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1月
年始:エドガー
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夜、僕はエドガーの部屋の前を行ったり来たりしていた。一人ぼっちで寝る日が続きすぎて(と言っても3日だけど)、なんだかひどく気が滅入ってしまい眠れなかった。スルトは「なんだ俺がいなくて寂しかったのか?お?」的な腹立つ反応をしそうだったから、優しくしてくれそうなエドガーのところへ行こうと決めたんだけど…。やっぱり仕事の邪魔かなとか思うとなかなか部屋に入れない。
「大丈夫。邪魔はしない。顔を見るだけ。ぎゅってしてもらってすぐ部屋を出る。うん。よし、入るぞ」
おそるおそるドアノブを回した。ゆっくりドアを開くと、パソコンに向かっているエドガーの後ろ姿が見えた。デスクの上には栄養ゼリー飲料とバナナが置いてある。…あと、僕の写真を入れた写真たてが8つほど…。き、きもちわるい…。
「エ…エドガー…」
「?!」
ビクっとしてエドガーが振り返った。僕の姿を見るやいなや、慌ててまた僕に背中を向けてしまう。え、なんで…?
「ケーゴ?!どうしたんだい急に!」
「ごめん…迷惑だったよね…」
「ちがう!嬉しいよ!」
「じゃあどうしてこっち見てくれないの…?」
僕が部屋に入ろうとしたら、「ちょっと待って!入らないで!」と言われてさらに傷ついた。
「…部屋に戻る。お仕事がんばってね」
「え?なにか僕に用があったんじゃないのかい?」
「寝れなかったから来ただけ」
「眠れないの?どうして?」
「…ひとりぼっち、さみしいから」
「ケーゴ…!」
この会話の間もずっとエドガーは背を向けたままだ。僕はブスッとして不機嫌な声を出してしまった。
「ねえ、さっきからなんでこっち見てくれないの?」
「あっ…いや…」
「それに部屋に入るななんて言うし…傷つく」
「ごめん!そんなつもりじゃなかったんだ!ほら、僕、ずっと仕事してて…その、シャワー浴びてないだろう?鏡もここ数日見ていないんだ。きっとこの部屋におうし…僕の顔もきっとひどいから、ケーゴに見られたくなくて…」
は…?はぁぁぁぁ?!なにその可愛い理由!!美意識高い彼女かよ!!たまらなくなった僕はずかずかと部屋の中に入ってエドガーに後ろから抱きついた。確かにいつものエドガーの爽やかなにおいじゃない…男のにおいがする…けど、それはそれでいいんですけど!!!
「ちょっと!!ケーゴ…!そんな近づかないでくれ!こら!においを嗅がないでくれ!!」
「このにおいのエドガーもすき」
「ケ…ケーゴぉ…!」
「ちゃんと顔も見せてよ」
「うぅ…」
エドガーの両頬をもってこっちを向かせる。いつもツルツルのエドガーが、無精ひげを生やしている。エドガーは恥ずかしそうに僕から目を逸らせた。か…かわいい…!!僕は思わずエドガーにキスをした。
「んっ…こら、ケーゴ!僕、恥ずかしながら歯も磨いてないんだよ!汚いからやめてくれ」
「かわいい…」
「ケーゴ…?」
「恥ずかしがってるエドガーかわいい!!」
「んっ!」
嫌がってるエドガーに無理矢理唇を重ねて舌を入れた。はじめは僕を離そうと腕に力を入れてたけど、途中からエドガーの目がとろんとして舌を絡めてきた。拒絶していた腕もいつのまにか僕の体を抱き寄せている。長いキスのあと唇を離すと、エドガーが口元を手で覆って顔を真っ赤にした。
「もう…やめてくれよケーゴ…」
「かわいい…無精ひげかわいいよエドガー」
じょりじょりしている顎を撫でると、エドガーが目を瞑って「うぅぅ…恥ずかしい」と呻いた。なんだよこの人3日風呂に入ってない天使?だ…抱きたい…。
「ねえエドガー、お仕事忙しい?」
「そうだね…あともう少しなんだけど、まあ、忙しいかな」
「えっちしたいな…」
「ブッ…!」
「時間ない…?」
「いや、ある。あります」
「はは。なんで敬語」
「少し待っててくれるかい?シャワー浴びて、歯を磨いて、ひげを剃って、髪を整えてくるから」
「いやめっちゃ気合入れるじゃん」
「当然だろう。僕が君を抱くときに気合を入れなかった時があるかい?」
そう言われてみれば…エドガーっていつも僕とするとき完璧な身なりでしかしたことないな。ていうか何年も一緒に暮らしてるのにエドガーの無精ひげ初めて見たくらいだし。この人ほんと…美意識高い。
「でも、今日はこのエドガーとしたいなあ」
「いやそれは…」
「オスのにおいするエドガーに抱かれたいなあ」
「…どうしたんだい。今日のケーゴはとても…なんというか…たまらないな」
「エドガーおねがい」
「…分かったよ。その代わり、僕としたあと必ず体を洗うんだよ?菌が体内に入ってしまったら大変だから」
「うん」
「…やっぱり歯だけは磨かせてくれないか?」
「だめ」
「はぁ…分かったよ。おいでケーゴ」
「ん」
「大丈夫。邪魔はしない。顔を見るだけ。ぎゅってしてもらってすぐ部屋を出る。うん。よし、入るぞ」
おそるおそるドアノブを回した。ゆっくりドアを開くと、パソコンに向かっているエドガーの後ろ姿が見えた。デスクの上には栄養ゼリー飲料とバナナが置いてある。…あと、僕の写真を入れた写真たてが8つほど…。き、きもちわるい…。
「エ…エドガー…」
「?!」
ビクっとしてエドガーが振り返った。僕の姿を見るやいなや、慌ててまた僕に背中を向けてしまう。え、なんで…?
