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第3章 旅で得るもの、失うもの
2、その出会い
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ダイスの城は、街の真ん中に建っている。
オミの国の城が丘の上にあり堅固な要塞の側面を持っているのに対して、こちらは無防備極まりない城だった。
レンガ造りの城の周りに張り巡らされた城壁もそう高いものではなく、防御機能は低そうだ。日中は城の玄関ホールや貴賓室、中庭を一般開放しているらしく、陽の高い時間はいつも観光客や地元民であふれかえっているらしい。
四人は港からすぐに馬車に乗って、城へとやって来た。
昨日のうちにアンソニーが伝書鳩(魔法の力を使って飛ばすから、かなり速くて正確な連絡手段らしい)でダイスの大臣とやりとりをして会食の予定を取り付けてくれ、国王への献上品も大臣から渡してもらう手はずとなっていた。
アンソニーが城門にいる見張りの兵士に話しかけると、すぐさま兵士は彼に恭しく礼をして城内へと案内してくれた。玄関ホールの見事な壁画を通り抜け、中庭を突っ切る。日が暮れてしまっていたから中庭の様子はほのかにしかわからなかったけれど、オミの国では見たことのない樹木や花が整然と植えられていた。
(この中にリエルがあったりしないかなぁ……)
確かリエルは低木で、花も葉も青いと聞いた。
今はわからないけれど、明るい時間にきて少し探してみたい。
名残惜しい思いで中庭から再び城内へと入り、たどりついたのは食堂と思われる部屋だった。おそろしく天井が高く、入ってすぐ目につくのは長尺のテーブルだ。片側にゆうに十人は座れそうで(椅子を数えたら、まさに十脚並んでいた)、テーブルには光沢のあるテーブルクロスがしわなくかけられている。その上に等間隔に並んだランプが、オレンジ色の暖かい光を発していた。
しばらくお待ちくださいと兵士がさがっていき、その後すぐにやって来たのは身体つきの大きな壮年の男性とその妻らしき女性、そして年端もいかない少女だった。
アンソニーやオリビーより少し年若い男性はダイスの大臣だそうで、アンソニーを見ると精悍な顔つきを緩ませた。久しぶりだなとかける声も野太く力強い。活力にあふれた、まさに権力者といった雰囲気を持つ人物だった。彼は妻を紹介し、ついで少女に一度敬礼してから「こちらにおられるのは、国王の愛娘のアリス王女である」と告げた。
「諸君らの言うパンに興味があるようで、どうしても同席したいとのことだ」
(お、王女様!?)
百花はもちろん、カイリもアンソニー夫妻も瞠目して大臣の隣に立つ少女に視線を注ぐ。
年の頃は十歳前後だろうか。毒々しい真っ赤な色のワンピースが下品にならない、どこか清廉な雰囲気の漂う美少女だった。栗色の巻き毛は二つに結われていて、彼女が顔を動かすたびにぴょこんと揺れた。
アリスは百花に視線を向けると、にこりと微笑んだ。花がほころんだような微笑みは、同性の百花ですらドキッとしてしまうくらいに魅力的だ。
「あなたが作ってきたパンを早く見たいわ」
「あ、はい、今すぐ……」
大きなカゴをテーブルの上に乗せて、麻の袋からテーブルロールを出してアリスに渡す。それを彼女は興味深そうに見て「食べていいのかしら?」とたずねた。
「アリス様、お一つだけですぞ。残りはお父君への献上品ですので」
大臣の言葉にうなずいて、アリスはパンを一口かじった。固唾をのんで見守る面々をゆったりと見渡しながら咀嚼して「美味しい」と微笑みを浮かべる。
(よ、良かったぁーーー!)
