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ナストとフラストとヴァルア
4話【ナストとフラストとヴァルア】
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「ヴァルア様っ、どうして……!?」
手紙にはあと一週間は帰ってこないと書いてあったのに。
「あっ……! んん~……っ」
ヴァルア様は僕の肛門の中を掻き回しながらゆったりと答える。
「少し時間が空いたんでね。君に会いたくて帰ってきたんだ」
「んっ、んぁっ、そうっ、あっ、なんですねっ……っ、あぁっ」
「うん。でも寝室に君がいなくて、探し回っても見つけられなくて。ひょっとしてと思って兄貴の部屋を覗いたらさ、アナルから兄貴の精液を垂らして、美味しそうに兄貴のペニスを咥えている君がいたってわけ」
僕の性感帯を熟知しているヴァルア様は、簡単に僕を中でイカせた。
「あぁぁ――……っ」
「それで? どうして君はフラストとセックスをしているんだい? やっぱり俺とのセックスよりも好きだったからかな? もしかして俺がいない間ずっとフラストとしていたのかい?」
「ちがっ……フラスト様とセックスをしたのは――あぁぁっ!?」
ヴァルア様のペニスが乱暴に僕の肛門をこじ開け、一気に奥まで押し込まれた。
ヴァルア様は激しく腰を振りながら、「へぇ」と冷笑する。
「君、フラストとセックスしたんだ」
「あぁっ!! あっ、あっ、あぁっ、あぁぁっ!! ヴァルア様っ、お願っ、激しっ、あっ、あぁっ!!」
目の前でその光景を見せられていたフラスト様が、うんざりした表情で口を開く。
「おい。やるなら自分たちの寝室でしろ……。事情はあとで話すし、詫びを入れる――」
「そういう問題じゃない」
「……」
「ナストはね、性行為のことを〝セックス〟と認識していないんだ。この子が〝セックス〟だと思うのは、愛を伴った性行為のことなんだよ」
「……」
「そんな子が、お前との性行為を〝セックス〟と呼んだ」
「あぁぁぁっ……!!」
ヴァルア様が重い一突きをした。奥にある腸の壁がぬちぬちとこじ開けられ、入ってはいけないところにまで侵入する。その瞬間、僕は射精と痙攣を同時に起こし、フラスト様の脚にぐったりと倒れ込んだ。
そんな僕をヴァルア様は抱き上げ、フラスト様を睨みつけた。
「見ての通りナストはあまりにも美しくてね。よく犯されるんだ。他の男に汚されるところなんて、もう見慣れたよ。不本意ながらね」
「……」
「だが、体だけじゃなく心まで奪われたのは初めてだよ」
「勘違いするな。こいつは一週間以上にわたる禁欲生活に耐えられなかっただけだ」
「……」
「ナストは性行為のことを排泄行為と同じようなものだと言っていた。俺との行為も、こいつにとってはただのそれでしかない」
「……そうじゃないから許せないんだ」
部屋を出る直前、ヴァルア様は立ち止まり、背中を向けたままフラスト様に尋ねた。
「フラスト。お前、いつからナストのことをそんな目で見ていた」
「……」
「渡さないからな」
「お前はバカか。どう足掻いても、俺とそいつが結ばれるわけがないだろう。俺はお前と違うんだ」
「……」
「この件は、俺が悪かった。言い訳なんぞひとつもできん。俺のことは好きにしろ」
「チッ……」
ヴァルア様は舌打ちをして、部屋をあとにした。
廊下を歩いているときに、僕はヴァルア様に声をかけた。
「僕が……フラスト様にお願いしたんです。だから、フラスト様は悪くな――」
「分かっているよ。兄貴が自分からこんなことをするわけがない。でもね、ナスト。その真実は俺にとって何よりも辛いことだ」
「……ごめんなさい」
「寂しかったのかい」
「……はい」
「ここのところずっと一人きりにさせていたからね。俺も悪かった」
「ヴァルア様が謝るのはおかしいです……」
「君が自慰をできないことは分かっていた。君にとって性行為が必要なことも、分かっていた。それなのに仕事を言い訳に君を放っておいた俺も悪い」
「……」
ヴァルア様の視線はずっと正面を向いたままで、僕とは目が合わない。
「……ナスト」
「はい」
「フラストのことが好きだろう」
「いいえ。僕が好きなのはヴァルア様です」
「俺の次に、フラストのことが好きだろう」
「……はい」
「フラストと〝セックス〟をした?」
「……はい」
「そうか」
僕たちの寝室に到着すると、ヴァルア様はアリスを呼び、僕の体を念入りに洗うよう指示した。
アリスは無言で僕の体を洗い、肛門から精液を掻き出した。
きれいになった僕を、ヴァルア様がベッドに呼ぶ。
