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第3章 旅で得るもの、失うもの
12、答え合わせ
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翌日。
午前中にエンハンスと国王の会談が行われた。百花は同席していないのでどのように話が進められたのかはわからないが、ダイス国王が帝国とオミの国に三国会談の開催を呼びかけることが決まったそうだ。
「おそらく帝国も、うちの国王も会談の申し出に応じるだろう」
会談後にエンハンスはそう言って、ホッとしたような笑みを浮かべた。三国会談が実現すれば、おそらく戦争も収束に向かうだろうという予測だった。
その成果を持って、昼過ぎの高速船でオミの国へと戻る。
百花としては、もう少し滞在してウェインやアリスに話を聞きたいところだったが、パンのレシピの件がある。わがままを言うわけにもいかず、百花は後ろ髪ひかれつつもダイスを後にした。
たった数日の滞在だったのに、めまぐるしく事態が動いた。
国の情勢はもとより、自分自身の今後についても。
やらなくてはならないこともあれば、考えなくてはならないこともある。頭をいくら整理しても、すぐにこんがらがってくる有様だった。
そんな状態でも時間は刻々と過ぎていく。
三国会談に関しては、帝国もオミの国も思った以上に早く反応を見せ、エンハンスの目論見通りに無事開催されることが決まった。
エンハンスとカイリはそれに向けての準備があるとかで、にわかに忙しくなった。アシュフォードを通して宰相と色々示し合わせることにしたようで、二人とも連日城にこもっては何かしらの協議を重ねている。
百花は百花でオウルとシアと連日パンのレシピ作りに奮闘していた。
(まるで催事前の忙しさだ!)
例えば、サツキベーカリーでひなまつりセールとか鯉のぼりセールとか何かしらのフェアを開催する時。その事前準備として大量のパンの仕込みが発生したことを思い出す。次から次へと成形して、フィリングを作って、ものすごく慌ただしかった。
今の忙しさは、その時のてんやわんやな感じととても似ている。
レシピを作るということは、正確な分量がわからなくてはならない。
一応枡を使って毎回計量をしていたのだが、それをまた改めてレシピごとに確認する作業に追われているうちに、毎日はあっという間に過ぎて行った。
気づけばオミの国に戻ってきて十日たち、残された時間を指折り数えてみると、あと十五日ほどだった。
(やばい、まだ全然『答え』がわかんない!)
その夜、百花は焦りをカイリにぶつけた。カイリはカイリで考えているようだが、いまだ自信を持って言えるような『大事なもの』はひらめかないと言う。
二人でダイニングテーブルに向かい合って座り、同じように腕を組んで考え込む。
カイリはカイリで会談の準備が忙しいようで、目の下にクマがうっすらできていた。
「人間を人間たらしめるもの……僕がぱっと思いついたのは『言葉』『知識』『知恵』あたりなんだけど……」
「確かに、そういう可能性もあるけど、でも動物だって鳴き声でコミュニケーションとってるし、生きる知恵とかは彼らなりに持ってるっていうからなぁ……」
「でも人間のように体系化したり、発展させたりはしてないんじゃない?」
「うん、まあ。でももし本当にそれだったら、わたし結構悲惨だよね」
言葉を話せなくなるとか、知識や知恵を失ってしまったら、そもそもカイリとコミュニケーションとれなくなってしまう。それこそ自分が自分でなくなってしまう気がして、百花は身震いした。
「……あと、わたしも考えてみたんだけど『記憶』っていうのはどう?」
「これまでのこと全部忘れるってこと?」
「うん」
カイリはあからさまに嫌そうな顔になった。そうしてすぐに「もしそうだったら……相当ニアは悪趣味だね」と吐き捨てた。
確かに、もし記憶がなくなってカイリのことを忘れてしまったら、悲しいにもほどがある。
でも記憶を差し出せば、こっちに残れるとしたら。
まっさらな状態になってカイリと出会って、再び今のような関係になれるんだろうか。
(多分、どっちかだったら大丈夫だろうけど、もしどっちも記憶なくなったら、どうなるかわかんないな……)
