の裏手にある厩舎に行くと、カイリを待つ人物がいた。カイリよりも頭一つ分背の高く体格の良い男ーー彼は名をエンハンスと言う。オミの国の第二王子である。
王子という身分にも関わらず、エンハンスの格好はカイリと似たようなものだった。茶色いチュニックにベストを着用し、その上には紺色の外套を羽織っている。下は黒いウールのズボン。違うところと言えば彼が腰にはいている長剣で、その柄には希少価値の高い宝石が埋め込まれており、彼の身分の高さを隠しきれないものにしていた。それについてはエンハンス自身も気にしているようだが、よく見ないとわからない意匠だし、どうしても愛用の剣を持たないと落ち着かないそうだ。
近衛騎士の父と宮廷魔導師の母を親に持つカイリは、生まれた時からずっと城で暮らして来た。エンハンスとは年も近いので(向こうが二つ上だ)ずっと一緒にいて成長して来た、幼馴染のような存在だ。第二王子と言えばそうそうたる身分の男なのだが、彼はカイリに対しては幼い頃からずっと対等な存在でいることを望んでいる。だからカイリはそれに応えて、エンハンスに敬語は使わない。敬礼もしない。
母が病で亡くなり、父が任務中に殉死してからは、カイリは今の家で暮らしながら、エンハンスの手足となり様々な任務についている。
カイリが「早いね」と声をかけると、エンハンスはまばらに生えたあごひげをなでながら「朝食が味気なかったもんでな。すぐ食べ終わったんだ」と苦笑した。
「そっちは何食べて来たんだ?」
「グラタンとスープ」
「朝からグラタンなんて贅沢だなぁ」
それ以上に豪華な食事をしているであろう王族が言う言葉か、とカイリが半眼でエンハンスを見ると、彼はにんまりと笑って話題を空へと放り投げた。
「で、何か変わったことは?」
「特に。相変わらず料理の話ばっかりしてる。今日は牛乳から作る発酵食品の話をしてた。チーズっていうらしい」
「発酵食品?」
「彼女の国にはそういうのがあるらしい。調味料みたいなやつなのか、よくわからなかったけど。グラタンとかパンに合うと言っていた」
「チーズねぇ……作り方は聞いた?」
「そこまでは知らないってさ」
「そうか。作り方を知らないんじゃ話にならないな」
エンハンスは細い目の奥を光らせて、何事か考えている。彼は百花の存在を知って以来、カイリに彼女の監視とどんな能力があるのか探ることを命じていた。
王家に残る異界渡りをしてきた人物の記録を見る限り、ほとんどの場合において異世界人は何かしらの福音をもたらしているのだそうだ。エンハンスは今の時期に百花が異界渡りをしてきたのは、戦争終結の一助となるためだとにらんでいる。
エンハンスはオウルにも手を回して、日中は彼女に百花を探らせていた。そして夜がカイリの担当というわけなのだが、顔を合わさない時期に遠くから監視をしていた時も、顔合わせるようになった今も、特に彼女の印象は変わらない。
ただの料理好きな普通の女性。
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