ベッドの上で向かい合った僕たちは、やっと目が合った。ヴァルア様は、いつもと同じ優しい目をしている。
「君を手放すつもりはないよ」
「手放さないでください。ごめんなさい。これからは我慢します。誰ともしません。だから……手放さないでください。ごめんなさい……」
泣きながら謝り続ける僕を、ヴァルア様が抱きしめる。
「できない約束はやめといた方がいいよ、ナスト」
「……できます。だから――」
「本当は俺も君とずっと一緒にいたいんだ。だが、俺がいるところ――教会監視団体の拠点には野郎が多すぎてね。君を連れて行くと、盛った野郎どもに犯されるのが目に浮かぶ」
「……?」
突然話が飛躍したので、頭が追い付かない。
「だからどうしても君は連れていけない。この城にいるのが君にとって一番安全なんだ」
「は、はい……」
「そして俺は案外忙しい人間でね。なかなか城に戻って来られない」
「はい。それは分かっています」
「君には性行為がかなり必要で、その上自慰ができないよね。それなのに俺は君をなかなか満たしてあげられない」
「……」
「……教会監視団体の野郎どもに回されるくらいなら、フラストに任せた方がよっぽど安心だ」
「えっ……? それって、ぼ、僕を、す、捨て……ご、ごめんなさい、ごめんなさいヴァルア様。いやだっ、ごめんなさい。捨てないで。お願いします……っ」
「君を手放すつもりはないと言っただろう」
僕を抱きしめる腕が、ふるふると震えている。
「ナスト。俺が城を空けている間……一週間に一度だけ、フラストとセックスしてもいいよ」
「え……」
「そうならないよう、できるだけ一週間に一度は帰ってくるようにする。でも、どうしてもできなかったときは……いいよ」
「……」
「フラストにも伝えておく。あいつは表面上嫌がるだろうけれど……本当は、嬉しいはずだ」
「……しません」
「今君は満足している状態だからそう言えるんだ。一週間も経てば、そうは言っていられなくなる」
「……」
本当は否定したかった。してあげたかった。
でもできなかった。
ヴァルア様はこくんと唾を呑み込み、僕に念を押す。
「でも、分かっているね。何度も言うけど、俺は君を手放すつもりはないよ。君の気持ちが俺よりもフラストのほうに傾けば、俺は君を殺すからね」
「はい。そのときは殺してください」
「君の幸せが俺の幸せなんて、俺は言わない。俺と君二人の幸せが、俺の幸せだ」
「僕もです」
手紙にはあと一週間は帰ってこないと書いてあったのに。
「あっ……! んん~……っ」
ヴァルア様は僕の肛門の中を掻き回しながらゆったりと答える。
「少し時間が空いたんでね。君に会いたくて帰ってきたんだ」
「んっ、んぁっ、そうっ、あっ、なんですねっ……っ、あぁっ」
「うん。でも寝室に君がいなくて、探し回っても見つけられなくて。ひょっとしてと思って兄貴の部屋を覗いたらさ、アナルから兄貴の精液を垂らして、美味しそうに兄貴のペニスを咥えている君がいたってわけ」
僕の性感帯を熟知しているヴァルア様は、簡単に僕を中でイカせた。
「あぁぁ――……っ」
「それで? どうして君はフラストとセックスをしているんだい? やっぱり俺とのセックスよりも好きだったからかな? もしかして俺がいない間ずっとフラストとしていたのかい?」
「ちがっ……フラスト様とセックスをしたのは――あぁぁっ!?」
ヴァルア様のペニスが乱暴に僕の肛門をこじ開け、一気に奥まで押し込まれた。
ヴァルア様は激しく腰を振りながら、「へぇ」と冷笑する。
「君、フラストとセックスしたんだ」
「あぁっ!! あっ、あっ、あぁっ、あぁぁっ!! ヴァルア様っ、お願っ、激しっ、あっ、あぁっ!!」
目の前でその光景を見せられていたフラスト様が、うんざりした表情で口を開く。
「おい。やるなら自分たちの寝室でしろ……。事情はあとで話すし、詫びを入れる――」
「そういう問題じゃない」
「……」
「ナストはね、性行為のことを〝セックス〟と認識していないんだ。この子が〝セックス〟だと思うのは、愛を伴った性行為のことなんだよ」
「……」
「そんな子が、お前との性行為を〝セックス〟と呼んだ」
「あぁぁぁっ……!!」
ヴァルア様が重い一突きをした。奥にある腸の壁がぬちぬちとこじ開けられ、入ってはいけないところにまで侵入する。その瞬間、僕は射精と痙攣を同時に起こし、フラスト様の脚にぐったりと倒れ込んだ。
そんな僕をヴァルア様は抱き上げ、フラスト様を睨みつけた。
「見ての通りナストはあまりにも美しくてね。よく犯されるんだ。他の男に汚されるところなんて、もう見慣れたよ。不本意ながらね」
「……」