渋い表情で考え込んでいるカイリを見つめ、百花は「でも」と呟く。
「もし本当に記憶だったら、それでこっちにいられるなら、わたし別にいいな」
「いいなって?」
「差し出してもいいなってこと」
「僕は嫌だよ」
「でも、もし片方が覚えてればまた関係も作れるよ。両方忘れちゃったら……運を天に任せるってことで」
「運になんて頼りたくないよ」
「でも離れ離れになるよりは可能性があるじゃん」
「それは……そうだけど……」
二人の間に沈黙が落ちる。
静かな息遣いに割り込むように「残念ながら不正解だね」と声がかかった。玄関のドア付近にここにいるはずのない人物ーーウェインが立っている。
「ま、また神出鬼没な……」
ニアは人を驚かせるのが大好きに違いない。
百花はあんぐりと口を開けてウェインを見た。カイリはカイリで「いつから……」と目を見張っている。
「会話は割と最初から聞かせてもらったけれど、ここにきたのは今だよ」
分厚い外套を脱ぎ、セーターと細身のパンツという簡素な格好になたウェインは微笑みながら百花の隣に腰掛けた。相変わらず栗色の髪が艶やかで、その揺れる様から光がきらめくようだった。
「こちらは本当に寒いね」
「……冬ですからね」
お茶いれます、と百花は立ち上がった。ちょうど二人のカップも空になっていたから、新しい茶葉を使って煮出すことにする。今日はオミの国名産のチイ茶だ。麦や豆などの穀物系をブレンドして作られたお茶で、香ばしい風味が特徴だった。
香りと湯気のたつカップを手に持ち、ウェインは「どこか懐かしい香りがするね」と微笑んだ。
「懐かしいって……神様にも故郷があるんですか?」
「そんなものないよ。天地と共に私は生まれおちた。ただ、その時にこういう香りをかいだ気がするんだ」
うっとりと目を細めてウェインはお茶を一口飲んだ。どうやらお気に召したようで、その表情はゆるんだままだ。
「今日はどんな用事ですか」
「ああ……君たちが悩んでいるようだから、ちょっとね。何せアリスがうるさくて」
言うなり閃光が走り、アリスまで登場した。厚手のベロア素材のようなワンピースに、真っ白い帽子をかぶった姿がまた相変わらず美しい。人形みたいだなともはや何度目かわからない感想を抱いた後で、百花は彼女の分のお茶を入れるために椅子から立ち上がった。
「そうよ! あの謎かけじゃあ難しすぎるもの。もう答えを言って、二人に考えさせた方がいいって言ってたのよ」
アリスは鼻息荒く、カイリの隣に腰掛けた。
「あー、それは嬉しいです! 本当にわかんないねってカイリと話してて」
朝食に食べたテーブルロールが残っていたから、ジャムを添えて出すとアリスは嬉しそうに顔をほころばせた。
「そうでしょう? どうせ答えを知ったところで、すぐに決断なんてできないんだから、もう言っちゃった方がいいのよ」
これ美味しいわねとパンの感想を挟みながら、アリスが言い切る。彼女の言葉にウェインは肩をすくめて「それは自分で自分の首を絞めていることに気づいているかい?」とアリスを半眼になって見つめる。
「モモカをこちらに残すということは、相当あちらに謝罪しないとならないんだよ?」
「いいじゃない。謝って済むなら。私はモモカに残ってもらいたいわ。パンの普及も早まるだろうし」
「言うほどは変わらないだろう?」
「あら、それを言うなら薬草学の五年も大したことないわよね?」
「薬草学は人間を救う」
「パンだって同じよ。食生活が人生を豊かにするのよ」
(なんか色々と内部事情的なこと話してるけど良いのかな。ていうか、そういう痴話喧嘩は済ませてから来たらいいのに……)
急に白熱しだしたウェインとアリスの言い合いを尻目に、百花はカイリに視線を送った。困ったね、と目でうったえると、しっかり伝わったようで、カイリも緊張感のある視線を戻してくる。
「えーと……それで、結局答えは教えてもらえるんですか?」
おずおずと百花が口を挟むと、ウェインとアリスはそろって百花に視線を向けた。
「人間を人間たらしめているもの、とアリスは言ったようだが、本当はもっと意味が広い」
「広い?」
「人間だけじゃない、生物を生物たらしめているもの」
「……命?」
独り言のように小さな声だった。
カイリはその言葉を発して、自分で目を見開き口元を手で覆った。まさか、とくぐもった声がもれる。