その一言で一気に肩の力が抜けた。
それからはカゴごと大臣に預けて、他の献上品とともに国王に届けてもらい、会食が始まった。国政や帝国の話などに花が咲き(大臣とアンソニーの二人だけだったが)、百花はアリスとちらほらとパンの話をした。
先ほどアリスに試食してもらったのは小麦粉だけで作ったテーブルロールだが、他にチオ麦を混ぜて作ったテーブルロールやベーグルも作って来ていた。その話をするとアリスは「全部食べてみたいわ」と目を輝かせた。
「ぜひ試食していただきたいです。もしならまた作りますから」
百花が答えると、アリスは満面の笑みで「それは嬉しいわ」と答えてくれた。百花としてもこんなふうに興味を持ってもらえるなら、いろんなパンを食べてみて欲しい。
(こっちの世界にもクール便とかあればいいのになぁ。そうすれば焼きたてを冷凍して送れるんだけど……)
物流がどのくらい発達しているのかは知らないけれど、おそらく日本ほど便利ではないだろう。
そんなことを考えているうちに食事が終わり、アンソニーが「本日は素晴らしい席を設けていただき、ありがとうございました」とまとめの言葉を述べ始める。その時アリスが「待って」と声をあげた。
「私、あなたともっとお話ししたいわ」
「え? わたしと?」
青い目にまっすぐに見つめられる。
(そんなにパンが気になるのかな……)
百花個人としては別にかまわないのだが、まわりはどうだろうか。即答できずにまずアンソニーに視線を移すと、彼はうなずき「おや、王女殿下はパンに興味がおありかな?」とアリスに微笑みを向けた。
「ええ、とっても。ねえ、彼女だけ少し残しても良いかしら? 帰りはきちんと送らせるわ」
王女の申し出に異を唱える者などいない。
カイリは少しだけ心配そうな表情でいたが、特に何を言うこともなく百花を送り出した。柔らかく白いアリスの手に引かれて百花は皆より先に退室する。
何がなんだかわからないままに階段を登って、案内された先はおそらく彼女の私室で、ドアの前には銀色の鎧に身を包んだ騎士が二人立っていた。
「姫様、おかえりなさいませ」
アリスは百花を軽く紹介すると、お茶を三人分用意するように伝えて騎士にドアを開けさせた。
(三人分?)
不思議に思いながら部屋に入って、百花はすぐに得心する。部屋の中央には一人がけのソファが四脚、円形のテーブルを囲むように配置されていて、その一つに座る人物がいたのだ。
アリスと同じ栗色の髪は彼女と違ってストレートで、顎のあたりで切りそろえられている。艶やかで綺麗な髪だなと、まず思った。
その人物は百花とアリスに顔を向けると「おかえり」と穏やかに言いながら立ち上がった。立ち襟のブラウスに巻かれた紺色のスカーフがふわっと揺れる。
「モモカ」
その人物は百花の目の前で立ち止まると、彼女の手をとった。
彼もまた、アリスに負けず劣らずの美形であった。テノールのよく響く声が耳に残る。
(カイリもかっこいいけど、それとはまた違って……)
「よくここまで頑張って来たね」
その人物は口元を緩めると、優しく百花の手を握りしめた。
◆
(おかっぱがこんなに格好良く見える日がくるなんて……)
失礼だとは思ったけれど、百花はぽかんと口を開けて彼を見上げた。前髪は眉が見え隠れする位置でぱつんと切りそろえられていて、そのサラサラな髪質も相まって完全なる市松人形ヘアだというのに、彼自身の顔面偏差値の高さからそうとは感じさせない。
どちらかと言えば切れ長の目は綺麗に二重で、鼻筋も通り、もちろん肌は陶器のようになめらかだ。カイリが血の通った人間としての美しさに秀でているとすれば、この人は人形のような美しさだった。どこか人間離れした硬質な雰囲気すら感じさせ、一度だけ百花は身震いした。
「私の名はウェイン。君のことはずっと見ていたよ」
「ずっと……?」
ずっとも何も、初対面だ。
再び百花の背筋がぞくりと震えた。嘘や冗談を言っている顔には見えない。だからこそ、ウェインの言葉の意味が怖い。
救いを求めるように百花がアリスを見ると「本当のことよ」と彼女もうなずいた。