「ケーゴ?!どうしたんだい急に!」
「ごめん…迷惑だったよね…」
「ちがう!嬉しいよ!」
「じゃあどうしてこっち見てくれないの…?」
僕が部屋に入ろうとしたら、「ちょっと待って!入らないで!」と言われてさらに傷ついた。
「…部屋に戻る。お仕事がんばってね」
「え?なにか僕に用があったんじゃないのかい?」
「寝れなかったから来ただけ」
「眠れないの?どうして?」
「…ひとりぼっち、さみしいから」
「ケーゴ…!」
この会話の間もずっとエドガーは背を向けたままだ。僕はブスッとして不機嫌な声を出してしまった。
「ねえ、さっきからなんでこっち見てくれないの?」
「あっ…いや…」
「それに部屋に入るななんて言うし…傷つく」
「ごめん!そんなつもりじゃなかったんだ!ほら、僕、ずっと仕事してて…その、シャワー浴びてないだろう?鏡もここ数日見ていないんだ。きっとこの部屋におうし…僕の顔もきっとひどいから、ケーゴに見られたくなくて…」
は…?はぁぁぁぁ?!なにその可愛い理由!!美意識高い彼女かよ!!たまらなくなった僕はずかずかと部屋の中に入ってエドガーに後ろから抱きついた。確かにいつものエドガーの爽やかなにおいじゃない…男のにおいがする…けど、それはそれでいいんですけど!!!
「ちょっと!!ケーゴ…!そんな近づかないでくれ!こら!においを嗅がないでくれ!!」
「このにおいのエドガーもすき」
「ケ…ケーゴぉ…!」
「ちゃんと顔も見せてよ」
「うぅ…」
エドガーの両頬をもってこっちを向かせる。いつもツルツルのエドガーが、無精ひげを生やしている。エドガーは恥ずかしそうに僕から目を逸らせた。か…かわいい…!!僕は思わずエドガーにキスをした。
「んっ…こら、ケーゴ!僕、恥ずかしながら歯も磨いてないんだよ!汚いからやめてくれ」
「かわいい…」
「ケーゴ…?」
「恥ずかしがってるエドガーかわいい!!」
「んっ!」
嫌がってるエドガーに無理矢理唇を重ねて舌を入れた。はじめは僕を離そうと腕に力を入れてたけど、途中からエドガーの目がとろんとして舌を絡めてきた。拒絶していた腕もいつのまにか僕の体を抱き寄せている。長いキスのあと唇を離すと、エドガーが口元を手で覆って顔を真っ赤にした。
「もう…やめてくれよケーゴ…」
「かわいい…無精ひげかわいいよエドガー」
じょりじょりしている顎を撫でると、エドガーが目を瞑って「うぅぅ…恥ずかしい」と呻いた。なんだよこの人3日風呂に入ってない天使?だ…抱きたい…。
「ねえエドガー、お仕事忙しい?」
「そうだね…あともう少しなんだけど、まあ、忙しいかな」
「えっちしたいな…」
「ブッ…!」
「時間ない…?」
「いや、ある。あります」
「はは。なんで敬語」
「少し待っててくれるかい?シャワー浴びて、歯を磨いて、ひげを剃って、髪を整えてくるから」
「いやめっちゃ気合入れるじゃん」
「当然だろう。僕が君を抱くときに気合を入れなかった時があるかい?」
そう言われてみれば…エドガーっていつも僕とするとき完璧な身なりでしかしたことないな。ていうか何年も一緒に暮らしてるのにエドガーの無精ひげ初めて見たくらいだし。この人ほんと…美意識高い。
「でも、今日はこのエドガーとしたいなあ」
「いやそれは…」
「オスのにおいするエドガーに抱かれたいなあ」
「…どうしたんだい。今日のケーゴはとても…なんというか…たまらないな」
「エドガーおねがい」
「…分かったよ。その代わり、僕としたあと必ず体を洗うんだよ?菌が体内に入ってしまったら大変だから」
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