ウェインは小さく口角を上げ「さすがだね」と微笑んだ。
恐ろしいほどに冷たく美しい、神の微笑みだった。
午前中にエンハンスと国王の会談が行われた。百花は同席していないのでどのように話が進められたのかはわからないが、ダイス国王が帝国とオミの国に三国会談の開催を呼びかけることが決まったそうだ。
「おそらく帝国も、うちの国王も会談の申し出に応じるだろう」
会談後にエンハンスはそう言って、ホッとしたような笑みを浮かべた。三国会談が実現すれば、おそらく戦争も収束に向かうだろうという予測だった。
その成果を持って、昼過ぎの高速船でオミの国へと戻る。
百花としては、もう少し滞在してウェインやアリスに話を聞きたいところだったが、パンのレシピの件がある。わがままを言うわけにもいかず、百花は後ろ髪ひかれつつもダイスを後にした。
たった数日の滞在だったのに、めまぐるしく事態が動いた。
国の情勢はもとより、自分自身の今後についても。
やらなくてはならないこともあれば、考えなくてはならないこともある。頭をいくら整理しても、すぐにこんがらがってくる有様だった。
そんな状態でも時間は刻々と過ぎていく。
三国会談に関しては、帝国もオミの国も思った以上に早く反応を見せ、エンハンスの目論見通りに無事開催されることが決まった。
エンハンスとカイリはそれに向けての準備があるとかで、にわかに忙しくなった。アシュフォードを通して宰相と色々示し合わせることにしたようで、二人とも連日城にこもっては何かしらの協議を重ねている。
百花は百花でオウルとシアと連日パンのレシピ作りに奮闘していた。
(まるで催事前の忙しさだ!)
例えば、サツキベーカリーでひなまつりセールとか鯉のぼりセールとか何かしらのフェアを開催する時。その事前準備として大量のパンの仕込みが発生したことを思い出す。次から次へと成形して、フィリングを作って、ものすごく慌ただしかった。
今の忙しさは、その時のてんやわんやな感じととても似ている。
レシピを作るということは、正確な分量がわからなくてはならない。
一応枡を使って毎回計量をしていたのだが、それをまた改めてレシピごとに確認する作業に追われているうちに、毎日はあっという間に過ぎて行った。
気づけばオミの国に戻ってきて十日たち、残された時間を指折り数えてみると、あと十五日ほどだった。
(やばい、まだ全然『答え』がわかんない!)
その夜、百花は焦りをカイリにぶつけた。カイリはカイリで考えているようだが、いまだ自信を持って言えるような『大事なもの』はひらめかないと言う。
二人でダイニングテーブルに向かい合って座り、同じように腕を組んで考え込む。
カイリはカイリで会談の準備が忙しいようで、目の下にクマがうっすらできていた。
「人間を人間たらしめるもの……僕がぱっと思いついたのは『言葉』『知識』『知恵』あたりなんだけど……」
「確かに、そういう可能性もあるけど、でも動物だって鳴き声でコミュニケーションとってるし、生きる知恵とかは彼らなりに持ってるっていうからなぁ……」
「でも人間のように体系化したり、発展させたりはしてないんじゃない?」
「うん、まあ。でももし本当にそれだったら、わたし結構悲惨だよね」
言葉を話せなくなるとか、知識や知恵を失ってしまったら、そもそもカイリとコミュニケーションとれなくなってしまう。それこそ自分が自分でなくなってしまう気がして、百花は身震いした。
「……あと、わたしも考えてみたんだけど『記憶』っていうのはどう?」
「これまでのこと全部忘れるってこと?」
「うん」
カイリはあからさまに嫌そうな顔になった。そうしてすぐに「もしそうだったら……相当ニアは悪趣味だね」と吐き捨てた。
確かに、もし記憶がなくなってカイリのことを忘れてしまったら、悲しいにもほどがある。
でも記憶を差し出せば、こっちに残れるとしたら。
まっさらな状態になってカイリと出会って、再び今のような関係になれるんだろうか。
(多分、どっちかだったら大丈夫だろうけど、もしどっちも記憶なくなったら、どうなるかわかんないな……)
渋い表情で考え込んでいるカイリを見つめ、百花は「でも」と呟く。
「もし本当に記憶だったら、それでこっちにいられるなら、わたし別にいいな」