「私も同じ。あなたがニホンでカイリとどう過ごしていたか、見させてもらっていたわ」
「それって……」
明らかに核心をつく発言だ。
ものすごく重要な言葉だと自覚すれば、どくどくと心臓の血流が早まった気がした。
「大丈夫。ちゃんと説明するから」
「そうよ。まずは座りましょ」
片方の手をウェインに、そしてもう片方をアリスに握られ、百花はソファへと案内された。呆然としながら座ると思いのほか柔らかくて「うわっ」と声が出てしまう。二人はそれに微笑むと「まずは自己紹介をするよ」とウェインがうなずいた。
「そうだね、まずは立場的なものを言うと、この国の王太子をしている」
なんとなく予想はしていたのだが、聞いて百花は息がつまった。
王太子に王女。
そうそうたる身分の二人が目の前にいると思うと、ますます心臓の音がうるさくなってくる。しかも二人とも神々しいほどに美しく、両者から視線を注がれて百花は勝手に汗が噴き出してくるのを感じた。一瞬だけオリビーにわけてもらった香油の香りがする。かぐわしい花の香りが汗の匂いに上書きされないように祈りながら「……あの、それで、さっきの言葉の意味は……」と思い切って切り出してみた。
「言った通りだよ。私とアリス、そして国王も含めて、君とカイリに起こったことは知っている」
「何故ならば、あれは私たちによってなされたことだから」
清々しいほどにはっきりとした言葉に、百花は「そ、そうですか……」と反射で返していた。
とりあえずの反応はしたけれど、頭の中はアリスの言葉がぐるぐるとまわっている。
(異界渡りはニアの仕業って言われてるんだよね。ということは、この二人はニアってこと? それともどっちか? ていうか国王は……? そもそもの噂だと国王がニアだったよね)
ということは、つまり。
「あなたたちがニア……?」
「そう」
二人同時、完璧なユニゾンの返答だった。
オミの国の城が丘の上にあり堅固な要塞の側面を持っているのに対して、こちらは無防備極まりない城だった。
レンガ造りの城の周りに張り巡らされた城壁もそう高いものではなく、防御機能は低そうだ。日中は城の玄関ホールや貴賓室、中庭を一般開放しているらしく、陽の高い時間はいつも観光客や地元民であふれかえっているらしい。
四人は港からすぐに馬車に乗って、城へとやって来た。
昨日のうちにアンソニーが伝書鳩(魔法の力を使って飛ばすから、かなり速くて正確な連絡手段らしい)でダイスの大臣とやりとりをして会食の予定を取り付けてくれ、国王への献上品も大臣から渡してもらう手はずとなっていた。
アンソニーが城門にいる見張りの兵士に話しかけると、すぐさま兵士は彼に恭しく礼をして城内へと案内してくれた。玄関ホールの見事な壁画を通り抜け、中庭を突っ切る。日が暮れてしまっていたから中庭の様子はほのかにしかわからなかったけれど、オミの国では見たことのない樹木や花が整然と植えられていた。
(この中にリエルがあったりしないかなぁ……)
確かリエルは低木で、花も葉も青いと聞いた。
今はわからないけれど、明るい時間にきて少し探してみたい。
名残惜しい思いで中庭から再び城内へと入り、たどりついたのは食堂と思われる部屋だった。おそろしく天井が高く、入ってすぐ目につくのは長尺のテーブルだ。片側にゆうに十人は座れそうで(椅子を数えたら、まさに十脚並んでいた)、テーブルには光沢のあるテーブルクロスがしわなくかけられている。その上に等間隔に並んだランプが、オレンジ色の暖かい光を発していた。
しばらくお待ちくださいと兵士がさがっていき、その後すぐにやって来たのは身体つきの大きな壮年の男性とその妻らしき女性、そして年端もいかない少女だった。
アンソニーやオリビーより少し年若い男性はダイスの大臣だそうで、アンソニーを見ると精悍な顔つきを緩ませた。久しぶりだなとかける声も野太く力強い。活力にあふれた、まさに権力者といった雰囲気を持つ人物だった。彼は妻を紹介し、ついで少女に一度敬礼してから「こちらにおられるのは、国王の愛娘のアリス王女である」と告げた。
「諸君らの言うパンに興味があるようで、どうしても同席したいとのことだ」
(お、王女様!?)