「だが、体だけじゃなく心まで奪われたのは初めてだよ」
「勘違いするな。こいつは一週間以上にわたる禁欲生活に耐えられなかっただけだ」
「……」
「ナストは性行為のことを排泄行為と同じようなものだと言っていた。俺との行為も、こいつにとってはただのそれでしかない」
「……そうじゃないから許せないんだ」
部屋を出る直前、ヴァルア様は立ち止まり、背中を向けたままフラスト様に尋ねた。
「フラスト。お前、いつからナストのことをそんな目で見ていた」
「……」
「渡さないからな」
「お前はバカか。どう足掻いても、俺とそいつが結ばれるわけがないだろう。俺はお前と違うんだ」
「……」
「この件は、俺が悪かった。言い訳なんぞひとつもできん。俺のことは好きにしろ」
「チッ……」
ヴァルア様は舌打ちをして、部屋をあとにした。
廊下を歩いているときに、僕はヴァルア様に声をかけた。
「僕が……フラスト様にお願いしたんです。だから、フラスト様は悪くな――」
「分かっているよ。兄貴が自分からこんなことをするわけがない。でもね、ナスト。その真実は俺にとって何よりも辛いことだ」
「……ごめんなさい」
「寂しかったのかい」
「……はい」
「ここのところずっと一人きりにさせていたからね。俺も悪かった」
「ヴァルア様が謝るのはおかしいです……」
「君が自慰をできないことは分かっていた。君にとって性行為が必要なことも、分かっていた。それなのに仕事を言い訳に君を放っておいた俺も悪い」
「……」
ヴァルア様の視線はずっと正面を向いたままで、僕とは目が合わない。
「……ナスト」
「はい」
「フラストのことが好きだろう」
「いいえ。僕が好きなのはヴァルア様です」
「俺の次に、フラストのことが好きだろう」
「……はい」
「フラストと〝セックス〟をした?」
「……はい」
「そうか」
僕たちの寝室に到着すると、ヴァルア様はアリスを呼び、僕の体を念入りに洗うよう指示した。
アリスは無言で僕の体を洗い、肛門から精液を掻き出した。
きれいになった僕を、ヴァルア様がベッドに呼ぶ。
ベッドの上で向かい合った僕たちは、やっと目が合った。ヴァルア様は、いつもと同じ優しい目をしている。
「君を手放すつもりはないよ」
「手放さないでください。ごめんなさい。これからは我慢します。誰ともしません。だから……手放さないでください。ごめんなさい……」
泣きながら謝り続ける僕を、ヴァルア様が抱きしめる。
「できない約束はやめといた方がいいよ、ナスト」
「……できます。だから――」
「本当は俺も君とずっと一緒にいたいんだ。だが、俺がいるところ――教会監視団体の拠点には野郎が多すぎてね。君を連れて行くと、盛った野郎どもに犯されるのが目に浮かぶ」
「……?」
突然話が飛躍したので、頭が追い付かない。
「だからどうしても君は連れていけない。この城にいるのが君にとって一番安全なんだ」
「は、はい……」
「そして俺は案外忙しい人間でね。なかなか城に戻って来られない」
「はい。それは分かっています」
「君には性行為がかなり必要で、その上自慰ができないよね。それなのに俺は君をなかなか満たしてあげられない」
「……」
「……教会監視団体の野郎どもに回されるくらいなら、フラストに任せた方がよっぽど安心だ」
「えっ……? それって、ぼ、僕を、す、捨て……ご、ごめんなさい、ごめんなさいヴァルア様。いやだっ、ごめんなさい。捨てないで。お願いします……っ」
「君を手放すつもりはないと言っただろう」
僕を抱きしめる腕が、ふるふると震えている。
「ナスト。俺が城を空けている間……一週間に一度だけ、フラストとセックスしてもいいよ」
「え……」
「そうならないよう、できるだけ一週間に一度は帰ってくるようにする。でも、どうしてもできなかったときは……いいよ」
「……」
「フラストにも伝えておく。あいつは表面上嫌がるだろうけれど……本当は、嬉しいはずだ」
「……しません」
「今君は満足している状態だからそう言えるんだ。一週間も経てば、そうは言っていられなくなる」
「……」
本当は否定したかった。してあげたかった。
でもできなかった。
ヴァルア様はこくんと唾を呑み込み、僕に念を押す。
「でも、分かっているね。何度も言うけど、俺は君を手放すつもりはないよ。君の気持ちが俺よりもフラストのほうに傾けば、俺は君を殺すからね」
「はい。そのときは殺してください」
「君の幸せが俺の幸せなんて、俺は言わない。俺と君二人の幸せが、俺の幸せだ」
「僕もです」
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