夏やすみ 姉妹奇談

tomonoshin

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姉妹奇談 幼少期その1

姉妹奇談 幼少期

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 何歳の頃かは覚えていないが、家族でフェリーに乗り旅行へいった。
 私は椅子にじっとしてるのに直ぐに飽きてしまい、海がみたいと騒ぎ始めた。仕方ないなぁと、父が私と姉を甲板に連れていってくれた。
 潮風を浴びて海を眺めながらはしゃいだ。
 すると父が写真を撮るから二人で並んでごらんと、カメラを構えた。姉は写真を撮られるのがあまり好きではなく、とったのはそれ一枚。
 その後は私だけ撮るよとまたカメラを構えた。
どこから来たのか私と同じくらいの女の子があらわれて一緒に撮ってと腕にしがみついてきた。
 いつのまに?不思議に思ったが周りには大人の人はいっぱいいたし、人懐こい女の子なんだなとそのまま写真を撮った。

 さぁもう着くから下に降りよう、三人でフェリーの中に戻った。

 目的地に着き、降りたときその子の姿は見当たらず、同じくらいの女の子は私だけだった。

 何年か後に見返した写真には一枚だけその子と写したものがある。

 父は、「友だけしか撮っていないよ」と今でもそう言っている。

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