百花はもちろん、カイリもアンソニー夫妻も瞠目して大臣の隣に立つ少女に視線を注ぐ。
年の頃は十歳前後だろうか。毒々しい真っ赤な色のワンピースが下品にならない、どこか清廉な雰囲気の漂う美少女だった。栗色の巻き毛は二つに結われていて、彼女が顔を動かすたびにぴょこんと揺れた。
アリスは百花に視線を向けると、にこりと微笑んだ。花がほころんだような微笑みは、同性の百花ですらドキッとしてしまうくらいに魅力的だ。
「あなたが作ってきたパンを早く見たいわ」
「あ、はい、今すぐ……」
大きなカゴをテーブルの上に乗せて、麻の袋からテーブルロールを出してアリスに渡す。それを彼女は興味深そうに見て「食べていいのかしら?」とたずねた。
「アリス様、お一つだけですぞ。残りはお父君への献上品ですので」
大臣の言葉にうなずいて、アリスはパンを一口かじった。固唾をのんで見守る面々をゆったりと見渡しながら咀嚼して「美味しい」と微笑みを浮かべる。
(よ、良かったぁーーー!)
その一言で一気に肩の力が抜けた。
それからはカゴごと大臣に預けて、他の献上品とともに国王に届けてもらい、会食が始まった。国政や帝国の話などに花が咲き(大臣とアンソニーの二人だけだったが)、百花はアリスとちらほらとパンの話をした。
先ほどアリスに試食してもらったのは小麦粉だけで作ったテーブルロールだが、他にチオ麦を混ぜて作ったテーブルロールやベーグルも作って来ていた。その話をするとアリスは「全部食べてみたいわ」と目を輝かせた。
「ぜひ試食していただきたいです。もしならまた作りますから」
百花が答えると、アリスは満面の笑みで「それは嬉しいわ」と答えてくれた。百花としてもこんなふうに興味を持ってもらえるなら、いろんなパンを食べてみて欲しい。
(こっちの世界にもクール便とかあればいいのになぁ。そうすれば焼きたてを冷凍して送れるんだけど……)
物流がどのくらい発達しているのかは知らないけれど、おそらく日本ほど便利ではないだろう。
そんなことを考えているうちに食事が終わり、アンソニーが「本日は素晴らしい席を設けていただき、ありがとうございました」とまとめの言葉を述べ始める。その時アリスが「待って」と声をあげた。
「私、あなたともっとお話ししたいわ」
「え? わたしと?」
青い目にまっすぐに見つめられる。
(そんなにパンが気になるのかな……)
百花個人としては別にかまわないのだが、まわりはどうだろうか。即答できずにまずアンソニーに視線を移すと、彼はうなずき「おや、王女殿下はパンに興味がおありかな?」とアリスに微笑みを向けた。
「ええ、とっても。ねえ、彼女だけ少し残しても良いかしら? 帰りはきちんと送らせるわ」
王女の申し出に異を唱える者などいない。
カイリは少しだけ心配そうな表情でいたが、特に何を言うこともなく百花を送り出した。柔らかく白いアリスの手に引かれて百花は皆より先に退室する。
何がなんだかわからないままに階段を登って、案内された先はおそらく彼女の私室で、ドアの前には銀色の鎧に身を包んだ騎士が二人立っていた。
「姫様、おかえりなさいませ」
アリスは百花を軽く紹介すると、お茶を三人分用意するように伝えて騎士にドアを開けさせた。
(三人分?)
