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6.Ω専門の病院

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 電話をかけたのは本命Ωを持った同僚の番号。
 三コール目にして電話を取った相手に「遅い」と冗談を言いながら昊は直ぐに本題へとはいる。

 冗談を交じえながら少し談笑した後直ぐに別の所へと電話をかける。


「·····ぅし。じゃあ行くか」

 行くってどこに? 


「病院にきまってんだろ?」


「····え?」





-------




 知りもしない昊に連れられて連れてこられた場所は繁華街にある地下に繋がる小さな診療所。

「ここ、本当はヤクザ専門の病院」

「え゛!?」

 抗争等で怪我をして普通の病院に行けば警察を呼ばれてしまう為、それ専用のモグリの医者がいる。

 しかし、同時にΩについても詳しいらしく、飲み屋や風俗で働くΩの子達も度々ここを受診して世話になっている。

 待合室で待っていると態度の悪い看護師に呼ばれた。

 少年の名前は【篠原洋しのはらよう】と言うらしい。

 高校二年の夏に同級生のαに抑制剤を奪われ無理やり項を噛まれた。

「稀に極度のストレスで体質が変わって薬が効かなくなる事があるね」

 モグリの医師はそう説明した後に洋に合わせた抑制剤の処方をしてくれた。

「薬が無くなって来たら早めに受診してください」

 受け付けに言われて支払いをする。

「いや、何で····」

「連れてきたの俺だし払わせてよ」

 だからと言って見ず知らずの人に払ってもらう義理はない。
 そう言うと····

「俺らもう見ず知らずの関係じゃなくね?」

「···········」

 事故だとしてもそう言う関係になってしまった二人だ。
 行きずりの関係···と、言うのには少し違う。

「腹減ってね?なんか食おうぜ」

 昊は洋の腕を引き、繁華街を歩く。



 連れていかれたのは個人でやってるラーメン屋。

「大将!ラーメン二つ」

「あいよ!···弟さん?」

「まぁ、そんなところ」

 店に入るなりここの亭主と親しげに話す昊に洋はぼやっと眺める。
 早く席に着くように促され、急いで席に座った。

「今日は休み?」

「そそっ。たまにはリフレッシュしねぇとやってられねぇよ」

「人気者は大変だからなぁ」

 話を聞けば昊はホストクラブの売れっ子だと言う。

「No.1じゃねぇんだ」

「ははっ。やかましいわ」

 そのうち一番になってやると豪語するが洋にとってはどうでもいい話だった。

 それよりもだ。

「どうしてアンタ「昊な」····昊さんは···」



 当てられてしまったのか。



 番解消されたΩはヒートが来てもそのフェロモンが出ないはず。

「····それさぁ」

 昊は「あくまで仮説」だと言う。
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