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ナストとフラストとヴァルア
6話【ナストとフラストとヴァルア】
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三か月後――
夜の食事を終えたとき、フラスト様に背後から声をかけられた。
「俺の部屋に来るか?」
「は、はい。お願いします」
「そうか。では、待っている」
それだけ言って、フラスト様は速足でその場を去った。
あれから僕は、八日に一度、フラスト様にお世話になっている。ヴァルア様が帰ってきてくれるかもしれないと期待して、七日間は我慢するようにしているのだ。
だが、この三カ月間でヴァルア様が一週間以内に帰ってきてくれた日は四度だけだった。しかたない。今はとても忙しい時期なのだと、フラスト様が言っていた。
僕は一度自分の寝室に戻り、下着を外した。この下着を付けていたらフラスト様が嫌がるのだ。
フラスト様の部屋を訪れると、フラスト様がソファに座って分厚い資料に目を通していた。彼は紙に目を落としたまま僕を手招きした。隣に腰掛けると、肩を抱き寄せられた。
「何を読んでいるんですか?」
「教会監視団体の報告書だ。お前の恋人はよく頑張っているぞ」
「そうですか。それを聞いたらヴァルア様が喜ぶでしょうね」
「絶対に言うんじゃないぞ」
「どうしてでしょうか」
「なぜ分からんのだ」
フラスト様はその資料をテーブルに戻し、次の資料に目をやった。先ほどとは打って変わり、苛立った様子でぶつくさぼやいている。
「全く。父上のそばには役に立たん奴しかおらんのか。また俺が尻拭いをするハメに……」
「……」
「なぜこんな簡単なこともまともにできん。全く理解ができん。あいつらに脳みそはついているのか」
「……」
僕がぴとっとフラスト様の体にくっつくと、一瞬フラスト様の愚痴が止まった。それでも彼は資料から目を離さず、すぐに愚痴をこぼし始めた。
「……」
フラスト様と密着しているだけで、僕のペニスからカウパーがこぼれた。膨張しすぎて痛いくらいなのに、フラスト様はまだ仕事に勤しんでいる。
僕は唇を尖らせ、フラスト様の左手をそっと僕のペニスに触れさせた。
「……」
「……」
フラスト様は資料を見つめたまま、僕のペニスを指でなぞる。
「あっ……」
「まだ何もしていないのに、こんなに興奮していたのか」
「んっ……、だって、僕……」
「八日も我慢していたものな」
「はい……っ、あ……っ」
フラスト様は資料を放り投げ、僕の顔を引き寄せた。長いキスをしながらペニスを握り、動かす。
「んっ、あっ……」
「全く。静かに隣り合うだけでは満足できんのか、お前は」
「……?」
「いや、今のは忘れろ」
一度僕を射精させたあと、フラスト様は僕を抱き上げ、ベッドまで連れて行った。
「言っておくが、俺だって我慢していたんだ」
ベッドに落とされた僕は、覆いかぶさるフラスト様の肩を抱き、夢中になってフラスト様のキスに応えた。
長いキスが終わると、フラスト様は吐息を漏らした。
「長かった」
「はい。長いキスでした」
「違う。この八日間のことだ」
包みを解くように、そっと僕の服を脱がせる。フラスト様はいつも全裸になった僕をしばらく見つめてから、僕の体を指でなぞる。
「何度見ても美しいな、お前は」
普段は僕と目すら合わせないし、口を開けばつっけんどんな言葉しか出てこない。フラスト様がこんなことを言うのは、ベッドの上でだけだ。
彼のそういった言葉を聞くたびに、胸がとくとくと波打ってしまうから困る。
「あ、あまり見ないでください」
「我儘を言うな」
「んっ……」
フラスト様はいつも穏やかなセックスをする。僕の口からはいつも、激しい嬌声ではなく、微かな甘い声が漏れる。長い時間をかけて、まるで僕の体をじっくり味わうかのように、ゆっくりと僕を抱く。
「あぁっ……あっ、あっ……!!」
僕は決まって、フラスト様より先に何度か絶頂を迎える。最後の方になると、心地よい疲れにくったりしてしまう。
「ナスト。もういいか」
「あっ……んっ、……はい……っ」
「ん」
「あぁぁっ……!!」
フラスト様が激しく腰を打ち付けるのは、フラスト様が絶頂に達する直前だけだ。