「いいなって?」
「差し出してもいいなってこと」
「僕は嫌だよ」
「でも、もし片方が覚えてればまた関係も作れるよ。両方忘れちゃったら……運を天に任せるってことで」
「運になんて頼りたくないよ」
「でも離れ離れになるよりは可能性があるじゃん」
「それは……そうだけど……」
二人の間に沈黙が落ちる。
静かな息遣いに割り込むように「残念ながら不正解だね」と声がかかった。玄関のドア付近にここにいるはずのない人物ーーウェインが立っている。
「ま、また神出鬼没な……」
ニアは人を驚かせるのが大好きに違いない。
百花はあんぐりと口を開けてウェインを見た。カイリはカイリで「いつから……」と目を見張っている。
「会話は割と最初から聞かせてもらったけれど、ここにきたのは今だよ」
分厚い外套を脱ぎ、セーターと細身のパンツという簡素な格好になたウェインは微笑みながら百花の隣に腰掛けた。相変わらず栗色の髪が艶やかで、その揺れる様から光がきらめくようだった。
「こちらは本当に寒いね」
「……冬ですからね」
お茶いれます、と百花は立ち上がった。ちょうど二人のカップも空になっていたから、新しい茶葉を使って煮出すことにする。今日はオミの国名産のチイ茶だ。麦や豆などの穀物系をブレンドして作られたお茶で、香ばしい風味が特徴だった。
香りと湯気のたつカップを手に持ち、ウェインは「どこか懐かしい香りがするね」と微笑んだ。
「懐かしいって……神様にも故郷があるんですか?」
「そんなものないよ。天地と共に私は生まれおちた。ただ、その時にこういう香りをかいだ気がするんだ」
うっとりと目を細めてウェインはお茶を一口飲んだ。どうやらお気に召したようで、その表情はゆるんだままだ。
「今日はどんな用事ですか」
「ああ……君たちが悩んでいるようだから、ちょっとね。何せアリスがうるさくて」
言うなり閃光が走り、アリスまで登場した。厚手のベロア素材のようなワンピースに、真っ白い帽子をかぶった姿がまた相変わらず美しい。人形みたいだなともはや何度目かわからない感想を抱いた後で、百花は彼女の分のお茶を入れるために椅子から立ち上がった。
「そうよ! あの謎かけじゃあ難しすぎるもの。もう答えを言って、二人に考えさせた方がいいって言ってたのよ」
アリスは鼻息荒く、カイリの隣に腰掛けた。
「あー、それは嬉しいです! 本当にわかんないねってカイリと話してて」
朝食に食べたテーブルロールが残っていたから、ジャムを添えて出すとアリスは嬉しそうに顔をほころばせた。
「そうでしょう? どうせ答えを知ったところで、すぐに決断なんてできないんだから、もう言っちゃった方がいいのよ」
これ美味しいわねとパンの感想を挟みながら、アリスが言い切る。彼女の言葉にウェインは肩をすくめて「それは自分で自分の首を絞めていることに気づいているかい?」とアリスを半眼になって見つめる。
「モモカをこちらに残すということは、相当あちらに謝罪しないとならないんだよ?」
「いいじゃない。謝って済むなら。私はモモカに残ってもらいたいわ。パンの普及も早まるだろうし」
「言うほどは変わらないだろう?」
「あら、それを言うなら薬草学の五年も大したことないわよね?」
「薬草学は人間を救う」
「パンだって同じよ。食生活が人生を豊かにするのよ」
(なんか色々と内部事情的なこと話してるけど良いのかな。ていうか、そういう痴話喧嘩は済ませてから来たらいいのに……)
急に白熱しだしたウェインとアリスの言い合いを尻目に、百花はカイリに視線を送った。困ったね、と目でうったえると、しっかり伝わったようで、カイリも緊張感のある視線を戻してくる。
「えーと……それで、結局答えは教えてもらえるんですか?」
おずおずと百花が口を挟むと、ウェインとアリスはそろって百花に視線を向けた。
「人間を人間たらしめているもの、とアリスは言ったようだが、本当はもっと意味が広い」
「広い?」
「人間だけじゃない、生物を生物たらしめているもの」
「……命?」
独り言のように小さな声だった。
カイリはその言葉を発して、自分で目を見開き口元を手で覆った。まさか、とくぐもった声がもれる。
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