不思議に思いながら部屋に入って、百花はすぐに得心する。部屋の中央には一人がけのソファが四脚、円形のテーブルを囲むように配置されていて、その一つに座る人物がいたのだ。
アリスと同じ栗色の髪は彼女と違ってストレートで、顎のあたりで切りそろえられている。艶やかで綺麗な髪だなと、まず思った。
その人物は百花とアリスに顔を向けると「おかえり」と穏やかに言いながら立ち上がった。立ち襟のブラウスに巻かれた紺色のスカーフがふわっと揺れる。
「モモカ」
その人物は百花の目の前で立ち止まると、彼女の手をとった。
彼もまた、アリスに負けず劣らずの美形であった。テノールのよく響く声が耳に残る。
(カイリもかっこいいけど、それとはまた違って……)
「よくここまで頑張って来たね」
その人物は口元を緩めると、優しく百花の手を握りしめた。
◆
(おかっぱがこんなに格好良く見える日がくるなんて……)
失礼だとは思ったけれど、百花はぽかんと口を開けて彼を見上げた。前髪は眉が見え隠れする位置でぱつんと切りそろえられていて、そのサラサラな髪質も相まって完全なる市松人形ヘアだというのに、彼自身の顔面偏差値の高さからそうとは感じさせない。
どちらかと言えば切れ長の目は綺麗に二重で、鼻筋も通り、もちろん肌は陶器のようになめらかだ。カイリが血の通った人間としての美しさに秀でているとすれば、この人は人形のような美しさだった。どこか人間離れした硬質な雰囲気すら感じさせ、一度だけ百花は身震いした。
「私の名はウェイン。君のことはずっと見ていたよ」
「ずっと……?」
ずっとも何も、初対面だ。
再び百花の背筋がぞくりと震えた。嘘や冗談を言っている顔には見えない。だからこそ、ウェインの言葉の意味が怖い。
救いを求めるように百花がアリスを見ると「本当のことよ」と彼女もうなずいた。
「私も同じ。あなたがニホンでカイリとどう過ごしていたか、見させてもらっていたわ」
「それって……」
明らかに核心をつく発言だ。
ものすごく重要な言葉だと自覚すれば、どくどくと心臓の血流が早まった気がした。
「大丈夫。ちゃんと説明するから」
「そうよ。まずは座りましょ」
片方の手をウェインに、そしてもう片方をアリスに握られ、百花はソファへと案内された。呆然としながら座ると思いのほか柔らかくて「うわっ」と声が出てしまう。二人はそれに微笑むと「まずは自己紹介をするよ」とウェインがうなずいた。
「そうだね、まずは立場的なものを言うと、この国の王太子をしている」
なんとなく予想はしていたのだが、聞いて百花は息がつまった。
王太子に王女。
そうそうたる身分の二人が目の前にいると思うと、ますます心臓の音がうるさくなってくる。しかも二人とも神々しいほどに美しく、両者から視線を注がれて百花は勝手に汗が噴き出してくるのを感じた。一瞬だけオリビーにわけてもらった香油の香りがする。かぐわしい花の香りが汗の匂いに上書きされないように祈りながら「……あの、それで、さっきの言葉の意味は……」と思い切って切り出してみた。
「言った通りだよ。私とアリス、そして国王も含めて、君とカイリに起こったことは知っている」
「何故ならば、あれは私たちによってなされたことだから」
清々しいほどにはっきりとした言葉に、百花は「そ、そうですか……」と反射で返していた。
とりあえずの反応はしたけれど、頭の中はアリスの言葉がぐるぐるとまわっている。
(異界渡りはニアの仕業って言われてるんだよね。ということは、この二人はニアってこと? それともどっちか? ていうか国王は……? そもそもの噂だと国王がニアだったよね)
ということは、つまり。
「あなたたちがニア……?」
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