そして正に今、フラスト様が激しく動き始めた瞬間、ふわりと部屋のドアが開いた。
夜の食事を終えたとき、フラスト様に背後から声をかけられた。
「俺の部屋に来るか?」
「は、はい。お願いします」
「そうか。では、待っている」
それだけ言って、フラスト様は速足でその場を去った。
あれから僕は、八日に一度、フラスト様にお世話になっている。ヴァルア様が帰ってきてくれるかもしれないと期待して、七日間は我慢するようにしているのだ。
だが、この三カ月間でヴァルア様が一週間以内に帰ってきてくれた日は四度だけだった。しかたない。今はとても忙しい時期なのだと、フラスト様が言っていた。
僕は一度自分の寝室に戻り、下着を外した。この下着を付けていたらフラスト様が嫌がるのだ。
フラスト様の部屋を訪れると、フラスト様がソファに座って分厚い資料に目を通していた。彼は紙に目を落としたまま僕を手招きした。隣に腰掛けると、肩を抱き寄せられた。
「何を読んでいるんですか?」
「教会監視団体の報告書だ。お前の恋人はよく頑張っているぞ」
「そうですか。それを聞いたらヴァルア様が喜ぶでしょうね」
「絶対に言うんじゃないぞ」
「どうしてでしょうか」
「なぜ分からんのだ」
フラスト様はその資料をテーブルに戻し、次の資料に目をやった。先ほどとは打って変わり、苛立った様子でぶつくさぼやいている。
「全く。父上のそばには役に立たん奴しかおらんのか。また俺が尻拭いをするハメに……」
「……」
「なぜこんな簡単なこともまともにできん。全く理解ができん。あいつらに脳みそはついているのか」
「……」
僕がぴとっとフラスト様の体にくっつくと、一瞬フラスト様の愚痴が止まった。それでも彼は資料から目を離さず、すぐに愚痴をこぼし始めた。
「……」
フラスト様と密着しているだけで、僕のペニスからカウパーがこぼれた。膨張しすぎて痛いくらいなのに、フラスト様はまだ仕事に勤しんでいる。
僕は唇を尖らせ、フラスト様の左手をそっと僕のペニスに触れさせた。
「……」
「……」
フラスト様は資料を見つめたまま、僕のペニスを指でなぞる。
「あっ……」
「まだ何もしていないのに、こんなに興奮していたのか」
「んっ……、だって、僕……」
「八日も我慢していたものな」
「はい……っ、あ……っ」
フラスト様は資料を放り投げ、僕の顔を引き寄せた。長いキスをしながらペニスを握り、動かす。
「んっ、あっ……」
「全く。静かに隣り合うだけでは満足できんのか、お前は」
「……?」
「いや、今のは忘れろ」
一度僕を射精させたあと、フラスト様は僕を抱き上げ、ベッドまで連れて行った。
「言っておくが、俺だって我慢していたんだ」
ベッドに落とされた僕は、覆いかぶさるフラスト様の肩を抱き、夢中になってフラスト様のキスに応えた。
長いキスが終わると、フラスト様は吐息を漏らした。
「長かった」
「はい。長いキスでした」
「違う。この八日間のことだ」
包みを解くように、そっと僕の服を脱がせる。フラスト様はいつも全裸になった僕をしばらく見つめてから、僕の体を指でなぞる。
「何度見ても美しいな、お前は」
普段は僕と目すら合わせないし、口を開けばつっけんどんな言葉しか出てこない。フラスト様がこんなことを言うのは、ベッドの上でだけだ。
彼のそういった言葉を聞くたびに、胸がとくとくと波打ってしまうから困る。
「あ、あまり見ないでください」
「我儘を言うな」
「んっ……」
フラスト様はいつも穏やかなセックスをする。僕の口からはいつも、激しい嬌声ではなく、微かな甘い声が漏れる。長い時間をかけて、まるで僕の体をじっくり味わうかのように、ゆっくりと僕を抱く。
「あぁっ……あっ、あっ……!!」
僕は決まって、フラスト様より先に何度か絶頂を迎える。最後の方になると、心地よい疲れにくったりしてしまう。
「ナスト。もういいか」
「あっ……んっ、……はい……っ」
「ん」
「あぁぁっ……!!」
フラスト様が激しく腰を打ち付けるのは、フラスト様が絶頂に達する直前だけだ。
そして正に今、フラスト様が激しく動き始めた瞬間、ふわりと部屋のドアが開いた。
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